このページの目次
- 借用書とは? 金銭消費貸借契約書との違い
- 借用書の書き方 — 必ず入れる6項目
- 利息はいくらまで? 利息制限法の上限
- 遅延損害金の決め方
- 借用書に収入印紙は必要?
- 個人間でお金を貸すときの注意点
- よくある質問(FAQ)
- 関連情報
1. 借用書とは? 金銭消費貸借契約書との違い
借用書とは、お金を借りた人が「たしかにこの条件で借りました」という事実を書き残し、貸した人に差し入れる書面のことです。金銭の貸し借りそのものは、口約束だけでも成立するとされています。それでも書面を作るのは、あとから「言った・言わない」で食い違わないようにするためです。
似た書類に「金銭消費貸借契約書」があります。この2つは、書かれている内容はほとんど同じですが、誰が署名するかが違います。
| 借用書 | 金銭消費貸借契約書 | |
|---|---|---|
| 署名する人 | 借りた人だけ | 貸した人と借りた人の双方 |
| 書面の通数 | 1通(貸した人が保管) | 2通(各自が1通ずつ保管) |
| 位置づけ | 借りた事実を証明する差入れ書面 | 双方の合意を示す契約書 |
| よく使われる場面 | 少額・シンプルな条件のとき | 金額が大きい・条件が細かいとき |
一般に、借用書は借りた人が一方的に差し入れる形式なので、作成の手間が少ないという特徴があります。一方、金銭消費貸借契約書は双方が署名するため、「貸した側もこの条件に同意していた」ことが書面から読み取りやすくなるとされています。分割払い・利息・連帯保証人といった条件が入る場合は、契約書の形式が選ばれることが多いようです。
どちらを選んでも、書かれている条件(金額・返済期日・利息など)が同じであれば、証拠としての価値に本質的な差はないというのが一般的な説明です。書面の名前ではなく、中身が特定できているかどうかが大切だとされています。
なお、金銭の貸し借りに関する契約は、2020年施行の改正民法により、書面でする消費貸借は金銭を実際に渡す前でも成立するとされています。ただし実務では、実際にお金を渡した日を書面に記載しておくことが広く行われています。
このページのツールは、上部で借用書と金銭消費貸借契約書のどちらも作成できます。書類の種類を選ぶだけで、署名欄の構成(借主だけか、貸主・借主の双方か)と前文が自動的に切り替わります。
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2. 借用書の書き方 — 必ず入れる6項目
借用書には決まった書式はありません。手書きでもパソコンで作っても構わないとされています。ただし、次の6項目が抜けていると、何をいくら借りたのかが特定できず、書面の意味が薄くなると一般に言われています。
① 借りた金額(元本)
一番大切な項目です。「金100万円」のように書きます。金額の改ざんを防ぐため、「金壱百万円也」のように大字(だいじ)で書き、算用数字を併記するのが古くからの慣行です。大字とは「一・二・三」を「壱・弐・参」と書く漢数字のことで、線を足して書き換えられないようにするためのものです。
このページのツールでは、入力した金額から大字表記を自動で作り、「金壱百万円也(¥1,000,000)」の形で書面に載せます。
② お金を渡した日(貸付日)
いつ渡したのかを特定する項目です。実務では、書面を作った日ではなく、実際にお金を渡した日を書きます。振込であれば通帳や振込明細に記録が残るため、「渡した事実」の裏づけとしても使われます。
③ 返済の期日と方法
「いつまでに、どうやって返すか」です。一括で返すのか、毎月いくらずつ分割で返すのかを書きます。分割の場合は「毎月◯日限り、金◯円ずつ、◯回に分けて」のように、支払日・金額・回数の3つを特定します。
返済期日を定めていない借用書も無効ではありませんが、この場合、貸した側が相当の期間を定めて返済を求めることになるとされています(民法591条)。行き違いを避けるため、期日を明記しておくのが一般的です。
④ 利息の有無と利率
利息を取るかどうか、取るなら年何%かを書きます。個人間の貸し借りでは、利息を定めなければ無利息とされています(民法589条)。無利息の場合でも「無利息とする」と書いておくと、あとから利息の有無で争いになりにくくなります。利率には法律上の上限があります(第3章)。
⑤ 当事者の氏名・住所
貸した人・借りた人それぞれの氏名と住所を書きます。一般に、本人確認書類の記載どおりに書くとよいとされています。同姓同名の人と区別できるようにするためです。借用書の形式では、貸した人は宛名(「◯◯殿」)として記載します。
⑥ 作成日と署名(記名押印)
書面の末尾に日付を入れ、借りた人が署名します。署名は自筆、記名(印字)の場合は押印を添えるのが一般的な形です。電子契約で交わす場合は、電子署名がこの役割を果たします。
以上に加えて、必要に応じて 連帯保証人・遅延損害金・期限の利益の喪失・合意管轄・振込先口座 などの条項を足します。このページのツールでは、6項目を5つのステップに分けて質問し、任意の条項は「つける/つけない」を選ぶだけで書面に反映します。
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3. 利息はいくらまで? 利息制限法の上限
個人どうしの貸し借りでも、利息を定めることはできます。ただし利息制限法によって上限が決まっており、元本の金額によって3段階に分かれています。
| 元本(貸した金額) | 利息の上限(年率) |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20% |
| 10万円以上 100万円未満 | 年18% |
| 100万円以上 | 年15% |
この上限を超える部分の利息の約束は無効とされています。無効とされた場合、超えて受け取った利息は元本に充当されると扱われるのが一般的です。上限を超えていたからといって、貸し借りそのものが無効になるわけではないとされています。
なお、業として貸付を行う場合には出資法という別の法律の上限(年20%)もあり、これを超えると刑事罰の対象になるとされています。個人が知人にお金を貸す場合は「業として」に当たらないのが通常ですが、繰り返し不特定多数に貸すような場合は貸金業の登録が必要になるとされている点は知っておくとよいでしょう。
利息を定めない場合は無利息です。「貸すけれど利息はいらない」というときは、書面に**「無利息とする」と明記**しておくと、後から利息の有無で食い違いが起きにくくなります。
このページのツールでは、入力された貸付金額から自動で上限を判定し、上限を超える利率が入力された場合はその場でお知らせします(入力を進められません)。上限は元本の区分で変わるため、金額を変えると判定も自動で切り替わります。
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4. 遅延損害金の決め方
遅延損害金とは、返済が期日に遅れたときの損害賠償額をあらかじめ決めておくものです。利息が「借りている間の対価」であるのに対し、遅延損害金は「遅れたことに対するもの」で、性質が違います。
遅延損害金にも上限があり、利息制限法の上限の1.46倍までとされています。
| 元本(貸した金額) | 利息の上限 | 遅延損害金の上限(年率) |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 年20% | 年29.2% |
| 10万円以上 100万円未満 | 年18% | 年26.28% |
| 100万円以上 | 年15% | 年21.9% |
ここで押さえておきたいのは、無利息で貸す場合でも遅延損害金は定められるという点です。「利息はいらないが、期日に遅れたときは別」という取り決めは一般に行われています。
遅延損害金を定めていない場合は、**法定利率(民法404条。2020年4月以降は年3%で、3年ごとに見直される変動制)**による遅延損害金を請求できるとされています。つまり、定めなくてもゼロになるわけではありません。
このページのツールでは、遅延損害金を「定める/定めない」で選べます。定めない場合は、書面に法定利率による旨の条項が自動で入ります。定める場合は、貸付金額に応じた上限を超えないかを自動で判定します。
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5. 借用書に収入印紙は必要?
紙で作成した金銭消費貸借契約書は、印紙税法上の**第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)**に当たるとされ、記載された金額に応じた収入印紙を貼る必要があるとされています。金額別の印紙税額は次のとおりです。
| 記載された契約金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 10万円以下 | 200円 |
| 10万円超 50万円以下 | 400円 |
| 50万円超 100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円超 500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 1万円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 2万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 6万円 |
| 1億円超 5億円以下 | 10万円 |
| 5億円超 10億円以下 | 20万円 |
| 10億円超 50億円以下 | 40万円 |
| 50億円超 | 60万円 |
印紙は、書面を作成した人(課税文書の作成者)が負担するとされています。借用書の形式で借りた人だけが署名する場合は借りた人が、双方が署名する契約書の形式では連帯して負担するとされているのが一般的な整理です。
電子契約の場合は印紙税がかからないとされています
印紙税は「紙の文書を作成した」ことに対してかかる税金です。そのため、電子データを原本として契約を締結し、紙の文書を作成しない場合には、課税文書の「作成」に当たらず印紙税がかからないとされています。この扱いは、国税庁の質疑応答事例などでも同様の考え方が示されています。
ただし注意点があります。同じ契約について紙の原本も作成し、そちらを保管する場合は、紙の側には従来どおり印紙が必要とされています。「PDFで作ったから一律に非課税」ではなく、あくまで電子データを原本とする場合の話です。
印紙税その他の税務に関する記載は一般的な情報提供です。個別の課税関係の最終的な判断は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
なお、印紙を貼っていない場合でも、書面そのものの効力(貸し借りの証明としての価値)には影響しないとされています。印紙税を納めていないことに対しては過怠税という別の問題が生じるとされており、書面の有効・無効とは切り分けて理解されています。
契約金額ごとの印紙税額は、印紙税額の自動計算ツールでも確認できます。
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6. 個人間でお金を貸すときの注意点
口約束のリスク
金銭の貸し借りは口約束でも成立するとされていますが、書面がないと**「渡したのは貸したお金か、あげたお金か」**という点から食い違うことがあります。一般に、贈与だったと主張されると、渡した記録だけでは貸したことの証明として足りない場合があるとされています。書面は、この食い違いを防ぐためのものです。
書面を作るタイミング
一般に、お金を渡す前か、渡すのと同時に作るのが望ましいとされています。渡したあとになると、相手が署名に応じてくれるとは限らないためです。金額・期日・利息といった条件は、お金を渡す前に話し合って決めておくのが通常の流れです。
渡し方は振込が記録に残る
現金の手渡しは記録が残りません。一般に、銀行振込で渡すと、通帳や振込明細に日付・金額・相手が残るため、書面とあわせて渡した事実の裏づけになるとされています。手渡しの場合は、受領した旨を書面に明記しておくのが一般的です。
高額のときは公正証書という選択肢
金額が大きい場合には、公正証書という選択肢があります。公正証書は公証役場で公証人が作成する書面で、「強制執行認諾文言」を入れておくと、返済されなかったときに裁判を経ずに強制執行の手続きに進めるとされています。作成には手数料と当事者の出頭が必要です。
このページのツールでは、貸付金額が300万円を超える場合に、公正証書という選択肢がある旨を一般情報としてお知らせします(入力を制限するものではありません)。
すでに紛争があるときは
返済されない、相手と揉めている、といった段階に入っている場合は、本ツールの対象外です。すでに相手方との間に紛争がある場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。
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7. よくある質問(FAQ)
このページ下部のFAQセクションに、手書き以外での作成、収入印紙と効力の関係、電子契約の有効性、連帯保証人、無利息の場合の書面の要否など、よくいただく質問への一般的な回答をまとめています。
8. 関連情報
- 印紙税額の自動計算ツール — 契約書の種類と金額から印紙税額を計算できます
- 電子印鑑ジェネレーター — 書面に押す印影(丸印・角印)を無料で作成できます
- 手書きサイン作成ツール — 署名用の手書きサイン画像を作成できます
- 電子契約とは — ムスビサインでできること
- 料金プラン — 月3件まで無料で使えます
作った書面を、そのまま相手に送って締結する
このページのツールで作成した書面は、PDFとしてダウンロードするだけでなく、そのままムスビサインで相手に送って署名してもらうことができます。相手はアカウント登録なしで、届いたリンクをスマホで開いて署名するだけです。電子データを原本とする場合、印紙税はかかりません。
締結が完了すると、タイムスタンプ付きのPDFが双方に届き、クラウドに保管されます。月3件までは無料でお使いいただけます。