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電子契約の基礎知識

NDA(秘密保持契約)は電子契約で締結できる?法的有効性と進め方

NDA(秘密保持契約)は電子契約で締結できます。書面が要件とされていない理由、電子署名法第3条による推定効、オンラインでの締結手順、保存義務や実印が求められる場面などの注意点まで、実務で必要な範囲をまとめました。

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NDA(秘密保持契約)は電子契約で締結できます。NDAには書面での作成が法律上の要件とされておらず、電子データで締結しても契約は有効に成立します。電子署名とタイムスタンプを付けておけば、「誰が・いつ・どの内容に合意したか」を証明できる形で残せます。

そのうえでNDAは、電子契約に切り替えた効果がもっとも出やすい契約類型でもあります。NDAは成果物そのものではなく、仕事を始めるための前提だからです。締結が遅れると、その先の作業がまるごと止まります。


この記事の結論

  • NDAに書面での作成義務はない。電子データで締結しても契約は有効に成立する
  • 電子署名法第3条の要件を満たす電子署名があれば、その文書が本人の意思で作成されたと推定される
  • 立会人型(事業者署名型)でもNDAには十分。実印と印鑑証明に相当する本人確認が求められる契約類型ではない
  • NDAは仕事を始めるための前提契約。締結が遅れるとその先の作業が止まるため、電子契約の効果が最も出やすい
  • 注意点は「保存義務」「秘密情報の定義」「相手が紙を希望する場合」の3つ

目次

  1. NDAは電子契約で締結できる|書面義務がない理由
  2. 電子署名があると何が変わるのか
  3. NDAのオンライン締結|4ステップの手順
  4. 電子契約でNDAを結ぶときの注意点
  5. NDAのよくある質問

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1. NDAは電子契約で締結できる|書面義務がない理由

契約の法的有効性を確認するイメージ

日本の法律では、契約は当事者の合意によって成立するのが原則で、書面の作成は必須ではありません(民法第522条第2項。法令に特別の定めがある場合を除く)。

例外的に書面が要件とされているのは、保証契約(民法第446条第2項)や定期借地・定期借家の一部など、限られた類型です。NDA(秘密保持契約)はこの例外に含まれません。したがって、電子データで締結しても契約は有効に成立します。

では、なぜ実務でNDAを紙で交わしてきたのか。証拠として残すためです。口頭の合意だけでは、あとから「そんな条件は聞いていない」となったときに証明できません。書面に署名・押印することで、合意した内容と当事者を記録に残してきたわけです。

電子契約は、この「証拠を残す」という目的を紙とは別の手段で果たすものです。紙のかわりに電子データを使い、押印のかわりに電子署名とタイムスタンプを使います。書面義務がないNDAは、その置き換えがそのまま可能な契約類型ということになります。

なお、どの契約に書面や電子化の制約が残っているかは電子契約のグレーゾーンに整理しています。


2. 電子署名があると何が変わるのか

「電子データでも有効」だとしても、実務ではあとから争いになったときに通用するかが気になるところだと思います。ここを支えているのが電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)です。

同法第3条は、電子文書に本人による一定の要件を満たす電子署名が行われているとき、その文書は真正に成立したもの(本人の意思にもとづいて作成されたもの)と推定すると定めています。紙の文書に本人の署名や押印があるときと同じ扱いです。

ここでいう要件を満たすために、電子契約サービスは技術的な仕組みを用意しています。ムスビサインの場合は、締結時にPDF全体へ次の2つを付与します。

  • AATL(Adobe Approved Trust List)証明書による電子署名 … 締結後に内容が改ざんされていないことを検証できる
  • 総務大臣認定タイムスタンプ … その時刻にその内容が存在していたことを証明できる

この2つがあることで、「誰が・いつ・どの内容に合意したか」を、あとから第三者に対して示せる形になります。仕組みの詳しい説明は電子署名法をわかりやすく解説した記事にまとめています。

立会人型でもNDAには十分な理由

電子署名には、契約当事者自身の電子証明書を使う当事者型と、事業者名義で署名する立会人型(事業者署名型)があります。ムスビサインは立会人型です。

「立会人型で大丈夫なのか」という疑問はよく出ますが、NDAは実印と印鑑証明書に相当する本人確認が求められる契約類型ではありません。実印レベルの確認が要るのは、不動産登記をともなう取引など、限られた場面です。日常的に交わすNDA・業務委託契約・取引基本契約であれば、立会人型で足ります。

両者の違いは電子契約の立会人型と当事者型で整理しています。


3. NDAのオンライン締結|4ステップの手順

契約締結の流れが短くなるイメージ

NDAは成果物そのものではなく、仕事を始めるための前提です。企画の相談をする前、開発の要件を共有する前、素材を受け渡す前に交わすもので、締結できないとその先に進めません。実際、取材した個人事業主の方からは次のような話をうかがっています。

契約が完了しないために1週間以上も実際の作業(素材の受け渡しなど)に着手できず、納期がギリギリになってしまったことがありました。

紙で郵送していたころは、締結まで1〜2週間かかっていたそうです(動画クリエイターの導入事例)。オンラインで締結すれば、この待ち時間はなくなります。

NDAのオンライン締結は、次の4ステップです。ムスビサインの場合を例に説明します。

① NDAのPDFを用意する 自社の雛形があればそれを、なければテンプレートを使います。秘密情報の範囲・目的・有効期間・返還や破棄の扱いなど、必要な条項を確認しておきます。書き方は秘密保持契約書(NDA)の書き方に、そのまま使える雛形は秘密保持契約書(NDA)テンプレートに用意しています。

② 相手のメールアドレスを入力して送信する 署名欄の位置を指定し、相手のメールアドレスを入れて送ります。相手にアカウントを作ってもらう必要はありません。

③ 相手がメールのリンクから署名する 届いたメールのリンクを開き、名前を入力して署名するだけです。アプリのインストールも会員登録も不要なので、相手側の負担はほとんどありません。

④ 締結。双方にPDFが届く 署名が完了すると、PDF全体にAATL証明書による電子署名と認定タイムスタンプが付与され、締結済みのPDFが双方に届きます。この時点で締結完了です。郵送のように往復を待つ必要はありません。

全体の流れをもう少し詳しく知りたい場合は電子契約の流れをご覧ください。


4. 電子契約でNDAを結ぶときの注意点

法的に問題がなく手順も簡単ですが、実務上おさえておきたい点が3つあります。

① 締結したNDAの保存

電子契約で締結した契約書は電子取引データにあたるため、電子帳簿保存法にもとづく保存義務の対象になります。法人・個人事業主を問わず、原則7年間の保存が必要です。

ムスビサインのフリープラン・スタータープランは、締結後のPDFを1週間で自動削除する設計です。サービス側にデータを溜め込まないことで情報漏えいのリスクを抑える考え方ですが、締結したら必ずダウンロードして、自社で保管してください。サービス上で長期保管したい場合は、契約管理(7年保管・全文検索・タグ)に対応したビジネスプランを選びます。

② 秘密情報の定義は、紙でも電子でも変わらない

電子契約にしても、NDAの中身が緩くなるわけではありません。秘密情報の範囲が曖昧だったり、有効期間の定めがなかったり、返還・破棄の条項が抜けていたりすれば、紙で交わしたときと同じ問題が起きます。

締結の手段を変えることと、契約内容を整えることは別の話です。条項の確認は雛形の解説を参照してください。

③ 実印・印鑑証明が求められる場面

NDA単体で実印が求められることはまれですが、M&Aの初期段階など、取引全体で厳格な本人確認が求められる場面では、相手方が当事者型の電子署名や紙での締結を指定することがあります。この場合は相手の指定に合わせる必要があります。

日常的な取引で交わすNDAであれば、立会人型で問題ありません。


5. NDAのよくある質問

Q1. NDAを電子契約で締結しても法的に有効ですか?

A. 有効です。日本の法律では契約は当事者の合意で成立し、書面の作成は原則として必須ではありません(民法第522条第2項)。NDAは書面が要件とされている契約類型ではないため、電子データで締結しても有効に成立します。加えて電子署名法第3条の要件を満たす電子署名があれば、その文書が本人の意思で作成されたものと推定されます。

Q2. 印鑑を押さなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。押印は法律上の要件ではなく、本人の意思を示す手段のひとつです。電子契約では、押印のかわりに電子署名とタイムスタンプで「誰が・いつ・どの内容に合意したか」を記録します。ムスビサインは締結時にPDF全体へAATL証明書による電子署名と総務大臣認定タイムスタンプを付与します。

Q3. 相手にアカウント登録をお願いする必要がありますか?

A. ムスビサインでは不要です。受け取る側は、届いたメールのリンクを開いて署名するだけで、アカウント登録もアプリのインストールも要りません。NDAは取引の入り口で交わすことが多く、相手との関係がまだ浅い段階です。その時点で新しいツールの導入をお願いすると、それ自体が交渉のハードルになります。受領者の登録が不要なサービスを選ぶ理由はここにあります。

Q4. NDAはどのタイミングで交わすのがよいですか?

A. 秘密情報を実際に渡す前です。企画の相談、開発要件の共有、素材の受け渡しなど、相手に情報を出す前に締結しておくのが原則です。ただし郵送だと締結まで数日から2週間かかるため、その間ずっと情報を渡せません。取材した事例でも、NDAの返送待ちで1週間以上着手できなかったケースがありました。オンラインで締結できれば、この待ち時間がなくなります。

Q5. 締結したNDAはどこに保管すればいいですか?

A. 電子契約で締結した契約書は電子取引データにあたるため、原則7年間の保存義務があります。ムスビサインのフリー・スタータープランは締結後のPDFを1週間で自動削除する設計なので、締結したらダウンロードして自社のPCやクラウドストレージに保管してください。サービス上で7年保管したい場合はビジネスプランを選べます。

Q6. 実印や印鑑証明書が必要なNDAもありますか?

A. 日常的な取引で交わすNDAで、実印と印鑑証明書に相当する本人確認まで求められることはまれです。ただしM&Aの初期段階など、取引全体で厳格な確認が求められる場面では、相手方が当事者型の電子署名や紙での締結を指定することがあります。その場合は相手の指定に合わせてください。

Q7. 相手が紙のNDAを希望する場合はどうすればいいですか?

A. 無理に押し切らず、郵送で進めるのが現実的です。すべての取引先を一度に切り替える必要はありません。ただし、相手が難色を示す理由の多くは「新しいツールを導入させられるのでは」という警戒です。受け取る側にアカウント登録もアプリのインストールも求めないサービスであれば、お願いするのは「届いたメールのリンクから署名する」ことだけだと伝えると、受け入れられることがあります。


まとめ|NDAは電子契約に向いている契約類型

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NDAには書面での作成義務がなく、電子データで締結しても契約は有効に成立します。電子署名法第3条の要件を満たす電子署名があれば、本人の意思で作成されたものと推定されます。実印レベルの本人確認が求められる類型でもないため、立会人型で十分です。

そのうえでNDAは、電子契約の効果がもっとも出やすい契約でもあります。仕事を始めるための前提契約なので、締結が遅れるとその先がまるごと止まります。

ムスビサインは受け取る相手にアカウント登録を求めないので、取引の入り口でNDAを交わす場面でも、相手に負担をかけません。月3件まで無料で試せます。

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