印紙税額の一覧表|第1号から第20号までの税額と、自分の書類の号の決め方
印紙税額の一覧表を国税庁のタックスアンサーから整理しました。書類の名前から何号文書かを引く表、第1号文書から第20号文書までの税額、不動産譲渡と建設工事請負の軽減措置と令和9年3月31日という期限、記載金額の決め方までまとめています。
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契約書ができあがって、あとは収入印紙を貼るだけ。ところが、いくらのものを貼ればいいのかが分かりません。国税庁の印紙税額の一覧表を開いても、第1号文書から第20号文書までが号の順に並んでいるので、自分の書類がどこにあるのかを探すところで止まります。
先に答えを書きます。広告や機械保守などの請負契約書(第2号文書)なら、契約金額が1万円以上100万円以下で200円、100万円を超え200万円以下で400円、200万円を超え300万円以下で1千円です(建設工事の請負には軽減措置があり、別の表になります)。取引の基本条件を定めた契約書(第7号文書)なら、契約金額にかかわらず1通につき4,000円。領収書(第17号文書)は受取金額5万円未満なら非課税です。
この表を引くには、先に「自分の書類が何号文書か」を決めることになります。金額を1つ入れて答えを1つだけ知りたいときは、印紙税額の自動計算ツールを使ってください。ツールが対応しているのは、請負契約書、建設工事請負契約書、不動産売買・譲渡契約書、領収書、金銭消費貸借契約書、運送契約書、権利・営業などの譲渡契約書の7つです。取引基本契約書や定款のように金額で税額が動かない文書は、この記事の表で引いてください。
この記事の結論
- 印紙税がかかるのは、印紙税法の別表第一に挙げられた20種類の文書だけ。まず自分の書類が何号文書かを決める(国税庁No.7100)
- 何号文書かは書類の標題では決まらない。記載されている文言の実質的な意味で判断する(同)
- 第1号文書と第2号文書は契約金額で税額が変わる。1万円未満は非課税、契約金額の記載のないものは200円(国税庁No.7140)
- 継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)は1通につき4,000円。契約期間が3か月以内で更新の定めのないものは除かれるが、除かれても記載内容によって第1号の4文書や第2号文書に当たることがある(国税庁No.7104)
- 不動産の譲渡と建設工事の請負には軽減措置がある。令和9年3月31日までに作成されるものが対象(国税庁No.7108、租税特別措置法91条)
- 消費税額等を区分記載していれば、その額は税額のもとになる金額に含めない(国税庁No.7124)
目次
- 書類の名前から、何号文書かを引く
- 第1号文書から第4号文書までの印紙税額一覧
- 第5号文書から第20号文書までの印紙税額一覧
- 軽減措置がある2つと、令和9年3月31日という期限
- 表を引く前に決める「記載金額」
- 表を引いたあと、そもそも引かずに済ませる
- 印紙税額の一覧表に関するよくある質問
- まとめ|号を決めてから、表を1行だけ読む
1. 書類の名前から、何号文書かを引く

次の表は、国税庁No.7140とNo.7141の物件名・例示の欄に挙げられている書類名のうち、第1号文書・第2号文書と、第5号文書から第18号文書までのものを、号ごとに並べたものです。
| 書類の名前 | 号 | 税額 |
|---|---|---|
| 不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書 | 第1号文書 | 契約金額で変わる |
| 土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書 | 第1号文書 | 契約金額で変わる |
| 金銭借用証書、金銭消費貸借契約書 | 第1号文書 | 契約金額で変わる |
| 運送契約書、貨物運送引受書 | 第1号文書 | 契約金額で変わる |
| 工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、請負金額変更契約書 | 第2号文書 | 契約金額で変わる |
| 合併契約書、吸収分割契約書、新設分割計画書 | 第5号文書 | 4万円 |
| 定款 | 第6号文書 | 4万円 |
| 売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書 | 第7号文書 | 1通につき4,000円 |
| 債務の保証に関する契約書 | 第13号文書 | 200円 |
| 債権譲渡または債務引受けに関する契約書 | 第15号文書 | 契約金額で変わる |
| 商品販売代金の受取書、不動産の賃貸料の受取書、請負代金の受取書、広告料の受取書 | 第17号文書 | 受取金額で変わる |
| 借入金の受取書、保険金の受取書、損害賠償金の受取書、補償金の受取書、返還金の受取書 | 第17号文書 | 受取金額で変わる |
| 預金通帳、貯金通帳、掛金通帳、保険料通帳 | 第18号文書 | 1年ごとに200円 |
この表は、書類名から当たりを付けるためのものです。標題が一致したから号が決まる、という読み方はできません。国税庁タックスアンサーNo.7100(課税文書に該当するかどうかの判断)は、判断の仕方をこう書いています。
文書の内容判断は、その文書の名称、呼称や形式的な記載文言によるのではなく、その文書に記載されている文言などの実質的な意味を汲み取って行います。
自社で付けた標題は、判断の材料のひとつにしかなりません。表で当たりを付けたら、その号の説明を読んで、書いてある中身が合っているかどうかを確かめる順番になります。
この表に自分の書類名が見つからないときは、標題ではなく中身で探してください。領収書なら第17号文書の「商品販売代金の受取書」の行、注文請書なら第2号文書の「工事注文請書」「物品加工注文請書」の行が入口になります。それでも当たりが付かない書類は、記載内容を示して所轄の税務署に確認してください。
「業務委託契約書」は第7号文書とは限らない
一覧表の物件名・例示の欄では、業務委託契約書は第7号文書の欄に挙がっています。一方で、仕事の完成を目的とする内容であれば、第2号文書の請負に関する契約書として判断されることもあります。請負について、国税庁タックスアンサーNo.7102(請負に関する契約書)は次のように定義しています。
請負とは当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約をいいます。
同じページは、具体例として工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などを挙げています。標題ではなく中身で決まる、というのはここに効いてきます。同じ「業務委託契約書」という標題でも、書かれている内容によって当てはまる号が変わります。
業務委託契約書に絞った判定の進め方と税額は業務委託契約書に収入印紙は必要かにまとめています。注文書と注文請書のどちらが課税の対象になるか、その受注が請負なのか売買なのかという分かれ目は注文請書に収入印紙は必要かにまとめています。
第1号文書は4種類に分かれている
第1号文書は、表のとおり4行に分かれています。国税庁タックスアンサーNo.7101(不動産の譲渡、消費貸借に関する契約書など)は、次のように述べています。
第1号文書に該当する文書としては、次の4種類のものがあります。
内訳は、不動産などの譲渡に関する契約書、地上権または土地の賃借権の設定・譲渡に関する契約書、消費貸借に関する契約書、運送に関する契約書です。借用書も、土地の賃貸借契約書も、運送契約書も、税額表は同じ第1号文書の1本を見ます。不動産の売買だけが第1号文書だと思って表を探すと見つからないので、ここは押さえておいてください。
一覧表が第1号から第20号までに分かれている理由
印紙税がかかる文書の範囲は、印紙税法2条が定めています。
別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する。
一覧表が第1号から第20号までの20区分になっているのは、この別表第一の並びに対応しているからです。逆引き表の「号」の欄に入っている番号も、この別表第一の番号です。
では、どんな書類がその20区分に入るのか。国税庁No.7100は、印紙税がかかる文書を3つの条件で示しています。
(1) 印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
(2) 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
(3) 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。
3つ目に出てくる非課税文書は、印紙税法5条が置いている区分です。同条は「別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。」と定めています。一覧表のあちこちに「非課税」「非課税文書」という記載が出てくるのは、この条文があるためです。
2. 第1号文書から第4号文書までの印紙税額一覧
第1号文書から第4号文書までは、国税庁No.7140(印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで)にまとまっています。区分と税額は次のとおりです。
第1号文書の印紙税額
不動産などの譲渡、地上権・土地の賃借権、消費貸借、運送に関する契約書が対象です。
| 記載された契約金額 | 第1号文書の税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 |
| 10万円を超え50万円以下 | 400円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1千円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 2千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
| 50億円を超えるもの | 60万円 |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 |
不動産の譲渡に関する契約書は、契約金額が10万円を超えるものなら軽減措置の対象になり、この表とは別の税額になります。
土地の賃貸借契約書には、記載金額の数え方に固有の注意があります。国税庁No.7101は、地上権または土地の賃借権の設定・譲渡に関する契約書の記載金額について、こう書いています。
後日返還される保証金、敷金や契約成立後の使用収益の対価である賃貸料は含みません。
記載金額になるのは、後日返還されることが予定されていない権利金などの金額です。月額の賃料を1年分に引き直した数字は、表を引く金額になりません。
第2号文書の印紙税額
請負に関する契約書が対象です。第1号文書とは金額の区切りが違うので、行を取り違えないでください。
| 記載された契約金額 | 第2号文書の税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 400円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 1千円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 2千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
| 50億円を超えるもの | 60万円 |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 |
建設工事の請負に関する契約書は、契約金額が100万円を超えるものなら軽減措置の対象になり、この表とは別の税額になります。工事以外の請負契約書は、この表のままです。
第1号文書と第2号文書は、最初の200円の帯が10万円以下と100万円以下で違います。同じ300万円でも、本則の税額は請負に関する契約書なら1千円、不動産の譲渡に関する契約書なら2千円です(不動産の譲渡と建設工事の請負は、このあと見る軽減措置で税額が変わります)。自社の書類がどちらの号かを決めずに金額だけで表を引くと、ここでずれます。
自社の契約書の金額をその場で確かめたいときは、印紙税額の自動計算ツールに金額を入れてください。
第3号文書と第4号文書の印紙税額
第3号文書は約束手形または為替手形、第4号文書は株券、出資証券、社債券、投資信託などの受益証券です。手形や株券を自社で作成していないなら、この2つは飛ばして次に進んでください。
第3号文書(約束手形または為替手形)の税額です。
| 記載された手形金額 | 第3号文書の税額 |
|---|---|
| 10万円未満 | 非課税 |
| 10万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 400円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 600円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 1千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 2千円 |
| 1千万円を超え2千万円以下 | 4千円 |
| 2千万円を超え3千万円以下 | 6千円 |
| 3千万円を超え5千万円以下 | 1万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 2万円 |
| 1億円を超え2億円以下 | 4万円 |
| 2億円を超え3億円以下 | 6万円 |
| 3億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 15万円 |
| 10億円を超えるもの | 20万円 |
なお一覧表は、このうち一覧払のもの、金融機関相互間のもの、外国通貨で金額を表示したもの、非居住者円表示のもの、円建銀行引受手形について、10万円未満は非課税、10万円以上は200円という別の区分を置いています。
第4号文書(株券、出資証券もしくは社債券または投資信託、貸付信託、特定目的信託もしくは受益証券発行信託の受益証券)の税額です。
| 記載された券面金額 | 第4号文書の税額 |
|---|---|
| 500万円以下 | 200円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1千円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2千円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 1万円 |
| 1億円を超えるもの | 2万円 |
3. 第5号文書から第20号文書までの印紙税額一覧
第5号文書から第20号文書までは、国税庁No.7141(印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで)にまとまっています。金額で変わるのは第15号文書、第16号文書、第17号文書で、残りは定額か、通帳のように期間で決まるものです。
| 号 | 文書の種類 | 税額 |
|---|---|---|
| 第5号 | 合併契約書または吸収分割契約書もしくは新設分割計画書 | 4万円 |
| 第6号 | 定款 | 4万円 |
| 第7号 | 継続的取引の基本となる契約書 | 4千円 |
| 第8号 | 預金証書、貯金証書 | 200円 |
| 第9号 | 倉荷証券、船荷証券、複合運送証券 | 200円 |
| 第10号 | 保険証券 | 200円 |
| 第11号 | 信用状 | 200円 |
| 第12号 | 信託行為に関する契約書 | 200円 |
| 第13号 | 債務の保証に関する契約書(主たる債務の契約書に併記するものは除く) | 200円 |
| 第14号 | 金銭または有価証券の寄託に関する契約書 | 200円 |
| 第15号 | 債権譲渡または債務引受けに関する契約書 | 1万円未満は非課税、1万円以上は200円、契約金額の記載のないものは200円 |
| 第16号 | 配当金領収証、配当金振込通知書 | 3千円未満は非課税、3千円以上は200円、配当金額の記載のないものは200円 |
| 第17号 | 金銭または有価証券の受取書 | 受取金額で変わる(下の表) |
| 第18号 | 預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳 | 1年ごとに200円 |
| 第19号 | 消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳などの通帳 | 1年ごとに400円 |
| 第20号 | 判取帳 | 1年ごとに4千円 |
第6号文書の定款は、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社または相互会社の設立のときに作成される定款の原本が対象です。第18号文書から第20号文書までは通帳や判取帳で、1年ごとに課税される形になっています。
第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)
取引基本契約書の類は、契約金額がいくらであっても税額が動きません。国税庁タックスアンサーNo.7104(継続的取引の基本となる契約書)は、こう述べています。
税額は1通につき4,000円です。
「1通につき」という数え方です。一覧表の第7号文書の欄には、売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書などが例として挙げられています。
除かれるものもあります。国税庁No.7104は、次のように書いています。
その契約書に記載された契約期間が3か月以内であり、かつ、更新の定めのないものは除かれます。
条件は2つで、契約期間が3か月以内であることと、更新の定めがないことの両方を満たす場合です。一覧表の第7号文書の欄にも「契約期間が3か月以内で、かつ、更新の定めのないものは除きます。」と同じ注記が付いています。
ただし、第7号文書から除かれたことと、印紙が要らないことは別です。国税庁No.7104は注意事項で、継続的取引の基本となる契約書に該当しないものであっても、その記載内容によって運送に関する契約書(第1号の4文書)や請負に関する契約書(第2号文書)に該当することがあると述べています。第7号文書の枠から外れたら、第1号文書と第2号文書の表をもう一度見る、という順番になります。
第17号文書(領収書・受取書)
領収書は、金額の表が2本あります。国税庁タックスアンサーNo.7105(金銭または有価証券の受取書、領収書)は、分かれ目をこう説明しています。
金銭または有価証券の受取書は、受け取る金銭または有価証券が売上代金に係るものかそれ以外のものかで税額が異なります。
売上代金に係る受取書の税額です。
| 記載された受取金額 | 売上代金に係る受取書(第17号文書)の税額 |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 400円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 600円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 1千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 2千円 |
| 1千万円を超え2千万円以下 | 4千円 |
| 2千万円を超え3千万円以下 | 6千円 |
| 3千万円を超え5千万円以下 | 1万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 2万円 |
| 1億円を超え2億円以下 | 4万円 |
| 2億円を超え3億円以下 | 6万円 |
| 3億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 15万円 |
| 10億円を超えるもの | 20万円 |
| 受取金額の記載のないもの | 200円 |
売上代金以外の受取書の税額です。借入金の受取書、保険金の受取書、損害賠償金の受取書などが、一覧表の例に挙がっています。
| 記載された受取金額 | 売上代金以外の受取書(第17号文書)の税額 |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上 | 200円 |
| 受取金額の記載のないもの | 200円 |
「営業に関しない受取書」という非課税の区分
第17号文書には、金額とは別の非課税の入口があります。国税庁No.7105は、次のように書いています。
なお、営業に関しない金銭または有価証券の受取書は、非課税となっています。
どこまでが「営業」に当たるかは、国税庁タックスアンサーNo.7125(営業に関しない受取書)が示しています。個人については、次のように述べています。
個人の場合、「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業になりません。
分かれ目は商人としての行為かどうかであって、法人か個人かではありません。個人であっても、商人としての行為に当たるものは営業になります。同じページは、次のようにも述べています。
医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされています
ここに挙がっているのは国税庁が示した職種です。営業に当たるかどうかも、書類の標題ではなく行為の中身で見ることになります。判断に迷ったら、発行している領収書の内容を示して所轄の税務署に確認してください。
4. 軽減措置がある2つと、令和9年3月31日という期限

一覧表の税額がそのまま適用されない書類が2種類あります。国税庁タックスアンサーNo.7108(不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)は、こう述べています。
平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される、次の2種類の契約書について印紙税の税額が軽減されます。
対象は、不動産の譲渡に関する契約書と、建設工事の請負に関する契約書の2種類です。請負契約の全部が軽減されるわけではありません。物品の加工や広告のような建設工事以外の請負契約書は、第2章の第2号文書の表をそのまま使います。
基準になるのは契約書を作成した日です。締結の予定日でも、着工日でも、代金を支払う日でもありません。
不動産の譲渡に関する契約書の軽減後の税額
契約金額が10万円を超えるものが対象です。
| 記載された契約金額 | 不動産の譲渡に関する契約書の軽減後の税額 |
|---|---|
| 10万円を超え50万円以下 | 200円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 500円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 1千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 5千円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 1万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 6万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 16万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 32万円 |
| 50億円を超えるもの | 48万円 |
国税庁No.7108は、下限について「不動産の譲渡に関する契約書のうち、その契約書に記載された契約金額が10万円以下のものは、軽減措置の対象となりません(税額200円)。」と注記しています。10万円以下でも税額は200円ですが、これは軽減された結果の200円ではなく、もともとの税額です。
建設工事の請負に関する契約書の軽減後の税額
契約金額が100万円を超えるものが対象です。下限が不動産の譲渡と違うので、取り違えないでください。
| 記載された契約金額 | 建設工事の請負に関する契約書の軽減後の税額 |
|---|---|
| 100万円を超え200万円以下 | 200円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 500円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 1千円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 5千円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 1万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 6万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 16万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 32万円 |
| 50億円を超えるもの | 48万円 |
こちらも国税庁No.7108が「建設工事の請負に関する契約書のうち、その契約書に記載された契約金額が100万円以下のものは、軽減措置の対象となりません(税額200円)。」と注記しています。
工事以外の作業を同じ契約書に書いてある場合の扱いも、同じページに書かれています。
建設工事の請負に関する契約に基づき作成される契約書であれば、その契約書に建設工事以外の請負に関する事項が併記されていても、全体が軽減措置の対象となります。
条件は「建設工事の請負に関する契約に基づき作成される契約書であれば」という部分です。工事の契約書に設計の分を併記した場合の話であって、工事以外の請負契約書に工事の分を足せば軽減される、という向きの話ではありません。
建設工事の請負契約を電子化するときの進め方は建設業で電子契約を導入する方法にまとめています。
期限をまたぐ契約書の扱い
軽減措置の根拠は租税特別措置法91条です。同条1項は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される不動産の譲渡に関する契約書について、税率の特例を定めています。建設工事請負契約書についても、記載された契約金額が100万円を超えるものは「同号の規定にかかわらず」特例の税率によるという形になっています。
この「同号の規定にかかわらず」という書き方が示しているのは、期間内だけ特例の税率が上書きされ、期間を外れれば本則に戻るという構造です。本則は、第2章で見た第1号文書と第2号文書の表です。
作成する日が令和9年3月31日をまたぎそうな契約書については、実際に作成する時点で国税庁の現在のページを確認してください。この記事で参照しているのは令和8年4月1日現在の内容です。
5. 表を引く前に決める「記載金額」
表を引く行を決めるのは契約金額です。ただし、契約書に書いてある数字がそのまま契約金額になるとは限りません。ここを間違えると、正しい表の間違った行を引くことになります。
消費税額等を区分して書いてあるかどうか
国税庁タックスアンサーNo.7124(消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額)は、こう述べています。
その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。
適用があるのは、消費税額等が区分記載されているとき、または税込価格と税抜価格の両方が記載されていて消費税額等が明らかなときです。同じページは、適用範囲についても限定を置いています。
なお、この取扱いの適用がある課税文書は、次の3つに限られています。
3つとは、第1号文書、第2号文書、第17号文書です。第7号文書はここに入っていません。第7号文書は金額で税額が動かないので、区分記載の有無を気にする場面がそもそもありません。
税込の金額だけを書いた場合はどうなるか。国税庁No.7124は、広告の請負契約書に「請負金額1,100万円」と記載した場合を例に挙げています。「うち消費税額等100万円」と書けば記載金額は1,000万円となり、印紙税額は10,000円です。一方、「消費税額等10パーセントを含む。」や「請負金額1,100万円(税込)」と書いた場合について、同ページはこう述べています。
消費税額等が必ずしも明らかであるとは言えませんので、記載金額は1,100万円として取り扱われ
このとき第2号文書の印紙税額は20,000円になります。書き方の違いだけで、貼る印紙が変わります。
領収書の例も同じページに載っています。「商品販売代金48,000円、消費税額等4,800円、合計52,800円」と記載した場合、消費税額等の4,800円は記載金額に含めないので、記載金額は48,000円です。記載金額が50,000円未満の領収書は非課税文書になるため、印紙税は課税されません。
なお、消費税および地方消費税の免税事業者については、区分記載しても、これに相当する金額を記載金額に含めることになります。
金額を書かなければ安くなるとは限らない
第1号文書と第2号文書の表には「契約金額の記載のないもの 200円」という行があります。この行だけを見て、金額を書かない契約書にすれば200円で済む、と考えたくなります。
ところが、記載金額の認定はそこで終わりません。国税庁No.7100は、次のように述べています。
文書に取引金額そのものの記載はないが、文書に記載されている単価、数量、記号等により、当事者間において取引金額が計算できる場合は、それを記載金額とし
合計額を書いていなくても、単価と数量が書いてあれば、そこから計算できる金額が記載金額になります。金額の記載を外せば必ず200円の行になる、という関係ではありません。
税額は1通ごとに決まる
国税庁No.7104が第7号文書について「1通につき」と書いているとおり、印紙税額は文書1通を単位に決まります。同じ契約について紙を何通作るかという論点は、税額表とは別に出てきます。何通作るとどうなるかという考え方は契約書の正本と副本の違いにまとめています。
6. 表を引いたあと、そもそも引かずに済ませる

貼る金額が決まったら、次は貼る作業です。印紙税法8条1項は、納付の方法をこう定めています。
当該課税文書の作成の時までに、当該課税文書にはり付ける方法により、印紙税を納付しなければならない。
期限は「作成の時までに」です。相手に渡してから貼る、という順番は条文が想定していません。
貼ったあとには消印があります。印紙税法8条2項は、次のように定めています。
当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。
誰の印章や署名でよいのかは、国税庁タックスアンサーNo.7129(印紙税の納付方法)が示しています。
自己またはその代理人、使用人その他の従事者の印章または署名で、その課税文書と印紙の彩紋とにかけて、判明に印紙を消す必要があります。
署名でも消印になります。作成者本人でなくても、その代理人や使用人その他の従事者であれば足りる、という書き方です。なお、印紙税法8条が定めているのは、作成の時までにはり付けることと、課税文書と印紙の彩紋とにかけて判明に消すことまでで、紙のどの位置に貼るかには及んでいません。
表を引く場面そのものを減らす
号を決める、記載金額を決める、表の行を読む、印紙を買う、貼る、消す。契約のたびに、この一式をやり直すことになります。
紙の課税文書を作らない形で締結すれば、この表を引く場面そのものが減ります。ムスビサインは、画面上で契約書を送って電子署名で締結できるサービスです。締結の工程に紙の文書が出てこないので、号を決めるところから貼るところまでの判断が発生しません。
電子契約と印紙税の関係について、なぜそうなるのかという理由は電子契約に印紙税はかからない理由にまとめています。
一方で、切り替えても消えないものがあります。すでに紙で作成した契約書の扱いです。過去に作った書類について貼っていない印紙は、これから電子に切り替えても残ります。過去分と将来分は分けて考えてください。
7. 印紙税額の一覧表に関するよくある質問
Q1. 委任契約書や雇用契約書のように、一覧表に標題が見当たらない書類はどうなりますか?
A. 一覧表に同じ標題が載っていないことは、判断の結論にはなりません。国税庁No.7100は、文書の内容判断は名称や呼称、形式的な記載文言ではなく、記載されている文言などの実質的な意味を汲み取って行うと述べています。標題が一覧表に無い書類でも、書かれている中身が20種類のどれかに当たれば課税の対象になります。逆に、標題が一覧表と同じでも中身で判断されます。自社の書式については、記載内容を示して所轄の税務署に確認してください。
Q2. 収入印紙を貼り忘れていた契約書が見つかりました。どうすればよいですか?
A. まず、その書類が課税の対象になるかどうかを確かめるところからです。国税庁No.7100の3つの条件に照らして、20種類のどれかに当たるか、証明する目的で作成されたか、非課税文書に当たらないかを見ます。そのうえで取るべき手続きは収入印紙を貼り忘れたときの手続きにまとめています。
Q3. 契約書を2部作ったら、印紙も2部分必要ですか?
A. 印紙税額は文書を単位に決まります。国税庁No.7104が第7号文書の税額を「1通につき4,000円」と示しているとおり、税額表の金額は文書1通あたりのものです。そのうえで、作成した紙の1通ごとに課税の対象になるかどうかを見ることになります。
Q4. 軽減措置は令和9年3月31日以降も延長されますか?
A. 国税庁No.7108と租税特別措置法91条が示しているのは、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成されるものが対象だ、という点までです。その先について、この記事で参照している出所は何も示していません。期間を外れて作成される契約書には本則の税率が適用されます。作成日が期限をまたぎそうなときは、作成の時点で国税庁の現在のページを確認してください。
Q5. 3か月契約にすれば、取引基本契約書の4,000円は要らなくなりますか?
A. 契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めのないものは第7号文書から除かれます(国税庁No.7104)。ただし同ページは、第7号文書に該当しないものであっても、記載内容によって第1号の4文書や第2号文書に該当することがあると注意しています。除かれた結果として別の号の表を引くことになる場合があるので、契約期間だけを見て判断できるものではありません。
Q6. 消費税を含めた金額だけを書いた請求書や契約書は、どう扱われますか?
A. 消費税額等が区分記載されている場合や、税込価格と税抜価格の両方が記載されていて消費税額等が明らかな場合は、その消費税額等を記載金額に含めません(国税庁No.7124)。税込の金額だけを書いた場合は消費税額等が明らかとは言えないため、その税込金額が記載金額として扱われます。なお、この取扱いが使えるのは第1号文書、第2号文書、第17号文書の3つに限られています。
8. まとめ|号を決めてから、表を1行だけ読む
- 印紙税がかかるのは、印紙税法の別表第一の課税物件の欄に掲げる文書(印紙税法2条)。一覧表の第1号から第20号までは、この別表第一の並びに対応している
- 何号文書かは標題では決まらない。記載されている文言などの実質的な意味を汲み取って判断する(国税庁No.7100)
- 第1号文書と第2号文書は契約金額で税額が変わり、最初の200円の帯が10万円以下と100万円以下で異なる(国税庁No.7140)
- 継続的取引の基本となる契約書は1通につき4,000円。契約期間が3か月以内で更新の定めのないものは除かれるが、除かれても別の号に当たることがある(国税庁No.7104)
- 不動産の譲渡と建設工事の請負の契約書は、令和9年3月31日までに作成されるものが軽減措置の対象(国税庁No.7108、租税特別措置法91条)
- 表を引く前に記載金額を決める。消費税額等を区分記載していればその額は含めない(国税庁No.7124)。合計額を書いていなくても単価と数量から計算できる金額は記載金額になる(国税庁No.7100)
自社の書類を前にしたときの順番は、号を決める、記載金額を決める、その号の表を1行だけ読む、の3手です。号が決まらないうちに金額から表を探すと、正しい表の間違った行を引きます。号が決まらない書類が出てきたら、記載内容を示して所轄の税務署に確認してください。
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まずは、印紙の要否で毎回迷っている書類から送ってみてください。
本記事は令和8年4月1日現在の法令等に基づく一般的な情報提供であり、個別の税務相談・法律相談に代わるものではありません。自社の書類が課税の対象になるかどうか、記載金額をどう認定するか、軽減措置の適用があるかどうかについては、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
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