株主間契約書テンプレート・雛形|VC投資・先買権・タグアロング
株主間契約書テンプレートを無料ダウンロード(会員登録不要・メアド不要)。VC投資・スタートアップで使う先買権・タグアロング・ドラッグアロング・希薄化防止条項の書き方、創業者と投資家の利害調整まで実務目線で解説します。
公開日: (更新: )
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株主間契約書テンプレート
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- Word
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- 無料
- 更新日
- 2026-07-30
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ムスビサインを無料で始める株主間契約書テンプレ|VC投資・スタートアップで使う先買権・タグアロングの書き方
「VCから出資を受けることになった。株主間契約書のひな形は手元にあるけれど、何を確認すべきか分からない」 「『先買権』『タグアロング』『ドラッグアロング』『希薄化防止』って何?どこまで投資家有利な条件を飲むべき?」 「創業者と投資家の利害が衝突しがち。テンプレを使いつつもバランスの取れた条項にしたい」
株主間契約書(SHA: Shareholders Agreement)は、スタートアップがVC等の投資家から資金調達する際に必ず締結する重要な契約です。一方で、専門用語が多く、創業者と投資家で利害が真っ向から対立しやすい論点を含むため、テンプレを安易に使うと創業者にとって不利な条件で固定化されるリスクがあります。
結論からお伝えします。株主間契約書は、コントロール権(議決権・取締役指名権)・キャッシュフロー権(優先分配)・EXIT権(先買権・タグアロング・ドラッグアロング)の3軸で論点を整理し、創業者・投資家双方の利害バランスを取った設計が重要です。この記事では、株主間契約書テンプレを無料(会員登録不要・メアド不要)でダウンロードできるよう用意しています。
この記事の結論
- 株主間契約書(SHA)はコントロール権・キャッシュフロー権・EXIT権の3つの権利軸で論点を整理し、創業者・投資家双方の利害バランスを取った設計が重要です。
- EXIT権の核心は先買権・タグアロング・ドラッグアロング・希薄化防止の4条項。なかでもドラッグアロングは創業者が最も警戒すべき条項です。
- 投資契約・総数引受契約・株主間契約は通常同時締結のパッケージ契約で、本テンプレは株主間契約にフォーカスしています。
- 条件は「今のラウンドだけ」でなく将来ラウンド・EXIT時の影響を見据えて設計し、核心論点はスタートアップ法務に強い弁護士と協議します。
- 配布テンプレは会員登録不要・メアド不要でWord形式を無料ダウンロードできます。
目次
- 株主間契約書を整理する「3つの権利軸」
- 株主間契約書とは何か:他契約との関係
- 必須記載項目チェックリスト(3つの権利軸で整理)
- EXIT権の核心:先買権・タグアロング・ドラッグアロングの書き方
- 希薄化防止条項の書き方
- コントロール権(同意権・取締役指名権)の書き方
- 創業者と投資家の利害調整のポイント
- 株主間契約と関連法令
- 株主間契約を電子契約で締結するメリット
- 株主間契約書テンプレに関するFAQ
- 独自視点:株主間契約書は「成長フェーズの設計図」
- まとめ:株主間契約書は「3つの権利軸」で論点を整理し、長期視点で設計する
株主間契約書を整理する「3つの権利軸」
最初に重要な結論からお伝えします。
株主間契約書 ひな形を整備するときに、複雑に見える論点は、3つの権利軸に分解すると整理しやすくなります。
| 権利軸 | 主な内容 | 主な対応条項 |
|---|---|---|
| コントロール権 | 経営に対する影響力 | 取締役指名権、同意権(拒否権)、情報開示請求権 |
| キャッシュフロー権 | 配当・分配の優先 | 残余財産分配の優先、優先配当 |
| EXIT権 | 株式売却・上場時の権利 | 先買権、共同売却請求権(タグアロング)、強制売却請求権(ドラッグアロング)、希薄化防止 |
VCの株主間契約書は、これら3つの権利を投資家に有利に設計しようとし、創業者は自身のコントロール権・経営柔軟性を守ろうとします。テンプレを使う際は、どの権利軸でどこまで譲歩・確保するかを意識的に設計することが鉄則です。
株主間契約書とは何か:他契約との関係
スタートアップが資金調達するときに登場する契約書は複数あります。それぞれの役割を整理しておきましょう。
投資契約書(株式引受契約・出資契約)
- 役割:投資家による株式引受け(資金払込み)の基本契約
- 主な内容:出資金額、株式数、引受株式の種類、払込日、表明保証
- 締結時期:資金調達ラウンド締結時
総数引受契約書
- 役割:会社法上の手続きとしての株式引受契約
- 主な内容:会社法第205条に基づく総数引受手続き
- 締結時期:資金調達ラウンド締結時
株主間契約書(SHA)
- 役割:既存株主と新規投資家の継続的な権利義務関係を定める
- 主な内容:取締役指名権、同意権、先買権、タグアロング、ドラッグアロング等
- 締結時期:資金調達ラウンド締結時(初回ラウンド以降は更新・補完)
3者の関係性
これらは通常、同時に締結されるパッケージ契約として運用されます。投資契約で「出資する事実」を、総数引受契約で「会社法上の手続き」を、株主間契約で「継続的な権利義務」を定めるという役割分担です。
本記事のテンプレートは、株主間契約書にフォーカスしています。投資契約・総数引受契約は別途専用ひな形が必要です。
必須記載項目チェックリスト(3つの権利軸で整理)
株主間契約書 テンプレートに必ず含めるべき項目を、3つの権利軸で整理します。
コントロール権関連
| No. | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 取締役指名権 | 投資家側の取締役推薦・選任 |
| 2 | オブザーバー指名権 | 取締役会への参加・情報取得 |
| 3 | 同意権(拒否権) | 重要事項決定への同意要件 |
| 4 | 報告・情報開示請求権 | 月次/四半期報告、追加情報請求 |
| 5 | 監査権 | 帳簿閲覧、決算書等の確認 |
キャッシュフロー権関連
| No. | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 6 | 配当の優先 | 普通株主に先立つ優先配当 |
| 7 | 残余財産分配の優先 | 清算時の優先分配 |
| 8 | みなし清算 | M&A時に清算とみなし優先分配 |
EXIT権関連
| No. | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 9 | 先買権(ROFR/ROFO) | 他株主の株式売却時の優先買取権 |
| 10 | タグアロング(共同売却請求権) | 創業者株式売却時に投資家も同条件で売却可能 |
| 11 | ドラッグアロング(強制売却請求権) | 多数株主の売却に少数株主が応じる義務 |
| 12 | 希薄化防止(アンチダイリューション) | 後続ラウンドの低価格発行時の調整 |
| 13 | IPO努力義務 | 上場に向けた経営努力 |
| 14 | 買戻請求権 | 一定要件下での投資家からの買戻請求 |
その他の重要条項
| No. | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 15 | 創業者の専念義務 | 創業者のフルコミットメント |
| 16 | 競業避止 | 創業者・主要株主の競合行為制限 |
| 17 | 秘密保持 | 経営情報の保護 |
| 18 | 株式譲渡の制限 | 第三者譲渡の制限 |
| 19 | 解除・終了条項 | IPO達成・株式売却での終了 |
| 20 | 合意管轄 | 紛争時の裁判所 |
これらすべてを網羅したテンプレートが、本記事から無料ダウンロードできるテンプレの構成です。
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EXIT権の核心:先買権・タグアロング・ドラッグアロングの書き方
株主間契約書 ひな形で特に重要なのが「EXIT(株式売却・上場)に関する権利」です。創業者にとっても投資家にとっても、最終的に資金を回収する場面に直結するため、入念な設計が必要です。
先買権(Right of First Refusal: ROFR)
意味:既存株主の誰かが第三者に株式を売却しようとする場合、他の既存株主が優先的に同じ条件で買い取る権利。
目的:意図しない第三者(競合企業等)の株主参入を防ぐ。
書き方の例:
株主の一人(以下「譲渡希望株主」という。)が、その保有する本件株式の
全部又は一部を第三者に譲渡しようとする場合、譲渡希望株主は、
他の株主に対し、譲受人候補、譲渡数量、譲渡価格、その他の譲渡条件を
書面又は電磁的方法により通知する。
他の株主は、通知受領後[30]日以内に、当該通知の条件と同一の条件で、
譲渡希望株主から譲渡対象株式の全部又は一部を買い受けることができる。
ROFR(Right of First Refusal:第三者条件をベースに優先買取権)とROFO(Right of First Offer:他株主が先に買取オファーを提示)の使い分けにも注意してください。
タグアロング(共同売却請求権)
意味:創業者・大株主が第三者に株式を売却しようとする場合、少数株主(主に投資家)も同じ条件で同時に売却できる権利。
目的:少数株主(投資家)の保護。創業者だけがEXITして投資家が取り残されることを防ぐ。
書き方の例:
創業者が、その保有する本件株式の全部又は一部を第三者に譲渡しようとする場合、
創業者は、他の株主に対し、譲渡条件を書面又は電磁的方法により通知する。
他の株主は、当該通知受領後[30]日以内に、自己の保有する本件株式について、
同一条件で同時に第三者に譲渡することを請求できる。
創業者は、当該請求があった場合、第三者に対し、自己の譲渡株式と
請求株主の譲渡株式を併せて譲渡するよう要求する。
タグアロングは少数株主保護条項として、VC投資ではほぼ必ず入る条項です。
ドラッグアロング(強制売却請求権)
意味:多数株主(主に投資家)が会社売却(M&A)を決定した場合、少数株主に対しても同じ条件での株式売却に応じる義務を課す権利。
目的:M&A時の100%売却を可能にする。買い手は通常100%取得を望むため、少数株主の反対で売却が頓挫することを防ぐ。
書き方の例:
保有議決権の[3分の2]以上を保有する株主(以下「請求株主」という。)が、
本件会社の発行済株式全部を第三者に譲渡することに合意した場合、
請求株主は、他のすべての株主に対し、その保有する全本件株式を
請求株主と同一条件で当該第三者に譲渡することを請求できる。
他の株主は、当該請求に応じる義務を負う。
ドラッグアロングは創業者にとって最も警戒すべき条項です。条件次第では、創業者の意思に反して会社が売却される可能性があります。発動要件(議決権割合)・適用条件(価格水準等)を慎重に設計する必要があります。
希薄化防止条項の書き方
希薄化防止(Anti-dilution)は、投資後に発生する増資により、投資家の持株比率や経済的価値が不当に減少することを防ぐ条項です。
希薄化防止の2タイプ
広義(完全比率調整型・フルラチェット): 後続ラウンドの発行価格が直近投資ラウンドの価格を下回った場合、直近投資家の取得価格を後続ラウンド価格まで遡及的に引き下げる(調整する)。投資家に最も有利な設計。
狭義(加重平均型・ナローベース): 後続ラウンド価格と直近ラウンド価格、発行株式数を加重平均で調整。投資家有利だが、フルラチェットより創業者にバランスの取れた設計。
書き方の例(加重平均型):
本件株式の発行後、本件会社が次の各号のいずれかに該当する場合
(以下「希薄化事由」という。)、株主の取得価格は以下の算式により調整される。
ただし、ストックオプション付与等、別途定める除外事由による発行は除く。
調整後取得価格 = 既発行株式数 × (発行価格 ÷ 既発行株式数 + 新規発行株式数)
※詳細な算式は別紙計算式参照
希薄化防止条項は計算が複雑なため、契約書では条文の骨子のみ記載し、別紙で計算例・計算式を整理するのが実務的です。
コントロール権(同意権・取締役指名権)の書き方
同意権(拒否権)条項の例
本件会社は、以下の重要事項を決定するにあたり、
投資家(又はその指名する取締役)の事前の書面又は電磁的方法による
同意を取得しなければならない。
(1) 定款の変更
(2) 増資、減資、株式分割、株式併合
(3) 合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡
(4) 解散、清算
(5) 子会社の設立・取得・処分
(6) 5,000万円以上の借入・債務保証
(7) 1億円以上の重要資産の取得・処分
(8) 代表取締役の選任・解任
(9) 役員報酬の変更
(10) その他経営上重要な事項
同意権の項目数・金額基準は、ラウンドの規模・投資家の持株比率に応じて調整します。創業者は、過度に同意権が広範化すると経営柔軟性を失うため、項目数・金額基準を慎重に交渉する必要があります。
取締役指名権
投資家は、投資家の保有する議決権割合が[5]%以上である間、
本件会社の取締役を[1]名指名することができる。
本件会社は、当該指名を受けた候補者を取締役として選任するよう、
株主総会において議決権を行使する。
シードラウンドではオブザーバー指名権、シリーズA以降は正式な取締役指名権という段階的な設計が一般的です。
創業者と投資家の利害調整のポイント
株主間契約書 テンプレートを使う際、創業者と投資家の利害は次のような対立軸を持ちます。
主要論点での創業者vs投資家の典型対立
| 論点 | 創業者の希望 | 投資家の希望 |
|---|---|---|
| 同意権の範囲 | 狭く・項目少なく | 広く・項目多く |
| 取締役指名権 | 少数で | 持株比率に応じ複数 |
| 先買権 | 短期間・条件柔軟 | 長期間・条件厳格 |
| ドラッグアロング | 高い議決権要件 | 低い議決権要件 |
| 希薄化防止 | 加重平均型・除外事由広く | フルラチェット型・除外事由狭く |
| 創業者の専念義務 | 柔軟・解除可能 | 厳格・違約金あり |
| 競業避止 | 短期間・地域限定 | 長期間・包括的 |
バランス設計の3つの考え方
考え方1:資金ニーズと条件の連動 緊急の資金ニーズが高いほど、投資家有利な条件を飲まざるを得ない。事前に複数のVCと並行交渉し、条件のオプションを持つことが重要。
考え方2:ラウンドごとの段階設計 シードでは投資家にやや有利な条件、シリーズBで上限を引き下げる、というように成長段階に応じて条件を見直す。
考え方3:長期視点での妥協 創業者が短期的に飲める条件でも、長期的(将来の追加ラウンド・EXIT時)に致命的になる条項は要警戒。特にドラッグアロングと希薄化防止は要注意。
株主間契約と関連法令
株主間契約書を運用する際に関係する主要な法令を整理します。
会社法
- 株式の譲渡制限
- 種類株式の取扱い
- 株主総会・取締役会の決議要件
- 株主間契約は会社法上の規定とは別個の私的な契約として扱われる
金融商品取引法
- 上場準備時の株主間契約の整理が必要
- 上場時には株主間契約の解除・終了が原則
独占禁止法
- 過度な競業避止条項は独禁法上の問題が生じる可能性
- 投資家による経営支配が一定基準を超えると、企業結合審査の対象になる場合あり
税法(法人税法・所得税法)
- 株式譲渡時の課税
- 種類株式・優先株式の評価
- ストックオプションの税務
民法
- 契約解釈の一般原則
- 損害賠償の規定
株主間契約を電子契約で締結するメリット
株主間契約は複数当事者(創業者複数+投資家複数)が同時締結することが多く、電子契約の導入効果が大きい契約類型です。
メリット1:複数当事者間の契約締結のスピードアップ
5社以上の投資家+創業者複数で締結する場合、紙の契約書を順次回覧していると数週間〜数ヶ月かかります。電子契約なら数時間〜数日で完結します。
メリット2:資金調達クロージングの確実化
資金調達クロージング日に契約書類が揃っていないと、振込・登記等のプロセスが遅延します。電子契約サービスを使えば、当日のクロージング会議でリアルタイム締結が可能です。
メリット3:追加ラウンド時の更新効率化
シリーズA→B→Cと進むごとに、株主間契約の更新(または覚書)が発生します。電子契約サービスで一元管理することで、過去契約の参照・更新がスムーズです。
メリット4:遠隔地・海外投資家との締結
海外VCや地方の投資家との契約締結も、電子契約なら即時完結可能です。
メリット5:印紙税の節税(該当する場合)
株主間契約書は典型契約に該当せず印紙税は原則かからないものの、契約内容によっては第7号文書(継続的取引の基本契約書(契約期間の記載があり、その期間が3か月以内で、かつ更新の定めのないものを除く))等に該当する場合もあります。電子契約なら印紙税はかかりません。
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株主間契約書テンプレに関するFAQ
Q1. 株主間契約と投資契約はどう違う?
投資契約は「投資家による株式引受け(資金払込み)」の基本契約で、出資金額・株式数・払込日等を定めます。株主間契約は「既存株主と新規投資家の継続的な権利義務関係」を定めます。両者は通常、同時に締結されるパッケージ契約として運用されます。
Q2. シードラウンドでも株主間契約は結ぶべき?
ラウンドの規模・投資家の方針によります。シードラウンドではJ-KISS等のコンバーティブル投資契約のみで簡素に済ませるケースもありますが、エクイティ投資(普通株式・種類株式)を行う場合は、最低限の株主間契約(同意権・先買権・タグアロング程度)を整備するのが安全です。
Q3. 種類株式と株主間契約の関係は?
種類株式(優先株式)は会社法上の制度として、優先配当・優先分配等の権利を定款で規定します。株主間契約は、会社法では定めにくい運用ルール(取締役指名権の発動条件、先買権の手続き等)を契約として補完する役割を果たします。両者は相互補完的に運用されます。
Q4. 株主間契約書を作るタイミングはいつ?
資金調達ラウンドの締結時に投資契約・総数引受契約とセットで作成するのが標準です。タームシート(基本条件書)合意後に契約書ドラフトを作成し、デューデリジェンス完了後にクロージング締結となります。
Q5. 株主間契約書はIPOしたらどうなる?
通常、IPO達成をもって株主間契約は終了する旨を契約書で規定します。上場後の株主は不特定多数となるため、株主間契約の制約は維持できません。上場準備段階で契約終了の手続きを進めるのが標準的です。
Q6. ドラッグアロングを飲むかどうかの判断基準は?
ドラッグアロングは少数株主にとって不利益条項ですが、M&A実現のために投資家が必須とすることが多いです。判断基準として(1)発動要件(議決権割合)を高く設定する、(2)最低譲渡価格(投資元本の何倍以上等)を設定する、(3)創業者の意思尊重条項を入れる、などのバランス設計が重要です。
Q7. 株主間契約書を電子契約で締結する場合、複数当事者でも問題ない?
問題ありません。電子契約サービスは複数当事者同時締結に対応しています。むしろ複数当事者の場合こそ電子契約の効果が大きく、紙では数週間かかる回覧が数時間で完結します。
独自視点:株主間契約書は「成長フェーズの設計図」
最後に、競合記事ではあまり強調されない独自の視点をお伝えします。
株主間契約書 ひな形を扱うときの実務上の落とし穴は、「今のラウンドだけを見て条件交渉してしまうこと」です。本来、株主間契約書はスタートアップの成長フェーズ全体を見据えた設計図として機能すべきものです。
「将来の自分」に与える影響を意識する
シードラウンドで結んだ株主間契約の条項は、シリーズA、B、C、IPO・M&Aまで影響を及ぼします。例えば:
- シードでフルラチェットを飲んだ → シリーズAでバリエーションが下がった時に大幅希薄化
- シードで広範な同意権を投資家に与えた → シリーズAで別投資家が入る時の合意調整が困難
- シードでドラッグアロングの発動要件を低く設定 → 創業者の意思に反するM&Aリスク
「今のラウンドを通すために飲んだ条件」が、後のラウンド・EXITで致命傷になることがあります。
「次のラウンド」を想定した設計のヒント
- 同意権の項目・金額基準:次のラウンドで上限引き下げの余地を残す
- 希薄化防止:可能な限り加重平均型(ナローベース)
- ドラッグアロング:発動要件は議決権の3分の2以上+最低譲渡価格を併用
- 取締役指名権:持株比率に応じた段階的な指名権
- 先買権:期間を限定(30日以内等)し、長期化を避ける
「弁護士+創業者の対等な交渉力」が肝
VCは多数の投資経験から、自社に有利な契約条件のひな形を持っています。創業者側は、(1)スタートアップ法務に強い弁護士の関与、(2)複数VCとの並行交渉による条件の比較、(3)将来ラウンドを想定した長期視点での合意、の3つを徹底することが重要です。
「テンプレで効率化」しつつも、核心論点は弁護士と協議することで、長期的に持続可能なキャピタル・ストラクチャを実現できます。
まとめ:株主間契約書は「3つの権利軸」で論点を整理し、長期視点で設計する
最後に要点を整理します。
- 株主間契約書 テンプレートはコントロール権・キャッシュフロー権・EXIT権の3軸で論点を整理
- 先買権・タグアロング・ドラッグアロング・希薄化防止がEXIT権の核心条項
- 創業者と投資家の利害対立を踏まえ、バランス設計を意識
- 「今のラウンドだけ」ではなく、将来ラウンド・EXIT時の影響を見据えた設計が重要
- 電子契約で複数当事者の同時締結・追加ラウンド時の更新を効率化
- 重要条項はスタートアップ法務に強い弁護士と協議
株主間契約 ひな形は、スタートアップの成長基盤を作る最重要書類です。テンプレートを使って効率化しつつ、自社の成長戦略・ラウンド戦略に応じて条項をカスタマイズしましょう。
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