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個人事業主の電子帳簿保存法対応|やるべきことと最低限の準備を解説

個人事業主・フリーランスの電子帳簿保存法対応を、最低限やるべきことに絞って解説。電子取引データの保存要件、タイムスタンプや事務処理規程での真実性確保、検索要件の免除条件まで実務目線で紹介。

電子帳簿保存法 個人事業主でも対応が必要って本当?会社の話だと思っていた」 「フリーランスの自分が、いったい何から手をつければいいの?」

そう感じている方は多いはずです。電子帳簿保存法(以下「電帳法」)は大企業向けの難しい制度というイメージが先行しがちですが、実は個人事業主・フリーランスもしっかり対象です。一方で、規模が小さい事業者には負担を抑える緩和措置も用意されています。

この記事では、個人事業主が電帳法対応で最低限やるべきことに絞って、実務目線で解説します。難しい条文の暗記は不要です。読み終わるころには、「自分は何を、どこまでやればいいか」がはっきり見えるはずです。

📌 本記事は、国税庁公表資料(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】等)をもとに、弁護士監修で執筆しています。最終的な判断は、所轄税務署または税理士・弁護士にご確認ください。

この記事の結論(先に要点だけ)

  • 個人事業主・フリーランスも、メール添付PDFの請求書や電子契約など電子取引があれば電帳法の対象
  • 電子で受け取ったデータは、紙に印刷するだけでなく電子データのまま保存する義務がある
  • 最低限やることは「①電子データを残す ②真実性を確保する ③探せる状態にする」の3つ
  • 真実性はタイムスタンプまたは訂正・削除の事務処理規程で確保できる(規程は無料サンプルあり)
  • 基準期間の売上高が5,000万円以下なら、検索要件が免除される。多くの個人事業主が対象

目次

  1. 個人事業主も電帳法の対象なのか
  2. 自分の「電子取引」を見つける
  3. 最低限やるべきこと3つ
  4. やること①電子データをそのまま残す
  5. やること②真実性を確保する
  6. やること③探せる状態にする(検索要件と免除)
  7. ムリのない保存運用の作り方
  8. 電子契約サービスで丸ごと自動化する
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ:小さく始めて、習慣にする

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1. 個人事業主も電帳法の対象なのか

電子契約の法的有効性のイメージ

結論から言うと、個人事業主・フリーランスも電帳法の対象です

電帳法のうち、電子取引データ保存のルールは、所得税・法人税の保存義務者すべてに適用されます。法人だけでなく、事業所得があって確定申告をする個人事業主も、ここに含まれます。「会社じゃないから関係ない」は通用しません。

ただし、対象になるのは電子取引を行っている場合です。逆に言えば、「電子で受け取ったり送ったりした取引データが1件もない」という事業者は対象外です。とはいえ、いまの時代、請求書や契約書をまったく電子でやり取りしていない事業者はほとんどいません。

そして個人事業主にとっての朗報は、規模が小さい事業者ほど負担を抑える緩和措置が手厚く用意されている点です。本記事では、この緩和を最大限に活かして「最低限の手間」で対応する方法に焦点を当てます。


2. 自分の「電子取引」を見つける

対応の第一歩は、「自分はどんな電子取引をしているか」を把握することです。電子取引とは、取引情報を電子的にやり取りすることを指します。個人事業主によくあるのは、次のようなものです。

よくある場面 電子取引に該当するか
クライアントからメールにPDFの請求書が届く 該当する
自分が作った請求書をPDFでメール送信する 該当する
電子契約サービスで業務委託契約を結ぶ 該当する
クラウドソーシングの支払調書をダウンロードする 該当する
ネット通販の領収書をサイトからダウンロードする 該当する
紙の領収書を手渡しでもらう 該当しない(紙のまま保存)

ここで押さえたいのは、「もらったもの」だけでなく「自分が送ったもの」も対象になるという点です。自分が発行してメール送信した請求書のPDFも、控えとして電子データのまま保存する必要があります。

まずは1〜2分でいいので、自分の取引を頭の中で棚卸ししてみてください。「思ったより電子でやり取りしている」と気づくはずです。


3. 最低限やるべきこと3つ

電帳法対応と聞くと身構えてしまいますが、個人事業主がやるべきことは、突き詰めると次の3つだけです。

  1. 電子データをそのまま残す — 印刷だけで満足せず、データを保存する
  2. 真実性を確保する — 改ざんされていないことを担保する仕組みを用意する
  3. 探せる状態にする — 必要なときにすぐ取り出せるようにする

この3つを順番にクリアしていけば、対応は完了します。次章から、それぞれを具体的に見ていきます。先に全体像を頭に入れておくと、各論で迷いません。


4. やること①電子データをそのまま残す

最初の、そして最も大事な一歩が「電子で受け取った(送った)データを、電子データのまま保存する」ことです。

電帳法では、電子取引データを紙に印刷して保存するだけでは不十分とされています。2022年1月の改正で電子保存が義務化され、2年間の宥恕措置を経て2024年1月から本格適用されているためです。

つまり、これまで「メールで届いた請求書を印刷してファイルに綴じる」だけで済ませていた方は、これからは元のPDFデータも残しておく必要があります。

  • メール添付のPDFは、ダウンロードして専用フォルダに保存する
  • 自分が送った請求書PDFも、控えフォルダに残しておく
  • サイトからダウンロードする領収書は、その都度保存する習慣をつける

特別なソフトは不要です。まずは「印刷したら満足」をやめて、「データも必ず残す」という意識に切り替えるところからです。


5. やること②真実性を確保する

2つ目が真実性の確保、つまり「保存したデータが後から改ざんされていないこと」を担保する仕組みです。個人事業主にとっては、ここが少し悩みどころに見えますが、選択肢はシンプルです。

真実性の確保は、次のいずれか1つを満たせば足ります。

方法 個人事業主にとっての現実性
(1)タイムスタンプ付きデータを受領する 相手の対応が前提なので自分では選びにくい
(2)受領後、速やかにタイムスタンプを付与する タイムスタンプ機能のあるサービスが必要
(3)訂正・削除の履歴が残るシステムを使う クラウドサービス等を使うなら有力
(4)訂正・削除を防止する事務処理規程を備える コストゼロで実現できる定番

個人事業主の定番は「事務処理規程」

費用をかけたくない個人事業主に最も現実的なのが、(4)の事務処理規程です。これは「保存したデータを勝手に訂正・削除しません。修正が必要なときはこういう手順を踏みます」というルールを文書で定め、それに沿って運用する方法です。

ありがたいことに、国税庁のサイトに事務処理規程のサンプルが公開されています。これをダウンロードして、屋号や氏名など自分の事業に合わせて整えるだけで完成します。一から作る必要はありません。

一方、タイムスタンプ機能を備えた電子契約サービスやクラウドツールを使えば、(2)や(3)が自動的に満たされ、規程の運用自体が不要になります。手間と費用のどちらを取るかで選びましょう。


6. やること③探せる状態にする(検索要件と免除)

3つ目が可視性の確保、なかでも「探せる状態にする」検索要件です。本来は、保存したデータを次の3項目で検索できるようにする必要があります。

  • 取引年月日
  • 取引金額
  • 取引先

ただし、ここが個人事業主にとって最大の救済ポイントです。

多くの個人事業主は検索要件が「免除」される

基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査の際に電子データのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索機能の確保がすべて不要になります。

ここでいう基準期間とは、個人事業主の場合、電子取引が行われた年の前々年(2年前)の1月1日から12月31日までを指します。つまり「2年前の売上が5,000万円以下かどうか」で判定します。フリーランスや小規模事業者の多くは、この基準に余裕で収まるはずです。

さらに、電子取引データを出力した書面を、取引年月日その他の日付および取引先ごとに整理された状態で提示・提出できるようにしている場合も、検索要件は不要になります。

結局、最低限なにをすればいい?

検索要件が免除される個人事業主の「最低ライン」は、突き詰めるとこうなります。

電子データをきちんと保存し、税務調査でデータの提出を求められたら応じられる状態にしておく。真実性は事務処理規程で確保する。

検索システムをわざわざ用意する必要はありません。これなら、追加コストをほとんどかけずに対応できます。


7. ムリのない保存運用の作り方

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「やることは分かったけれど、毎日続けられるか不安」——これが本音だと思います。続けられる運用にするコツは、仕組みをシンプルにすることです。

フォルダとファイル名のルールを決める

検索要件が免除される場合でも、自分が探しやすいように整理しておくと、確定申告も税務調査も格段に楽になります。おすすめは、フォルダとファイル名に最低限のルールを設けることです。

  • 年度ごとにフォルダを分ける(例:2026_電子取引)
  • ファイル名に「日付・取引先・金額」を入れる(例:20260518_株式会社A_55000.pdf)

この命名にしておけば、結果的に検索要件の3項目をファイル名でカバーでき、後から見返すときも一目瞭然です。免除対象であっても、この一手間が将来の自分を助けます。

バックアップも忘れずに

電子データは、保存先が壊れると一気に失われます。クラウドストレージに保存する、外付けドライブにコピーするなど、二重に持っておくと安心です。電帳法の保存期間は原則7年間と長いため、長期保存に耐える置き場所を選びましょう。

「ためない」のがいちばんのコツ

最大の失敗パターンは、データを「あとでまとめて整理しよう」とためてしまうことです。請求書が届いたその場で、決めたフォルダに、決めた命名で保存する——この習慣だけで、対応の9割は終わります。


8. 電子契約サービスで丸ごと自動化する

ここまで手作業の方法を紹介してきましたが、契約書に関しては、電子契約サービスを使うと一気に楽になります。真実性も検索性も、サービス側が自動で満たしてくれるからです。

電帳法の要件 電子契約サービスでの対応
真実性(タイムスタンプ) 締結時に自動付与
真実性(訂正・削除履歴) 操作ログとして自動記録
可視性(見読可能性) 画面表示・PDF出力に対応
検索(取引年月日・金額・取引先) 属性検索に標準対応

個人事業主にとってのメリットは、事務処理規程の運用やファイル整理から解放される点です。契約書はサービス内に締結履歴ごと残るため、「どこに保存したか」を悩む必要がありません。

しかも、契約締結そのものが郵送いらずで完結するため、取引先とのやり取りも速くなります。電帳法対応と業務効率化を、同時に手に入れられるわけです。月数件レベルの利用なら、無料プランの範囲で十分カバーできるケースも多いでしょう。

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9. よくある質問(FAQ)

Q1. 売上が少ないフリーランスでも、電帳法に対応しないといけませんか?

A. はい。電子取引を行っていれば、売上の多少にかかわらず電子データ保存の義務があります。ただし基準期間の売上高が5,000万円以下なら検索要件が免除されるため、対応の負担は大きく軽くなります。

Q2. メールで届いた請求書は、印刷して保管すればOKですか?

A. 印刷だけでは不十分です。元のPDFデータを電子のまま保存する必要があります。印刷は補助的なものと考え、データ保存を必ずセットで行ってください。

Q3. 事務処理規程は、どこで手に入りますか?

A. 国税庁のサイトにサンプル規程が公開されています。これをダウンロードして、屋号・氏名などを自分の事業に合わせて修正すれば完成します。一から作る必要はありません。

Q4. タイムスタンプは必ず付けないといけませんか?

A. いいえ。真実性の確保はタイムスタンプ以外の方法でも構いません。個人事業主の場合、訂正・削除を防止する事務処理規程を備える方法を選べば、タイムスタンプなしでも要件を満たせます。

Q5. 基準期間の「5,000万円以下」は、いつの売上で判定しますか?

A. 個人事業主の場合、電子取引が行われた年の前々年(2年前)の1月1日から12月31日までの売上高で判定します。なお、具体的な該当可否は所轄税務署または税理士にご確認ください。

Q6. 保存したデータは何年間とっておく必要がありますか?

A. 原則として帳簿書類は7年間の保存が必要です。長期にわたるため、消えにくい保存先を選び、バックアップも用意しておくと安心です。

Q7. 紙でもらった領収書はどう保存すればよいですか?

A. 紙で受け取ったものは、紙のまま保存して問題ありません。電帳法で電子保存が義務づけられているのは、あくまで電子でやり取りしたデータです。スキャナ保存制度を使って電子化することもできますが、これは任意です。


10. まとめ:小さく始めて、習慣にする

ここまで、個人事業主の電子帳簿保存法対応を、最低限やるべきことに絞って解説してきました。要点を整理します。

  • 個人事業主・フリーランスも、電子取引があれば電帳法の対象になる
  • やることは「①データを残す ②真実性を確保する ③探せる状態にする」の3つだけ
  • 真実性は、無料の事務処理規程で確保できる
  • 基準期間の売上高が5,000万円以下なら、検索要件は免除される
  • 契約書は電子契約サービスを使えば、要件を丸ごと自動で満たせる

電帳法対応は、最初の印象ほど大変ではありません。むしろ「電子で受け取ったものは、決めたフォルダにすぐ保存する」という習慣を作ってしまえば、日々の負担はほとんどゼロになります。

そして、契約書まわりだけでも電子契約サービスに任せてしまえば、対応の悩みは一段と軽くなります。完璧を目指して身構えるより、今日の1件をきちんと保存することから始めましょう。


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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法律相談に代わるものではありません。具体的な対応方針については、所轄税務署・税理士・弁護士等の専門家にご確認ください。年次・要件の記載は執筆時点(2026年5月)のものです。最新情報は国税庁公表資料をご参照ください。

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