このページの目次
- スマホの個人売買に契約書は必要?
- スマホの個人売買の流れ(全体像)
- 売買契約書の書き方 — 端末を特定する項目
- ネットワーク利用制限(赤ロム)とは
- 引渡し前の初期化・アカウント解除チェックリスト
- 現状有姿と契約不適合責任
- よくあるトラブルと予防策
- よくある質問(FAQ)と関連情報
1. スマホの個人売買に契約書は必要?
法律上、スマートフォンやタブレットの売買は口約束でも成立するとされています。書面がなければ無効、ということはありません。それでも個人売買で契約書が作られるのは、あとから「言った・言わない」で食い違ったときに、決めた内容を示すものが何も残らないためです。
中古端末は、販売店を通す取引であれば、保証の範囲・返品の条件・端末の状態が書面で示されます。個人同士の取引では、この一式がまるごと省かれます。省かれた結果として起きやすいのが、次の4つです。
| よくあるトラブル | 何が問題になるか | 契約書で書いておく項目 |
|---|---|---|
| 引渡し後に通信が使えなくなった | 利用制限の確認状況を、どちらも記録していない | ネットワーク利用制限についての表明 |
| どの端末の話か分からなくなる | 機種名だけで、個体を特定する番号が残っていない | 目的物の表示(機種名・IMEI・容量) |
| バッテリーの状態で揉める | 引渡し時点の状態を書き残していない | 目的物の表示(バッテリー最大容量)・告知事項 |
| 代金を払ったのに届かない | 支払期日と引渡日を特定していない | 代金の支払・引渡しの条項 |
いずれも、取引の前に一度決めて書き残しておけば済む内容です。契約書は、相手を疑うための書面ではなく、二人が同じ理解でいることを確かめるための書面だと説明されることが多いです。
このページのツールは、5つのステップに答えるだけで、この4項目をすべて含んだ売買契約書を作れます。
2. スマホの個人売買の流れ(全体像)
個人売買は、一般に次の5段階で進みます。
- 端末の状態を確認する — 機種名・容量・IMEI・バッテリーの状態、外装の傷、動作の不具合を確認します。ネットワーク利用制限の状況もこの段階で確認されることが多いです。
- 条件を決める — 価格、支払方法、引渡しの方法(配送か手渡しか)、いつまでに支払い、いつ引き渡すかを決めます。
- 契約書を作って取り交わす — 決めた条件を書面にします。双方が署名した書面が1通ずつ(または電子データとして)残る形にします。
- 代金の支払いと引渡し — 一般には、支払いの確認と引渡しの順序をあらかじめ決めておくと行き違いが起きにくいとされています。
- 引渡し後の確認 — 買主が動作を確認します。契約書に告知事項を書いておくと、確認の基準がはっきりします。
フリマアプリやオークションサイトの中で完結する取引には、各サービスの規約と補償の仕組みがあります。サービス内の取引を外部の直接取引に切り替えることを勧めるものではありません。規約の内容は各サービスにご確認ください。
3. 売買契約書の書き方 — 端末を特定する項目
売買契約書の中心は「どの端末を、いくらで、いつ、どのように受け渡すか」です。スマートフォンの場合、同じ機種名の端末が世の中に何十万台とあるため、個体を特定できる項目を書いておくことが特に重要とされています。
目的物の表示に書く項目
| 項目 | 何を書くか | 補足 |
|---|---|---|
| 機種名・モデル | 世代・モデル名まで | 設定画面や外箱で確認できます |
| 容量 | 64GB / 128GB など | 同じ機種でも容量で価格が変わります |
| カラー | 本体色 | |
| IMEI番号 | 15桁の番号 | 端末1台ごとに割り当てられます |
| バッテリー最大容量 | 設定画面に表示される値 | 表示のない機種もあります |
| SIMロックの状態 | 解除済み/あり/不明 | 使える回線に関わります |
IMEI(アイエムイーアイ)は、端末1台ごとに割り当てられた15桁の識別番号です。設定画面のほか、本体の表示や外箱で確認できます。IMEIを書面に書いておくと、「引き渡した端末」と「受け取った端末」が同じものであることを、あとから確かめられます。
契約書に入れておく条項
- 売買代金と支払期日・支払方法
- 引渡しの日と方法(配送の場合は届け先と送料の負担)
- 付属品(外箱・充電器・ケーブル・SIMピンなど)
- 所有権の移転と危険負担(引渡し前後で、破損の負担がどちらに移るか)
- ネットワーク利用制限についての表明
- 契約不適合責任(引渡し後の不具合について、売主がどこまで責任を負うか)
- 告知事項(売主が伝えておくこと)
4. ネットワーク利用制限(赤ロム)とは
ネットワーク利用制限は、端末の分割代金が支払われなくなった場合などに、通信会社がその端末での通信の利用を制限する仕組みとされています。中古端末の取引では、制限がかかった端末が「赤ロム」と呼ばれることがあります。
制限の状況は、各通信会社が公開している確認ページで、IMEIを入力して調べられるのが一般的です。表示のしかたや記号の意味は会社ごとに異なるため、確認の方法と表示の意味は各通信会社にご確認ください。
ここで大事なのは、次の2点です。
- 制限の有無は時点の情報であり、契約時点で制限がなくても、その後の事情で状況が変わることがあるとされています
- したがって、契約書に書けるのは「制限がかからないという保証」ではなく、確認したかどうか、確認した時点でどうだったかという表明です
このページのツールでは、STEP2で「確認済み・制限なし」「未確認」のどちらかを選ぶと、選んだ内容に応じた表明の条項が書面に入ります。判定をするものではなく、双方の認識を書面に残すためのものです。
なお、端末の分割代金が残っている場合の取り扱いは、契約している通信会社との契約内容によります。詳細は各通信会社にご確認ください。
5. 引渡し前の初期化・アカウント解除チェックリスト
引渡しの前に済ませておくことが一般的とされている作業です。手順は機種・OSのバージョンによって変わるため、各サービスの案内をご確認ください。
- 各種アカウントのサインアウト・端末の紐づけ解除(iCloud・Googleアカウントなど)。解除しないまま初期化すると、次の持ち主が使えない状態になることがあるとされています
- おサイフケータイ・電子マネーの残高の移行または削除
- SIMカード・SDカードの取り出し
- 端末の初期化(工場出荷状態に戻す)
- 通信会社の契約や補償サービスの取り扱いの確認
買主側では、受け取ったあとに動作の確認をするのが一般的です。契約書の告知事項に、傷や不具合、バッテリーの状態を具体的に書いておくと、「聞いていた状態と違う」という食い違いが起きにくくなります。
6. 現状有姿と契約不適合責任
中古品の個人売買では、現状のまま引き渡し、引渡し後に判明した不具合について売主が責任を負わない「現状有姿・免責」の取り扱いが広く用いられているとされています。
一方で、免責としても、売主が知りながら買主に告げなかった不具合については別問題となり得るとされています。だからこそ、知っている不具合は告知事項に書いておくことが、売主にとっても意味を持ちます。
このページのツールでは、次の2つから選べます。
| 選択肢 | 書面に入る内容 |
|---|---|
| 現状有姿・免責 | 中古品であることを了承のうえ現状有姿で買い受ける旨と、引渡し後の契約不適合について売主が責任を負わない旨(売主が知りながら告げなかった事実を除く) |
| 一定期間は売主が責任を負う | 引渡日から決めた期間に限り、売主が契約不適合の責任を負う旨 |
期間の長さに決まりはなく、当事者が自由に定められるとされています。
7. よくあるトラブルと予防策
| 起きること | 予防のために書いておくこと |
|---|---|
| 届いた端末が説明と違う | 目的物の表示(機種名・容量・カラー・IMEI)を具体的に書く |
| 通信が使えなくなった | ネットワーク利用制限の確認状況を表明として残す |
| 前の持ち主のアカウントが残っていた | 引渡し前の初期化・紐づけ解除を告知事項や特記事項で確認しておく |
| 付属品が足りない | 付属品の条項でチェックした内容を書面に残す |
| 送料の負担で揉める | 引渡しの条項で配送費用の負担を決めておく |
| 支払いと引渡しの順序で揉める | 支払期日と引渡日を書面で決めておく |
すでに相手方との間に紛争がある場合は、本ツールではなく弁護士等の専門家にご相談ください。本ページは一般的な情報提供であり、個別の事案についての助言ではありません。
8. よくある質問(FAQ)と関連情報
このページ下部のFAQに、よく寄せられる質問をまとめています。書面ができたら、そのまま相手に送って署名してもらうこともできます。相手はアカウント登録なしで、スマホから署名できます。