PDF送付前チェックとは
電子契約で契約書を送る前に、そのPDFが電子署名を付けられる状態かを調べるツールです。PDFは見た目が同じでも、内部構造が電子署名に向かない形になっていることがあります。読めるのに署名だけができない、というPDFは実際に存在します。
このページのツールは、登録不要・無料で、PDFをサーバーにアップロードせず、すべてお使いのブラウザ内で検査します。問題が見つかった場合は、その場で作り直しを試します。
電子契約で送れないPDFの4パターン
パスワードが設定されている
パスワードで保護されたPDFには電子署名を付けられません。暗号化されたままでは署名の対象となるデータを確定できないためです。元のファイルで保護を解除し、パスワードなしのPDFを書き出してください。
すでに電子署名が入っている
署名済みのPDFに追加で署名すると、先に入っていた署名が壊れます。署名の前の原本を使ってください。相手の署名をもらったあとの契約書を再送する場面では、そもそも署名を足す必要がありません。
閲覧ソフトによって表示が変わりうる構造になっている
PDFには、ファイル内の各要素の位置を記録した索引があります。この索引が古い形式と新しい形式の両方で二重に書かれているPDFが存在し、どちらを読むかは閲覧ソフトによって変わります。つまり同じファイルでも、開いたソフトによって表示される内容が違う可能性があります。
証拠として残す書類では、この状態は望ましくありません。電子署名の仕組みも、この構造のPDFへの署名を認めないものが多くあります。Wordから書き出したPDFに見られる構造で、気づかないまま使われていることが少なくありません。
構造が壊れている
ファイルの末尾が欠けている、索引が実際の位置とずれている、といった壊れ方です。閲覧ソフトは壊れた部分を補って表示してくれることが多いため、見た目では分かりません。メールの添付で切れた、古いソフトで保存した、といった経緯で起きます。
なぜWordで作ったPDFで起きるのか
Wordの「名前を付けて保存」でPDFを書き出すと、互換性を優先した構造で出力されることがあります。古いソフトでも開けるように配慮した結果、索引が二重に書かれた形になります。Wordは正しく動いていて、PDFの仕様としても誤りではありません。
問題は、電子署名を付ける段階で表れます。署名は「このファイルがこの内容であること」を固定する仕組みなので、読むソフトによって内容が変わりうるファイルは対象にできません。だから書き出した時点では何も起きず、送る直前に止まるという順番になります。
直し方
PDFの内部構造だけを作り直します。索引を1つの形式に統一し、ファイル末尾を正しく書き直す作業です。
ページの内容とフォントはそのまま持ち越されるので、見た目は変わりません。文字の選択・検索もこれまでどおり行えます。このページのツールは問題を見つけると自動で作り直しを試し、直った場合はそのPDFをダウンロードできます。
作り直しても直らない場合は、壊れ方が大きいということです。元のWordなどからもう一度PDFを書き出すのが確実です。
スキャンしたPDFの扱い
紙の契約書をスキャナやスマホで取り込んだPDFは、中身が画像です。文字データを持っていないため、文字の検索やコピーができません。
ただし電子署名を付けることはできます。署名はファイル全体を対象にするもので、文字データの有無とは関係ありません。スキャンしたPDFでも、そのまま電子契約で送れます。
書類の種類も調べる(任意)
PDFの構造に問題がなくても、書類の種類によっては電子化に追加の手続きが要ります。このツールでは、表題から書類の種類を推定して、その類型に一般に当てはまる注意をお伝えできます。
この機能はボタンを押したときだけ動きます。押すと、PDFの冒頭から取り出した表題と見出しに相当する行だけが、判定のために外部へ送られます。PDFファイルそのものと本文(条項)は送りません。 送る文字列は押す前に画面に表示されるので、中身を確かめてから決められます。社名や金額は機械的に伏せ字にしますが、完全な匿名化は保証できません。
判定するのは書類の種類までです。契約内容の審査や法的な評価は行いません。結果には判定の根拠と、基準にした時点の法令を添えて表示します。
書類の種類による注意
PDFの構造に問題がなくても、書類の種類によっては電子化に追加の要件があります。不動産の重要事項説明書は相手方の承諾が必要で、事業用定期借地契約や任意後見契約は公証役場での手続きが必要です。
契約は方式自由が原則なので、ほとんどの契約書はそのまま電子化できます。例外となる類型だけを押さえておけば十分です。詳しくは電子契約のグレーゾーンで整理しています。
調べたPDFをそのまま送る
問題がなければ、そのPDFを預かったまま会員登録に進み、送信画面でそのまま相手に送付できます。改めてアップロードする必要はありません。相手はアカウント登録なしで、メール1通から署名できます。