このページの目次
- 個人売買に契約書は必要?
- 車・バイクの個人売買の流れ(全体像)
- 売買契約書の書き方 — 必ず入れる項目
- 名義変更の手続きと期限 — 車・トラック・バイクで窓口が違う
- 自動車税・自賠責・リサイクル料の精算
- 現状有姿と契約不適合責任
- よくあるトラブルと予防策
- よくある質問(FAQ)と関連情報
1. 個人売買に契約書は必要?
法律上、車やバイクの売買は口約束でも成立するとされています。書面がなければ無効、ということはありません。それでも個人売買で契約書が作られるのは、あとから「言った・言わない」で食い違ったときに、決めた内容を示すものが何も残らないためです。
販売店を通す取引では、注文書・契約書・重要事項の説明といった書面が必ず用意されます。個人同士の取引では、この一式がまるごと省かれることが少なくありません。省かれた結果として起きやすいのが、次の4つです。
| よくあるトラブル | 何が問題になるか | 契約書で書いておく項目 |
|---|---|---|
| 代金を払ったのに納車されない | いつ・どこで引き渡すと決めたのかが残っていない | 引渡日・引渡場所・引渡方法 |
| 引き渡したのに代金が支払われない | 支払期日と支払方法が特定されていない | 売買代金・支払期日・支払方法 |
| 引渡し後に故障が見つかって揉める | どこまで売主が責任を負うと決めたのかが不明 | 契約不適合責任・告知事項 |
| 名義変更されず税金や違反の通知が来る | 誰がいつまでに手続きするか決めていない | 名義変更の実施者・期限・協力義務 |
いずれも、取引の前に一度決めて書き残しておけば済む内容です。契約書は、相手を疑うための書面ではなく、二人が同じ理解でいることを確かめるための書面だと説明されることが多いようです。
このページのツールは、上部の5つのステップに答えるだけで、この4項目をすべて含んだ売買契約書を作れます。車両の区分(普通車・軽自動車・トラック・バイク)に合わせて、入力する項目と書面の表題が自動で切り替わります。
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2. 車・バイクの個人売買の流れ(全体像)
個人売買は、一般に次の5段階で進みます。トラック・軽トラなどの商用車でも、バイクでも、流れそのものは同じです。
① 条件を決める
車両・金額・引渡しの時期と場所・名義変更を誰が行うかを話し合います。この段階で決めたことが、そのまま契約書の中身になります。
② 契約書を作って取り交わす
決めた条件を書面にします。売主・買主の双方が署名(または記名押印)するのが一般的です。遠方の相手とは、郵送で往復するか、電子契約で取り交わす方法があります。
③ 代金を支払う
一括で支払う場合と、契約時に手付金を支払って残りを後から支払う場合があります。振込みで支払うと明細に記録が残るため、支払った事実の証拠になるとされています。
④ 車両を引き渡す
決めた日・場所で引き渡します。遠方の相手には陸送(配送)を使うこともあり、その費用を誰が負担するかは当事者が自由に決められます。代金の全額支払いと引渡しが済んだ時点で所有権が移ると定めておくのが一般的です。
⑤ 名義変更(移転登録)をする
車両を渡して終わり、ではありません。名義変更が済むまでは、税や違反の通知が売主に届き続けることがあります。詳しくは4章で説明します。
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3. 売買契約書の書き方 — 必ず入れる項目
売買契約書に決まった書式はありません。手書きでもパソコンで作っても構わないとされています。ただし、次の項目が抜けていると「何を」「いくらで」「いつ」売買したのかが特定できず、書面の意味が薄くなると一般に言われています。
① 当事者(売主・買主)
氏名と住所を、本人確認書類の記載どおりに書きます。個人売買では相手方をあとから確認しにくくなることがあるため、正確に記載しておくことが大切だとされています。
② 目的物の表示 — 車台番号が中心
売買契約書のなかで、もっとも重要な項目が車台番号です。ナンバーは名義変更や転居で変わりますが、車台番号は車両1台ごとに割り当てられ、変わりません。次の項目を書面に表で記載するのが一般的です。
| 項目 | どこに書いてあるか |
|---|---|
| 車名・グレード | 車検証(自動車検査証) |
| 登録番号/車両番号/標識番号 | ナンバープレート・車検証 |
| 車台番号 | 車検証 |
| 初度登録年月 | 車検証 |
| 走行距離 | メーターの表示値 |
| 車検満了日 | 車検証(車検のある車両のみ) |
| 最大積載量 | 車検証(貨物自動車のみ) |
125cc以下の原動機付自転車には車検の制度がなく、ナンバーは市区町村が交付する「標識番号」と呼ばれます。区分によって呼び名と記載項目が変わるため、本ツールでは選んだ区分に合わせて入力欄と書面のラベルを切り替えています。
③ 売買代金と支払方法
金額は、改ざんを防ぐため「金五拾万円也」のような大字(だいじ)と算用数字を併記するのが一般的です。本ツールでは入力された金額から自動で併記します。支払期日と、振込みか現金かの方法も書きます。
なお、車両の価格については本ページでは目安を示していません。年式・走行距離・状態によって大きく変わり、断定的に書けるものではないためです。
④ 手付金(定める場合)
手付金は、契約が成立したことのしるしとして買主から売主へ渡される金銭とされています。手付金を定めると、一般に「買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返して契約を解除できる」という条項(手付解除)を書面に入れます。ただし、相手方が契約の履行に着手した後は解除できないとされています。金額に決まりはありません。
⑤ 引渡し(日・場所・方法)
いつ・どこで・どうやって引き渡すかを書きます。配送(陸送)を使う場合は、費用を誰が負担するかも決めておきます。
⑥ 所有権の移転と危険負担
「代金の全額支払いと引渡しが済んだ時に所有権が移る」と定めるのが一般的です。あわせて、引渡し前に生じた損傷は売主の負担、引渡し後は買主の負担とする条項(危険負担)を置きます。輸送中や引渡し待ちの間に起きたことの扱いを、あらかじめ決めておくためです。
⑦ 名義変更(実施者・期限・協力義務)
誰がいつまでに手続きするかを書きます。加えて、相手方が手続きするために必要な書類を渡すなどの協力をするという条項を入れておくのが一般的です。
⑧ 契約不適合責任
引渡し後に不具合が見つかったときの扱いです。6章で詳しく説明します。
⑨ 告知事項
売主が知っている不具合や履歴を書きます。7章の予防策の中心になる項目です。
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4. 名義変更の手続きと期限 — 車・トラック・バイクで窓口が違う
期限は「譲渡から15日以内」
一般に、移転登録(名義変更)は譲渡があった日から15日以内に行うものとされています。本ツールでは、引渡日から15日を超える期限を入力しても入力を止めませんが、この目安を画面に表示します。
手続き先は車両の区分で変わる
名義変更の窓口は、車両の区分によって分かれています。
| 車両の区分 | 手続き先 | 手続きの呼び名 |
|---|---|---|
| 普通車(登録自動車) | 運輸支局(自動車検査登録事務所) | 移転登録 |
| 軽自動車・軽トラック | 軽自動車検査協会 | 自動車検査証記入申請 |
| トラック・貨物車(普通貨物) | 運輸支局 | 移転登録 |
| バイク 126cc以上 | 運輸支局 | 移転登録 |
| バイク 125cc以下・原付 | 市区町村の窓口 | 廃車・登録の手続き |
「トラック」は、車両の大きさによって窓口が分かれます。軽トラック等の軽自動車であれば軽自動車検査協会、それ以外の普通貨物であれば運輸支局です。本ツールでは、トラック・商用車を選んだときに両方を案内しています。
必要な書類(譲渡証明書・委任状・印鑑登録証明書など)は、区分と手続きの内容によって変わります。手続きの要件・必要書類の詳細は、運輸支局・軽自動車検査協会・市区町村の窓口にご確認ください。
なお、本ツールは名義変更の期限と手続き先を一般的にご案内するもので、譲渡証明書・委任状などの手続き書類を作成する機能は持っていません。
名義変更がされないとどうなるか
名義が売主のままだと、一般に次のことが起こり得るとされています。
- 翌年度以降の自動車税(種別割)の納税通知書が売主に届き続ける
- 買主が起こした駐車違反・速度違反などの通知が売主に届く
- 事故が起きたときに、所有者としての責任を問われる場面がある
売主にとっても買主にとっても、名義変更まで済ませてはじめて取引が完了する、と考えておくのが一般的です。契約書に実施者と期限を書いておくのは、このためです。
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5. 自動車税・自賠責・リサイクル料の精算
年度の途中で車両を売買すると、売主がすでに支払った税や保険料のうち、買主が乗る期間ぶんをどう扱うかという問題が出てきます。個人売買では、引渡日を基準に月割で精算する取り扱いが広く行われています。精算しない取り扱いも可能で、どちらにするかは当事者が決められます。
| 対象 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 4月1日時点の所有者に1年分が課される。年度途中の売買では、残り月数分を買主が売主に支払う形で精算されることがある |
| 自賠責保険料 | 車検の残期間に応じて掛かっている。残期間分を月割で精算することがある |
| 自動車リサイクル料金 | 廃車時に使われる預託金。すでに預託済みの場合、買主が売主に相当額を支払う形で引き継がれることがある |
二輪車の場合は、自賠責保険料の精算のみが問題になることが一般的です。本ツールでも、バイクの区分を選んだときは自賠責保険料についての条項だけを出しています。
自賠責保険の名義変更や解約の手続きは保険会社の定めによります。課税関係の最終的な確認は税務署に、保険の手続きは保険会社にご確認ください。
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6. 現状有姿と契約不適合責任
2つの決め方
引渡し後に不具合が見つかったときにどうするかは、大きく2通りの決め方があります。
| 現状有姿・免責 | 期間を定める | |
|---|---|---|
| 内容 | 引渡し後に判明した不具合について売主は責任を負わない | 引渡日から一定期間、売主が責任を負う |
| よく使われる場面 | 中古車の個人売買一般 | 年式が新しい・状態がよいことを前提に売買する場合 |
| 買主から見ると | 現状を確認したうえで買う | 一定期間の安心がある |
一般に、中古車の個人売買では現状有姿・免責の取り扱いが広く用いられているとされています。販売店と違い、個人の売主が引渡し後の状態まで保証するのは現実的でないためです。本ツールでも、この方式を既定にしています。
「免責」にしても告知は別問題
ここが誤解されやすい点です。現状有姿・免責としても、売主が知りながら買主に告げなかった事実については別問題となり得るとされています。契約書の条項でも、免責の但し書きとしてこの点を明記するのが一般的です。
つまり、免責にすることと、知っていることを黙っていることは別だ、ということです。事故歴・修復歴・不具合・冠水歴・メーター交換歴など、知っていることは告知事項として書面に残しておくのが、売主にとっても買主にとっても安全だとされています。
本ツールの告知事項欄に入力した内容は、要約や書き換えをせず、そのまま書面に掲載されます。ツールが文章を作り直すことはありません。
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7. よくあるトラブルと予防策
個人売買で定番とされるトラブルは、次の4類型に整理できます。それぞれ、契約書のどの条項で予防できるかを対応づけます。
① 代金を払ったのに納車されない
引渡しの日・場所・方法が決まっていないと、いつまで待てばよいのかが分かりません。引渡条項で日付・場所・方法を特定し、所有権移転の条項で「代金全額の支払いと引渡しが済んだ時に所有権が移る」と定めておきます。
② 引き渡したのに代金が支払われない
支払期日と方法が決まっていないと、催促の根拠がありません。代金支払条項で期日・方法(振込みか現金か)・振込先を特定します。手付金を定める場合は、手付条項もあわせて置きます。
③ 引渡し後に故障が見つかって揉める
「聞いていない」「言ったはずだ」の食い違いです。契約不適合責任の条項でどちらの方式にするかを決め、告知事項に売主が知っていることを書き出しておきます(6章)。
④ 名義変更されず、税金・違反通知が売主に届く
誰がいつまでに手続きするかが決まっていないと、放置されがちです。名義変更条項で実施者と期限を定め、必要書類を渡すなどの協力義務も書いておきます(4章)。
すでにトラブルが起きている場合
本ページは、契約書で事前に備えるための一般的な情報をまとめたものです。すでに相手方との間に紛争が生じている場合や、そのおそれがある場合は、本ツールを利用せず、弁護士等の専門家にご相談ください。本ツールは、交渉や請求の方法を扱うものではありません。
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8. よくある質問(FAQ)と関連情報
このページの下部に、車・バイクの個人売買についてよくある質問をまとめています。契約書なしで売買してしまった場合の扱い、電子契約の有効性、トラック・軽トラの取り扱い、原付の名義変更の窓口、ローン残債のある車両、フリマアプリ経由の取引などを扱っています。
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