このページの目次
- 制作範囲を書面でどこまで特定するか
- 制作と保守を分ける契約の型
- 納品後の不具合にどこまで対応するか
- 検収をどの環境で行うか
- ドメイン・サーバーの名義と引き継ぎ
- CMSや素材の権利は譲渡の対象外になる
- 支払を分けるときの書き方
- 原稿・画像・実費の扱い
- よくある質問
1. 制作範囲を書面でどこまで特定するか
サイト制作の業務委託で追加の作業が発生しやすいのは、制作範囲が「サイト1件」のように大きな単位でしか書かれていない場合です。書面で特定しておくと判断がしやすくなるのは次の点です。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| ページ数 | トップ+下層5ページ |
| 機能 | 問い合わせフォーム1件、記事投稿機能 |
| 原稿・画像の用意 | どちらが用意するか |
| 対応する環境 | 対象とするブラウザや画面幅 |
原稿と画像をどちらが用意するかは、制作の進行そのものに影響します。受注側が用意する前提になっていないかを、業務の内容の欄に書いて確かめておく形が使われます。
本ツールでは、STEP2で制作の範囲(ページ数・機能)を入力でき、書面の「業務の詳細」に載ります。
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2. 制作と保守を分ける契約の型
サイトは公開した後も、更新・修正・不具合の対応が続きます。制作と保守は性質の違う業務であるため、実務では次のように分けられることが多いとされています。
| 制作 | 保守 | |
|---|---|---|
| 引き受ける内容 | 決めた成果物の完成 | 一定期間の対応 |
| 契約の型 | 個別契約(納期がある) | 基本契約または月額の契約(期間がある) |
| 報酬 | 固定報酬が多い | 月額が多い |
同じ1通の契約書に両方を入れると、「どこまでが制作に含まれる対応か」が読み取りにくくなります。制作の契約書を結び、公開後の保守は別の契約にする形が使われます。
本ツールでは、公開後の保守を本契約に含めるかどうかを選べます。含める場合は、対応する範囲と頻度を業務の内容に書いておく形になります。
3. 納品後の不具合にどこまで対応するか
公開後に表示の崩れや動作の不具合が見つかることがあります。書面で扱いが変わるのは、それが検収前の不適合なのか、検収後に生じたものなのかです。
- 検収の期間内に見つかった不適合は、無償で修正する対象になる形が一般的です
- 検収の完了後に生じた不具合は、保守の契約の範囲か、別の依頼として扱う形が使われます
本ツールの書面では、納入から決めた日数以内に検査を行い、期間内に結果の連絡がないときは合格とみなす条項が入ります。検収の完了後の対応を約束する場合は、保守を本契約に含めるか、別の契約にするかを決めることになります。
4. 検収をどの環境で行うか
Web制作では、どの環境で見た状態を合否の基準にするかが論点になります。検証用のサーバーで確認するのか、本番のサーバーに上げた状態で確認するのかによって、作業の順番も変わります。
書面に検収の環境を書いておくと、「自分の端末では崩れている」という指摘が来たときに、対象の範囲を確かめやすくなります。対応するブラウザや画面幅を業務の内容に書いておく形も使われます。
5. ドメイン・サーバーの名義と引き継ぎ
制作の過程で、受注側がドメインやサーバーを代わりに契約することがあります。名義をどちらにするかは、制作後に誰がサイトを管理できるかに関わります。
| 名義 | 制作後の管理 |
|---|---|
| 委託者の名義 | 発注者が自分で管理・更新できる |
| 受託者の名義 | 受注者を通して管理する形になる |
受注側の名義のままにしておくと、契約が終わったあとの引き継ぎで手続きが必要になります。本ツールでは、名義を書面に残せます。
6. CMSや素材の権利は譲渡の対象外になる
制作物の著作権を発注者へ譲渡する形にしても、成果物に含まれる第三者のものは譲渡できません。Web制作では次のようなものが該当します。
- CMSやプラグイン、テーマ
- 写真・イラストなどの素材
- Webフォント
本ツールでWeb制作を選んで譲渡型の条項を入れると、「成果物に含まれるCMS・プラグイン・フォント・写真素材その他第三者が権利を有する部分については、当該第三者の定める利用条件による」という注記が条文に入ります。
各素材やソフトウェアの利用条件は提供元が定めているため、内容は提供元の表示をご確認ください。
7. 支払を分けるときの書き方
制作期間が長い案件では、着手時と検収後に分けて支払う形が使われます。本ツールでは、固定報酬を選んだうえで分割払いにすると、回数(2回から12回)と各回の金額を入力でき、各回の合計が総額と一致しないうちは先へ進めないようにしてあります。
支払期日は、締日と支払日で定める形と、日付を指定する形のどちらも選べます。従業員を使用しない個人や一人法人に委託する場合、成果物等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めることとされています。日数の算定の詳細は公正取引委員会の資料をご確認ください。
8. 原稿・画像・実費の扱い
制作の進行が止まる原因として多いのが、原稿と画像が届かないことです。どちらが用意するのかを業務の内容の欄に書いておくと、待っている状態の責任の所在がはっきりします。
有料の素材やフォント、サーバーの費用などの実費は、報酬に含めるのか、別に精算するのかを決めておく形が使われます。受注側が立替える場合は、精算の方法(請求書を出す時期、上限額の有無)を特記事項に書いておくと書面に残ります。
原稿の到着が遅れて納期に間に合わないおそれが生じたときの扱いも、書面で決められます。素材の準備を待つ期間が長くなる場合は、納期を改めて定める形も使われています。本ツールの書面では、納期までに完了できないおそれが生じたときは直ちに相手方へ通知し、協議する条項が入ります。