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電気工事請負契約書テンプレート・雛形|資格・登録・PSE・竣工検査

電気工事請負契約書テンプレート(全39条+別紙4本)を無料ダウンロード。会員登録不要のWord形式です。建設業許可と電気工事業の登録の違い、作業者の4資格、施主支給とPSE表示、電力会社への申込みと工期、絶縁抵抗と接地抵抗の竣工検査、印紙税まで解説します。

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電気工事請負契約書テンプレート

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2026-09-11
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「渡された1枚に、工事の内容が『電気工事一式』としか書いていない」 「通販で買った照明を持ち込んだら、取り付けを断られた」 「工事は終わったのに、電気が使えるのは来月だと言われた」

配布するのは、電気工事請負契約書のWordテンプレートです(全39条+別紙4本・会員登録不要)。発注者である施主または建物の所有者(甲)と、その甲から直接に電気工事を請け負う電気工事業者(乙)が、1件の工事について取り交わす形にしてあります。

建設業法だけでなく、電気工事士法・電気工事業法・電気事業法・電気用品安全法・消防法の側からも欄を立ててあります。資格、登録、PSE表示、保安の届出。この4つを書く欄が、条文から起こしてあります。

この3つは、着工前に紙の上で片づきます。回路と器具を別紙に書けば「一式」は消えます。照明を断られる理由も、電気が使える日が遅れる理由も、条文の側に決まった答えがあります。

この記事は、発注する側と請け負う側の両方に向けて書いています。請け負う側は、第15章のCから読んでください。

この記事の結論

  • 配布するのは全39条+別紙4本。工事の内容は別紙1に回路と器具ごとに書く。
  • 建設業許可は請負代金500万円未満の工事だけなら不要(建設業法施行令1条の2第1項)。電気工事業の登録に金額の下限はなく、有効期間は5年。
  • 相手の立場は4区分。建設業者になると登録は効力を失うので、古い番号は書けない。
  • 作業に従事できる資格は4つ。簡易電気工事は認定電気工事従事者でもよい。
  • PSE表示のない器具を取り付けると、電気工事士は免状の返納を命じられうる。
  • 低圧の申込みは電気工事店が行うのが一般送配電事業者のおおむねの運用。高圧の可否と所要期間はエリアで違う。
  • 竣工検査は絶縁抵抗と接地抵抗で検算できる。基準値は別紙4に刷ってある。
  • 配線図と検査結果は帳簿の記載事項。交付は契約に書いて初めて約束になる。

目次

  1. 電気工事請負契約書テンプレートの無料ダウンロード
  2. 電気工事に固有の6項目|区分・登録・資格・回路・PSE・電力会社への申込みを署名前に見る
  3. 一般用電気工作物か自家用電気工作物か|低圧600ボルトで資格と甲の義務が切り替わる(別紙1)
  4. 相手の登録と資格を契約書で確かめる|建設業許可と電気工事業の登録は別物(第4条・第5条・別紙2)
  5. 「電気工事一式」を第2条第3項が封じる|回路と分岐回路で特定し、自火報・LANとの境界を別紙1の3で切る(第2条・第3条)
  6. 施主支給の照明を断られる理由|PSE表示と、取り付けた側の責任(第16条)
  7. 電力会社への申込みは誰がするか|低圧と高圧で申込者が変わり、所要期間はエリアで変わる(第7条・第11条・別紙3)
  8. 甲(施主)がやる手続、乙(電気工事業者)がやる届出|保安規程と電気主任技術者は甲、消防の着工届は乙、消防の設置届は甲(第15条・別紙3)
  9. 追加費用の分かれ目|開けてみたら・設計変更・価格変動・不可抗力(第19条〜第22条)
  10. 竣工検査と引渡し|数値で検算し、配線図と検査結果を受け取る(第24条〜第26条・別紙4)
  11. 引渡しのあとに不具合が出たとき|契約不適合責任・保証・解除・違約金・管轄(第27条〜第33条・第38条)
  12. 抜けやすい1号・10号・11号と、読み違えられる3号|建設業法19条1項15事項と条番号の対照表
  13. 空欄の埋め方|必ず決める欄と、使わないなら閉じてよい欄
  14. 印紙税と、紙のままで足りる場合|第2号文書としていくら貼るか、電子で交わすか(第39条)
  15. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
  16. よくある質問(FAQ)
  17. まとめ:資格・登録・範囲・検査を書いた契約書を1通、今週中に取り交わす

1. 電気工事請負契約書テンプレートの無料ダウンロード

配布しているのは、Word形式の電気工事請負契約書の雛形です(全39条+別紙4本)。分電盤を交換して各室のコンセントと照明の配線をやり直す、店舗の照明をまとめて入れ替える、工場の動力回路を1系統増やす。そうした1件の工事を、発注する側と請け負う側で取り交わす形にしてあります。

甲が個人の施主でも、店舗や工場を持つ法人でも、そのまま使えます。乙が一人で営業している電気工事店でも、空欄が残らないようにしてあります。

以下、本文で「第◯条」「別紙◯」とあるのは、この配布テンプレートの条と別紙です。法令を指すときは「電気工事業法3条1項」のように法律名から書きます。

会員登録不要・メールアドレス入力不要・そのまま編集できるWord形式

建設業法19条1項1号から15号までに対応した全39条

電気工事士法・電気工事業法・電気事業法・電気用品安全法・消防法を、条文から扱っています — 建設業法だけの雛形では立たない、資格・登録・PSE表示・保安の届出の欄があります

別紙2 乙の許可、登録及び資格の確認書つき — 電気工事業の4区分と、作業に従事する者の4資格を、番号と有効期間まで書いて確かめられます

👉 電気工事請負契約書テンプレートを無料ダウンロード(会員登録不要)

ダウンロードしたら、まず別紙1と別紙2を開いてください。この2枚が埋まれば、工事の範囲の争いと、資格のない者に施工される事態は、着工前にほぼ消えます。

2. 電気工事に固有の6項目|区分・登録・資格・回路・PSE・電力会社への申込みを署名前に見る

いま手元にある業者の1枚を開いて、上から突き合わせてください。下の6項目は、電気工事に固有の判断が要る欄です。

決める人と、書く人は別です。品番も電線の太さも単価も持っているのは乙なので、紙に文字を入れるのはほとんど乙です。ただし、何をどこに作るかと、誰が手続をするかを決めるのは甲です。表を2列に分けたのは、そのためです。

確かめる項目 決めるのは 書くのは 空いたまま署名すると起きること 本記事
対象が一般用電気工作物か自家用電気工作物か 法令と現地の受電 甲に義務のある届出に、誰も気づかない 第3章
乙の電気工事業の登録または通知の区分と有効期間 法令 登録を欠いた相手と契約してしまう 第4章
作業に従事する者の資格と免状の番号 法令 資格のない者に施工され、やり直しになる 第4章
回路・器具・数量・電線の太さ・配線の方法 (何をどこに) 「一式」のままで、範囲を後から争えない 第5章
施主支給をするか、するなら表示の有無 取付けを断られ、工期と金額が動く 第6章
電力会社への申込みと工事費負担金の負担者 工事が終わっても電気が使えない日が続く 第7章

決めるのが甲の行は3つです。何をどこに作るか、施主支給をするか、電力会社への申込みを誰がするか。残りの3行は、現地を見た乙が書き、甲が読んで確かめます。

訪問してきた業者と契約するなら、書面が1通増えます。

特定商取引法2条1項1号は、営業所等以外の場所で契約の申込みを受け、または契約を締結して行う役務の提供を、訪問販売としています。該当する場合、特定商取引法5条1項は、契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないとしています。記載事項が省令で決まっている書面なので、請負契約書がこれを兼ねることはできません。

配布テンプレートの第36条は、該当するかどうかを3つの選択肢で確認し、交付と受領の年月日を書く欄まで置いてあります。法定書面の記載事項と様式、申込みの撤回の扱いは、外壁塗装工事請負契約書テンプレートに整理してあります。

3. 一般用電気工作物か自家用電気工作物か|低圧600ボルトで資格と甲の義務が切り替わる(別紙1)

同じ「電気工事」でも、対象の設備が一般用電気工作物なのか自家用電気工作物なのかで、誰が作業できるかが変わり、甲の側にしか課されない届出が発生するかどうかも変わります。ここを決めずに契約すると、工事の途中で「この設備なら第一種でないと触れません」という話が出てきます。

区分は、電気事業法の条文から決まります。

電気事業法38条1項は、一般用電気工作物を、構内に設置する電気工作物のうち同項各号に掲げるものとしています。同項1号は、電気を使用するための電気工作物であって、低圧受電電線路以外の電線路により構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものを挙げています。

その「低圧」が何ボルトかは、施行規則の側にあります。電気事業法施行規則48条1項は、電気事業法38条1項ただし書の低圧を600ボルトと定めています。低圧600ボルトが、区分の分かれ目です。

電気事業法38条1項ただし書は、小規模発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するもの、および爆発性もしくは引火性の物が存在する場所に設置するものを、一般用電気工作物から除いています。太陽光発電設備がある、引火性の物を扱っている。この2つは、区分を動かす事情です。

電気事業法38条2項は、事業用電気工作物を一般用電気工作物以外の電気工作物としています。同条3項は小規模事業用電気工作物を、同条4項は自家用電気工作物を定義しています。配布テンプレートの第3条第2項は、この3つのどれかを選ぶ形にしてあります。

小規模事業用電気工作物の出力は、施行規則の側で決まります。

別紙1の1で3択のうち真ん中を選ぶことになるのは、太陽光か風力がある物件です。電気事業法施行規則48条4項1号は、太陽電池発電設備の出力を10キロワットとしています。同条2項1号は、小規模発電設備を、太陽電池発電設備であって出力50キロワット未満のものとしています。

この2つを合わせると、太陽電池は10キロワット以上50キロワット未満が小規模事業用電気工作物です。10キロワットに満たない設備なら、この区分には入りません。

2以上の太陽電池発電設備を同一の構内に電気的に接続して設置する場合は、出力の合計で数えます(48条4項1号の括弧書き)。1台ずつは小さくても、合計で10キロワットに届けば区分が動きます。増設のたびに数え直す欄だと思ってください。

風力発電設備は、同条2項2号が出力20キロワット未満のものを挙げ、同条4項2号が出力を零キロワットとしています。風力は0キロワット以上20キロワット未満が小規模事業用電気工作物になります。

判定の材料は、別紙1の1に書きます。

判定を口頭で済ませると、あとから何を根拠に選んだのか分からなくなります。

別紙1の1に書く材料 記入例
受電の電圧 「単相3線式100ボルト/200ボルトで受電」
契約上の電力または最大電力 「契約電力50キロワット」
施工場所にある発電用の電気工作物 「太陽光発電設備なし」または種類と出力
蓄電池設備 「なし」または有無、種類、出力
爆発性または引火性の物の存在 「なし」。塗料や燃料を扱うなら種類を書く
建物の用途および構造 「木造2階建の住宅」「鉄骨造の工場」

自家用電気工作物でも、電気工事士法の側で外れるものがあります。

電気工事士法2条2項は、同法の自家用電気工作物から、小規模事業用電気工作物と、発電所・変電所・最大電力500キロワット以上の需要設備その他経済産業省令で定めるものを除いています。電気工事士法施行規則1条の2は、これを発電所、蓄電所、変電所、最大電力500キロワット以上の需要設備、送電線路、保安通信設備としています。

配布テンプレートの別紙2の1は、本工事の対象がこれらに当たるかどうかを選ぶ欄を置いてあります。当たる場合は、作業に従事する者の資格を当事者が協議して別紙2の2に書きます。

軽微な工事だけなら、資格を要しない場合もあります。

電気工事士法2条3項は、電気工事を一般用電気工作物等または自家用電気工作物を設置し、もしくは変更する工事とし、ただし書で政令で定める軽微な工事を除いています。電気工事士法施行令1条が、その軽微な工事を列挙しています。

電圧600ボルト以下で使用する接続器や開閉器にコードもしくはキャブタイヤケーブルを接続する工事、電線を支持する柱や腕木を設置しまたは変更する工事などが、ここに入ります。配布テンプレートの別紙2の2には、本工事が軽微な工事だけなのかどうかを選ぶ欄があります。該当する号まで書かせる形にしてあるので、「資格は要りません」という説明を条文に突き合わせられます。

区分が決まると、第4章の資格と、第8章の甲の届出が自動的に決まります。先に区分を決めてから、別紙2に進んでください。

4. 相手の登録と資格を契約書で確かめる|建設業許可と電気工事業の登録は別物(第4条・第5条・別紙2)

電子契約の法的有効性のイメージ

見積書の隅に「建設業許可 なし」と書いてあると、この業者に頼んでよいのか迷います。逆に、許可番号だけが大きく刷られていて、電気工事業の登録の欄が見当たらないこともあります。

この2つは、別の法律に基づく別のものです。混ぜて読んでいる間は、どちらが欠けているのかも分かりません。

許可は金額で切れ、登録は金額で切れません

建設業法3条1項は、建設業を営もうとする者に許可を受けることを義務づけ、ただし書で、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を除いています。建設業法施行令1条の2第1項は、その軽微な建設工事を、工事1件の請負代金の額が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事などと定めています。

許可は、5年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失います(建設業法3条3項)。

一方、電気工事業法3条1項は、電気工事業を営もうとする者に、営業所の設置の状況に応じて経済産業大臣または都道府県知事の登録を受けることを義務づけています。この条文には、請負代金の額による除外が置かれていません

電気工事業の登録の有効期間は5年です(電気工事業法3条2項)。満了後も引き続き電気工事業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければなりません(同条3項)。

少額の工事しか請けない業者は、建設業許可を持っていないことがあります。それでも、電気工事業を営むのであれば、登録または通知の側は別に必要です。

相手の立場は4つに分かれます

区分 該当する者 根拠
登録電気工事業者 電気工事業法3条1項または3項の登録を受けた者 電気工事業法3条1項
みなし登録電気工事業者 建設業法2条3項の建設業者であって、電気工事業を営むもの 電気工事業法34条2項
通知電気工事業者 自家用電気工事のみに係る電気工事業を営む者として通知をした者 電気工事業法17条の2第1項
みなし通知電気工事業者 建設業者であって、自家用電気工事のみに係る電気工事業を営むもの 電気工事業法34条3項

通知は、その事業を開始しようとする日の10日前までに行うものとされています(電気工事業法17条の2第1項)。配布テンプレートの第4条第6項は、この4つを選択式にしてあるので、相手に自分の区分を選ばせるだけで済みます。

建設業者になると、登録は効力を失います

電気工事業法34条6項は、登録電気工事業者が建設業法2条3項の建設業者となったときは、その者に係る同法3条1項または3項の登録は、その効力を失うと定めています。許可を取った後も古い登録番号を書いてくる相手は、ここが整理できていません。

配布テンプレートの第4条第8項は、この場合に効力を失った登録の番号を別紙2に書かないこととし、代わりに届出または通知の年月日と届出先を書かせる形にしてあります。別紙2の1には、そのための行を独立して置いてあります

確かめる手段は、書面の写しです

第4条第9項は、乙が許可、登録、届出または通知を証する書面の写しを、契約の締結の時までに甲へ提出することにしてあります。別紙2の1には登録の有効期間の満了の日を書く欄があるので、提出された登録証の写しと突き合わせられます。

満了の日が既に過ぎているときは、更新の登録を受けたことを示す書面の写しを求めます。記入例としては、区分の欄に「登録」、行政庁の欄に「都道府県知事」、満了の日の欄に登録証に刷られた年月日を写す形になります。

現場に標識が無いことは、無登録の証拠になりません

電気工事業法25条は、電気工事業者に、営業所および電気工事の施工場所ごとに、氏名または名称、登録番号その他の省令で定める事項を記載した標識を掲げることを義務づけています。ただし、同法施行規則12条2項のただし書は、電気工事が1日で完了する場合は、施工場所については掲げなくてよいとしています。

コンセントを1か所増やすだけの工事で標識が出ていないのは、このただし書のとおりです。配布テンプレートの第14条第5項で掲げるかどうかを選び、同条第6項で「掲げないことは登録をしていないことを意味しない」と確認してあります。

作業に従事できる人も4つに分かれます

資格 従事できる作業 根拠
第一種電気工事士 自家用電気工作物に係る電気工事の作業 電気工事士法3条1項
第一種電気工事士または第二種電気工事士 一般用電気工作物等に係る電気工事の作業 電気工事士法3条2項
特種電気工事資格者 特殊電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事) 電気工事士法3条3項
認定電気工事従事者 簡易電気工事 電気工事士法3条4項

特殊電気工事は、ネオン工事と非常用予備発電装置工事の2つです(電気工事士法施行規則2条の2)。簡易電気工事は、電圧600ボルト以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事で、電線路に係るものを除いたものです(同規則2条の3)。

簡易電気工事は、認定電気工事従事者でもできます

電気工事業法21条1項は、電気工事業者が第一種電気工事士でない者を自家用電気工事の作業に従事させることを禁じています。しかし同条4項は、その規定にかかわらず、電気工事業者が認定電気工事従事者を簡易電気工事の作業に従事させることができると定めています。

小さな店舗の低圧の回路を1系統いじるだけで「第一種の者が空くまで待ってほしい」と言われたら、この4項が使えるかどうかを尋ねられます。別紙2の2は、認定電気工事従事者を従事させる場合に、その作業の範囲まで書かせる形にしてあります。

取換えだけの工事かどうかも、別紙2の2で選びます。

電気工事士法施行規則2条1項1号は、自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業を、掲げた作業「以外の作業」と定めています。つまり、掲げられているほうが、資格を持つ者でなければできない作業です。

その1号ホは、配線器具を造営材その他の物件に取り付け、もしくはこれを取り外し、またはこれに電線を接続する作業を掲げたうえで、括弧書きで「露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。」としています。

別紙2の2には、この括弧書きに対応する3択を置いてあります。取換えを含まないか、取換えと他の作業を含むか、取換えのみか。括弧書きを落とすと、この3択の意味がなくなりますので、埋込型の取換えや造営材への取付けは括弧書きに当たらないという注記まで残してあります。

主任電気工事士は、別に置かなくてよい場合があります

電気工事業法19条1項は、登録電気工事業者に、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置くことを義務づけています。置けるのは、第一種電気工事士か、免状の交付を受けた後に電気工事に関し3年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士です。

同条2項は、登録電気工事業者本人(法人である場合はその役員のうちいずれかの役員)が該当者であるときは、その者が自ら主としてその業務に従事する営業所については、1項を適用しないとしています。

一人で営業している電気工事店に「主任電気工事士の氏名が空欄だ」と言うのは、この適用除外を読み落とした指摘です。別紙2の3の2番目の欄が、この場合の受け皿です。ここを消すと、相手に法令上ない義務を課すことになります。

登録電気工事業者は、主任電気工事士が欠けるに至ったときなど電気工事業法19条3項各号の場合に該当することを知った日から2週間以内に、主任電気工事士を選任しなければなりません。工事の期間中に交代したときは、遅滞なく甲へ通知することにしてあります(第5条第12項)。

別紙2には、あと2つ表があります。

別紙2の5は、下請負人の表です。商号、所在地、建設業の許可の有無と許可行政庁と許可番号、電気工事業の登録または通知の区分と番号、請け負わせる工事の内容を書きます。電気工事業法22条は、電気工事業者が請け負った電気工事を、当該電気工事に係る電気工事業を営む電気工事業者でない者に請け負わせることを禁じています。下請けに出すなら、その相手も上の4区分のどれかに当たる必要があります。

別紙2の6は、営業所に備える器具の表です。絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計から絶縁耐力試験装置までを、備えているかどうかと、製造所名・品番・校正の年月日の欄で書きます。竣工検査で何を測るかにつながる表なので、読み方は第10章に置いてあります。

別紙2の1と2を先に埋めさせれば、許可の有無、登録の区分と満了の日、作業に従事する者の免状の番号を、締結の前に1枚で突き合わせられます。

5. 「電気工事一式」を第2条第3項が封じる|回路と分岐回路で特定し、自火報・LANとの境界を別紙1の3で切る(第2条・第3条)

工事の内容の欄に「電気工事一式」としか書かれていないと、工事が終わるまで争点が見えません。照明が1台足りない、コンセントの位置が違う、電線が思っていたより細い。どれも「一式に含まれていたか」という話になり、書面の側に答えがありません。

配布テンプレートは、この書き方を条文で封じてあります。第2条第3項は、本工事の内容を「電気工事一式」その他工事の範囲および仕様が特定されない記載によることができないと定めています。

代わりに埋めるのが、別紙1の2です。第2条第4項は、回路および器具ごとに次の6つを書かせています。

別紙1の2に書く項目 記入例
図面番号および図面の名称 「E-01 1階電灯コンセント平面図」
器具の製造所名および品番 「○○電工製 ダウンライト XXX-1234」
数量 「8台」
電線の種類および太さ 「VVF 1.6ミリメートル 2心」
配線の方法(隠蔽配線か露出配線かと経路) 「隠蔽配線。天井裏を通し、分電盤から北側廊下経由」
分岐回路の番号、用途および定格 「回路5。1階廊下照明。20アンペア」

この6つが埋まると、契約書の側に検算の基準ができます。第2条第5項は、別紙1に記載のない回路、器具および部位を本工事に含まないとしています。あとから含めることになったときは、第19条の協議に回ります。

図面と別紙1の記載が食い違ったときは、別紙1の記載によります(第2条第7項)。図面を差し替えたのに別紙を直していない、という状態でも、どちらを読むかが決まっています。

次に、他の業種との境界を切ります

電気工事の現場では、電気工事士ができる工事と、別の資格や別の建設業の種類に属する工事が隣り合っています。配布テンプレートの第3条第6項は、次の3つを、別紙1の3に明記した場合を除いて本工事に含まないとしました。

  • 消防用設備等のうち、消防設備士でなければ行ってはならない設置に係る工事の部分
  • 構内情報通信網、インターホン、防犯カメラその他これらに類する設備に係る工事
  • 機械器具の設置そのものに係る工事

自動火災報知設備は、「電源の部分」だけが残ります

消防法17条の5は、消防設備士免状の交付を受けていない者は、消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)または整備のうち、政令で定めるものを行ってはならないと定めています。その政令が、消防法施行令36条の2第1項です。

同項は、対象となる消防用設備等を各号に掲げたうえで、1号から3号までおよび8号については電源、水源および配管の部分を除き、4号から7号までおよび9号から10号までについては電源の部分を除いています。そして同項は、9号に自動火災報知設備、9号の2にガス漏れ火災警報設備、10号に消防機関へ通報する火災報知設備を掲げています。

つまり、自動火災報知設備の設置に係る工事のうち、電源の部分は、消防設備士でなければ行ってはならない工事から除かれています。ここが、電気工事業者に残っている領域です

配布テンプレートの第3条第10項は、この境界を3つの選択肢にしてあります。自動火災報知設備に係る工事を含まないか、電源の部分までを含むか、設置に係る工事そのものを含むか。3番目を選ぶときは、別紙2の4に甲種消防設備士を書かせる形にしました。

別紙1の3には、「電源の部分として本工事に含む範囲」を書く欄も置いてあります。記入例としては「受信機の電源端子までの配線」のように、どこで切れるかを文字にします。

LANとインターホンは、電気工事とは別の行にあります

建設業法別表第一は、電気工事および電気工事業と、電気通信工事および電気通信工事業とを、別の行に掲げています。消防施設工事および消防施設工事業、機械器具設置工事および機械器具設置工事業も、それぞれ別の行です。

配布テンプレートは、個別の工事がどの建設工事の種類に当たるかを決める書面ではありません。別紙1の3で「含む/含まない」を選び、含めるなら範囲を書き、含めないなら甲が別に発注する相手方の商号を書く形にしてあります。

インターホンの配線は、括弧書きで結論が変わります

電気工事士法施行令1条は、電気工事士法2条3項ただし書の軽微な工事を列挙しています。そのうちの4号は、電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器の二次側の配線工事を軽微な工事としています。

ただし、その小型変圧器には「二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。」という限定が付いています。二次電圧が36ボルトを超えるものは、この軽微な工事に当たりません

別紙1の3は、この限定を写したうえで、本工事に含むかどうかと、当該小型変圧器の二次電圧を書かせる欄を置いてあります。「インターホンだから資格は要りません」という説明を、そのまま条文に突き合わせられます。

屋外に出る配線は、別紙1の3の行で拾います

屋外灯の配線、門扉や駐車場までの埋設配管、電気自動車用の充電設備。これらは別紙1の3の行として立ててあるので、電気工事側で請けるのか、外構工事側で請けるのかを先に決められます。外構の工事そのものを書面にするときは、こちらを使ってください。

電気自動車用の充電設備は、この記事の他の章と一本につながります。別紙1の3で「含む」に印を付けたら、分電盤に分岐回路を設ける余地があるか(別紙1の5)、使用電圧が200ボルトの専用回路を立てるか(別紙1の2)、契約の容量を増やすために一般送配電事業者への増設の申込みが要るか(第11条第1項)の3つを、続けて決めることになります。

👉 外構工事請負契約書テンプレート・雛形|境界・擁壁・カーポート

撤去した照明器具、配線器具、分電盤、電線の行き先は、第17条と別紙1の6で決めます。乙が搬出するのか、甲が引き取るのか、品目ごとに分けるのかの3択です。建物ごと壊す工事を発注するなら、解体工事請負契約書テンプレートの側が担当です。

別紙1の2と3が埋まれば、「これは一式に入っているのか」という問いを、着工前に全部つぶせます。

💡 回路と分岐回路の単位で工事を書ける電気工事の契約書です

会員登録もメールアドレスの入力も要りません。別紙1の2は、回路と器具ごとに図面番号・品番・数量・電線の種類と太さ・配線の方法・分岐回路の番号と用途と定格を書く表です。別紙1の3は、自動火災報知設備の電源の部分からLAN・防犯カメラ・EV充電設備までの境界表になっています。ダウンロードしたら、まず別紙1の3の「含む/含まない」に印を付けてください。

👉 電気工事請負契約書テンプレートを無料ダウンロード

6. 施主支給の照明を断られる理由|PSE表示と、取り付けた側の責任(第16条)

通販で気に入ったペンダントライトを買っておいた。工事の当日に箱ごと渡したら、「これは付けられません」と返された。理由を尋ねても、はっきりした説明が返ってこない。

断られたのは、業者の好みでも、自社で仕入れたいという下心でもありません。取り付けた電気工事士の側に、行政処分が及ぶ条文があるからです。

電気用品安全法28条1項が、使用そのものを禁じています。

電気用品安全法28条1項は、電気事業者、自家用電気工作物を設置する者、電気工事士、特種電気工事資格者または認定電気工事従事者は、同法10条1項の表示が付されているものでなければ、電気用品を電気工作物の設置または変更の工事に使用してはならないと定めています。

その10条1項は、届出事業者が技術基準に対する適合性についての義務を履行したときに、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができるとしている条文です。義務を果たした事業者だけが付けられる印なので、印の無い品は、この条文の入口に立てません。

本記事でPSE表示と書いているのは、この電気用品安全法10条1項の表示のことです。配布テンプレートも、条文の側の言い方に合わせて「電気用品安全法第10条第1項の表示」と書いてあります。別紙1の4の欄名も同じです。

免状の返納を命じられうるのは、取り付けた電気工事士です。

電気工事士法4条6項は、都道府県知事は、電気工事士がこの法律または電気用品安全法28条1項の規定に違反したときは、その電気工事士免状の返納を命ずることができると定めています。

施主が持ち込んだ器具を1つ取り付けるために、自分の免状を賭ける職人はいません。「断られた」ではなく「断らざるを得ない」が、この場面の正確な言い方です。

会社の側にも、別の条文がかかっています。

電気工事業法23条1項は、電気工事業者は、電気用品安全法10条1項の表示が付されている電気用品でなければ、これを電気工事に使用してはならないと定めています。作業者個人の資格と、事業者としての立場の両方に、別々の規制が置かれている形です。

電気工事業法38条は、同法23条に違反して電気用品を使用した者を、10万円以下の罰金に処するとしています。

電気用品安全法27条2項は、特定の用途に使用される電気用品について経済産業大臣の承認を受けたときなどに例外を認めており、28条3項がこれを準用しています。例外はありますが、施主が通販で買ってきた器具がここに入ることを前提にはできません。

何が「電気用品」かは、政令で決まります。

電気用品安全法2条1項1号は、電気用品を、一般用電気工作物等の部分となり、またはこれに接続して用いられる機械、器具または材料であって政令で定めるものとしています。同条2項は、特定電気用品を、構造または使用方法その他の使用状況からみて特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品であって政令で定めるものとしています。

その政令が電気用品安全法施行令です。同令1条は電気用品を別表第一の上欄および別表第二に掲げるとおりとし、同令2条は特定電気用品を別表第一の上欄に掲げるとおりとしています。

施主支給で持ち込まれやすい品は、この別表に載っています。別表第一は、3号に配線器具を掲げ、定格電圧が100ボルト以上300ボルト以下で交流の電路に使用するものに限り、防爆型のものおよび油入型のものを除いています。その配線器具には、差込み接続器が挙げられています。

別表第二には、定格消費電力が1ワット以上で1の口金を有するLEDランプと、定格消費電力が1ワット以上のLED電灯器具(防爆型のものを除く)が挙げられています。照明とコンセントは、施主が支給したいと考える筆頭でありながら、別表に載っている品です。

表示の中身は、省令が決めています。

電気用品安全法施行規則17条は、特定電気用品については別表第六に規定する記号、届出事業者の氏名または名称、および証明書の交付を受けた検査機関の氏名または名称を、表示すべき事項としています。特定電気用品以外の電気用品については、別表第七に規定する記号および届出事業者の氏名または名称です。

記号の形状は、同規則の別表に図により定められています。箱や本体を見るときは、記号と一緒に事業者の名前が入っているかを確かめてください。記号らしきものだけがあって事業者名が無い品は、17条が求める形になっていません。

電気用品安全法10条3項は、届出事業者が表示を付する場合でなければ、何人も電気用品にこの表示またはこれと紛らわしい表示を付してはならないと定めています。

別紙1の4で、支給する前に1品ずつ確かめます。

配布テンプレートの第16条第1項は、甲が材料または機器を支給するかどうかを2択にしてあります。支給する場合は、品目ごとに別紙1の4へ行を作ります。

別紙1の4の欄 記入例
品名/数量 「ペンダントライト/3台」
製造所名および品番 「○○照明製 PL-2024W」
電気用品に当たるかどうか 「当たる」(当たらない・不明も選べます)
電気用品安全法10条1項の表示の有無 「ある」(ない・確認できないも選べます)
市場価格 「1台あたりの市場価格および合計」
引渡しの時期および場所 「着工の前日までに施工場所へ甲が搬入」
運搬、保管および取付けの範囲 「甲が搬入し、乙が保管して取り付ける」

第16条第9項は、表示の有無が確認できない物は支給しないこととしています。第16条第5項は、甲が支給した材料または機器に表示がないときに乙が取付けを拒むことができるとしたうえで、その場合の工事内容・請負代金の額・工期の取扱いを第19条へ送っています。工事の当日に押し問答をするのではなく、締結の時に片づける作りです。

支給すると、建設業許可の判定額が動きます。

ここは、支給の話が金額の話に変わるところです。建設業法施行令1条の2は、注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格または市場価格および運送賃を請負代金の額に加えたものを、軽微な建設工事の判定に用いる請負代金の額とすると定めています(同条3項)。

第4章で見る500万円は、この加算後の額で判定します。工事そのものの代金が抑えめでも、施主が高額な器具をまとめて支給すれば、加算後の額が500万円に届くことがあります。

別紙1の4には、市場価格の合計、運送賃、加算した後の額を書く欄を置いてあります(第16条第8項)。支給する予定があるなら、この3行を埋めてから、相手の建設業許可の有無を見てください。

なお、甲が支給した材料や甲の与えた指図によって生じた不適合については、民法636条が甲の側の請求を制限しています。ただし同条ただし書は、乙がその材料または指図が不適当であることを知りながら告げなかったときを除いています。

支給したい器具が決まっているなら、契約の前に箱の表示を写真に撮り、別紙1の4に書き込んでください。表示のある品だけを支給する形にしておけば、工事の当日に器具が宙に浮く事態を避けられます。

7. 電力会社への申込みは誰がするか|低圧と高圧で申込者が変わり、所要期間はエリアで変わる(第7条・第11条・別紙3)

工事は予定どおり終わり、器具も全部付いた。それなのに「電気が使えるのは来月です」と言われる。電気工事では、これが起こります。

乙の工事が完成することと、電気が使えるようになることは、別の出来事です。間に一般送配電事業者の手続と工事が挟まるからです。配布テンプレートは、この2つを最初から分けて書いてあります。

申込みをするのは、施主ではありません。

東京電力パワーグリッドは、電気の新増設の申込みを、電気工事店・電気主任技術者・小売電気事業者が行うサービスとして案内しています。申込者を電気工事店や小売電気事業者等とし、同社所定の方法および様式で申し込むものとしています。

低圧の申込みを電気工事店が行うのは、一般送配電事業者のおおむね共通した運用です。ただし、同じ「電気工事店が申し込む」でも、位置づけが違うエリアがあります

関西電力送配電は、電気工事業者が低圧の託送工事を申し込む場合について、小売電気事業者の代理として申し込むことになるとしています。申込者と、需給契約の名義人は別です。同社は、この場合に当該の小売電気事業者へ申込方法を確認するよう案内しています。

「高圧なら小売電気事業者」も、一般命題にはできません。

東京電力パワーグリッドは、高圧以上については小売電気事業者のみが新増設申込みの手続を行えるものとしています。関西電力送配電は、新設や契約電力の増減量を伴う申込みについて、電気工事店から同社へ申し込むことができないとしています。

九州電力送配電は、特別高圧・高圧で接続供給される場合について、契約内容により電気工事店向けの受付システムで申し込めないものがあるとしています。「高圧なら一律にこう」ではなく、エリアと契約の内容で扱いが分かれます。

配布テンプレートの第11条第1項は、申込みを行う者を3択にしてあります。乙が行うか、甲が小売電気事業者を通じて行うか、それ以外の者が行うかです。第11条第2項は、高圧以上について小売電気事業者のみが手続を行えるものとしている一般送配電事業者があることを書いてあるので、受電の方式と供給エリアを見てから選べます。

締結の前に、自分の物件がどの一般送配電事業者のエリアかを確かめて、その会社の案内で申込者を確認してください。別のエリアの説明を当てはめると、申込みが受け付けられないことがあります。

甲が何もしないわけではありません。第11条第9項は、乙が申込みを行う場合に、甲が申込みに必要な書類の記入および押印その他の協力を行うことにしてあります。

工事費負担金は、請負代金とは別の財布です。

第7条第1項は、請負代金の額に含まれない費用を並べています。一般送配電事業者に支払う工事費負担金、電気の使用に係る契約に基づき支払う費用、第15条の手続に要する手数料、甲が支給する材料および機器の費用です。

東京電力パワーグリッドは、有償工事となる場合には、原則として設計完了後に工事費負担金を算定して請求するとしています。契約書を交わす時点では、額が決まっていないことがあるということです。

さらに同社は、設計内容と実際の工事内容に変更が生じ、支払われた工事費負担金に過不足が発生した場合は、精算を行うとしています。一度払って終わりではなく、あとから追加の請求を受けることがあります。

誰が負担するかは、配布テンプレートでも断定していません。第7条第2項は、甲が一般送配電事業者に直接支払うか、乙が立て替えて甲が期限までに乙へ支払うか、別の方法によるかを選ぶ形にしてあります。

第7条第3項は、精算による追加の請求を受けたときの負担も、第2項と同じ扱いに揃えました。第7条第4項は、額が判明したときに、乙が遅滞なくその額と算定の根拠を甲へ通知することにしてあります。

別紙3の2には、「一般送配電事業者に支払う工事費負担金」と「工事費負担金の精算により追加して請求される額」を、別々の行として置いてあります。精算の行を作っておかないと、追加の請求が来たときに拠り所がありません。

記入例です。負担者の欄に「乙が立て替える」、額の欄に「設計の完了の後に算定される」、支払の時期および方法の欄に「乙の請求を受けた月の末日までに振込み」。

この費用は請負代金の額に含まれないので、印紙税の記載金額にも含まれません(第7条第5項)。印紙税の帯の読み方は、第14章にあります。

工期が動くのは、供給側の設備工事があるときです。動く幅は、エリアで違います。

東京電力パワーグリッドは、工事日・調査日の日程調整に、工事規模に応じて1週間から数か月の期間を要するとしています。これは日程を合わせるだけの期間です。

そのうえで、供給に係る設備の工事そのものが必要になることがあります。同社が挙げているのは、次の3つの場面です。

場面 東京電力パワーグリッドの説明
住宅街から離れた箇所 電線が細い場合があり、電線の張替が必要となる場合がある
住宅密集地等 変圧器が高稼働となり、変圧器の取替が必要となる場合がある
周囲に電柱が建っていない場合 電柱の新設が必要となる場合がある

同社は、道路上等に電柱を立てる場合には官公庁等へ申請し許可を得る必要があるとしています。そして、官公庁等への申請や土地の権利者への交渉を必要とする場合の期間を、対象エリアにより1カ月から3カ月としています。

この1カ月から3カ月は、東京電力パワーグリッドが示している幅です。別のエリアでは桁が変わります。中部電力パワーグリッドは、低圧契約の地中線供給について、引込線以下の工事は3か月程度、幹線・掘削工事は6か月程度、地上機器工事は9か月程度としています。低圧でも、供給の方法によってはここまで動きます。

起算点にも、条件が付いています。中部電力パワーグリッドは、低圧契約の所要期間について、小売電気事業者から同社へ申し込み、同社が不備なく受け付けた日以降の期間だとしています。小売電気事業者による申込内容の審査期間や、申込書類の補正期間は含まれていません。

つまり、案内に書かれた月数は、施主が業者に相談した日から数えるものではありません。別紙3の3に申込みを行った年月日を書く欄があるのは、この起算点を1枚に残すためです。

この期間は、乙の工期ではありません。第10条第4項は、第11条第3項および第4項の期間を工期に算入しないとしています。乙を遅延として責めても、電柱は早く立ちません。

第11条第7項は、電気の使用の開始の予定日を書く欄を置いたうえで、この日は一般送配電事業者の日程調整の結果により変わるものであり、乙はこの日に電気を使用できることを保証しない、と明記してあります。

低圧は、調査の日が供給開始の日です。

東京電力パワーグリッドは、低圧の供給に関しては、原則として調査日を供給開始日とするとしています。第11条第6項は、この場合には乙の工事が完成しても、調査が行われるまで電気を使用することができないと書いてあります。

だから、支払を電気の使用開始に結びつけません。第9条第5項は、電気の使用の開始を請負代金の支払の条件としないとしています。引渡しと供給開始が別であることは、第26条第6項にも重ねて書いてあります。

別紙3の3で、日程を1枚に残します。

申込みを行った年月日、日程調整の状況、供給に係る設備の工事の必要の有無、必要な場合の工事の内容、電柱を立てる場合の申請または承諾の状況、工事費負担金の請求の有無および額、電気の使用の開始の予定日。この並びが1枚になっています。

未確定の欄は「未確定」と書いて構いません。空欄で放置するのと、「未確定」と書いて日付を追うのとでは、あとから聞ける相手が変わります。

請負代金そのものの内訳は、別紙3の1です。第6条第3項は、別紙3の1に記載のない費用を、第19条による合意なしに請求できないとしています。見積書の側の作り方は、見積書テンプレートにまとめてあります。

締結の前に第11条第1項の3択と第7条第2項の3択を選び、供給エリアの一般送配電事業者の案内を1度開いておけば、「電気が使えるのはいつか」と「そのお金は誰が払うのか」を、着工前に文字にできます。

8. 甲(施主)がやる手続、乙(電気工事業者)がやる届出|保安規程と電気主任技術者は甲、消防の着工届は乙、消防の設置届は甲(第15条・別紙3)

「役所への届出は、そちらでやっておいてください」。そう頼んだら、「これは施主さんのお名前で出すものなので、こちらでは出せません」と返ってきた。電気工事の手続では、この行き違いが起きます。

義務を負う人が、甲の側と乙の側に分かれているからです。しかも分かれ方が一様ではありません。保安の手続は甲、消防の着工届は乙、消防の設置届はまた甲、という具合です。

名義人と申請者は、別のものです。

第15条第1項は、手続の名称、名義人、申請者、費用の負担者、期限を別紙3の3に書くこととし、名義人は法令が定める者、申請者は実際に書類を作成して窓口に提出する者だと定義してあります。

そのうえで、名義人が甲であっても、甲が乙に委任して乙が申請することはできます。この場合は、甲が乙へ委任状を交付します。別紙3の3には、委任する手続の名称と委任状の交付の年月日を書く欄があります。

「うちではできません」と言われたときに確かめるべきなのは、名義人の欄ではなく、申請者の欄です。名義人が甲であることと、甲が窓口へ行くことは、同じではありません。

保安規程と電気主任技術者は、「設置する者」の義務です。

電気事業法42条1項は、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者に対し、保安を一体的に確保することが必要な組織ごとに保安規程を定め、当該組織における事業用電気工作物の使用の開始前に主務大臣へ届け出ることを義務づけています。変更したときは、遅滞なく変更した事項を届け出ます(同条2項)。

「使用」には、括弧書きが付いています。同項は、使用(51条1項または52条1項の自主検査を伴うものにあっては、その工事)の開始前としています。

つまり、自主検査を伴う設備では、届出の期限が使用の開始前ではなく工事の開始前に前倒しされます。ここを落とすと、着工の日を過ぎてから届出に気づくことになります。

電気事業法43条1項は、事業用電気工作物を設置する者に対し、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任することを義務づけています。選任したときは遅滞なく主務大臣へ届け出るものとされ、解任したときも同様です(同条3項)。

どちらも義務者は「設置する者」です。工事をした者ではありません。設備を設置するのは施主なので、この契約では甲が名義人になります。

「委託すれば選任しなくてよい」は、半分だけ正しい説明です。

電気事業法施行規則52条2項は、保安管理業務を委託する契約が同令の要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして承認を受けたものについて、電気主任技術者を選任しないことができると定めています。同項4号は、電圧7,000ボルト以下で受電する需要設備を掲げています。

見落とされるのは、「承認を受けたもの」という限定です。委託契約を締結しただけでは、選任が不要になりません。承認までを1つの手続として、期限を決めて追う必要があります。

第15条第5項は、甲の対応を4択にしてあります。一般用電気工作物なのでこれらの手続を要しないか、保安規程を届け出るか、電気主任技術者を選任して届け出るか、委託契約を締結して承認を受けるか。どれを選んだかで、別紙3の3のどの行が生きるかが決まります。

消防は、着工届が乙で、設置届が甲です。

消防法17条の14は、甲種消防設備士が消防法17条の5の規定に基づく政令で定める工事をしようとするときは、その工事に着手しようとする日の10日前までに、消防長または消防署長に届け出なければならないと定めています。義務を負うのは甲種消防設備士なので、これは乙の側の届出です(第15条第6項)。

一方、消防法17条の3の2が義務づけているのは、同法17条1項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者です。その関係者が、設備等技術基準または設備等設置維持計画に従って設置しなければならない消防用設備等または特殊消防用設備等(政令で定めるものを除く)を設置したときに、消防長または消防署長へ届け出て検査を受けることになります。

絞りは、対象物の側と設備の側の両方に掛かっています。すべての建物のすべての設備に、この届出が付いてくるわけではありません。該当するかどうかは、第15条第8項のとおり甲が消防機関に確認します。

消防法2条4項は、関係者を、防火対象物または消防対象物の所有者、管理者または占有者と定義しています。

つまり、該当する場合の設置届と検査の受検は甲の側です。第15条第7項は、乙が、甲のために必要な資料を引渡しの時までに交付することにしてあります。この資料は、別紙4の6の引渡書類にも行として立ててあります。

なお、消防法17条1項は、政令で定める防火対象物の関係者に対し、消防用設備等を政令で定める技術上の基準に従って設置し、維持することを義務づけています。 調査のための立入りを承諾するのも、甲です。

電気事業法57条1項は、一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、運用する者に対して、その一般用電気工作物が技術基準に適合しているかどうかを調査する義務を課しています。ただし書は、設置の場所に立ち入ることにつき所有者または占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでないとしています。

承諾する立場にあるのは甲です。第15条第9項は、甲がこの立入りに応じることを書いてあります。調査の結果、適合していないと認められたときの通知(同条2項)を受けたときの取扱いは、第24条に送ってあります。

別紙3の3は、この非対称を1枚の表にしたものです。

手続 名義人 根拠
電気の使用に係る新設または増設の申込み 第7章のとおり(申込者はエリアによる)
保安規程を定めて届け出る手続 電気事業法42条1項
電気主任技術者を選任して届け出る手続 電気事業法43条1項
保安管理業務の委託契約に係る承認の申請 電気事業法施行規則52条2項
消防法の工事整備対象設備等の着工の届出 乙が置く甲種消防設備士 消防法17条の14
消防用設備等を設置したときの届出および検査の受検 甲(関係者) 消防法17条の3の2・消防法2条4項
一般用電気工作物の調査のための立入りの承諾 甲(所有者または占有者) 電気事業法57条1項
電気工事業の登録の更新 電気工事業法3条3項

名義人の列は、法令が決めているので動かせません。動かせるのは申請者と費用の負担者の列です。

記入例です。保安規程の行なら、名義人「甲」、申請者「乙」、費用の負担者「甲」、期限に届出の年月日。委任の欄に「保安規程の届出」と委任状の交付の年月日を書けば、乙が甲の名前で出せる状態になります。

該当しない行は、空欄にせず「該当なし」と書いてください。第15条第11項は、記載のない費用を当該手続の名義人が負担することにしてあります。空欄のままだと、この既定のルールが静かに適用されます。

締結の前に別紙3の3を1枚埋めれば、着工の直前に「誰も出していない届出」が残っている事態を、先に潰せます。

9. 追加費用の分かれ目|開けてみたら・設計変更・価格変動・不可抗力(第19条〜第22条)

電子契約で注意すべき点のイメージ

点検口から天井裏をのぞいた職人が、「これ、思っていた配線と違いますね」と言う。その場で電話がかかり、翌日に増額の紙が出てくる。電気工事の追加費用は、たいていこの順番でやって来ます。

止められるのは、増額そのものではありません。止められるのは、「金額が決まっていないまま工事が進むこと」です。配布テンプレートは、追加費用の入口を4つに分けて、それぞれに手順を書いてあります。

開けてみたら違った、を先に想定しておきます。

第20条第1項は、着工の前に、既存の電気設備の現況を別紙1の5で確認することにしてあります。ここには数値の基準を置いていません。確認した事項を、確認できた範囲と確認できなかった範囲に分けて書く欄です。

分電盤の分岐回路の空きの状況、既存の配線の種類と太さと経路、隠蔽された部分の配線の状態、接地極の有無、過去に行われた電気工事の履歴。分からないものは「不明」と書きます。「不明」と書いてあれば、あとで出てきたときに、想定外だったことを両者が確認できます。

そのうえで、第20条第2項は、着工の後に判明したときに協議へ回す事情を列挙してあります。

着工後に判明したときに協議へ回す事情
既存の配線の種類・太さ・経路・接続の状態が、別紙1の前提と異なること
隠蔽された部分の配線を変更するため、天井・壁・床の一部を開口する必要があること
分電盤に、本工事に必要な分岐回路を設ける余地がないこと
接地極が設けられていないこと、または接地抵抗値が基準を満たさないこと
既存の配線に、絶縁抵抗の基準を満たさない部分があること
引込みの方式または容量の変更を要すること
既存の配線または器具に、発熱・絶縁の劣化その他の異常があること
施工場所の構造上、別紙1に記載した経路により配線することができないこと

この表に、何ミリ以上とか何回路以上といった線引きは書いてありません。書けるだけの一次資料が無いところに数値を置くと、契約書のほうが現場より不正確になります。代わりに置いたのは、手順です。

第20条第2項は、これらが判明したときに、乙が直ちに甲へ通知し、協議が調うまで当該部分の施工を行わないとしています。第20条第3項は、通知を受けた甲が、追加の工事を行うか、当該部分を本工事から除くか、本工事を中止するかを選んで回答する形にしてあります。

甲が黙っていると現場が止まるので、第20条第4項に回答の期限の日数を書く欄を置きました。期限までに回答がないときは、乙はその部分を残したまま他の部分を進められます。

天井を開けたなら、閉じる前に写真を撮らせます。

第20条第5項は、開口した部分の復旧の範囲、仕上げの程度、費用の取扱いを書く欄です。「既存と同一の材料による復旧」なのか「下地までの復旧」なのかで、金額も見た目も変わります。

第20条第6項は、隠蔽される部分について、閉じる前に写真で記録し、竣工書類に添えて甲へ交付することを乙の義務にしてあります。撮影する部位は別紙4の5にあり、天井裏の配線と接続箱の中、壁の内部、床下、接地極の埋設、分電盤の内部の結線などが行として立ててあります。

増額の計算方法は、契約書に書いておけます。

建設業法19条1項6号は、設計変更や工事の中止の申出があった場合の工期の変更、請負代金の額の変更または損害の負担と、それらの額の算定方法に関する定めを、書面の記載事項にしています。「協議する」とだけ書いた1枚は、算定方法を書いていません。

第19条第4項は、算定方法を3つに分けてあります。

  • 別紙3の1に同種の項目があるときは、その項目の単価に数量の増減を乗じて算定する
  • 同種の項目がないときは、乙が内訳を明らかにした見積りを提出し、甲乙が協議して定める
  • 工事の一部を中止し、または取りやめたときは、施工しない部分に相応する額を減額する

1番目が効くのは、別紙3の1に単価が入っているからです。内訳を単価と数量で書かせておくと、増減が算数になります。コンセントを2か所増やす話が、その場の言い値ではなく、単価×2で出てきます。

そして、覚書がなければ増額は請求できません。

第19条第5項は、変更の内容を覚書で定めることとし、変更後の工事内容・請負代金の額・工期・変更の年月日を記載して、双方が記名押印または電子署名を行う形にしてあります。

建設業法19条2項は、請負契約の内容で同条1項に掲げる事項に該当するものを変更するときに、その変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付することを義務づけています。配布テンプレートの第19条第6項は、この覚書をその書面と位置づけました。

第19条第7項は、覚書によらずに施工した部分について、乙が請負代金の額の増加を請求することができないとしています。ただし、人の生命または身体に対する危険を避けるため緊急に施工する必要があった部分は例外で、直ちに通知したうえで費用の負担を求められます。

覚書そのものの書き方は、契約書変更覚書テンプレートにあります。工事の途中で1枚だけ交わす紙なので、電子で交わすなら本契約と同じ流れに乗せられます。

材料の値上がりは、価格変動の条で受けます。

建設業法19条1項8号は、価格等の変動または変更に基づく工事内容の変更または請負代金の額の変更と、その額の算定方法を記載事項にしています。第22条第2項は、変更を申し出られる事由を4つに絞りました。電線・ケーブル・分電盤・配線器具その他の材料または機器の価格の変動、労務の単価の変動、法令の制定または改正、消費税および地方消費税の税率の変更です。

言い出すほうが、資料を出します。第22条第4項は、申出をする者が、変動の対象となる品目、変動の前後の単価、その根拠となる資料、請負代金の額に及ぼす影響の額を示すことにしてあります。

第22条第5項の算定方法も、第19条と同じ考え方です。別紙3の1の当該品目の単価と変動後の単価との差額に数量を乗じ、増減の額を出します。別紙3の1に無い品目は、資料を出して協議します。税率が変わったときは、変更後の税率による額に改めます。

第22条第7項には、軽微な変動を切り捨てる割合の記入欄を置いてあります。何パーセント未満なら請求しないかを決めておくと、細かい変動のたびに覚書を作らずに済みます。

不可抗力は、損害の分け方を先に決めます。

建設業法19条1項7号は、天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担と、その額の算定方法を記載事項にしています。第21条第2項は、不可抗力を、天災地変・暴風・豪雨・洪水・地震・落雷・火災(乙の責めに帰すべき事由によるものを除く。)・感染症の流行に伴う行政庁の要請・一般送配電事業者の設備の事故その他、双方の責めに帰することができない事由と定義しました。

工期は、事由と必要な延長の日数を明示して協議します(第21条第3項)。損害は、第21条第5項で2択です。都度協議して定めるか、請負代金の額の一定の割合までを乙が負担し、それを超える額を甲が負担するかを選びます。

第21条第6項は、損害の額を、修復に要する費用と滅失した材料または機器の調達に要する費用で算定するとしています。乙が損害保険で補償を受けたときは、その額を控除します(第21条第7項)。乙が付する保険の有無と内容を書く欄も、同じ条にあります。

締結の前にこの4つの入口を埋めておけば、現場で「ここも直しておきますね」と言われたときに、その場で条を開いて、いくらになるのかを聞き返せます。

10. 竣工検査と引渡し|数値で検算し、配線図と検査結果を受け取る(第24条〜第26条・別紙4)

工事の最終日、職人が「点灯確認しました、問題ありません」と言って帰る。施主の側は、何を確かめたのか分からないまま署名する。電気の出来ばえは目で見ても分からないので、この形になりがちです。

ただし、絶縁抵抗と接地抵抗には数値の基準があります。省令と、経済産業省が公表している解釈の側に、はっきりした値が置かれています。配布テンプレートは、その値を別紙4に刷ってあります。

まず、施工の側に技術基準があります。

電気工事士法5条1項は、電気工事士・特種電気工事資格者・認定電気工事従事者に、技術基準に適合するように作業をすることを義務づけています。引く省令は、対象ごとに分けてあります。

一般用電気工作物に係る作業のときは、電気事業法56条1項の経済産業省令で定める技術基準です。小規模事業用電気工作物または自家用電気工作物に係る作業のときは、同法39条1項の主務省令で定める技術基準になります。第3章で決めた区分は、技術基準の側でも効いています。

配布テンプレートの第24条第2項は、電気設備に関する技術基準を定める省令の技術基準に適合するように施工することを、乙の義務として書いてあります。

同省令15条は、電路には、地絡が生じた場合に電線もしくは電気機械器具の損傷・感電・火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならないとしています。ただし書は、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等、地絡による危険のおそれがない場合を除いています。

このただし書があるので、すべての回路に漏電遮断器が付くわけではありません。第24条第3項は、施設する回路と施設しない回路を別紙1の2に書かせ、施設しない回路には理由を書く欄を置いてあります。「なぜこの回路には付いていないのか」を、あとから読み返せます。

是正の命令は、施主に届きます。

電気事業法56条1項は、一般用電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときに、経済産業大臣が、その所有者または占有者に対して修理・改造・移転・使用の一時停止を命じ、または使用を制限することができると定めています。命令の相手方は、工事をした業者ではありません。

そこで第24条第5項は、甲が命令や通知を受けた場合において、その原因が乙の施工にあるときは、乙が自己の費用でこれを是正することとし、追加の請求をすることができないと書いてあります。第24条第6項に、是正を完了するまでの日数の記入欄があります。

竣工検査は、目視・測定・動作の3つで行います。

建設業法19条1項11号は、注文者が完成を確認するための検査の時期および方法と、引渡しの時期を、書面の記載事項にしています。第25条第2項は、乙の完成の通知を受けた日から決めた日数以内に、乙の立会いのうえ、別紙4により検査を行うとしてあります。

別紙4の1が目視、別紙4の2と3が測定、別紙4の4が動作の確認です。目視の欄には、器具の品番と数量が別紙1の2と一致すること、接続部に露出した心線がないこと、分電盤の各遮断器に用途の表示があることなどが並んでいます。

絶縁抵抗は、この3段です。

電気設備に関する技術基準を定める省令58条は、電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の絶縁抵抗を、開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の値以上でなければならないと定めています。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値(電気設備に関する技術基準を定める省令58条)
300ボルト以下で、対地電圧が150ボルト以下の場合 0.1メガオーム以上
300ボルト以下で、その他の場合 0.2メガオーム以上
300ボルトを超えるもの 0.4メガオーム以上

1行目と2行目のどちらで読むかは、対地電圧で決まります。自分の現場がどちらの側かは、条文で確かめられます。

経済産業省が公表している「電気設備の技術基準の解釈」143条1項は、住宅の屋内電路の対地電圧を150ボルト以下であることとしています。原則の側に当たるなら、絶縁抵抗は1行目の0.1メガオームで読みます。

ただし、同項にはただし書と各号があります。定格消費電力2キロワット以上の電気機械器具と、これに電気を供給する屋内配線を、各号の要件を満たして施設する場合などが、その例外です。「住宅なら全部150ボルト以下」ではありません。

適用する基準値が決まったら、あとは突き合わせるだけです。測定値が適用する基準値を下回っていれば、それは合格ではありません。

別紙4の2は、回路ごとに使用電圧・対地電圧・適用する基準値・電線相互間の測定値・電路と大地との間の測定値を書く表です。適用する基準値の列があるので、どの行で判定したのかが1行で分かります。

接地は、値より先に種類が決まります。

別紙1の2にも別紙4の3にも、A種・C種・D種のどれかを選ぶ欄があります。種類が決まらないと、適用する基準値の列を埋められません。

経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」29条1項の29-1表は、機械器具の金属製外箱等に施す接地工事を、使用電圧の区分に応じて次のとおりとしています。低圧300ボルト以下はD種接地工事、低圧300ボルト超過はC種接地工事、高圧または特別高圧はA種接地工事です。

同項には、ただし書があります。外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合、または絶縁台を設けて施設する場合は、この限りでないとされています。

なお、この「解釈」は省令ではありません。経済産業省が公表しているもので、省令そのものである電気設備に関する技術基準を定める省令とは、位置づけが違います。

接地抵抗の値は、括弧書きまで読んでください。

同解釈17条は、接地工事の種類ごとの接地抵抗値を定めています。こちらも省令ではなく、経済産業省が公表しているものです。

接地工事の種類 接地抵抗値(経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」17条。省令ではない)
A種接地工事(17条1項) 10オーム以下
C種接地工事(17条3項) 10オーム(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500オーム)以下
D種接地工事(17条4項) 100オーム(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500オーム)以下

一般の住宅や店舗で出てくるのは、D種の行です。括弧書きを落とすと、500オーム以下で足りる現場に100オーム以下を要求してしまいます。法令上必要のない基準を契約書に書き込むと、達成できない検査項目を自分で作ることになります。

別紙4の3は、この括弧書きを基準値の欄に刷ったうえで、装置を施設しているかどうかを選ぶ欄と、施設した回路の番号・装置の品番を書く欄を置いてあります。

第25条第5項は、基準値を刷った欄と、測定した値を書く欄を別のものとしています。基準値の欄は書き換えません。書き換えられる状態にしておくと、検査記録が検査記録でなくなります。

測れる道具は、法令が備えさせています。

電気工事業法24条は、電気工事業者に対し、その営業所ごとに絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定める器具を備えることを義務づけています。同法施行規則11条は、一般用電気工事のみの業務を行う営業所の器具を、絶縁抵抗計・接地抵抗計・抵抗および交流電圧を測定することができる回路計としています。

自家用電気工事の業務を行う営業所には、これらに加えて低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置が挙げられています。

ただし、同規則11条1号は括弧書きで、継電器試験装置及び絶縁耐力試験装置にあつては、必要なときに使用し得る措置が講じられているものを含むとしています。この2機種は、自ら保有していなくても、必要なときに使用し得る措置が講じられていれば足ります。

別紙2の6の「備えているかどうか」の欄に「必要なときに使用し得る措置を講じている」という選択肢を置いたのは、この括弧書きのためです。法令上ない保有義務を、契約書の側で作らないための欄です。

一方、絶縁抵抗計と接地抵抗計には、この括弧書きがありません。竣工検査で使う2つは、営業所に備えるべき器具のほうに置かれています。

そのうえで、甲に判定できない項目があります。

第25条第7項は、甲が別紙4の全ての項目を合格と判定したときに、本工事の完成を確認して乙へ通知することとしています。ところが、別紙4には目視12項目と動作9項目が並んでいて、測定より数が多くなっています。壁の中の接続部を施主が見ることはできません。

判定できない項目を空けたまま放置すると、条文の上では支払が進まない状態になります。だから、別紙4は3つの層に分けて読んでください。

別紙4のどこか 甲がすること
乙が記入して甲が読む欄 別紙4の2と3の測定値 刷ってある基準値と突き合わせる
甲がその場で見て判定できる欄 器具の品番と数量、分岐回路の用途の表示、開口部の復旧、清掃、点灯と通電、漏電遮断器のテストボタン 立会いのうえ、自分で確かめる
甲には判定できないので乙の記載を受け取る欄 接続部の絶縁処理、隠蔽された部分の配線、貫通部の処理 別紙4の5の写真と併せて受け取る

真ん中の層は、立ち会えばその場で終わります。下の層は、閉じる前の写真がなければ確かめようがありません。第20条第6項が、隠蔽される部分を閉じる前に撮影して竣工書類に添える義務にしてあるのは、この層のためです。

第25条第8項は、要手直しの項目について日数を決めて手直しと再検査を行う形にしてあります。甲が検査を放置したときの扱いは第25条第9項にあり、催告しても行われないときは合格とみなします。

引渡しで受け取るのは、配線図と検査結果です。

電気工事業法26条は、電気工事業者に対し、営業所ごとに帳簿を備え、業務に関し省令で定める事項を記載して保存することを義務づけています。

同法施行規則13条1項は、帳簿に電気工事ごとに記載する事項を6つ挙げています。注文者の氏名または名称および住所、電気工事の種類および施工場所、施工年月日、主任電気工事士等および作業者の氏名、配線図、検査結果です。電気工事業法施行規則13条1項5号が配線図、6号が検査結果です。帳簿は、記載の日から5年間保存します(同条2項)。

ただし、これは帳簿の記載と保存の義務であって、注文者に交付する義務ではありません。だからこそ、契約書に交付を書く意味があります。第26条第3項は、引渡しの時に次の書面を甲へ交付することを乙の義務にしました。

  • 配線図(分岐回路の番号、用途および経路を示したもの)
  • 検査結果(別紙4の写し)
  • 主任電気工事士等および本工事の作業に従事した者の氏名を記載した書面
  • 隠蔽部分の写真(第20条第6項のもの)
  • 使用した器具の取扱説明書および製造所の保証書
  • 甲が消防長または消防署長に届け出るために必要な資料(該当する場合)

別紙4の6は、この書類を1つずつ「受けた/未交付」で潰していくチェックシートです。第26条第5項で、書面と電磁的記録のどちらで交付するかも選べます。配線図をPDFで受け取っておけば、次に工事を頼むときに、そのまま渡せます。

書類が出てこないまま代金だけ払う状態を避けたいなら、第9条第4項を使ってください。竣工書類の交付を受けるまで、請負代金の一定の割合の支払を留保できる形にしてあります。

そして、引渡しと送電開始は別です。

第26条第6項は、本工事の目的物の引渡しと電気の使用の開始とを、別のものとして取り扱うと明記してあります。低圧の供給では調査日を供給開始日とするものとされていることがあるため、引渡しの後に待つ期間が生じます(第7章)。

目的物の滅失または損傷の危険は、引渡しの時に甲へ移ります(第26条第7項)。ただし、乙の責めに帰すべき事由によるものは除かれます。

別紙4を1枚持って立ち会えば、「問題ありません」を、測定値と基準値の突き合わせに変えられます。

11. 引渡しのあとに不具合が出たとき|契約不適合責任・保証・解除・違約金・管轄(第27条〜第33条・第38条)

引渡しから数か月が経って、廊下のダウンライトが1つ点かなくなる。あるいは、増設したコンセントが妙に熱を持つ。相手に連絡はできますが、どの権利を、いつまでに使えるのかは、契約書を開かないと分かりません。

ここには、性質の違う3つの制度が並んでいます。民法が与える契約不適合責任、契約で作る保証、そして債務不履行のときの解除と違約金です。混ぜて読むと、期限を取り違えます。

契約不適合責任は、民法の側にあります。

建設業法19条1項13号は、契約不適合を担保すべき責任または保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときの内容を、書面の記載事項にしています。第27条第1項は、目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しないときに、甲が履行の追完・請負代金の減額・損害の賠償・契約の解除をできることを書いてあります。

電気工事で「不適合」に当たるものは、目に見えないものが多くなります。第27条第2項は、争いになりやすい形を先に列挙してあります。

第27条第2項が不適合に含めているもの
別紙1に記載した器具の製造所名・品番・数量・配線の方法と異なる施工
電線の種類または太さが別紙1の記載と異なること
絶縁抵抗の値が第25条第3項の値を下回ること
接地抵抗の値が第25条第4項の値を超えること
別紙1に記載した分岐回路が設けられていないこと、または用途が異なること
器具の取付けの不良により発熱・異音・動作の不良が生ずること
隠蔽された部分の配線が別紙1の記載と異なること
別紙4の項目のうち、合格と判定された項目が事実と異なっていたこと

3行目と4行目が入っているのは、第10章の数値があるからです。基準値を刷った検査記録があると、不適合の主張が測定値の話になります。

期限は「知った時から1年」で、ただし書があります。

民法637条1項は、注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、履行の追完の請求・報酬の減額の請求・損害賠償の請求・契約の解除をすることができないと定めています。起算点は引渡しではなく、知った時です。

そして同条2項は、目的物を引き渡した時において請負人が不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、1項を適用しないとしています。手を抜いたことを分かっていた側は、この1年を主張できません。

第27条第4項は、通知の期間を2択にしてあります。民法637条1項のとおりにするか、引渡しの日から決めた年数以内に発見して通知したときに限るかです。2番目を選んでも、ただし書は残してあります。この一文を消すと、施主が民法上持っている権利を契約で狭めることになります。

「10年保証があるはず」は、電気工事には当てはまりません。

住宅の品質確保の促進等に関する法律94条1項は、住宅を新築する建設工事の請負契約において、請負人が引き渡した時から10年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分等の瑕疵について担保の責任を負うと定めています。同項は、その瑕疵から構造耐力または雨水の浸入に影響のないものを除いています。

同法2条1項は、住宅を人の居住の用に供する家屋または家屋の部分と定義しています。そして同法94条2項は、94条1項に反する特約で注文者に不利なものを無効としています。

この10年は、住宅を新築する建設工事の請負契約について定められたものです。第27条第5項と第6項は、条文と括弧書きを写したうえで、電気工事のみを請け負う本契約には適用されないことを明記してあります。分電盤を交換する工事に、この10年は付いてきません。

だから、保証は契約で作ります。

第28条第1項は、保証の欄を5つに分けてあります。対象となる部位、対象となる現象、期間、内容、免責となる事由です。年数の欄は、意図して空欄にしてあります。電気工事の保証年数について、業界に共通する標準を示す一次資料が確認できなかったためです。

甲にできるのは、年数の当否を判定することではありません。対象となる部位と免責となる事由を、乙に文字で書かせることです。この2つが文字になっていれば、不具合が出た日に何が起きるかを読み取れます。

記入例です。対象部位に「本工事で施工した配線、分電盤および取り付けた器具」、対象となる現象に「接続の不良による不点灯、絶縁の低下」、免責に「天災、第三者の行為、甲による改造、器具の寿命」。

先に文字にさせるべきなのは、期間よりも免責となる事由です。期間が長くても、免責が広ければ効く場面が残りません。「通常の使用による劣化を除く」とだけ書かれていたら、何が通常の使用に当たるのかを書き足してもらってください。

第28条第2項は、引渡しの日から決めた期限までに保証書を交付することを乙の義務にしてあります。器具の製造所の保証を付す場合でも、甲に対する保証の責任は乙が負います(第28条第3項・第4項)。甲が支給した材料については、取付けの作業に係る部分だけを保証の対象とする欄を置きました(第28条第5項)。

保証書が出てこないときは、第9条第4項で留保した額の支払を拒めます(第28条第6項)。なお、契約不適合責任と保証は別のものなので、保証の内容が薄くても、第27条の権利がそれで消えるわけではありません(第27条第7項)。

解除は、着手の前でも後でも申し出られます。

民法641条は、請負人が仕事を完成しない間は、注文者がいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができると定めています。第30条第3項は、この解除が本工事の着手の前後を問わないことを明記してあります。「もう材料を頼んだので解除できません」は、この条の答えではありません。

もっとも、無償ではありません。第30条第4項は、賠償すべき損害に、乙が既に支出した費用(器具および材料の発注、労務の手配その他の準備に要した費用)を含むとしています。やめるかどうかは、その費用を見てから決められます。

第30条第1項には、催告なしで解除できる場合も並べてあります。工期内に完成する見込みが明らかにないとき、別紙1と異なる施工を是正しないとき、別紙2の1の記載が事実と異なり許可や登録を欠いていることが判明したとき、第5条の資格を有しない者を作業に従事させたとき、承諾なく一括して下請けに出したときなどです。

乙の側にも解除権があります(第31条)。支払の遅滞のほか、甲が工事費負担金を支払わず一般送配電事業者の工事が行われないとき、甲が第15条第5項の手続を行わず工事の目的を達することができないときが入っています。第7章と第8章で決めた甲の担当は、履行しないと解除の理由になります。

途中で止めるときは、電気を安全な状態にして返させます。

ここは電気工事に固有の条です。第32条第4項は、解除の日から決めた期限までに、乙が施工の途中の配線の端部を絶縁し、露出した充電部を覆い、または当該回路を電源から切り離したうえで、施工場所を甲に引き渡すこととしています。

第32条第5項は、その状態を書面に記載し、写真を添えて交付させます。甲は、その部分について他の電気工事業者に施工を引き継がせることができます。引き継ぐ相手が現況を読める形で残すための条なので、ここを削らないでください。

出来形部分の扱いは、民法634条に沿っています。可分な部分の給付によって甲が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなし、利益の割合に応じて報酬を請求できます(第32条第1項)。金額は、別紙3の1の内訳を基礎に協議します(第32条第2項)。

違約金と遅延利息は、年率で書きます。

建設業法19条1項14号は、各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金を記載事項にしています。第29条第2項が乙の遅延に対する違約金、第29条第3項が甲の支払遅延に対する遅延利息で、どちらも年率の記入欄です。

上限は第29条第4項の2択で、定めないか、請負代金の額に対する割合で切るかを選びます。第29条第5項は、実際の損害がこれを超える場合の賠償の請求を妨げないとしています。

遅延日数の数え方には、除外があります。第29条第6項は、第10条第4項により工期に算入しない期間と、第19条により工期を変更した日数を、遅延日数に算入しないとしています。電柱の新設を待っていた期間は、乙の遅延ではありません(第7章)。

損害賠償の範囲と上限は、第33条で選びます。ただし第33条第4項は、故意または重大な過失による損害、第23条第2項により乙が負担する第三者に対する損害、甲の生命または身体に対する侵害による損害、本工事の目的物以外の甲の財産に対する侵害による損害について、範囲と上限の定めを適用しないとしています。上限を請負代金の額とする欄を選ぶ場合でも、この4つは外してあります。

最後に、揉めたときの進み方です。

建設業法19条1項15号は、契約に関する紛争の解決方法を記載事項にしています。第38条第2項は、まず協議で解決を図ることとし、その協議を、契約書・別紙1から別紙4まで・第19条の覚書の記載を基礎として行うと書いてあります。協議の材料が、締結の時に埋めた紙そのものだという確認です。

第38条第3項は、専属的合意管轄裁判所を3択にしてあります。甲の住所地(甲が法人である場合は本店所在地)か、乙の本店所在地か、当事者が合意する裁判所かです。地名は刷り込んでいません。遠方の業者と契約するときに、ここを読まずに署名すると、争う場所だけが先に決まってしまいます。

個別の事案で、どの権利がどこまで使えるかは、事情によって変わります。判断に迷うときは、弁護士にご確認ください。締結の前に第27条第4項と第28条第1項の欄を埋めておけば、不具合が出た日に、通知の期限と保証の範囲を、その場で読み取れます。

12. 抜けやすい1号・10号・11号と、読み違えられる3号|建設業法19条1項15事項と条番号の対照表

渡された1枚に、工事の内容が「電気工事一式」とだけ書いてある。施主が持ち込む照明の話が、どこにも書いていない。検査の欄は「完成後、確認のうえ引き渡す」で終わっている。この3つは、建設業法19条1項の別々の号に当たります。

順に、建設業法19条1項の1号(工事内容)、10号(注文者が資材を提供するときの内容および方法)、11号(検査の時期および方法と引渡しの時期)です。電気工事で抜けやすいのは、この3つです。

建設業法19条1項は、建設工事の請負契約の当事者に対し、契約の締結に際して各号の事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付することを義務づけています。同項は1号から16号までありますが、16号は「その他国土交通省令で定める事項」とされています。実際に契約書へ書き込むのは、1号から15号までになります。

下の表は、その15の記載事項と、配布テンプレートの条番号を並べたものです。手元の1枚を上から突き合わせて、見当たらない行に印を付けてください。

記載事項 建設業法の根拠 配布テンプレートの条
工事内容 19条1項1号 第2条(工事の名称、内容及び施工場所)/第3条(工事の区分及び工事範囲の境界)/別紙1
請負代金の額 19条1項2号 第6条(請負代金の額及び内訳)/別紙3
工事着手の時期および工事完成の時期 19条1項3号 第10条(工期)
工事を施工しない日または時間帯の定め 19条1項4号 第12条(工事を施工しない日又は時間帯)
前金払・出来形部分に対する支払の定め 19条1項5号 第8条(前払金及び出来形部分に対する支払)
設計変更・工事の中止と、工期・代金・損害の算定方法 19条1項6号 第19条(設計変更及び追加工事)
不可抗力による工期の変更・損害の負担 19条1項7号 第21条(天災その他不可抗力)
価格等の変動に基づく工事内容・請負代金の額の変更 19条1項8号 第22条(価格等の変動に基づく請負代金の額の変更)
第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担 19条1項9号 第23条(第三者に及ぼした損害)
注文者が資材を提供し、または機械を貸与するときの定め 19条1項10号 第16条(甲の支給する材料及び機器並びに電気用品の表示)
検査の時期・方法と引渡しの時期 19条1項11号 第25条(竣工検査)/第26条(引渡し及び竣工書類の交付)/別紙4
工事完成後の請負代金の支払の時期・方法 19条1項12号 第9条(工事完成後の請負代金の支払)
契約不適合責任、または保証保険等の措置の定め 19条1項13号 第27条(契約不適合責任)/第28条(保証及び保証書の交付)
履行の遅滞その他債務不履行の場合の遅延利息・違約金 19条1項14号 第29条(履行の遅滞、遅延利息及び違約金)
契約に関する紛争の解決方法 19条1項15号 第38条(紛争の解決及び合意管轄)

1号は、「電気工事一式」では満たせません。

工事内容の欄に業種名を書いただけでは、何を作るのかが特定できません。電気工事の場合、特定に要るのは回路と器具の単位です。第5章のとおり、別紙1の2に図面番号・製造所名と品番・数量・電線の種類と太さ・配線の方法・分岐回路の番号と用途と定格を書けば、この号は埋まります。

どこまでが本工事かを別紙1の3で切らないと、1号の「工事内容」は輪郭を持ちません。

10号が空くのは、施主支給の話を口約束で済ませるからです。

通販で買った照明を渡す、コンセントプレートだけ自分で用意する。この扱いは10号の「注文者が資材を提供するときの内容および方法」に当たります。書いていないと、当日に取付けを断られたときの取扱いが決まっていません。

第6章のとおり、電気工事の施主支給には電気用品安全法の表示の問題が乗ります。だから第16条と別紙1の4は、支給の有無だけでなく、電気用品に当たるかどうかと表示の有無まで書かせる形にしてあります。

11号が「完成後、確認のうえ引き渡す」で終わっているなら、検査の方法が決まっていません。

11号は、検査の時期と方法、そして引渡しの時期です。電気工事には、絶縁抵抗と接地抵抗という測れる項目があるので、方法を数値で書けます(第10章)。「確認のうえ」で終わっている1枚は、測るのか測らないのかも決めていません。

3号は、抜けるのではなく、読み違えられます。

工事着手の時期および工事完成の時期は、たいてい書いてあります。問題は、施主がこれを「電気が使えるようになる日」と読むことです。第7章のとおり、乙の工事の完成と電気の使用の開始は別の出来事です。第11条第7項に、使用開始の予定日を書く欄を独立して置いたのは、このためです。

なお、見積書の内訳は、建設業法19条1項の記載事項ではありません。建設業法20条1項は、工事の種別ごとの材料費・労務費その他必要な経費の内訳と、工事の工程ごとの作業および準備に必要な日数を記載した見積書を作成するよう努めることを求めています。同条4項は、注文者から請求があったときに、契約が成立するまでに交付しなければならないとしています。

つまり、請求すれば内訳のある見積書は出てきます。配布テンプレートは、その内訳を別紙3の1として契約書の側に取り込む形にしました。

19条1項そのものの逐条解説は、工事請負契約書テンプレートにあります。電気工事以外の工事を発注する、または受注するなら、そちらの雛形のほうが合います。

💡 1号から15号までの欄が最初から立っている電気工事の契約書です

会員登録もメールアドレスの入力も要りません。抜けやすい1号は別紙1の2と3、10号は第16条と別紙1の4、11号は第25条と別紙4が受け持ちます。相手の1枚を作り直させずに、足りない号の別紙だけを抜いて添付する使い方もできます。

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13. 空欄の埋め方|必ず決める欄と、使わないなら閉じてよい欄

Wordを開くと、角括弧とチェックボックスが並んでいます。上から順に埋めようとすると、単価も品番も持っていない欄で手が止まります。

埋める順番には、コツがあります。欄は3つに分かれます。空欄のまま締結してはいけない欄、取引の実態に合わせて選ぶ欄、使わないなら閉じてよい欄です。この順で片づけると、往復が1回で済みます。

まず、空欄のまま締結できない欄です。

誰が決めるか 記入例
工事名・施工場所・建物の用途(第2条第1項) 「1階店舗照明改修工事」。「電気工事一式」と書かない
電気工作物の区分(第3条第2項・別紙1の1) 法令と現地の受電 「一般用電気工作物」。判定の材料を別紙1の1に書く
乙の立場の4区分(第4条第6項・別紙2の1) 法令 「登録電気工事業者」。登録証の写しを添えさせる
登録の有効期間の満了の日(別紙2の1) 登録証に刷られた年月日を写す
作業に従事する者の氏名と免状の番号(別紙2の2) 「第二種電気工事士/氏名/免状番号」
回路および器具の明細(第2条第4項・別紙1の2) 乙が書き、甲が確かめる 第5章の6項目をすべて埋める
工事範囲の境界(第3条第6項・別紙1の3) 行ごとに「含む/含まない」に印を付ける
施主支給の有無(第16条第1項・別紙1の4) 「支給しない」または品目ごとの表示の有無まで
電力会社への申込みを行う者(第11条第1項) 甲と乙 「乙が申込みを行う」
工事費負担金の負担と支払の方法(第7条第2項) 甲と乙 「乙が立て替え、甲が請求により支払う」
甲が行う手続(第15条第5項・別紙3の3) 「一般用電気工作物であり、これらの手続を要しない」
請負代金の額と消費税額等(第6条第1項・別紙3の1) 乙が書き、甲が確かめる 総額と、区分した消費税額等
着手・完成・引渡しの時期(第10条第1項) 甲と乙 3つの年月日を別々に書く
検査を完了するまでの日数(第25条第2項) 甲と乙 「完成の通知を受けた日から7日」
保証の5つの欄(第28条第1項) 乙が文字で書く 対象部位・現象・期間・内容・免責。免責は必ず書かせる
合意管轄(第38条第3項) 甲と乙 3択から選ぶ。地名は刷っていない
紙か電磁的記録か(第39条第1項) 甲と乙 電子を選ぶなら相手の承諾が先(第14章)

次が、取引の実態に合わせて選ぶ欄です。

ここは、正解が1つに決まりません。金額の大きさ、相手との付き合いの長さ、現場の事情で変わります。

  • 前払金と出来形部分に対する支払(第8条第1項)。器具を先に発注するなら、その内容と額を別紙3の1に書いて前払金として扱います(第8条第4項)
  • 支払日と支払方法、振込手数料の負担者(第9条第2項・第3項)
  • 竣工書類の交付を受けるまで支払を留保するかどうかと、その割合(第9条第4項)
  • 停電を伴う作業の日・時間帯・範囲と、通知の期限(第13条第1項・第2項)。停止させられない機器は別紙1の5に必ず書きます
  • 撤去した器具・電線の処理と、その費用の負担者(第17条)
  • 着工後に判明した事情への回答の期限と、開口部の復旧の程度(第20条第4項・第5項)
  • 不可抗力による損害の負担と、乙が付する損害保険の有無(第21条第5項・第7項)
  • 価格変動を切り捨てる割合(第22条第7項)
  • 違約金と遅延利息の率、その上限(第29条第2項から第4項まで)
  • 契約不適合責任の通知の期間(第27条第4項)
  • 賠償の範囲と上限(第33条第2項・第3項)
  • 通知のあて先と、停電に関する緊急の連絡先(第37条)

最後が、使わないなら閉じてよい欄です。

選択肢を選んで閉じると、空欄が消えます。空欄と、「該当なし」と書いた欄は、別のものです。前者は決め忘れに見え、後者は決めた結果に見えます。

使わないときに選ぶ欄 閉じ方
工事を施工しない日または時間帯(第12条第1項) 「定めを置かない」を選ぶ
前払金・出来形部分に対する支払(第8条第1項) 「定めを置かない。工事完成後に支払う」を選ぶ
施主支給(第16条第1項) 「支給しない」を選び、別紙1の4に「該当なし」と書く
一括下請の承諾(第18条第2項) 「承諾しない」を選ぶ
自動火災報知設備(第3条第10項) 「含まない」を選ぶ
小型変圧器の二次側の配線工事(別紙1の3) 「含まない」を選ぶ
施工場所の標識(第14条第5項) 一日で完了する工事なら「掲げない」を選ぶ
製造所の保証(第28条第3項) 「付さない」を選ぶ
竣工書類と支払の連動(第9条第4項) 「支払の条件としない」を選ぶ
違約金・賠償の上限(第29条第4項・第33条第3項) 「上限を定めない」を選ぶ
訪問販売への該当(第36条第2項) 営業所で締結したなら該当しない側を選ぶ

そして、消してはいけない欄があります。

空欄を減らそうとして、選択肢ごと削る人がいます。次の8つは、削ると相手か自分の権利が減ります。

  • 別紙2の3の2番目の欄。登録電気工事業者本人や法人の役員が有資格者で、自ら主としてその営業所の業務に従事しているときは、主任電気工事士を別に置くことを要しません(第4章)。消すと、一人で営業している相手に法令上ない義務を課します
  • 別紙2の2の認定電気工事従事者の欄。簡易電気工事は認定電気工事従事者でもできます。消すと、法令上使える選択肢を自分で閉じます
  • 別紙2の2の露出型点滅器の3択。電気工事士法施行規則2条1項1号ホの括弧書きに対応する欄です。消すと、取換えだけの工事かどうかを書面で示せなくなります
  • 別紙2の6の「必要なときに使用し得る措置を講じている」の選択肢。継電器試験装置と絶縁耐力試験装置の欄です。消すと、法令上ない保有義務を相手に課します
  • 第27条第4項のただし書。引渡しの時に乙が不適合を知っていた場合の除外です。消すと、甲の権利が狭まります
  • 別紙4の3の括弧書き。0.5秒以内に遮断する装置を施設するときの500オームです。消すと、達成できない基準を自分で書き込みます
  • 第32条第4項。解除したときに、配線の端部を絶縁し、露出した充電部を覆ってから引き渡す条です。電気工事は、途中で止めると危険な状態が残ります
  • 第33条第4項。故意または重大な過失、第三者への損害、生命身体、目的物以外の財産を、賠償の上限から外してあります

なお、この雛形は1件の工事を1通で交わす形です。第1条第5項に、継続的に発注する取引の基本となる条件は定めないと書いてあります。同じ相手から繰り返し受注するなら、工事下請基本契約書テンプレートを基本契約に置いて、個別の工事を注文書で回すほうが軽く済みます。

3つのグループを順に片づければ、乙に聞かないと埋まらない欄だけを1通のメールにまとめて、往復を1回で終わらせられます。

14. 印紙税と、紙のままで足りる場合|第2号文書としていくら貼るか、電子で交わすか(第39条)

紙の契約から電子契約への移行イメージ

別紙まで埋め終わると、残るのは形式の話です。紙で作って甲と乙が1通ずつ保有するか、電磁的記録を作成して各自が保存するか。第39条第1項が、この2択になっています。

決める材料は、印紙税と、相手の承諾です。先に、紙のままで足りる場合から見てください。電子にする理由が無い契約を無理に電子にすると、相手の手を止めるだけになります。

この契約書は、第2号文書です。

国税庁は、請負についての契約書が、印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に該当すると説明しています。具体例として、工事請負契約書や工事注文請書を挙げています。

印紙税法別表第一の第2号は、契約金額の記載のある契約書について、100万円以下は200円から、50億円を超えるものは60万円までの税率を定めています。契約金額の記載のない契約書は、200円です。同号の非課税物件の欄は、契約金額が1万円未満のものを掲げています。

電気工事の請負契約書は、軽減措置の対象になります。

租税特別措置法91条2項は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される建設工事の請負に係る契約書のうち、記載された契約金額が100万円を超えるものについて、印紙税の税率を軽減しています。

ここで言う建設工事は、建設業法2条1項の建設工事です。同法別表第一は、上欄の「電気工事」に下欄の「電気工事業」を対応させています。電気工事は建設工事なので、この軽減が使えます。

契約書に記載された契約金額 軽減後の印紙税額(租税特別措置法91条2項)
100万円を超え200万円以下のもの 200円
200万円を超え300万円以下のもの 500円
300万円を超え500万円以下のもの 1千円
500万円を超え1,000万円以下のもの 5千円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円を超え1億円以下のもの 3万円

契約金額が100万円以下のものは、軽減措置の対象になりません。国税庁は、この場合の税額を200円とし、10,000円未満のものは非課税になると説明しています。租税特別措置法91条2項が「記載された契約金額が百万円を超えるものに限る」としているためです。

帯の読み方には、消費税額等の扱いがかかります。

配布テンプレートの第6条第1項は、請負代金の額を、消費税および地方消費税を含む総額と、その内訳の税額に分けて書く形にしてあります。そのうえで第6条第5項は、消費税額等を区分して記載したときは、印紙税の記載金額をその額を除いた額によるとしています。

仮に、区分した消費税額等を除いた額が150万円だとします。その場合は、上の表の「100万円を超え200万円以下」の帯で読みます。この150万円は帯の読み方を示すための仮定の額であり、電気工事の相場を示すものではありません。

第7章の工事費負担金は、請負代金の額に含まれないので、記載金額にも含まれません(第7条第5項)。電気工事は、代金の外に置くお金がある分、記載金額の計算を間違えやすい工事です。

紙で作って甲と乙が1通ずつ保有すると、課税文書は2つになります。各通の印紙を誰が負担するかは、第39条第7項の記入欄と別紙3の2の「収入印紙」の行で決めます。印紙税額の一覧は、印紙税額一覧表にまとめてあります。

💡 印紙の欄と、紙・電子の選択が条文になっている電気工事の契約書です

会員登録は不要です。第39条第1項で紙と電磁的記録のどちらで作るかを選び、第39条第7項で印紙の負担者を決め、別紙3の2で工事費負担金と印紙を別々の行に分けて書けます。ダウンロードしたら、第6条第1項の消費税額等の欄を先に埋めてください。

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紙のままで足りる場合は、3つです。

  • 契約金額が100万円以下のとき。軽減措置の対象にならず、税額は本則の200円です。電子にして浮くのは200円なので、金銭の面だけで切り替える理由にはなりません
  • 相手が承諾しないとき。建設業法施行令5条の5第1項は、電磁的措置を講じようとするときに、あらかじめ相手方へ電磁的措置の種類および内容を示し、書面または電磁的方法による承諾を得なければならないとしています。承諾するかどうかは相手の判断で、こちらから強制できません
  • 承諾が撤回されたとき。同条2項は、相手方から承諾を撤回する旨の申出があったときに、書面による措置に代えて電磁的措置を講じてはならないとしています。いったん承諾を得ても、撤回されれば紙に戻ります。ただし、その相手方が再び承諾をした場合は、この限りではありません

もうひとつ、電気工事に固有の事情があります。着工前に現地で立ち会う工事では、その場で紙に署名するほうが早いことがあります。別紙1の5が、既存の電気設備の現況と、停電に関する確認とを1枚にまとめた欄だからです。停電で止められない機器の表も、ここにあります。

電子を選ぶ意味があるのは、次のような場合です。

  • 契約金額が100万円を超えるとき。上の表の軽減後の税額が、そのまま浮きます
  • 第19条の覚書が何度も出る工事のとき。天井や壁を開けてから変更が出る改修工事では、覚書を交わす回数が読めません。本契約と同じ流れで1枚ずつ交わせると、現場が止まりません
  • 甲と乙が離れているとき。遠方の物件の改修や、施主が現地に住んでいない場合です
  • 別紙1や別紙3が差し替わるとき。差し替えた別紙を、改変の有無を確認できる形で残せます

電子にするなら、承諾と技術的基準を先に確かめます。

建設業法19条3項は、相手方の承諾を得て、政令で定めるところにより情報通信の技術を利用する方法を講じたときは、19条1項および2項の措置を講じたものとみなすと定めています。第39条第3項から第5項までが、この承諾と撤回の手順です。

そして建設業法施行規則13条の4第2項は、講じる措置が次の技術的基準に適合しなければならないとしています。

  1. 相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること
  2. ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること
  3. 相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること

配布テンプレートの第39条第6項は、この3つをそのまま条文にしてあります。契約書の側に基準が書いてあれば、どのサービスを使うかを選ぶときの物差しになります。

なお、印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書です。国税庁は、電磁的記録は文書に含まれないと回答しています。第39条第9項は、この点を確認する項です。

電気工事の相手は、一人で営業している電気工事店であることもあります。相手にソフトの導入を求めない形かどうかは、承諾を得られるかどうかに直結します。

印紙の要否と税額の最終的な判定は、契約書の記載によって変わります。迷うときは、税理士または所轄の税務署にご確認ください。ここまで決めれば、紙と電子のどちらで締結するかを、金額と相手の承諾から選べます。

15. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順

使い方は、立場で変わります。Aは発注する側が自分で契約書を用意する場合、Bは業者が持ってきた1枚を発注する側が検算する場合、Cは電気工事業者が自社の契約書として発注者に出す場合です。自分の立場のところだけを読んでください。

AとBに共通するのは、単価も品番も電線の太さも持っているのは乙だということです。だから、甲が書く欄はほとんどありません。甲がやるのは、決めることと、乙が書いたものを確かめることです。

A:自分で作って相手に渡す場合

ステップ1:甲が、4つを決める

見積りを待たずに決められるのは、次の4つです。何をどこに作るか(第2条第1項の工事の範囲)、施主支給をするかどうか(第16条第1項)、電力会社への申込みを誰がするか(第11条第1項)、甲の側の手続をどうするか(第15条第5項)。

この4つは、単価も品番も要りません。先に決めておくと、乙が別紙を一度で埋められます。

ステップ2:別紙2を先に送って、乙に埋めてもらう

契約書の本文より先に、別紙2だけを送ります。書くのは乙です。建設業の許可の有無、電気工事業の4区分、登録の番号と有効期間の満了の日、作業に従事する者の氏名と免状の番号。ここまで埋まったら、第4条第9項により、許可・登録・届出・通知を証する書面の写しを受け取ります。

確かめるのは甲です。満了の日が過ぎていないか、提出された登録証の写しと一致しているかを見ます。過ぎているときは、更新の登録を受けたことを示す書面の写しを求めてください(第4章)。

ステップ3:別紙1の1で区分を決め、別紙1の3で境界を切る

別紙1の1に、受電の電圧、契約上の電力または最大電力、発電用の電気工作物の有無、蓄電池設備、爆発性または引火性の物、建物の用途と構造を書きます。材料を書くのは乙、区分を確認するのは甲です(第3章)。

続いて別紙1の3で、自動火災報知設備・LAN・インターホン・防犯カメラ・機械器具の設置・屋外の配線を、行ごとに「含む/含まない」で切ります。ここに印が付いていない行は、あとで必ず争点になります。

ステップ4:別紙1の2を乙に埋めてもらい、見積書と並べて読む

回路および器具ごとに、図面番号、製造所名と品番、数量、電線の種類と太さ、配線の方法、分岐回路の番号と用途と定格、地絡遮断器を施設するかどうかを書きます。書くのは乙です。

甲は、埋まった別紙1の2を見積書の横に置いて読みます。埋まっていない欄が、そのまま乙への質問リストになります。併せて別紙1の5に、既存設備の現況と、停電で止められない機器を書きます。

ステップ5:別紙3を3つとも埋め、金額を一致させる

別紙3の1は請負代金の内訳です。材料費を電線・分電盤・配線器具・照明器具・接地に分け、労務費、撤去に要する費用、開口部の復旧、竣工検査の測定まで項目を立てます。小計・消費税額等・合計を出し、合計を第6条第1項の額と一致させます。

別紙3の2は、請負代金に含まれない費用です。工事費負担金と、その精算による追加分を、別々の行として埋めます(第7章)。別紙3の3は、手続の名義人・申請者・費用の負担者・期限です。該当しない行には「該当なし」と書きます(第8章)。

ステップ6:別紙4は白紙のまま添付し、残りの欄を埋めて締結する

別紙4は、竣工検査のときに埋める紙です。ただし、基準値の欄は刷ってあるので、締結の時点で契約書の一部として添付します。絶縁抵抗と接地抵抗の基準値を、締結の時に双方が見ている状態にするためです。

最後に、第13章の3つのグループの順で残りの欄を埋め、第39条第1項で紙と電磁的記録のどちらで作るかを選びます。電子を選ぶなら、相手の承諾を先に取ります(第14章)。

B:業者が持ってきた1枚を検算する場合

こちらは、相手に何かを足してもらう交渉です。全部は通らない前提で、先に優先順位を決めておきます。1つしか通らないなら別紙2、2つ通るなら別紙1の2も、という順です。

ステップ1:第12章の対照表で、1号から15号までを突き合わせる

見当たらない行に印を付けます。ここは相手に何も求めない、手元だけの作業です。印が付いた号を、そのまま伝えられる形にしておきます。

ステップ2:別紙2を1枚渡して、許可・登録・資格を書いてもらう

求めるものを1つに絞るなら、これにしてください。建設業の許可の有無だけを見て安心すると、電気工事業の登録の側が抜けます(第4章)。登録証その他の写しの提出も、同時に求めます。

ステップ3:工事の内容が「一式」になっていないかを見る

品番・数量・電線の太さ・配線の方法・分岐回路のどれかが書かれていないなら、配布ファイルの別紙1の2を印刷して、これを埋めて添付するよう求めます。別紙だけを足す形なら、相手の契約書を作り直させずに済みます。

ステップ4:施主支給の予定があるなら、別紙1の4を先に出す

支給したい器具があるなら、着工の日ではなく、契約の前に別紙1の4を渡します。品目ごとに、電気用品に当たるかどうかと、電気用品安全法10条1項の表示の有無を書いてもらいます(第6章)。

表示が確認できない品は、支給しません。当日に断られるより、契約の前に分かるほうが、代わりの器具を選ぶ時間が残ります。

ステップ5:電力会社への申込みと工事費負担金の担当を聞く

「申込みはどちらがやりますか」「工事費負担金の請求が来る可能性はありますか」の2つを聞きます。答えを、第11条第1項と第7条第2項の選択肢に落とします(第7章)。

併せて、電気の使用の開始の予定日を聞いてください。工事の完成日と別に書いてもらうと、引渡しの後に待つ期間があるかどうかが分かります。

ステップ6:竣工検査で何を測るかを聞く

「絶縁抵抗と接地抵抗は測りますか」と聞いて、測ると言われたら、配布ファイルの別紙4を渡します。基準値が刷ってあるので、測定値を書き込んでもらうだけです(第10章)。

併せて、引渡しの時に配線図と検査結果を交付してもらえるかを確かめます。帳簿の記載事項であって交付義務ではないので、契約に書いて初めて約束になります。

断られたときは、断られたこと自体が材料になります。

別紙2の記入を断る業者は、登録と資格を書面に残せないということです。別紙1の2を断る業者は、品番と電線の太さを書面に残せないということです。別紙4を断る業者は、測定値を残さないということです。

どれも、着工の前に分かったほうがよい情報です。天井を閉じてしまったあとでは、見積りを取り直す判断は選べません。

C:乙が自社の契約書として甲に出す場合

電気工事業者が、このファイルを自社の1枚として使う場合です。埋める順番が、AやBとは逆になります。自分の情報から先に埋めて、甲に決めてもらう欄だけを空けて渡します。

ステップ1:先に自分で埋める(別紙2の1から4まで)

別紙2は、乙が自分について書く紙です。相手を待つ必要がありません。建設業の許可の有無と許可行政庁と許可番号、電気工事業の登録または通知の区分と番号、登録の有効期間の満了の日、作業に従事する者の氏名と資格と免状の番号、主任電気工事士、甲種消防設備士。

一人で営業しているなら、主任電気工事士は別紙2の3の2番目の欄で閉じます(第4章)。別紙2を埋めた状態で見積書に添えると、相手が確かめたい情報が先に揃います。

ステップ2:現地を見てから埋める(別紙1と別紙3の1)

見積りのために現地へ行ったときに、まとめて拾います。別紙1の2の回路と器具、別紙1の5の既存設備の現況と停電に関する確認、別紙3の1の内訳の3か所です。

別紙1の5に「確認できなかった範囲」を書いておくと、着工後に出てきたときの協議が第20条に乗ります。現況を書き残さないと、追加費用の話が「言った・言わない」になります。

ステップ3:甲に決めてもらう欄を空けて渡す

乙の側では決められない欄があります。工期(第10条第1項)、支払の時期と方法(第9条第2項)、手続の担当(第15条第5項・別紙3の3)、保証の年数と免責(第28条第1項)の4つです。

保証は、乙が案を書いて甲に示す欄です。対象となる部位と免責となる事由を先に文字にしておくと、引渡しのあとの問い合わせが減ります。

ステップ4:甲に説明が要る条を、渡すときに一言添える

黙って渡すと、締結の後に「聞いていない」と言われる条があります。第26条第6項は、目的物の引渡しと電気の使用の開始が別の日であることを定めた条です。渡すときに口で言っておいてください(第7条と第11条は、次のステップ5でまとめて説明します)。

第16条も、支給の予定があるなら先に伝えます。表示のない電気用品は取り付けられないので、契約の前に別紙1の4を出してもらいます(第6章)。

ステップ5:甲が渋りやすい条は、理由を先に言う

止まりやすいのは、次の3つです。理由を添えると、消される代わりに埋まります。

第7条で工事費負担金を請負代金の外に置くのは、額を決めているのが乙ではないからです。設計の完了の後に一般送配電事業者が算定するので、締結の時に確定できません。第7条第4項で、額が判明したときにその額と算定の根拠を通知する義務を乙に置いてあるのが、その代わりです。

第11条第7項の「この日に電気を使用できることを保証しない」という一文は、日程調整を行うのが乙ではないからです。同じ理由で、第9条第5項が電気の使用の開始を支払の条件から外してあります。

第20条の「協議が調うまで当該部分の施工を行わない」という定めは、乙の側の権利にも見えます。ただし、これは甲の側の増額防止でもあります。第19条第7項が、覚書によらずに施工した部分の増額請求を封じているからです。ここを消すと、両方が消えます。

乙が別紙2を先に埋めて出すと、Bの読者が探している情報が、最初から相手の手元にあることになります。

16. よくある質問(FAQ)

Q1. 小さな電気工事でも、契約書は必要ですか?

A. 必要です。建設業法19条1項は、建設工事の請負契約の当事者に対し、契約の締結に際して各号の事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付することを義務づけています。この義務に、請負代金の額による下限は置かれていません。

電気工事が建設工事に当たることは、建設業法2条1項と別表第一から出てきます。同表は、上欄の「電気工事」に下欄の「電気工事業」を対応させています。コンセントを1か所増やす工事も、この対象です。

見積書と注文書だけで進めている現場もありますが、それで15の記載事項が埋まっているかは別の話です。第12章の対照表で、手元の書面を突き合わせてみてください。

Q2. 500万円未満の工事しか頼まないのに、業者の登録は要るのですか?

A. 要ります。電気工事業法3条1項は、電気工事業を営もうとする者に、営業所の設置の状況に応じて経済産業大臣または都道府県知事の登録を受けることを義務づけており、この条文には請負代金の額による除外が置かれていません

500万円で切れるのは、建設業の許可のほうです。建設業法3条1項ただし書が、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を許可の対象から外し、建設業法施行令1条の2が、その軽微な建設工事を、工事1件の請負代金の額が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事などと定めています。

登録を受けずに電気工事業を営んだ者については、電気工事業法36条が、1年以下の拘禁刑もしくは10万円以下の罰金に処し、または併科すると定めています。「小さな工事しかしないので登録はありません」という説明は、条文と合いません。

Q3. 作業する人の資格は、どうやって確かめればよいですか?

A. 免状または認定証の写しの提出を求めてください。別紙2の2に、作業に従事する者の氏名と免状または認定証の番号を書かせ、着手の時までに写しを受け取る形にしてあります。作業に従事するときは携帯する義務もあります(電気工事士法5条2項)。

資格のない者を従事させることには、罰則が置かれています。電気工事士法14条は、同法3条1項・2項・3項に違反した者を3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金に処するとしています。電気工事業法37条も、同法21条に違反して作業に従事させた者について同じ水準の罰則を定めています。

注意したいのは、現場に標識が出ていないことは、無登録の証拠にはならないという点です。電気工事業法施行規則12条2項のただし書が、電気工事が1日で完了する場合は施工場所の標識を掲げなくてよいとしているためです(第4章)。確かめる手段は、書面の写しの提出です。

Q4. 印紙はいくら貼るのですか?

A. 契約金額が100万円を超え200万円以下なら200円、300万円以下なら500円、500万円以下なら1千円、1,000万円以下なら5千円です。いずれも租税特別措置法91条2項の軽減措置による額です。100万円以下は軽減の対象にならず、税額は200円になります。契約金額が1万円未満のものは非課税です。

判定するのは、消費税額等を区分して記載した場合の、その額を除いた額です(第6条第5項)。第7条の工事費負担金は請負代金の額に含まれないので、記載金額にも入りません。

電磁的記録で作成する場合については、国税庁が、印紙税の課税対象は課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれないと回答しています。印紙の要否と税額の最終的な判定は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

Q5. 「分電盤に空きがないので増額です」と言われました。妥当ですか?

A. 妥当かどうかを数値で判定する基準は、この記事にも配布テンプレートにも置いていません。一次資料で確認できた数値の基準は、絶縁抵抗と接地抵抗だけだからです。代わりに置いたのは、手順です。

別紙1の5に「分電盤の分岐回路の空きの状況」を書く欄があります。着工前に確認し、確認できないときは、その旨を書きます。そのうえで第20条第2項は、着工の後に「分電盤に本工事に必要な分岐回路を設ける余地がないこと」が判明したときに、乙が直ちに甲へ通知し、協議が調うまで当該部分の施工を行わないとしています。

金額は、第19条第4項で算定します。別紙3の1に同種の項目があれば、その単価に数量の増減を乗じます。無ければ、乙が内訳を明らかにした見積りを出します。着工前に別紙1の5が「不明」で埋まっていれば、これは想定外の事情として協議に乗ります。

Q6. 通販で買った照明の取付けを断られました。どうすればよいですか?

A. その器具に、電気用品安全法10条1項の表示が付いているかを確かめてください。同法28条1項は、電気工事士などが、その表示が付されているものでなければ電気用品を電気工作物の設置または変更の工事に使用してはならないと定めています。

取り付けた側には、電気工事士法4条6項により、都道府県知事から電気工事士免状の返納を命じられる可能性があります。事業者の側にも、電気工事業法23条1項が同じ内容の禁止を置いています。断られたのは、業者の判断というより、条文の側の問題です。

別紙1の4は、支給する品目ごとに、電気用品に当たるかどうかと表示の有無を書く欄です。表示の有無が確認できない物は支給しない形にしてあります(第16条第9項)。表示のある製品に替えるか、その部分を乙に調達させるかを、契約の前に決めてください。

17. まとめ:資格・登録・範囲・検査を書いた契約書を1通、今週中に取り交わす

着工日が決まっているなら、順に確かめてください。別紙1と別紙2が埋まった契約書が1通あれば、資格の話も、追加費用の話も、条の番号を指して進められます。

  • 相手の立場は4区分。建設業の許可の有無と、電気工事業の登録の有効期間の満了の日を、別紙2の1で確かめる
  • 作業に従事できる資格は4つ。簡易電気工事は認定電気工事従事者でもできる(電気工事業法21条4項)
  • 一人で営業している電気工事店なら、主任電気工事士は別紙2の3の2番目の欄で閉じる
  • 工事の内容は、別紙1の2に回路と器具ごとの6項目で書く。「電気工事一式」は第2条第3項が封じている
  • 自動火災報知設備は、電源の部分だけが電気工事業者の領域として残る。境界は別紙1の3で切る
  • 施主支給は、電気用品安全法10条1項の表示の有無を別紙1の4で1品ずつ確かめてから決める
  • 支給する材料の市場価格は、建設業の許可の要否を判定する額に加算される
  • 電力会社への申込みの担当と所要期間は、供給エリアの一般送配電事業者の案内で確かめる。乙の工事の完成と、電気が使える日は別
  • 工事費負担金は請負代金の外。精算による追加請求の行も、別紙3の2に立てておく
  • 保安規程と電気主任技術者の届出は甲、消防の着工届は乙、消防の設置届と検査の受検は甲
  • 竣工検査は、絶縁抵抗0.1/0.2/0.4メガオームと、D種接地100オーム(0.5秒以内に遮断する装置を施設するときは500オーム)で検算する
  • 引渡しで配線図と検査結果を受け取る。帳簿の記載事項であって交付義務ではないので、契約に書いて初めて約束になる
  • 契約不適合責任の通知は、不適合を知った時から1年。第27条第4項のただし書を消さない

先に1通を締結してしまえば、天井を開けた職人が「ここも直しておきますね」と言ったときに、その場で第19条と第20条を開いて話ができます。別紙は、着工の当日ではなく、契約の前に埋めてください。

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本記事で解説した電気工事請負契約書テンプレート(全39条+別紙4本)を、Word形式で配布しています。

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建設業法19条1項1号から15号までに対応した全39条 — 第12章の対照表のとおりに条が並んでいます

別紙2 乙の許可、登録及び資格の確認書 — 電気工事業の4区分と作業者の4資格を、番号と有効期間の満了の日まで書いて確かめられます

主任電気工事士の適用除外の欄つき — 一人で営業している電気工事店でも、空欄が残りません

「電気工事一式」を禁じる条文つき — 第2条第3項が、工事の範囲と仕様が特定されない記載を封じます

別紙1の2 回路及び器具の明細 — 図面番号・品番・数量・電線の種類と太さ・配線の方法・分岐回路の6項目で特定できます

別紙1の3 工事範囲の境界 — 自動火災報知設備の電源の部分、構内情報通信網、インターホン、防犯カメラ、機械器具の設置まで行が立っています

別紙1の4 甲の支給する材料及び機器の確認欄 — 電気用品に当たるかどうかと、電気用品安全法10条1項の表示の有無を、品目ごとに確かめられます

第7条・第11条 工事費負担金と供給側の工期 — 精算による追加請求の行まで、別紙3の2に置いてあります

別紙3の3 手続の担当一覧 — 名義人・申請者・費用の負担者・期限を、手続ごとに分けて書けます

別紙4 竣工検査記録 — 絶縁抵抗とA種・C種・D種の接地抵抗を、基準値を刷った欄と測定値の欄に分けて検算できます

引渡書類チェックシートつき — 配線図と検査結果の交付を、乙の義務として書いてあります

紙でも電子でも締結できる末尾書式つき — 電磁的措置の事前承諾と3つの技術的基準を条文化しています

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本記事および配布テンプレートは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な事案の適法性や、印紙税の判定については、弁護士・税理士にご確認ください。

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