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レンタルスペース利用契約書テンプレート・雛形|運営者向け/キャンセル料・弁償・清掃料の決め方

レンタルスペース利用契約書テンプレート(全29条+別紙4本)を無料ダウンロード。会員登録不要でWord形式のまま使えます。運営者向けに、キャンセル料の算定根拠の書き方、備品の弁償と清掃料の決め方、一時使用、免責条項、印紙税の判定まで解説します。

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レンタルスペース利用契約書テンプレート

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2026-09-14
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ダウンロードした時点で「契約書ひな形ダウンロード利用規約」に同意したものとみなします。

このレンタルスペース利用契約書、印刷・郵送・押印なしでそのまま送れます。

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「キャンセル料を何日前からいくらにすればいいのか、他社の予約ページを見ても根拠が分からない」 「利用者に机の天板を割られたが、いくら請求してよいのか決めていなかった」 「退出後の汚れがひどくて清掃を外注したのに、あとから請求したら『聞いていない』と言われた」

この記事では、レンタルスペース、貸会議室、貸しスタジオ、イベントスペースを運営する事業者が、1件の利用ごとに利用者と交わすレンタルスペース利用契約書のWordテンプレート(全29条+別紙4本)を、会員登録不要で配布しています。

この記事の結論

  • 配布するのは1件の利用ごとに交わす全29条。規約とは別物で、第2条で取り込む。
  • 規約は定型約款として、要件を満たせば一方的に変更できる(民法第548条の4)。契約書の金額は合意し直さないと変わらない。
  • 一時使用が明らかなら法定更新も正当事由もかからない(借地借家法第40条)。月極や鍵の常時貸与に移ると明らかでなくなる。
  • キャンセル料の料率は印刷していない。平均的な損害の額は業界の水準ではなく自社の損害だから(消費者契約法第9条第1項第1号)。
  • 別紙3の算定根拠欄は、消費者契約法第9条第2項の説明の努力義務に使える。
  • 国民生活センターに相談が立つのは備品の弁償と清掃料。別紙1と別紙2で受ける。
  • 「一切責任を負いません」も「法律上許される範囲で」も無効(消費者契約法第8条第3項)。第22条第4項は軽過失限定。
  • 建物を貸すので印紙税は不課税。第7号にもならない。化けるのは保証金の据置きと請負の混載。

目次

  1. レンタルスペース利用契約書テンプレートの無料ダウンロード
  2. 規約と契約書は二層で使う|第2条で規約を取り込む
  3. 【条文一覧】全29条+別紙4本は、どの揉め事に効くか
  4. 「うちは利用契約だから借家法は関係ない」が崩れるとき|第3条・第4条
  5. キャンセル料をいくらにするか|第10条と別紙3の算定根拠欄
  6. 料金・支払期日・遅延損害金・無断延長|第6条・第7条・第14条
  7. 清掃料を後出しにしない|第19条と別紙2の単価表
  8. 備品を壊されたとき、いくら請求できるか|第20条と別紙1
  9. 免責条項の書き方は2023年6月に変わった|第22条
  10. 使い方で足す特約|第17条は5択(飲食・調理・音楽・撮影・深夜)
  11. 定員と避難通路|第5条・第15条が消防法とつながるところ
  12. ネットで予約を受けるなら、別紙2と別紙3を予約ページに貼る|特商法11条
  13. レンタルスペース利用契約書の印紙税|不課税と、化ける2つの経路
  14. 紙のままで足りる場合と、電子で交わす場合
  15. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
  16. よくある質問(FAQ)
  17. まとめ:空欄を埋めて、利用日の前に1通交わす

1. レンタルスペース利用契約書テンプレートの無料ダウンロード

配布しているのは、Word形式のレンタルスペース利用契約書の雛形です(全29条+別紙4本)。施設を運営する側(甲)と、その施設を1件使う側(乙)とが、利用日の前に1通交わすための書面です。

会員登録不要・メールアドレス入力不要・そのまま編集できるWord形式

キャンセル料の算定根拠を書く欄つき(別紙3) — 料率は印刷せず、なぜその金額かを書く欄を隣に置いています

料金表と追加費用の単価表つき(別紙2) — ここに単価の定めがない費目は請求しない、という建て付けです

設備・備品の現状確認書つき(別紙1) — 「もともと壊れていた」の水掛け論を止めます

利用者が法人でも個人でも使える(第1条第4項の区分で、キャンセル料・遅延損害金・免責の効き方が切り替わります)

飲食・調理・音楽・撮影・深夜の5つの特約を1行1択で選ぶ第17条

紙でも電子でも締結できる末尾書式

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不特定多数の利用者に同じ条件を示す文面がほしいのであれば、この契約書ではなく施設利用規約テンプレートのほうが目的に合います。規約と契約書は役割が違うので、次の章で先に切り分けます。

2. 規約と契約書は二層で使う|第2条で規約を取り込む

予約サイトに規約を貼ってあるのに、なぜ1件ごとに契約書を交わすのか。答えは、規約に書けないものがあるからです。

規約は不特定多数へ向けた文面なので、利用日時も、この1件の金額も、当日の責任者の携帯番号も入りません。逆に契約書は、その1件のためだけの紙です。

両者は法律上の動き方も違います。

利用規約 この配布物(利用契約書)
相手 不特定多数 その1件の利用者
成り立ち 定型約款として、契約の内容とする旨の合意などでみなし合意になる(民法第548条の2) 甲と乙の署名または電子署名
変えるとき 要件を満たせば一方的に変更できる(民法第548条の4) 相手と合意し直す
書くこと 禁止事項、入退館、鍵、撮影、免責 利用日時、料金、キャンセル料、当日の連絡先

民法第548条の4は、定型約款を変更するときは効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容および効力発生時期を、インターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならないと定めています。

つまり規約は運営者の側で動かせます。動かせるものに、その1件の金額を書いてはいけません。値上げの周知だけで、締結済みの予約の料金まで変わったように見えてしまうためです。

そこで配布テンプレートは、規約を写し直しません。第2条第1項で規約を本契約の内容とし、第2条第2項で版または改定年月日と掲示の方法を書き留め、第2条第5項で契約書の定めが規約に優先するとしています。

第2条第7項は、規約を変更しても、契約書に書いた利用日時、利用料金、追加費用の単価、キャンセル料、保証金の額は変わらないと定めています。これらを変えるには、書面または電磁的記録による合意が要ります。

規約に書けば何でも通るわけでもありません。民法第548条の2第2項は、相手方の権利を制限し、または義務を加重する条項のうち、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなすとしています。

第2条第4項は、この定めを契約書の側にも書き写してあります。規約の不当条項をそのまま契約書へ持ち込まないための歯止めです。

施設側の規約そのものは、施設利用規約テンプレートに本則31条+別紙3本の形で用意してあります。定型約款一般の作り方と変更手続は、利用規約テンプレートで扱っています。

規約をまだ作っていない運営者でも、この1本で締結できます。別紙2(料金と追加費用の単価)と別紙3(キャンセル料)を埋めれば、金銭の条件がすべて契約書の中で完結するからです。

なお、国民生活センターの消費者トラブルFAQは、レンタルスペースの利用に関する事項は原則として規約に従うことになる、と利用者へ案内しています。運営者の側から読み替えれば、規約と契約書を整えておくことが、そのまま回収できるかどうかを決めます。

3. 【条文一覧】全29条+別紙4本は、どの揉め事に効くか

条文の並びは、貸す段取りの順です。何を貸すか(第3条・第4条・第5条)を決め、いくらもらうか(第6条〜第8条)を決め、変更と中止(第9条〜第11条)、当日の受け渡し(第12条・第13条)、退出と精算(第14条〜第21条)、責任の分け方(第22条〜第24条)、終わらせ方(第25条〜第29条)という順に読めます。

見出し どの揉め事に効くか
第1条 目的 利用者が法人か消費者かで扱いが変わる条項の入口
第2条 利用規約の組み込み及び優先関係 規約と契約書のどちらが優先するのか
第3条 利用施設及び利用目的 「聞いていた広さと違う」「そんな使い方は想定していない」
第4条 利用日時及び一時使用 搬入と撤去の時間を利用時間に含めるかどうか
第5条 利用人数及び定員 定員を超える人数で押しかけられる
第6条 利用料金及び追加費用 追加費用の後出し請求
第7条 支払方法、支払期日及び遅延損害金 前払のはずが振り込まれないまま当日を迎える
第8条 保証金(預り金) 保証金からいくら引いたのか説明できない
第9条 利用日時の変更 日程変更を解約と同じに扱ってしまう
第10条 乙による解約及びキャンセル料 直前キャンセルの請求ができない、または高すぎて無効になる
第11条 甲による中止、不可抗力及び返金 停電・断水・行政の要請で貸せなくなったとき
第12条 入退室、鍵の貸与及び返却 鍵が返ってこない、暗証番号が漏れる
第13条 利用開始時及び終了時の立会確認 「もともと壊れていた」の水掛け論
第14条 超過利用(無断延長) 撤収が押して次の予約に食い込む
第15条 遵守事項 避難通路に段ボールを積まれる、騒音の苦情
第16条 禁止事項 宿泊、転貸、住所としての登記、看板の掲出
第17条 利用目的に応じた特約 飲食・調理・音楽・撮影・深夜で足りない約束
第18条 許認可の取得、法令遵守及び補償 許可を取らずに営業され、運営者が指導を受ける
第19条 原状回復及び清掃 清掃料の後出し請求、置き去りの荷物
第20条 設備・備品の滅失・毀損 弁償額が決まらない、高すぎると言われる
第21条 請求明細の交付及び算定根拠の説明 「何の費用か分からない」と支払を拒まれる
第22条 甲の責任の範囲及び免責 免責条項を書いたつもりが丸ごと無効になる
第23条 乙の責任及び来場者に関する責任 来場者が起こした事故の責任の所在
第24条 個人情報の取扱い、記録及び秘密の保持 防犯カメラの映像と来場者名簿の扱い
第25条 解除及び即時退去 当日その場で止めて出て行ってもらえるか
第26条 反社会的勢力の排除 集会の場所として使われる
第27条 権利義務の譲渡及び転貸の禁止 又貸し、名義貸し、住所としての利用
第28条 協議 契約書にも規約にもない事態
第29条 合意管轄 遠方の裁判所に呼び出される

別紙は4本です。ここが、この配布物の実質です。

別紙 何を書く紙か 対応する条
別紙1 設備・備品現状確認書。利用開始時と終了時の状態を突き合わせる 第13条・第20条
別紙2 料金表・追加費用単価表。延長、清掃、ゴミ、搬入出、備品貸出しの単価と発生条件 第6条・第14条・第19条
別紙3 キャンセル料区分表及び算定根拠。区分ごとの額と、その額になる理由 第10条・第21条
別紙4 利用明細。日程ごとの内容、変更の記録、当日の連絡先 第4条・第9条・第15条・第23条

💡 全29条+別紙4本のWordを、そのまま使えます

会員登録もメールアドレスの入力も要りません。ダウンロードしたら、まず別紙2と別紙3の空欄を埋めてください。この2枚が埋まれば、1件いくらの条件がすべて契約書の中で完結します。

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4. 「うちは利用契約だから借家法は関係ない」が崩れるとき|第3条・第4条

電子契約の法的有効性のイメージ

3時間貸しの会議室に、出て行ってもらえなくなる不安を覚える運営者はいません。ところが、同じ施設で同じ法人に毎月固定の枠を割り当て、鍵を預けたままにした瞬間、話が変わります。

なぜそうなるのかは、3段階で押さえておくと崩れません。

第1段階。有償で場所を使わせている以上、まず賃貸借に寄ります。 民法第601条は、賃貸借を、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせることを約し、相手方がその賃料を支払うことと、引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって効力を生ずる契約としています。

「利用契約」「施設利用申込書」と名付けても、この要素を満たしていれば賃貸借の要素は消えません。名前では決まりません。

第2段階。借地借家法が及ぶのは「建物の賃貸借」です。 同法第1条は、建物の所有を目的とする地上権および土地の賃借権の存続期間や効力、ならびに建物の賃貸借の契約の更新や効力について特別の定めをする法律だとしています。

区画された室を独占して使わせるなら、建物の一部の賃貸借に近づきます。ここで止まると、次の3つが降ってきます。

  • 期間満了の1年前から6月前までに更新しない旨の通知をしないと、従前と同じ条件で更新したものとみなされる(借地借家法第26条第1項)
  • 更新拒絶や解約の申入れには正当の事由が要る(同法第28条)
  • 期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがないものとみなされる(同法第29条第1項)

第3段階。法定更新も正当事由も外れるのが借地借家法第40条です。 借地借家法第40条は、同法第3章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には適用しないと定めています。第3章がまるごと外れるので、法定更新も正当事由もかかりません。

配布テンプレートの第4条第3項は、この第40条を引き写した項です。第4条第4項は「本契約に更新はない」とし、利用終了日時の到来で契約が終わる形にしてあります。

問題は、「一時使用のために賃貸借をしたことが明らか」と読めるかどうかが、契約書の書きぶりと実際の運用の両方で決まるところです。個別の事情によって判断されるものなので、この書式を使えば必ず一時使用になる、というものではありません。

そこで配布テンプレートは、外形を残す作りにしてあります。

何を書かせるか それが示すこと
第3条第2項 利用目的を具体的に書く(会議、セミナー、撮影、教室、展示、上映、催事の別と内容) 生活や営業の本拠にしていない
第3条第4項 事務所・店舗・住居としての継続使用をしない、利用日時を超えて物品を置かない 荷物の常置がない
第4条第1項 開始と終了を分単位で書く。搬入・設営・撤去・清掃の時間も内訳で書く 期間が切られている
第4条第5項 続けて使うときは、その都度あらためて申込みと承諾をする 更新ではなく別契約
第12条第6項 利用日時を超えて鍵を貸与せず、常時の入室ができる状態を作らない 独占的な支配がない
第27条第4項 本店所在地や事務所の所在地としての登記・届出に使わせない 本拠にしていない

第4条第6項も、この文脈の条項です。乙が黙っていたら次回も申し込んだものとみなす、という自動延長を置いていません。消費者契約法第10条が、消費者の不作為をもって新たな契約の申込みや承諾の意思表示をしたものとみなす条項を、無効となる場合の例として名指ししているためです。

自動延長を1行入れると、法律上の危険と、一時使用らしさの喪失が同時に来ます。複数日程をまとめて受けるときは、別紙4に日程ごとに書き、日程ごとに申込みと承諾があったものとして扱ってください(第4条第7項)。

月極めや固定枠に踏み出すのであれば、この書式ではなく賃貸借契約書テンプレートの型で組み直すほうが安全です。無償で貸すなら建物使用貸借契約書テンプレートになります。分かれ目は、期間の切り方と対価の有無です。

5. キャンセル料をいくらにするか|第10条と別紙3の算定根拠欄

前日に「都合が悪くなりました」と電話が来ます。その枠はもう他へ売れません。いくら請求できるのか。

ここで他社の予約ページを開きたくなります。それが、いちばんやってはいけない決め方です。

消費者庁の消費者契約法逐条解説は、「平均的な損害の額」について、当該消費者契約の当事者たる個々の事業者に生ずべき損害の額であって、当該業種における業界の水準を指すものではない、としています。他社の数字は、自社の根拠になりません。

条文から順に見ます。消費者契約法第9条第1項第1号は、解除に伴う損害賠償の額の予定と違約金を合算した額が、条項において設定された解除の事由や時期等の区分に応じ、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるとき、その超える部分を無効としています。

無効になるのは超過分だけです。キャンセル料の条項そのものが消えるわけではありません。

そして同解説は、この判断が「当該契約条項で定められた区分ごと」に行われるとしています。だから配布テンプレートの別紙3は、区分表を6行に割ってあります。

別紙3の区分 解約の申出の時期
1 予約の成立の日から一定の日数以内(無料期間)
2〜4 利用開始日時の何日前までかで3段階
5 利用日の当日
6 連絡がないまま利用がなかったとき

料率も金額も印刷していません。すべて空欄です。空欄の隣に、その区分までに何を手配し終えているかを書く欄と、算定根拠の欄を置いてあります。

同解説は、算定の根拠を、事業者が違約金等を設定するにあたって考慮した事項、その事項を考慮した理由、使用した算定式、金額が適正と考えた根拠など、設定した合理的な理由を意味するものとしています。書くのは、次の3つです。

  • その区分までに手配し終えている費目(受付の人員、備品の借上げ、清掃の外注、他の申込みを断ったこと)
  • それを考慮した理由(中止になっても、その費用が発生すること)
  • 用いた算定式(手配済みの費用の合計を基本料金で割った率、または実額)

1人で運営していて、受付も清掃も自分でやっている施設では、この3つのうち1つめがほとんど空になります。手配し終えている費用が出ていないからです。では「空いた枠が売れないこと」を金額に入れてよいのか。ここは、消費者庁自身が答えを置いていません。同庁の検討会資料は、「平均的な損害」に逸失利益が含まれる場合、含まれない場合の判断基準を消費者契約法に定めるべきか、を検討事項として挙げている段階です。

そのため、この記事も断定しません。確実に入れられるのは、実際に出ていく費用です。費用が出ていない区分は、無料にするか、出ていく費用の分だけを書く。そのうえで算定根拠の欄に「この区分までに発生する費用は無い」と書いておくほうが、根拠のない率を置くより強い、というのが本記事の立場です。

消費者庁の消費者契約法逐条解説は、結婚式場の例を挙げています。挙式1か月前の解除について見積額×35%のキャンセル料を定めた場合に、装飾品の仕入れや司会者等の人員の手配を挙式本番の1か月前で通常は完了させており、挙式が中止になってもその費用が発生する、と回答すれば、算定の根拠の概要を説明したことになるとされています。

これはそのままイベントスペースに置き換わります。別紙3の記入例は、たとえばこう書きます。

区分4(利用開始日時の7日前まで)

手配を終える費目:当日の受付スタッフ1名、館内清掃の外注、什器の追加レンタル

算定根拠:この施設では、7日前までに受付スタッフの手配と清掃の外注を確定させており、中止になってもこれらの費用が発生する。手配済みの費用の合計額が基本利用料金に占める割合から算定した。

数字そのものを開示する必要はありません。同解説は、事業者に求められる説明は算定の根拠の概要であるため、費用などの具体的な数字までは説明する必要がなく、設定にあたり考慮された費用項目などを説明することで足りるとしています。

書けば説明できる、というだけの話ではありません。消費者庁の資料によれば、直近10年における「解約料」に関する消費生活相談は3万件を超える水準で推移しています。

同庁の「キャンセル料に関する消費者の意識調査」(2023年)は、過去1年間にキャンセル料の発生する時期にキャンセルをした全国の20歳以上の男女2000人を対象にしています。キャンセル料を不満に思った理由は、次の順に並びました。

消費者庁の調査でキャンセル料を不満に思った理由(回答者2000人) 割合
キャンセル料が高額だったから/返金が一切またはほとんど無かったから 47.3%
キャンセル料に関する説明が無かった、説明がわかりにくかったから 23.7%
契約(予約)直後からキャンセル料が発生したから 20.3%

2番目と3番目は、書式で消せます。説明できる形にしておくことと、予約直後の無料期間を1行置くことです。別紙3の区分1が、後者にあたります。

第10条の残りも押さえておきます。

  • 第10条第3項は、キャンセル料のほかに名目を変えて重ねて違約金を請求しない、としています。同解説が、損害賠償の予定3万円と違約金2万円を合算した5万円で平均的な損害の額を超えるかを判断する例を挙げているためです。
  • 第10条第5項は、求められたときに算定根拠の概要を説明する定めです。消費者契約法第9条第2項が、事業者にこの努力義務を課しています。
  • 第10条第7項は、受領済みの利用料金からキャンセル料を控除した残額を、期日を切って返す形です。
  • 第10条第8項は、前払を選んだのに支払がなく解除したときを、解約と同じ扱いにしています。

なお、平均的な損害の額を超えることの立証責任について、同解説は、最高裁が、事実上の推定が働く余地があるとしても基本的には消費者が立証責任を負うものと判断した、と整理しています。それでも同解説は、事業者においては、違約金等を定めるに際して合理的な根拠を持って平均的な損害の額を算定しておくことが期待されている、としています。

別紙3の算定根拠欄は、この「期待されている」に応えるための欄です。

💡 キャンセル料の算定根拠欄がある雛形です

料率は印刷していません。区分ごとに、その時期までに手配を終える費目と、算定式を書く欄が並んでいます。説明を求められたときは、この欄をそのまま読み上げれば足ります。

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6. 料金・支払期日・遅延損害金・無断延長|第6条・第7条・第14条

回収でつまずくのは、金額を決めていなかったときではありません。決めてはいたが、どこにも書いていなかったときです。

第6条第1項は、基本利用料金(税抜)、オプション料金(税抜)、消費税および地方消費税の額、合計額(税込)を分けて書く表になっています。税込の総額だけを書くと、あとで内訳を聞かれたときに答えが出ません。

第6条第3項は、利用料金に含まれるものを列挙します。利用時間内の使用、別紙1に載せた設備・備品の使用、別紙2に「利用料金に含む」と書いた役務の3つです。

第6条第4項は、含まれない費用です。超過利用料金、特別清掃の清掃料、ゴミの処理、搬入・搬出、別紙1にない備品の貸出し、人数の追加、備品の滅失・毀損の賠償金が並びます。

そして第6条第5項が、この契約書のいちばん厳しい条項です。別紙2に単価または発生条件の定めがない費目は、甲は乙に請求しないとしています(第20条の実費は別です)。

一見すると運営者に不利に読めます。実際は逆です。単価表があるからこそ、退出後に「別紙2の3の特別清掃の単価により、これこれの金額です」と言えます。何も書いていない状態からの請求は、金額の当否ではなく、そもそもの根拠を疑われます。

支払の条件は第7条です。第7条第1項で前払と後払を選び、第7条第2項で支払期日、支払方法、振込先、振込手数料の負担、請求書と領収書の交付を埋めます。

前払を選んで入金がないときは、第7条第3項により、相当の期間を定めて催告したうえで解除できます。この場合は第10条のキャンセル料の扱いに乗ります(第10条第8項)。

遅延損害金には天井があります。第7条第4項は年率を空欄にしたうえで、乙が消費者に当たるときは年14.6%を超えない、と書いてあります。

消費者契約法第9条第1項第2号が、支払期日の翌日から支払日までの日数に応じ、支払うべき額に年14.6%の割合を乗じて計算した額を超える部分を無効としているためです。この上限を超える率を書いた雛形を、個人の利用者に向けて流用しないでください。

追加費用の支払期日は、第7条第5項で、第21条の明細を受け取った日から起算します。明細を出さないと、支払期日も動き出しません。

撤収が押したときの回収が、第14条です。

第14条第2項は、別紙2の延長単価により、あらかじめ決めた単位時間ごとに超過利用料金を払う形です。1単位に満たない時間は1単位として計算します。

第14条第3項は、甲が延長を承諾していない場合でも超過利用料金を請求できるとしています。無断で居座られたときに「承諾していないから請求の根拠がない」とならないようにするための項です。

第14条第5項は、次の利用者への返金、振替、代替施設の手配にかかった費用を乙が賠償する定めです。超過利用の実害は、その枠の料金より、次の予約を壊したことのほうが大きくなります。

第14条第6項は、退出を求めてもなお使い続けるときに、物品を搬出し、または保管できる定めです。かかった費用は乙の負担です。

保証金を預かる運用なら、第8条を使います。第8条第3項は、未払の利用料金と遅延損害金、超過利用料金、清掃料、賠償金、第23条により乙が負担する費用を控除して返す形です。控除したときは第21条の明細を交付します(第8条第5項)。控除額が保証金を超えたときは、超える分を請求できます(第8条第6項)。

第8条第4項の「据置きをしない」は、印紙税のための項です。 この記事の13章で扱います。

7. 清掃料を後出しにしない|第19条と別紙2の単価表

退出後の室に入ると、床に飲み物がこぼれた跡があり、ゴミが袋のまま残っています。清掃を外注して、翌日その分を請求する。ここで揉めます。

国民生活センターの消費者トラブルFAQには、「【レンタルスペース】使用後に、高額な清掃料を請求された。納得できない。」という相談が立っています。同FAQは、まず貸主に請求明細をもらって内容を詳しく確認し、納得できない場合は金額の根拠や計算方法について説明を求めるよう案内しています。

つまり、利用者は「明細」と「計算方法」を聞くように教わっています。聞かれてから作るのでは間に合いません。

配布テンプレートは、清掃料を3つに割っています。

別紙2の3の欄 何を書くか
利用料金に含む清掃の範囲 ゴミの回収、床の掃き掃除、机上の拭き上げなど、通常行う清掃の内容
特別清掃 単価と、発生条件を具体的に書く
大量のゴミの処理 単価と、どこからが「大量」かの基準
産業廃棄物などの処理 実費と、その発生条件

いちばん大事なのは、真ん中の発生条件です。単価だけを書いた表は、後出し請求と区別がつきません。

記入例を挙げます。「特別清掃:床面に飲食物が付着し、通常の掃き掃除と拭き上げでは除去できないとき。1回あたり◯◯円」。「大量のゴミの処理:45リットル袋◯袋を超えて残置されたとき。1袋あたり◯◯円」。

こう書いてあれば、退出後に写真を撮って条件に当たることを示し、単価を掛けるだけで請求できます。

第19条第3項は、別紙2の発生条件に該当するときに清掃料を請求できるとし、該当しないときは請求しないと書いてあります。第19条第4項は、請求するときに第21条の明細を交付し、発生条件に該当する事実を写真その他の記録により示す、としています。

この2項が入っているぶん、請求できる場面は狭くなります。そのかわり、狭い場面では、単価表と写真という2つの裏づけを添えて請求できます。

第19条第1項は、利用終了日時までに、持ち込んだ物品を撤去し、什器の配置を戻し、ゴミを持ち帰る義務です。第19条第6項は、原状回復が終わらないまま時間を超えたときを、第14条の超過利用として扱います。清掃の遅れが、そのまま延長料金になります。

置いていかれた荷物は第19条第5項です。まず引取りを求め、決めた日数以内に応じないときに処分でき、処分費用は乙の負担になります。日数の空欄を埋めずに締結すると、この項は動きません。

退去後の原状回復そのものを詰めたいときは、原状回復合意書テンプレートが別にあります。長期の賃貸借で使う書式なので、時間貸しの施設では第19条と別紙2で足ります。

8. 備品を壊されたとき、いくら請求できるか|第20条と別紙1

プロジェクターが映らなくなった、椅子の脚が折れた、壁に穴が空いた。金額を決めていないと、その場で言い値を告げることになります。言い値は、いちばん通りません。

国民生活センターの消費者トラブルFAQには、「【レンタルスペース】備品を壊してしまい、高額な損害賠償請求を受けた。どうすればよいか。」という相談が立っています。同FAQは、金額に納得できない場合は貸主に請求額の根拠を尋ねること、備品がもともと壊れていたなどの問題点があればその点を指摘して交渉することを案内しています。

反論の型は2つだけです。「高すぎる」と「もともと壊れていた」。 配布テンプレートは、この2つを別々の条で潰します。

「高すぎる」への答えが第20条です。 第20条第2項は、賠償の額を実費とし、定額により予定しないと明記しています。

第20条第2項の号 請求できる額
第1号 修理できるときは、修理に要する費用
第2号 修理できないときは、同等の物の購入に要する費用と設置に要する費用
第3号 修理や調達の期間中、その設備を貸せないことで失った利用料金に相当する額

「椅子1脚◯◯円」と定額で決めておくほうが楽に見えます。しかし乙が消費者であれば、定額の予定は平均的な損害の額を超える部分が無効になりえます。実費で組んでおけば、その争点自体が立ちません。

第3号は逸失利益です。第20条第3項は、この額をその期間に予約が成立していた利用に係るものに限り、支出を免れた費用を控除して算定するとしています。空いていた枠を「貸せたはずだ」と積むことはできません。

第20条第5項は、請求のときに、第21条の明細に加えて、修理の見積書もしくは請求書の写し、または購入した物の価格を示す書面の写しを交付する定めです。第20条第6項で保険により填補を受けた分を控除し、第20条第7項で、乙が故意または過失のないことを示したときは責任を負わないとしています。

「もともと壊れていた」への答えが別紙1です。 第13条第1項は、利用開始時と利用終了時に、別紙1で品目・数量・状態を突き合わせる定めです。

別紙1の「利用開始時の状態」の欄に書いた傷、汚れ、欠品、動作の不具合について、乙は責任を負いません(第13条第3項・第20条第4項)。逆に言えば、この欄を空欄のまま貸すと、既存の不具合と当日の破損を分けられなくなります。

立会いが難しい運用にも道があります。第13条第2項は、甲乙が立ち会って記入する方法と、乙が単独で確認して記入し甲が写真その他の記録で確認する方法の2択です。無人運営の施設は、後者を選んで、入室直後の記入を予約案内に組み込んでください。

第13条第4項は、乙が終了時の確認をせずに退出したときに、甲が確認した結果を契約上の状態として扱う定めです。ただし乙は、結果の通知を受けてから決めた時間内に異議を述べられます。

第13条第5項は、別紙1に記載のない損傷について乙が責任を負わないとしつつ、乙の利用中に生じたことが写真その他の記録により明らかであるときを除いています。第13条第6項の写真の撮影と保存が、ここで効きます。

鍵の紛失は第12条第5項です。シリンダーの交換と鍵の再作成に要した実費を乙が負担し、請求は第20条第5項と第21条の手順に乗ります。別紙2の6にも、この費目を実費として置いてあります。

9. 免責条項の書き方は2023年6月に変わった|第22条

電子契約で注意すべき点のイメージ

天井の照明が落ちて来場者が怪我をしたとき、まず誰が問われるか。運営者です。

民法第717条第1項は、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者が被害者に対して損害を賠償する責任を負うとし、ただし書で、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは所有者が賠償しなければならないとしています。

そこで、免責条項を1行だけ置いた雛形が出回っています。「当社は一切の責任を負いません」。あるいは「法律上許される範囲で責任を負いません」。乙が消費者であれば、この2つはどちらも無効です。

順に見ます。消費者契約法第8条第1項第1号は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項を無効としています。「一切」はここで落ちます。

同項第2号は、故意または重大な過失による債務不履行について、責任の一部を免除する条項を無効としています。上限額を置けるのは、軽過失の場合だけです。

そして令和5年6月1日から施行されている同法第8条第3項が、残りを塞ぎました。同項は、重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを条項において明らかにしていない一部免責の条項を無効とします。

「法律上許される範囲で」は、範囲を条項の文言で明らかにしていません。だから落ちます。改正法(令和4年法律第59号)のうち消費者契約法に関する部分は、公布の日から起算して1年を経過した日である令和5年6月1日に施行されました。

配布テンプレートの第22条は、この順に組んであります。

  • 第22条第1項:本施設を、契約と別紙1に定める状態で利用に供する義務を負う(免責の前に、まず何を約束したかを書く)
  • 第22条第3項:甲の責めに帰すべき事由により乙に生じた損害を賠償する。賠償の責任の全部を免れる定めを置かない
  • 第22条第4項:軽過失による行為にのみ適用されるものとして、賠償額の上限を置く。故意・重過失の場合と、生命または身体を侵害した場合には上限を適用しない

第22条第4項の書きぶりが、第8条第3項への答えです。「甲、甲の代表者又は甲の使用する者の重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されるものとして」という文言を消して上限額だけを残すと、条項ごと無効になります。ここは削らないでください。

上限額は空欄です。空欄のまま締結すると、上限の定めがないことになります。基本利用料金の額、または1件あたりの受領額を目安に、施設の実情で決めてください。

第22条第6項は持込品の盗難・紛失・破損、第22条第7項は周辺環境や他の利用者の行為についての定めです。どちらも「甲の責めに帰すべき事由がある場合を除き」という限定を付けてあります。責めに帰すべき事由まで免れる形にしていないのは、第8条第1項の各号に触れないためです。

解除権のほうにも規制があります。消費者契約法第8条の2は、事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させ、または事業者に解除権の有無を決定する権限を付与する条項を無効としています。

設備が壊れていて使えなかったのに解約させない、という条項は置けません。配布テンプレートの第11条第4項は、甲の責めに帰すべき事由で使えなかったときに乙が解除でき、既に受領した利用料金と保証金の全額を返す形にしてあります(第11条第5項でその旨を明記)。

不可抗力は第11条第1項です。天災地変、火災、停電、断水、設備の重大な故障、行政機関の要請や指示、建物全体の使用停止などを挙げ、利用できなかった部分に対応する利用料金と保証金を返し、互いにそれを超える請求をしない形にしています(第11条第3項)。振替の提案はできますが、乙に応じる義務はありません(第11条第7項)。

10. 使い方で足す特約|第17条は5択(飲食・調理・音楽・撮影・深夜)

同じ20畳の室でも、会議に使うのと、料理教室に使うのと、DJイベントに使うのとでは、必要な約束が違います。全部を本文に書くと契約書が読めなくなり、書かないと当日に困ります。

第17条は、5つの用途を1行1択にしてあります。該当するものだけに印を付け、その項の特約が適用されます。

飲食の提供(第17条第2項)。 持込みの可否、酒類を提供するのは甲か乙か、ケータリングの手配者、残った飲食物と容器の処理を書きます。誰が提供者になるかを空欄にしたまま貸すと、事故が起きたときに責任の所在が決まりません。

調理・食品の製造販売(第17条第3項)。 食品衛生法第55条第1項は、同法第54条に規定する営業を営もうとする者は都道府県知事の許可を受けなければならないとしています。許可を受けるのは、営業を営もうとする者です。

同法施行令第35条は施設についての基準を定めるべき営業を列挙し、その第1号に飲食店営業を掲げています。厚生労働省の資料は、飲食店営業を「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」と説明しています。

もっとも、共用の厨房で複数の事業者が営業するときの許可の名義については、公的な資料を確認できていません。配布テンプレートは断定せず、甲が受けている許可の種類と番号を書く欄と、保健所に確認した内容と確認年月日を書く欄を置いています。ここは所在地を管轄する保健所にご確認ください。

音楽・映像(第17条第4項)。 著作権法第22条は、著作者がその著作物を公衆に直接見せまたは聞かせることを目的として上演し、または演奏する権利を専有すると定めています。

同法第38条第1項は、公表された著作物について、営利を目的とせず、かつ聴衆または観衆から料金を受けない場合に公に上演・演奏・上映・口述できるとし、ただし書で、実演家や口述を行う者に報酬が支払われる場合を除いています。免除されるのは、これらを全部満たすときだけです。入場無料でも営利目的なら外れます。

一般社団法人日本音楽著作権協会は、演奏会で同協会の管理楽曲を利用する場合について、原則としてその演奏会を主催する者に利用許諾の手続をとってもらう取扱いを示しています。だから配布テンプレートは、許諾の取得と使用料の支払を乙の責任と費用で行う形にし、甲が包括的な許諾を受けている範囲を書く欄を隣に置いています。

撮影・物販(第17条第5項)。 撮影した写真と映像の権利は乙またはその指定者に帰属し、甲は取得しません。甲が施設の写真を撮って乙の催しが写り込むときは、公表前に乙の承諾を得ます。施設の名称・外観・内装を撮って公表するときに甲の承諾が要るかどうかは、選択式にしてあります。

深夜利用(第17条第6項)。 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第11項は、特定遊興飲食店営業を、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前6時後翌日の午前0時前の時間においてのみ営むもの以外のものとしています。

同条第1項第1号は、設備を設けて客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業を風俗営業とし、同条第3項は、接待を、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこととしています。

配布テンプレートは、本件で酒類を提供するのは甲か乙か、客に遊興をさせるか、接待を伴うかを書き留める欄を置いています。場所を貸すだけの運営者が許可を要するかどうかを示した資料は確認できていないので、断定していません。許可の名宛人が営業を営む者であるという条文の構造から、乙に必要な許可を取らせる形にしてあります。

第18条は、この5つに共通する受け皿です。乙は必要な許可・認可・登録・届出・承認・権利処理を自らの名義と費用で行い(第18条第1項)、写しを利用開始日時までに提出します(第18条第2項)。第18条第6項では、締結日において許認可を了していること、申告した利用目的・人数・催しの内容に事実と異なる記載がないことを表明保証させます。

第17条第7項により、手続が終わっていないと認めるときは、甲は利用を断れます。

11. 定員と避難通路|第5条・第15条が消防法とつながるところ

「聞いていた人数より、ずいぶん多く来ている」。当日のこの一言が、契約の問題であると同時に、運営者自身の法令上の問題になります。

第5条第1項は、乙の利用予定人数、施設の定員、定員を超えて入場させる場合の取扱いの3つを書く表です。第5条第2項で定員超過を禁じ、第5条第5項で、超えていると認めたときに入場を断り、または利用の中止を求められる形にしています。

第5条第4項は、定員の決め方を書いた項です。甲は、構造、設備、避難の経路、法令に基づいて定めます。

ここで消防法が出てきます。消防法第8条第1項は、政令で定める防火対象物の管理について権原を有する者に防火管理者を定めさせ、消防計画の作成、避難の訓練の実施、収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならないとしています。選任したら、遅滞なく所轄の消防長または消防署長へ届け出ます(同条第2項)。

防火管理者を要する防火対象物は消防法施行令第1条の2に定められています。用途によって人数の閾値が変わり、同令別表第一の(一)項に当たる場合は収容人員30人以上、(十五)項に当たる場合は50人以上です。貸会議室やイベントスペースがどの項に当たるかは、所轄の消防本部の判断によります。

この「収容人員」は、実際に入場する人数ではありません。 消防法施行規則第1条の3は、その算定方法を定めています。算定方法は用途の区分ごとに違います。(一)項なら、従業者の数に、客席の部分ごとの数を合算します。固定式のいす席はその席数、立見席は床面積を0.2平方メートルで除した数、その他の部分は床面積を0.5平方メートルで除した数です。(十五)項なら、従業者の数に、主として従業者以外の者の使用に供する部分の床面積を3平方メートルで除した数を合算します。同じ広さの室でも、どの項と判定されるかで出てくる数字が変わります。所轄の消防本部にご確認ください。

第5条第4項の末尾に「同算定による収容人員は、実際に入場する人数とは異なり、本条第1項の定員とも別のものである」と書いてあるのは、この混同を避けるためです。契約書に書く定員は、運営者が自分で決める上限です。

避難通路のほうは、利用者の問題ではなく運営者の義務です。 消防法第8条の2の4は、廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、またはみだりに存置されないように管理し、防火戸についてもその閉鎖の支障になる物件が放置されないように管理しなければならないと、管理について権原を有する者に求めています。

利用者が搬入した段ボールや什器が廊下に積まれていれば、責められるのは運営者です。だから第15条第1項は、避難上必要な施設に避難の支障になる物件を置かないこと、防火戸の閉鎖の支障になる物件を置かないことを、乙の遵守事項に落としてあります(第15条第2項に根拠を明記)。

第15条第1項には、ほかに利用目的の範囲内で使うこと、定員を超えないこと、火気の使用を甲の定める方法によること、音量・振動・臭気に配慮すること、異常が生じたら直ちに連絡することなどが並びます。第15条第4項では、喫煙、裸火、発電機や燃料の持込みの可否を選びます。

第15条第3項は、利用当日の責任者を定めて在館させる義務です。氏名と連絡先は別紙4に書きます。当日に連絡がつく相手が決まっていないと、避難誘導も入場制限も動きません。

避難誘導の担当者を乙が定めるときも、別紙4に書きます(第23条第5項)。第23条第2項は、乙の役員、従業員、出演者、出展者、来場者などの行為を乙の行為とみなす条項です。来場者が起こしたことは、乙が責任を負います。

なお、消防用設備等の設置と維持の義務は「関係者」にかかります(消防法第17条第1項)。テナントとして借りて運営している事業者も、この関係者に含まれます。第18条第4項は、甲がこれらの義務を履行するために行う指示に乙が従う、という形にしてあります。

12. ネットで予約を受けるなら、別紙2と別紙3を予約ページに貼る|特商法11条

契約書を整えても、予約ページが古いままだと意味がありません。読者が毎日触っているのに、条文を確かめたことがないのがここです。

特定商取引に関する法律第2条第2項は、通信販売を、販売業者または役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法により売買契約または役務提供契約の申込みを受けて行う商品もしくは特定権利の販売または役務の提供であって、電話勧誘販売に該当しないものと定義しています。

条文が「役務提供事業者」と「役務提供契約」を名指ししていることを確かめてください。レンタルスペースの予約がこれに当たると行政が示した資料は確認できていないので、ここでは断定しません。自社の申込みの受け方が定義に当てはまるかは、条文に照らして判断することになります。

当てはまるなら、予約ページは「広告」です。同法第11条は、通信販売をする場合の役務の提供条件について広告をするときに、次の事項を表示しなければならないとしています。

特商法第11条 予約ページに載せるもの 契約書のどこと揃えるか
第1号 役務の対価 別紙2の1(基本料金)
第2号 対価の支払の時期および方法 第7条第1項・第2項
第3号 役務の提供時期 第4条第1項
第4号 申込みの期間の定めがあるときはその内容 予約受付の締切
第5号 申込みの撤回または解除に関する事項 別紙3(キャンセル料区分表)

省令の側にも表示事項があります。同法施行規則第23条は、その第1号で事業者の氏名または名称、住所および電話番号を挙げ、第2号で、法人が電子情報処理組織を使用する方法で広告をする場合に、代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名を挙げています。いわゆる「特定商取引法に基づく表記」の中身です。

そして第4号が、この記事の7章とつながります。 同号は、法第11条が第1号で定める金銭以外に役務の提供を受ける者の負担すべき金銭があるときは、その内容とその額を表示すべき事項としています。

清掃料、ゴミの処理費、延長料、搬入出費を取るのであれば、その内容と額を予約ページに出しておく。これが、清掃料の後出し請求と言われないための、いちばん手前の予防線です。

だから配布テンプレートの第6条第6項は、甲が別紙2の内容を予約ページその他の広告に表示する、と定めています。別紙2と別紙3を、そのまま予約ページに貼ってください。 契約書と表示が同じ文面になるので、更新のたびに片方だけ古くなる事故も減ります。

表示の中身にも規制があります。同法第12条は、役務の提供条件について広告をするときに、役務の内容や解除に関する事項などについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良・有利であると誤認させる表示をしてはならないとしています。

掲載写真の広さ、設備、収容できる人数を実際より良く見せてはいけません。第3条第6項は、予約ページに表示した広さ・設備・人数と実際のものに違いがあるときに、締結前に乙へ告げる、という形にしてあります。

「予約は8日以内なら無条件で取り消せるのですか」と聞かれたときの答えも、条文にあります。 同法第15条の3が定める返品の制度は、「商品又は特定権利の売買契約」を対象としており、役務提供契約には及びません。

ただし、これは「キャンセル料をいくらでも取れる」という意味ではありません。金額の当否は消費者契約法第9条で別に審査されます。この記事の5章に戻ってください。

相手が法人や個人事業主で、営業のために予約する場合は、同法第26条第1項第1号により適用が除外されます。予約フォームで法人利用か個人利用かを取っておくと、この切り分けと、配布テンプレート第1条第4項の区分の両方に使えます。

フォームの作りにも1つ。電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律第3条は、消費者の申込みの意思表示が一定の錯誤に基づくものであるときに民法第95条第3項を適用しないとしつつ、ただし書で、事業者が映像面を介して申込みの意思の有無について確認を求める措置を講じた場合を除いています。

同法第2条第1項の電子消費者契約は、消費者と事業者との間で、事業者が映像面に表示する手続に従って消費者が送信することにより申込みまたは承諾の意思表示を行う契約です。予約フォームからの申込みは、これに当たりえます。

申込み内容の確認画面と確定ボタンは、開発コストではなく防御です。 時間の押し間違いや重複予約を「錯誤だった」と言われたとき、確認画面を出していたかどうかで立場が変わります。

13. レンタルスペース利用契約書の印紙税|不課税と、化ける2つの経路

先に結論です。この契約書は印紙税の課税文書に当たりません。収入印紙は不要です。

国税庁のタックスアンサー No.7106「建物の賃貸借契約書」は、建物の賃貸借契約書は印紙税の課税対象となりません、としています。配布テンプレートが対象にしているのは建物またはその一部である施設であって、土地の賃借権を設定するものではありません。

ここが、隣の書式と結論が逆になるところです。同No.7106は、その敷地についての賃貸借契約を結んだことが明らかであるものは、第1号の2文書「土地の賃借権の設定に関する契約書」に該当するとしています。

駐車場のように土地そのものを賃貸借の形で貸す契約書は、第1号の2文書として課税されえます(区画を使わせるだけの使用契約書は不課税です)。駐車場賃貸借契約書テンプレートと読み比べると、分かれ目が建物か土地かにあることがはっきりします。税額の一覧は印紙税額一覧表にまとめてあります。

継続して貸す相手でも、第7号文書にはなりません。 印紙税法施行令第26条第1号は、第7号文書の範囲を、営業者の間において、売買、売買の委託、運送、運送取扱いまたは請負に関する二以上の取引を継続して行うため作成される契約書としています。

限定列挙です。施設の賃貸借や利用は、この5つのどれにも入りません。参考までに、第7号文書の税額は1通につき4,000円で、契約期間が3か月以内であり、かつ更新の定めのないものは除かれます(国税庁タックスアンサー No.7104)。

配布テンプレートの第1条第5項が「本契約は1件の利用について取り交わすものであり、継続して利用する取引の基本となる条件は定めない」としているのは、この判定を紙の上でも明らかにしておくためです。

それでも、課税文書に化ける経路が2つあります。

経路1:保証金を据え置くと書いたとき。 同No.7106は、賃借人から保証金などの名目で一定の金銭を受け取り、賃貸借期間に関係なく一定期間据置き後に一括返還または分割返還することを約する場合、その建物の賃貸借契約書は第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)に該当するとしています。

配布テンプレートの第8条第3項は「本契約の終了後、決めた日数以内に返還する」という形にし、第8条第4項で据置きをしないことと利息を付さないことを明記しています。この2項を「一定期間据え置いた後に返還する」と書き換えると、不課税ではなくなります。

経路2:請負を同じ紙面に書き込んだとき。 設営、撤去、清掃、運営代行を甲が請け負い、その契約金額を同じ契約書に書くと、請負に関する契約書として第2号文書に当たることがあります。

配布テンプレートは、これらを別紙2の単価による追加費用として扱い、請負を約する条項を置いていません。甲がこれらの作業を請け負うのであれば、この契約書とは別の契約書を作ってください。

印紙の要否と税額の最終的な判定は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

💡 印紙が要らない前提で組んである全29条です

保証金の据置きを置かず、請負条項も混ぜていません。ダウンロードしたら、第8条第3項の返還日数と、別紙2の単価だけ埋めてください。

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14. 紙のままで足りる場合と、電子で交わす場合

この書類は不課税なので、印紙代を浮かせるために電子にする理由はありません。判断材料は別のところにあります。

紙で足りる運用が3つあります。先にそちらから挙げます。

当日その場で、対面で受け渡す運用の場合。 甲が立ち会って解錠し、別紙1に双方が書き込み、終了時にもう一度見て回るなら、紙を2通作って署名するのが最短です。第13条第2項の「甲及び乙が立ち会って確認し、別紙1に双方が記入する」を選ぶ運用がこれにあたります。

相手が電子での締結に同意しない場合。 地域の団体や個人の利用者が相手だと、紙のほうが話が早いことがあります。配布テンプレートの末尾は、紙を2通作って記名押印する形と、電磁的記録1通に電子署名を付す形の2択にしてあります。

利用日の前に、利用者が下見や打合せで来館する場合。 その場で空欄を埋めて2通に署名できるなら、郵送も電子も要りません。

逆に、電子で交わしたほうが早いのは次の場合です。

利用日の前に1通交わしておきたい場合。 これが最大の理由です。当日の受付で契約書を差し出しても、キャンセル料も定員も、当日には手遅れです。予約が入った時点で送って、利用日の前に署名を返してもらう。この順番にできるかどうかで、第10条も第5条も効き方が変わります。

相手が遠方の法人で、押印のために郵送のやり取りが挟まる場合。 予約から利用日までが数日しかないと、郵送で往復する余裕がありません。

別紙1の記録を残しておきたい場合。 写真と現状確認書を電磁的記録で残しておけば、第13条第5項の「写真その他の記録により明らか」の立証が、あとから探さずに済みます。

ムスビサインは立会人型(事業者署名型)のクラウド型電子契約サービスで、電子署名法第3条に対応しています。締結時にAATL(Adobe Approved Trust List)証明書による電子署名と、総務大臣認定タイムスタンプを付与します。

受領者(署名する相手)はアカウント登録が不要です。1件だけ借りる利用者に、会員登録の説明から始めなくて済みます。

電磁的記録で締結するときは、末尾の締結方法の欄で電磁的記録のほうを選びます。第2条第7項の「書面又は電磁的記録による合意」も、同じ経路で残せます。

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15. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順

電子契約の手順(アップロード→署名→送信)のイメージ

ダウンロードしてから利用日までは、6ステップです。別紙から埋めてください。 本文の空欄は、別紙が決まると自動的に決まります。

ステップ1:別紙2(料金表・追加費用単価表)を埋める

基本料金、深夜の割増、最低利用時間、人数追加の単価。延長と超過利用の単価と、計算の単位となる分。清掃の範囲と特別清掃の単価・発生条件。ゴミ、搬入出、備品貸出し、什器の再配置、荷物の預かり。

この1枚が、請求できる範囲そのものです。 第6条第5項により、ここに単価または発生条件の定めがない費目は請求しません。空欄を残すと、その費目は取れません。

ステップ2:別紙3(キャンセル料区分表及び算定根拠)を埋める

区分ごとに、料率または額、その時期までに手配を終える費目、算定根拠を書きます。他社の数字を写さないでください。第5章の記入例をそのまま形にすれば足ります。

別紙3の3には、算定した年月日、用いた資料、キャンセル料のほかに違約金を定めていないか、予約ページに同じ内容を表示しているか、見直しの予定を書く欄があります。年に1度、ここを開いて見直してください。

ステップ3:別紙1(設備・備品現状確認書)の品目を先に入れておく

品目と数量は、施設ごとに固定です。空の様式を毎回書くのではなく、自分の施設の備品を打ち込んだものを保存して使い回してください。状態の欄だけを当日に書きます。

ステップ4:本文の空欄を、この順で埋める

  1. 第1条第4項:乙が消費者か事業者かの区分(ここでキャンセル料・遅延損害金・免責の効き方が決まります)
  2. 第2条:規約の名称と版または改定年月日、掲示の方法(規約がなければ空欄でも締結できます)
  3. 第3条:室名、床面積、使える共用部分、使えない部分、利用目的、催しの名称、一般の参加者を集めるかどうか
  4. 第4条第1項:開始と終了を分単位で。搬入・設営と撤去・清掃の時間も内訳で
  5. 第5条第1項:利用予定人数と定員
  6. 第6条第1項:税抜、消費税額、税込の3つ
  7. 第7条:前払か後払か、支払期日、振込先、遅延損害金の率(消費者なら年14.6%を超えない)
  8. 第8条第1項:保証金を預かるかどうか
  9. 第12条第1項:立会いか、鍵の貸与か、暗証番号か、電子的な解錠か
  10. 第17条第1項:飲食・調理・音楽・撮影・深夜のうち該当するものだけ
  11. 第22条第4項:軽過失の場合の賠償額の上限
  12. 第24条:情報の保存期間、防犯カメラと来場者名簿の要否、秘密保持の存続年数

ステップ5:締結する

末尾で、紙2通の記名押印か、電磁的記録1通の電子署名かを選びます。利用日の前に交わしてください。 当日に差し出す運用だと、キャンセル料も定員も間に合いません。

ステップ6:当日にやることを、この順で潰す

  • 入室直後に別紙1の「利用開始時の状態」を記入し、写真を撮る(第13条第1項・第13条第6項)
  • 鍵または暗証番号を渡し、受領者の氏名を別紙4に残す(第12条第2項)
  • 当日の責任者が在館しているかを確かめる(第15条第3項)
  • 終了時に別紙1の「利用終了時の状態」を記入し、もう一度写真を撮る
  • 追加費用が出たら、その場で費目を控え、第21条の明細を作って渡す
  • 保証金から控除するときは、控除の明細を期日内に交付する(第8条第5項・第21条第2項)

暗証番号や電子的な解錠の権限を使っているなら、利用ごとに変えてください(第12条第4項)。前の利用者が入れる状態を残さないための項です。

16. よくある質問(FAQ)

Q1. 利用規約を貼ってあれば、契約書は要りませんか?

A. 単発の時間貸しだけなら規約で回せます。ただし規約には、利用日時も、その1件の金額も、当日の責任者の連絡先も書けません。

金額の張る利用、イベント、法人の団体利用は、契約書を1通交わしておいたほうが回収できます。両方を使うときは、配布テンプレートの第2条で規約を取り込み、第2条第5項で契約書を優先させてください。

Q2. 3時間だけ貸すのに、借地借家法がかかることはありますか?

A. 借地借家法第40条は、同法第3章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には適用しないと定めています。一時使用であることが明らかなら、法定更新(同法第26条第1項)も正当事由(同法第28条)もかかりません。

危ないのは時間の長さではなく、運用の変化です。月極めの固定枠、鍵の常時貸与、荷物の常置、住所としての登記に移ると、一時使用であることが外形から見えなくなります。個別の事情による判断になるので、この書式を使えば必ず一時使用になる、というものではありません。

Q3. キャンセル料は何日前から何割にすればよいですか?

A. 公的に示された相場はありません。消費者庁の消費者契約法逐条解説は、「平均的な損害の額」を個々の事業者に生ずべき損害の額であって業界の水準ではないとしています。

決め方は逆算です。「何日前までに、何を手配し終えているか」を先に書き出し、その費用の合計から率または額を出します。別紙3は、その順に書ける形にしてあります。

Q4. 予約から8日以内なら、利用者は無条件で取り消せますか?

A. 特定商取引に関する法律第15条の3が定める返品の制度は、「商品又は特定権利の売買契約」を対象としており、役務提供契約には及びません。

ただし、キャンセル料の金額が妥当かどうかは、消費者契約法第9条第1項第1号で別に審査されます。返品制度の対象外であることは、いくらでも請求できることを意味しません。

Q5. 備品を壊されたら、新品の値段を請求できますか?

A. 修理できるなら修理費用です(第20条第2項)。修理できないときは、同等の物の購入に要する費用と設置に要する費用を請求します。

加えて、修理や調達の期間中に貸せなかったことで失った利用料金に相当する額も請求できます。ただし、その期間に予約が成立していた分に限り、支出を免れた費用を控除して算定します(第20条第3項)。

見積書や請求書の写しを添えて出してください(第20条第5項)。保険で填補を受けた分は控除します(第20条第6項)。

Q6. 清掃料はいくらまで請求できますか?

A. 上限を定めた法令はありません。効くのは金額そのものより、先に単価と発生条件を書いてあるかどうかです。

別紙2の3に、通常の清掃の範囲、特別清掃の単価と発生条件、ゴミの処理の単価を書きます。第19条第3項は、発生条件に該当しないときは清掃料を請求しない、としています。請求するときは、第21条の明細と、条件に当たる事実を示す写真を添えます(第19条第4項)。

Q7. 「当社は一切の責任を負いません」と書いてはいけないのですか?

A. 相手が消費者なら書けません。消費者契約法第8条第1項第1号が、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害の賠償責任の全部を免除する条項を無効としています。

「法律上許される範囲で責任を負いません」も同じです。令和5年6月1日から施行されている同法第8条第3項は、重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを条項において明らかにしていない一部免責の条項を無効とします。

配布テンプレートの第22条第4項は、軽過失に限る旨を条項の文言で示したうえで上限額を置く形です。この文言を削らないでください。

Q8. 借りるのが法人なら、消費者契約法は関係ありませんか?

A. かかりません。消費者契約法第2条第2項は、法人その他の団体と、事業として、または事業のために契約の当事者となる個人を「事業者」としています。同条第3項の消費者契約は、消費者と事業者との間の契約です。

とはいえ、法人と個人で別々の書式を持つのは手間です。配布テンプレートは第1条第4項で区分を選ぶ形にし、キャンセル料(第10条第4項)、遅延損害金(第7条第4項)、免責(第22条第4項)、解除時の返金(第25条第2項)が、その区分に連動して読めるようにしてあります。

Q9. 収入印紙は必要ですか?

A. 不要です。この契約書は課税文書に当たりません。国税庁のタックスアンサー No.7106は、建物の賃貸借契約書は印紙税の課税対象となりません、としています。

継続して貸す相手でも第7号文書にはなりません。印紙税法施行令第26条第1号が、第7号文書の範囲を売買、売買の委託、運送、運送取扱いまたは請負に関する取引に限っているためです。

保証金の据置きを書いた場合と、設営や清掃の請負を同じ紙面に書いた場合は結論が変わります。最終的な判定は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

Q10. 同じ会社に毎週同じ枠を貸しています。この契約書でよいですか?

A. 使えますが、書き方に注意が要ります。第4条第7項のとおり、複数の日程は別紙4に日程ごとに書き、日程ごとに申込みと承諾があったものとして扱ってください。

「以後、同じ曜日の同じ時間を継続して使用できる」と書き足したり、鍵を預けたままにしたりすると、一時使用であることが外形から見えなくなります。固定枠として貸し続けるのであれば、賃貸借契約書の型で組み直すほうが安全です。

Q11. 利用者に仮眠を取らせても大丈夫ですか?

A. 分かれ目は寝具です。旅館業法第2条第5項は、宿泊を、寝具を使用して施設を利用することと定義しています。同法第3条第1項は、旅館業を営もうとする者に都道府県知事の許可を求めています。

配布テンプレートの第16条は、宿泊することと、寝具・寝袋その他これに類する物を持ち込むことを禁止事項に置いています。第16条第2項では、名称のいかんを問わず寝具を使用する状態での利用を断り、施設に寝具を備え付けないとしています。仮眠室、ソファベッド、シャワーを備えている施設は、この条項だけでは足りません。保健所にご確認ください。

17. まとめ:空欄を埋めて、利用日の前に1通交わす

最後に、締結までに決めることを順に確かめてください。上から順に埋めれば、契約書1通で1件の条件が閉じます。

  • 規約を持っているなら、第2条に版または改定年月日を書く。持っていなければ空欄のまま、別紙2と別紙3で完結させる
  • 利用目的を具体的に書き、開始と終了を分単位で書く。「更新」の語を足さない(借地借家法第40条)
  • 別紙2の単価表を埋める。ここに書いていない費目は請求できない(第6条第5項)
  • 別紙3の料率と算定根拠を、自分の手配の実態から決める。他社の数字を写さない(消費者契約法第9条第2項)
  • 遅延損害金は、相手が個人なら年14.6%を超えない(消費者契約法第9条第1項第2号)
  • 第22条第4項の上限額の空欄を埋める。軽過失に限る旨の文言は削らない(消費者契約法第8条第3項)
  • 別紙1に自分の施設の備品を打ち込んでおき、利用開始時の状態の欄を当日に必ず埋める
  • 別紙2と別紙3を、予約ページにも同じ内容で載せる(特定商取引に関する法律第11条)
  • 印紙は不要。ただし保証金の据置きと、請負の混載はしない

そして、利用日の前に交わしてください。当日その場で差し出す運用では、キャンセル料も定員も、決めた意味がなくなります。

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料金表・追加費用単価表つき(別紙2) — 延長、清掃、ゴミ、搬入出、備品貸出しの単価と発生条件

設備・備品現状確認書つき(別紙1) — 「もともと壊れていた」を封じます

利用明細つき(別紙4) — 複数日程、変更の記録、当日の連絡先

消費者と事業者の切り替え(第1条第4項) — キャンセル料・遅延損害金・免責が連動します

軽過失限定を明示した免責条項(第22条第4項) — 令和5年6月1日施行の消費者契約法第8条第3項に対応

弁償は実費建て(第20条) — 定額の予定を置かず、修理費・同等品・逸失利益で組んであります

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本記事および配布テンプレートは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な事案の適法性や、印紙税・消費税の判定については、弁護士・税理士にご確認ください。

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