産業廃棄物処理委託契約書テンプレート・雛形|法定記載事項と一括委託の条件
収集運搬業と処分業の両方の許可を持つ1社へ、運搬と処分をまとめて委託するための産業廃棄物処理委託契約書テンプレート(全24条+別紙4本)です。会員登録不要のWord形式。法定記載事項が政令と省令にあること、1本にまとめてよい条件、中間処理の最終処分欄、印紙税の号まで解説します。
公開日: (更新: )
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産業廃棄物処理委託契約書テンプレート
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- 2026-09-17
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この産業廃棄物処理委託契約書、印刷・郵送・押印なしでそのまま送れます。
ムスビサインを無料で始める「処理業者から渡された契約書に、処分の場所は書いてあるが、処理能力の欄が空いている」 「法定記載事項を調べたら、解説ごとに項目の数が違う」 「収集運搬と処分を同じ業者に頼んでいる。契約書は1本でよいのか、2本要るのか」
配布するのは、産業廃棄物処理委託契約書のWordテンプレートです(全24条+別紙4本・会員登録不要)。排出事業者(甲)が、産業廃棄物収集運搬業と産業廃棄物処分業の両方の許可を持つ業者(乙)に、運搬と処分をまとめて委託する形にしてあります。
この書類でいちばん大事なのは、法定記載事項を1つも落とさないことです。そして、その記載事項がどの条文にあるかは、解説によって食い違っています。
この記事は、法務の専任がいない総務担当者と現場担当者に向けて書いています。条文の所在、欄の埋め方、印紙の判定の順に進みます。
この記事の結論
- 配布するのは全24条+別紙4本。運搬と処分の両方の許可を持つ業者へ、まとめて委託する形。
- 法定記載事項は法第12条第5項にはない。法第12条第6項が委任した令第6条の2第4号と、その先の規則第8条の4の2にある。
- 省令の側は第1号から第9号まである。第6号はイからトまであり、石綿と水銀はホ。
- いちばん落とすのは令第6条の2第4号ホ。中間処理なら、その先の最終処分の場所・方法・処理能力まで書く。
- 処理能力の欄を空けたままだと、場所と方法を書いても記載事項を欠く。
- 1本にまとめられるのは、相手が両方の許可を持つときだけ。三者契約の扱いは自治体で割れている。
- 許可証の写しは添付し、更新されたら差し替える。保存は契約の終了の日から5年(令第6条の2第5号・規則第8条の4の3)。
- 紙なら課税文書。契約金額を書くかどうかで、第7号文書か第1号の4か第2号かが変わる。
目次
- 産業廃棄物処理委託契約書テンプレートの無料ダウンロード
- 法定記載事項は法第12条第5項ではない|令第6条の2第4号と規則第8条の4の2まで降りる
- 配布する全24条+別紙4本と、法定記載事項の対照表
- 1本の契約書にまとめてよい条件|両方の許可と、三者契約の割れている扱い
- 委託する産業廃棄物の種類及び数量|令第6条の2第4号イ(第3条・別紙1)
- 運搬の最終目的地の所在地|令第6条の2第4号ロ(第5条・別紙2)
- 処分の場所・方法・施設の処理能力|令第6条の2第4号ハ(第7条・別紙2)
- 中間処理を委託したときの最終処分|令第6条の2第4号ホ(第8条・別紙2)
- 有効期間・料金・事業の範囲|規則第8条の4の2第1号から第3号まで(第9条・第10条・第2条)
- 積替え又は保管と、安定型産業廃棄物の混合|規則第8条の4の2第4号・第5号(第6条)
- 廃棄物データシートは規則第8条の4の2第6号のイからトまで|石綿・水銀・含有マーク(第11条・別紙3)
- 情報が変わったとき・終わったとき・解除したとき|規則第8条の4の2第7号から第9号まで
- 許可証の写しと、契約の終了の日から5年の保存(第13条・第20条・別紙4)
- 印紙税|第7号文書か、第1号の4か、第2号か
- 紙のままで足りる場合と、電子で交わす場合(第24条)
- ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:条文の所在を押さえた契約書を1本、引渡しの前に取り交わす
1. 産業廃棄物処理委託契約書テンプレートの無料ダウンロード
配布しているのは、Word形式の産業廃棄物処理委託契約書の雛形です(全24条+別紙4本)。工場から出る汚泥や廃プラスチック類、店舗の改装で出る廃材、建設工事に伴って出る廃棄物。そうした産業廃棄物の運搬と処分を、排出事業者が処理業者へ委託するときに取り交わす形にしてあります。
前提は1つだけです。乙が、産業廃棄物収集運搬業の許可と産業廃棄物処分業の許可の両方を受けていること。片方しか持たない相手には、この書式を使いません(第4章)。
以下、本文で「第◯条」「別紙◯」とあるのは、この配布テンプレートの条と別紙です。法令を指すときは「法第12条第6項」「令第6条の2第4号」のように書き分けます。
✅ 会員登録不要・メールアドレス入力不要・そのまま編集できるWord形式
✅ 法定記載事項を、政令の側と省令の側の両方から全部立ててあります — 省令の側は第1号から第9号まで、第6号はイからトまで欄があります
✅ 冒頭に、乙の許可を2列で並べた表つき — 収集運搬業と処分業の許可番号・許可をした知事または市長・有効期限・事業の範囲を、締結の前に突き合わせられます
✅ 別紙2に、最終処分を複数行で書く表つき — 中間処理を委託したときに落としやすい欄です
ダウンロードしたら、まず別紙2を開いてください。処分の場所と方法と処理能力、そして最終処分の欄が埋まれば、この契約書の山場は越えます。
2. 法定記載事項は法第12条第5項ではない|令第6条の2第4号と規則第8条の4の2まで降りる
「委託契約書の法定記載事項は、廃棄物処理法第12条第5項に定められています」。そう書いてある解説があります。条文を開くと、そうは書いてありません。
法第12条第5項は、委託先の制限です。運搬については産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、処分については産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者に、それぞれ委託しなければならない。そう定めた条であって、契約書に何を書くかの条ではありません。
記載事項へは、4段で降ります。
| 降りる先 | そこに書いてあること |
|---|---|
| 法第12条第5項 | 運搬は収集運搬業者へ、処分は処分業者へ、それぞれ委託する(委託先の制限) |
| 法第12条第6項 | 委託するときは、政令で定める基準に従う(政令への委任) |
| 令第6条の2第4号 | 委託契約は書面により行い、イからヘまでの条項を含み、環境省令で定める書面を添付する |
| 規則第8条の4の2(令第6条の2第4号ヘの委任) | 「その他環境省令で定める事項」の中身。第1号から第9号まで |
正式な条名で引くと、政令は廃棄物処理法施行令第6条の2、その第4号ヘを受けた省令は廃棄物処理法施行規則第8条の4の2です。以下ではこの記事を通して、政令の側を「令第6条の2第4号イ」、省令の側を「規則第8条の4の2第6号ホ」のように、条と号で書きます。

規則第8条の4の2は、第9号まであります。
第6号までだと思って作ると、3つ落ちます。第7号は有効期間中に第6号の情報に変更があった場合の伝達方法、第8号は受託業務終了時の受託者から委託者への報告、第9号は委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取扱いです。
第6号も、イからトまであります。
性状及び荷姿(イ)、通常の保管状況の下での腐敗や揮発といった性状の変化(ロ)、他の廃棄物との混合等により生ずる支障(ハ)、含有マークの表示(ニ)。ここまでが4つです。
続けて、石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等が含まれる場合はその旨(ホ)、PRTR法の第一種指定化学物質に関する事項(ヘ)、その他取り扱う際に注意すべき事項(ト)。合わせて7つの欄が要ります。
配布テンプレートは、この階層をそのまま条に落としてあります。どの条がどの号に当たるかは、次の第3章の対照表で全部出します。
運搬と処分を1本にまとめるぶん、この契約書は埋める欄が多くなります。空けたまま押したらどうなるのかを先に見ておきます。
法第26条は、法第12条第6項に違反して産業廃棄物の処理を他人に委託した者を、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科するとしています。法第12条第6項が委任した先が令第6条の2の委託基準なので、記載事項を欠いた契約書で委託を続けることは、ここに当たりえます。
許可を持たない相手に委託した場合は、さらに重くなります。法第25条は、法第12条第5項に違反して委託した者を、5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科するとしています。
脅すための話ではありません。1本にまとめた契約書は、運搬の欄と処分の欄のどちらが欠けても同じ結果になります。第3章の対照表で、右側が埋まらない欄が無いかを先に確かめてください。
3. 配布する全24条+別紙4本と、法定記載事項の対照表
手元にある契約書と突き合わせるための表です。左が配布テンプレートの条、右が法令の側の根拠です。右側が埋まらない欄が1つでもあれば、委託基準を満たしていません。
| 配布テンプレートの条 | 法令の側 |
|---|---|
| 第1条 目的 | 法第11条第1項・法第12条第6項 |
| 第2条 委託の範囲及び乙の事業の範囲/冒頭の許可の表 | 規則第8条の4の2第3号・法第14条第1項 |
| 第3条 委託する産業廃棄物の種類及び数量/別紙1 | 令第6条の2第4号イ |
| 第4条 排出事業場及び産業廃棄物の引渡し | 法第21条の3第1項 |
| 第5条 運搬 | 令第6条の2第4号ロ |
| 第6条 積替え又は保管 | 規則第8条の4の2第4号・第5号 |
| 第7条 処分/別紙2 | 令第6条の2第4号ハ・ニ |
| 第8条 最終処分/別紙2 | 令第6条の2第4号ホ |
| 第9条 委託契約の有効期間 | 規則第8条の4の2第1号 |
| 第10条 委託料金及び適正な対価 | 規則第8条の4の2第2号・法第19条の6 |
| 第11条 適正な処理に必要な情報の提供/別紙3 | 規則第8条の4の2第6号(イからトまで) |
| 第12条 情報に変更があった場合の伝達方法 | 規則第8条の4の2第7号 |
| 第13条 許可証の写しの添付及び差し替え/別紙4 | 令第6条の2第4号(添付書面)・規則第8条の4 |
| 第14条 再委託の禁止 | 法第14条第16項 |
| 第15条 産業廃棄物管理票 | 法第12条の3(契約書とは別の義務) |
| 第16条 受託業務の終了の報告 | 規則第8条の4の2第8号 |
| 第17条 処理が困難となったときの通知 | 法第14条 |
| 第18条 甲による処理状況の確認 | 法第12条第7項 |
| 第19条 産業廃棄物処理基準の遵守及び事故時の措置 | 法第14条 |
| 第20条 契約書及び添付書面の保存 | 令第6条の2第5号・規則第8条の4の3(5年) |
| 第21条 契約内容の変更 | 令第6条の2第4号(書面性) |
| 第22条 契約の解除及び未処理の産業廃棄物の取扱い | 規則第8条の4の2第9号 |
| 第23条 損害賠償及び権利義務の譲渡の禁止 | 一般条項 |
| 第24条 協議、合意管轄及び本書の作成 | 令第6条の2第4号(書面により行い) |
別紙は4本です。別紙1が委託する産業廃棄物の明細(種類・数量・排出事業場・荷姿)、別紙2が処分及び最終処分の明細(所在地・方法・処理能力・積替え保管)、別紙3が廃棄物データシート、別紙4が許可証の写しの添付欄と許可の更新管理表です。
本文と別紙は一体です(第1条第7項)。別紙が抜けた契約書は、法定記載事項が抜けた契約書になります。
4. 1本の契約書にまとめてよい条件|両方の許可と、三者契約の割れている扱い
法第12条第5項は、運搬については収集運搬業者に、処分については処分業者に「それぞれ委託しなければならない」と定めています。自治体と業界団体が「二者契約」と呼んでいるのは、この文言の実質です。法令にも環境省の通知にも、二者契約という用語そのものはありません。
まとめてよいのは、相手が両方の許可を持っているときだけです。
条件は2つです。1つ目は、乙が産業廃棄物収集運搬業の許可と産業廃棄物処分業の許可の両方を受けていること。2つ目は、運搬側の法定記載事項と処分側の法定記載事項が、両方とも1本の契約書に入っていることです。
東京都環境局は、収集運搬と処分の両方の許可を持つ処理業者に収集運搬から処分までの委託をする場合は一本の契約書で可能だが、その場合は両方の項目すべてが含まれている必要がある、としています。千葉県も同じ書きぶりで案内しています。
配布テンプレートは、この2条件を前文の直下で確かめる形にしてあります。冒頭に置いた表は2列です。
| 確かめる欄 | 収集運搬業 | 処分業 |
|---|---|---|
| 許可番号 | 書く | 書く |
| 許可をした都道府県知事又は市長 | 書く | 書く |
| 許可の有効期限 | 書く | 書く |
| 事業の範囲(取り扱う産業廃棄物の種類) | 書く | 書く |
| 許可証の写し | 別紙4に添付 | 別紙4に添付 |
どちらかの列が埋まらないなら、この書式は使いません。第1条第5項に、いずれか一方の許可のみを受けている場合には本契約書を用いない、と書いてあります。運搬と処分で業者が違うときは、収集運搬の契約書と処分の契約書を、それぞれの相手と1本ずつ取り交わします。運搬だけなら産業廃棄物収集運搬委託契約書テンプレート、処分だけなら産業廃棄物処分委託契約書テンプレートを、それぞれ用意しています。
三者契約の扱いは、自治体で割れています。
排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者を当事者にして1本にまとめる形について、環境省の明文は確認できません。行政処分の指針を全文で当たっても、この点に触れた記述は出てきません。「環境省が認めている」とも「環境省が禁じている」とも書けないのが、公開されている一次資料の現状です。
自治体の側は、次のように分かれています。
| 自治体 | 公開されている書きぶり |
|---|---|
| 群馬県 | 運搬と処分のそれぞれ異なる業者とをあわせて1つの契約(いわゆる三者契約)をした場合には、廃棄物処理法に抵触し処罰されることがあるとしている |
| 川崎市 | 原則2者間契約とし、書面により排出事業者と処理事業者とでそれぞれ契約書を交わす必要があるとしている |
| 東京都・千葉県 | 同じ業者が両方の許可を持つ場合に限り、一本の契約書で可能としている |
群馬県は「処罰されることがあります」と書いていますが、根拠となる条番号までは示していません。川崎市は、同じ業者であるときの例外に触れていないため、まとめること自体を禁じる趣旨なのか、原則を述べただけなのかが、公開情報からは読み取れません。
やることは1つです。所管の自治体の指導を先に確認してください。配布テンプレートの第1条第8項も、この扱いは自治体によって異なるので甲及び乙が所管の自治体に確認する、という条にしてあります。
3者以上を1本の契約書に載せる形そのものについては、三者間業務委託契約書テンプレートで扱っています。ただし産業廃棄物では、上のとおり前提が違います。
💡 両方の許可を2列で確かめてから締結できる産廃の契約書です
会員登録もメールアドレスの入力も要りません。冒頭の表で収集運搬業と処分業の許可番号・有効期限・事業の範囲を並べ、別紙4で許可証の写しと更新の記録を管理できます。ダウンロードしたら、まず冒頭の表の2列が埋まるかを見てください。
5. 委託する産業廃棄物の種類及び数量|令第6条の2第4号イ(第3条・別紙1)
令第6条の2第4号イは、委託する産業廃棄物の種類及び数量を契約書に含めることを定めています。運搬でも処分でも、どちらを委託するときにも要る欄です。
「産業廃棄物一式」と書くことはできません。
種類は、法第2条第4項と施行令が定める区分で書きます。燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、ガラスくずやコンクリートくず、がれき類、ばいじん。こうした区分のどれに当たるかを決めて書きます。
注意したいのは、紙くず・木くず・繊維くず・ガラスくずなどに業種や発生の原因による限定が付いていることです。同じ紙くずでも、限定に当たらなければ産業廃棄物ではありません。別紙1の注記に、この限定を確認してから書くよう入れてあります。
数量は、有効期間中の予定数量です。予定と実際がずれても契約の効力に影響しないことを、配布テンプレートの第3条第3項に書いてあります。ずれることを見越して、別紙1に記載のない種類は対象にしない(第3条第4項)、追加するときは第21条で別紙1を変更する、という流れにしてあります。
石綿と水銀は、ここでも印を付けます。別紙1に「石綿含有・水銀使用製品等の別」の列を立ててあり、第3条第5項で別紙1と別紙3の両方に書くことにしています。理由は第11章で説明します。
特別管理産業廃棄物は、この契約書の対象外です(第3条第6項)。廃石綿等や感染性産業廃棄物、PCBを含むものなどは、別の建て付けになります。
建設工事で現場が移る場合は、別紙1の排出事業場をどう扱うかが問題になります。
先に押さえておきたいのは、排出事業場が委託契約書の法定記載事項ではないことです。法定記載事項は令第6条の2第4号と規則第8条の4の2で閉じていて、そこに排出事業場はありません。排出事業場は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の側の記載事項です。別紙1の欄は、行政や団体が配っているモデル契約書に由来します。
現場が変わるたびに契約を結び直せという要求は、法令の側からは出てきません。東京都は、建設工事の委託契約書の様式について、こう書いています。
これらの様式は工事現場ごとに委託契約を結ぶ方法(個別契約)となっています。複数の工事を一括して契約する方法(基本契約、年間契約など)をとることも可能です。
現場ごとに1本ずつ結ぶ個別契約でも、複数の現場をまとめた基本契約・年間契約でも、どちらもとれます。別紙1に現場ごとの行を足し、追加は第21条の変更で回す運用にすれば、1本で複数の現場を抱えられます。
ただし、収集運搬の側だけは現場ごとに確認が残ります。現場が変われば、積込みを行う区域が変わるためです。新しい現場の区域を管轄する収集運搬業の許可を乙が持っているかを、積む前に許可証の写しで確かめてください(第2条第3項)。
6. 運搬の最終目的地の所在地|令第6条の2第4号ロ(第5条・別紙2)
令第6条の2第4号ロは、運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地を契約書に含めることを定めています。運搬を委託しないなら要らない欄で、「〜を委託するときは」という条件付きの書き方になっています。
配布テンプレートの第5条は、積込みを行う場所、最終目的地の名称、最終目的地の所在地、運搬の経路を並べてあります。経路を定めないときは「定めない」と書いて空欄を残さない形です。
最終目的地と、処分の場所は、同じとは限りません。
第5条第3項は、運搬の最終目的地を第7条の処分の場所と同一とし、両者が異なるときは理由と双方の所在地を別紙2に書くことにしています。積替え保管を挟む場合や、いったん別の施設へ入る場合に、ここがずれます。ずれたまま空欄で締結すると、令第6条の2第4号ロの記載事項を欠きます。
収集運搬の許可は、区域で見ます。法第14条第1項は、収集又は運搬を業として行おうとする者は、その区域(運搬のみを業として行う場合は積卸しを行う区域に限る)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない、と定めています。積込みの場所と荷卸しの場所の両方について、乙が許可を持っているかを確かめます(第2条第3項)。
産業廃棄物の収集運搬は「運送」ではありますが、必要な許可は廃棄物処理法の側の許可です。一般の貨物運送の委託については運送委託基本契約書テンプレートで扱っていますが、こちらの許可の話とは別物として読んでください。
7. 処分の場所・方法・施設の処理能力|令第6条の2第4号ハ(第7条・別紙2)
令第6条の2第4号ハが求めているのは、3つで1組です。処分又は再生の場所の所在地、その方法、そしてその施設の処理能力。この3つが揃って、はじめて記載事項を満たします。
空欄で止まりやすいのは、処理能力です。
場所と方法は処理業者が書き慣れているので埋まります。処理能力は施設の許可の内容から拾う数字なので、空欄のまま回ってくることがあります。場所と方法が書いてあっても、処理能力が空いていれば記載事項を欠いた契約書です。
別紙2は、処分の明細を1行ずつ書く表にしてあります。委託する産業廃棄物の種類ごとに行を分け、場所の名称、所在地、方法、施設の処理能力、そして中間処理か最終処分かの別まで1行で書けます。配布テンプレートの第7条第2項に、処理能力の欄を空欄のまま締結しないと明記してあります。
中間処理か最終処分かを、ここで選びます。
第7条第3項は、乙が行う処分を2択にしてあります。最終処分(埋立処分、海洋投入処分又は再生)を行うのか、中間処理を行うのか。中間処理を選んだ場合は、第8条の欄が生きます。これが次章です。
輸入された廃棄物であるときはその旨を書く、という欄も令の側にあります(第7条第4項)。当てはまらないなら「輸入された廃棄物ではない」に印を付けて閉じます。空欄で残さないことが、この契約書の全体の作法です。
8. 中間処理を委託したときの最終処分|令第6条の2第4号ホ(第8条・別紙2)
この記事で、いちばん落ちる欄です。
令第6条の2第4号ホは、最終処分を除く処分(つまり中間処理)を委託するときは、その産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法、最終処分に係る施設の処理能力を契約書に含めることを定めています。
破砕、焼却、脱水、選別。乙がこうした中間処理をするなら、乙の施設を書いただけでは足りません。中間処理をした後に出る産業廃棄物(中間処理産業廃棄物)が、最後にどこへ行くのか。その行き先まで、契約書に書きます。

最終処分先が複数あるときは、全部書きます。
別紙2の3を、1行ではなく複数行の表にしてあるのはこのためです。代表的な1か所だけを書いて他を省略すると、令第6条の2第4号ホの記載事項を欠きます。配布テンプレートの第8条第3項に、そのすべてを別紙2に記載し、1か所だけを記載して他を省略しない、と書いてあります。
最終処分の方法は、埋立処分、海洋投入処分又は再生の別で書きます。法第12条第5項が最終処分をこの3つとしているためです。
処理能力の単位も、中間処理の欄とは違います。高崎市は、最終処分の処理能力について、許可されている埋立容量を記載するとしています。中間処理の施設で使う日量ではありません。
これは自治体が公開している書き方で、最終処分の処理能力の単位を国が定めた文書は確認できていません。乙から日量の数字が書かれて戻ってきたら、どちらの単位で書いたのかを聞き直してください。
変わったら、書面で直します。乙が最終処分の場所や方法を変えようとするときは、あらかじめ甲に通知し、第21条で別紙2を変更します(第8条第5項)。口頭の連絡だけで処分先が入れ替わっていると、契約書の記載と実態がずれます。
委託した後も、甲の側に義務が残ります。法第12条第7項は、処理の状況に関する確認を行い、発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない、としています。第18条で、確認の方法と頻度を先に決めておく形にしてあります。
なぜそこまで、と思われるかもしれません。法第19条の6があるからです。生活環境の保全上の支障が生じたとき、都道府県知事は、その事業活動に伴い当該産業廃棄物を生じた事業者(排出事業者等)に対して、支障の除去等の措置を命ずることができます。中間処理産業廃棄物の場合は、発生から処分に至るまでの一連の行程における事業者と中間処理業者が対象です。委託して終わり、にならない建て付けです。
支障の除去等の措置命令には、法第19条の5と法第19条の6の2つがあります。前者が処分をした者などを名宛人とする条で、後者が排出事業者等を名宛人とする条です。委託した後に残るのは、後者の側です。
9. 有効期間・料金・事業の範囲|規則第8条の4の2第1号から第3号まで(第9条・第10条・第2条)
ここからは、省令の側の番号です。第1号から第3号までは、契約書の骨格の部分に当たります。
| 号 | 書くこと | 配布テンプレート |
|---|---|---|
| 第1号 | 委託契約の有効期間 | 第9条 |
| 第2号 | 委託者が受託者に支払う料金 | 第10条 |
| 第3号 | 受託者が許可を受けた者である場合は、その事業の範囲 | 第2条・冒頭の表 |
有効期間は、許可の有効期限と突き合わせます。
第9条は、期間を書き、満了後に更新するかどうかを2択にしてあります。更新する定めを置くときは、乙の許可の有効期限が更新後の期間の途中で切れないかを見ます。切れるなら、第13条で許可証の写しを差し替える段取りになります(第9条第4項)。
料金は、収集運搬と処分を分けて書きます。
第10条第2項は、収集運搬の単価と予定数量、処分の単価と予定数量、そして総額を別々に書く形です。分けて書く理由は2つあります。1つは、規則第8条の4の2第2号が求める料金を明確にするため。もう1つは、印紙税の号の判定に、この区分が効くからです(第14章)。
料金の欄には、もう1つ役目があります。法第19条の6の措置命令は、排出事業者にも及びます。委託先を安さだけで決めた記録しか残っていない状態を避けるため、第10条第8項に、料金が適正な処理に要する費用を下回らないことを確認した方法を書く欄を置いてあります。内訳の説明を受けた、他の許可業者からも見積りを取った、といった確認の跡を残す欄です。
事業の範囲は、許可証の写しと突き合わせる欄です。
規則第8条の4の2第3号は、受託者が産業廃棄物収集運搬業又は産業廃棄物処分業の許可を受けた者である場合に、その事業の範囲を契約書に含めることを求めています。配布テンプレートでは冒頭の表に置き、委託する産業廃棄物の種類が事業の範囲に含まれることを、別紙4の許可証の写しで確かめる形にしました(第2条第5項)。
含まれないことが分かったときは、その産業廃棄物を委託しません(第2条第6項)。許可の範囲外のものを渡すのは、委託先の制限そのものに触れます。
10. 積替え又は保管と、安定型産業廃棄物の混合|規則第8条の4の2第4号・第5号(第6条)
規則第8条の4の2第4号と第5号は、運搬の委託で、受託者が積替え又は保管を行う場合だけに生きる欄です。行わないなら、行わないと書いて閉じます。
積替え保管を行うなら、書くのは3つです。場所の所在地、その場所で保管できる産業廃棄物の種類、そして積替えのための保管上限。第6条第3項に並べてあります。
保管上限は、許可証の写しに書かれている内容と一致していなければなりません(第6条第6項)。契約書に大きい数字を書いて、許可の内容が小さいという状態は作れません。
安定型が混ざるなら、もう1つ欄が増えます。
規則第8条の4の2第5号は、積替え保管を行う場合で、その産業廃棄物が安定型産業廃棄物であるときに、その場所で他の廃棄物と混合することの許否等を契約書に含めることを求めています。第6条第4項を3択にしてあります。安定型を含まない、含むが混合を許さない、含み混合を許す(その条件を書く)。
積替え保管の有無は、第5条の運搬の最終目的地とも連動します。積替えの場所を挟むと、最終目的地と処分の場所がずれることがあるためです(第6章)。
11. 廃棄物データシートは規則第8条の4の2第6号のイからトまで|石綿・水銀・含有マーク(第11条・別紙3)
規則第8条の4の2第6号は、委託者が有する、委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な情報を契約書に含めることを定めています。書くのは排出事業者の側です。処理業者は、渡された情報をもとに運搬と処分をします。
この情報を1枚にまとめたものが、廃棄物データシート(WDS)です。配布テンプレートでは別紙3がそれに当たります。第11条第2項で、締結の時までに甲が乙へ提供し、別紙3が契約書の一部を構成することにしてあります。
第6号は、イからトまでの7つです。
| 号の枝 | 書く内容 | 別紙3 |
|---|---|---|
| イ | 産業廃棄物の性状及び荷姿 | 形状・色・におい・主な成分・荷姿・発生の工程 |
| ロ | 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等、性状の変化 | 腐敗や揮発の有無・発熱や引火のおそれ・保管の条件 |
| ハ | 他の廃棄物との混合等により生ずる支障 | 混合してはならない廃棄物・生ずる支障・混合の許否 |
| ニ | 含有マークの表示に関する事項 | 対象の7機器と、マークに示された対象物質 |
| ホ | 石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等が含まれる場合はその旨 | 3つを「含まれる/含まれない」で書く欄 |
| ヘ | PRTR法の第一種指定化学物質が含まれ、又は付着している場合はその旨と物質名・量 | 該当の有無・物質の名称・量又は割合 |
| ト | その他、取り扱う際に注意すべき事項 | 取扱い上の注意・事故時の応急の措置・甲の連絡先 |
ホは、印を付けるだけの欄ではありません。石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等。この3つが含まれるなら、別紙1の種類の欄と別紙3の両方に書きます(第3条第5項)。処理の方法が変わるので、受け取る側が最初に見る欄です。
ニの含有マークは、日本産業規格C0950号のマークです。対象は、廃パーソナルコンピュータ、廃ユニット形エアコンディショナー、廃テレビジョン受信機、廃電子レンジ、廃衣類乾燥機、廃電気冷蔵庫、廃電気洗濯機の7機器です。事務所の入替えで出る機器が、そのまま当てはまります。
ヘは、PRTR法の第一種指定化学物質等取扱事業者である場合の欄です。自社が該当するかどうかから確かめてください。該当しないなら「該当しない」で閉じます。
データシートは、種類ごとに作ります。第11条第3項で、委託する産業廃棄物の種類ごとに別紙3を作ることにし、別紙1の各行に「廃棄物データシートの番号」の列を置いて対応させてあります。
情報が正確であることの責任は甲にあり(第11条第4項)、記載と実物が違えば乙は受取りを拒めます(第4条第6項・第11条第5項)。データシートは、処理業者のための紙であると同時に、排出事業者が自分の責任の範囲を確定させる紙でもあります。
💡 第6号のイからトまでを、別紙3の欄に全部落としてあります
会員登録もメールアドレスの入力も要りません。性状・荷姿・変化・混合の支障・含有マーク・石綿と水銀・PRTR・その他の注意事項まで、書く欄が最初から立っています。委託する産業廃棄物の種類ごとに複写して使ってください。
12. 情報が変わったとき・終わったとき・解除したとき|規則第8条の4の2第7号から第9号まで
第6号までで終わりだと思って作ると、ここが3つ落ちます。規則は、第9号まであります。
| 号 | 書くこと | 配布テンプレート |
|---|---|---|
| 第7号 | 有効期間中に第6号の情報に変更があった場合の、その情報の伝達方法 | 第12条 |
| 第8号 | 受託業務終了時の、受託者から委託者への報告に関する事項 | 第16条 |
| 第9号 | 委託契約を解除した場合の、処理されない産業廃棄物の取扱いに関する事項 | 第22条 |
第7号は、連絡方法を決めておく欄です。
工程が変われば、廃棄物の性状も変わります。第12条は、伝える方法を3択にしてあります。変更後の別紙3を書面で交付する、電磁的記録で送信する(送信先のアドレスを書く)、その他の方法を書く。変更後の産業廃棄物を引き渡す前に伝える、という順番まで条にしてあります。
伝えた記録は、契約書と一緒に保存します(配布テンプレートの第12条第5項)。伝えたはずだが記録がない、という状態を作らないためです。
第8号は、終わったことを知る欄です。
第16条は、報告の方法を3択にしてあります。マニフェストの写しの送付や情報処理センターへの報告をもって代える、別に報告書を作る、その他の方法を決める。中間処理を委託したときは、最終処分が終了した旨の報告まで含めます(第16条第4項)。
第9号は、契約が切れたあとに残る廃棄物の欄です。
許可が取り消された、料金が払われない、再委託があった。理由が何であれ、解除の時点で乙の手元に未処理の産業廃棄物が残ることがあります。第22条第5項は、その扱いを3択にしてあります。乙が自らの費用で処理を完了する、甲の指定する場所に返還する(費用の負担者を書く)、協議して定める(協議が調うまで乙が善良な管理者の注意をもって保管する)。
決まるまでの間も、法第11条第1項と法第12条第7項の立場は動きません(第22条第6項)。排出事業者は、自らその産業廃棄物を処理しなければならないという原則が出発点にあるためです。委託は、その原則の上に乗っている仕組みです。
再委託についても一言添えておきます。法第14条第16項は、受託者が委託を受けた産業廃棄物の処理を他人に委託することを原則として禁じています。承諾を取れば出せる一般の再委託契約書とは、原則が逆です。配布テンプレートの第14条は、原則の禁止を本文に置き、やむを得ない事由が生じたときの手続(甲の書面による承諾、承諾書に書く事項、写しの保存)を残す形にしてあります。
13. 許可証の写しと、契約の終了の日から5年の保存(第13条・第20条・別紙4)
令第6条の2第4号は、条項を含めることに加えて、環境省令で定める書面が添付されていることを求めています。この書面が、許可証の写しです。規則第8条の4は、受託者が業として行うことができる者であって、委託しようとする産業廃棄物の運搬又は処分がその事業の範囲に含まれるものであることを証する書面、としています。

写しは、締結のときに1度取れば足りるものではありません。
許可には有効期限があります。配布テンプレートの第13条は、更新を受けたときや内容に変更があったときに乙が新しい写しを交付し、甲が別紙4の許可の更新管理表に記録して差し替える形にしてあります。差し替える前の写しも、捨てずに保存します(第13条第7項)。
許可の効力に影響する処分(取消しや事業の停止)を受けたときは、乙が直ちに甲へ通知します(第13条第5項)。別紙4の3に、通知を受けた日と甲が講じた措置を書く欄を置いてあります。
保存は、契約の終了の日から5年です。
令第6条の2第5号が、委託契約書と添付書面をその契約の終了の日から環境省令で定める期間保存することを定め、規則第8条の4の3がその期間を5年としています。起算点は締結の日ではありません。更新を重ねたなら、最後に終了した日から数えます(第20条第3項)。
保存の対象は、契約書だけではありません。第20条第5項に並べてあります。別紙1から別紙4まで、許可証の写し(差し替える前のものを含む)、第12条で伝達した情報の変更の記録、第14条の承諾書の写し、第21条の変更の書面。これらが揃って1組です。
保存の方法は、紙か電磁的記録かを第20条第6項で選べます。5年という期間は、担当者が2回か3回替わる長さです。どこに置いてあるかまで決めておくと、後から探す手間が減ります。
取引先監査や立入検査で見られるのは、この1組です。
法第19条は、都道府県知事等が、この法律の施行に必要な限度において、その職員に事業者の事業場等へ立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができるとしています。契約書と添付書面は、その帳簿書類の側に入ります。
出すのは、契約書と添付の許可証の写し、そして更新後の写しです。東京都は、処理業許可の変更・更新等があった場合に、変更・更新後の許可証の写しを契約書に添付することもおこなうよう求めています。更新のたびに足していく運用が、都の示す形です。
期限が切れた写しだけが綴じてある状態は、直す対象です。ただし、法第14条は、更新の申請があった場合に、期間の満了までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可が処分がされるまでの間はなお効力を有するとしています。申請中であることの確認が取れているなら、写しが古いこと自体は違法ではありません。
なお、期限切れの写しを付けたままにしていた場合をどう扱うかを正面から書いた国の文書は、確認できていません。この記事では断定しません。所管の自治体の指導に沿って、更新後の写しを足していく運用にしてください。
14. 印紙税|第7号文書か、第1号の4か、第2号か
紙で作るなら、この契約書は課税文書です。
ただし「産廃の契約書は一律でいくら」とは決まっていません。号が1つに固定されていないためです。収集運搬は運送に関する契約書として第1号の4文書に、処分は請負に関する契約書として第2号文書に当たると解されるところ、この契約書は両方を1本に書いています。
判定は、契約金額を書いたかどうかから始まります。
| 契約書の書き方 | 所属する号 |
|---|---|
| 契約金額の記載がない | 第7号文書(継続的取引の基本となる契約書) |
| 契約金額の記載があり、収集運搬と処分を区分できない | 第1号の4文書 |
| 区分でき、収集運搬の額が処分の額以上 | 第1号の4文書 |
| 区分でき、収集運搬の額が処分の額より小さい | 第2号文書 |
ただし、第7号文書には除外があります。契約期間の記載があり、その期間が三月以内であり、かつ更新に関する定めのないものは、第7号文書から除かれます。その場合は、契約金額の記載のない第1号または第2号の契約書として判定することになります。
根拠は、印紙税法の課税物件表の適用に関する通則です。通則3ロが、第1号に掲げる文書と第2号に掲げる文書とに該当する文書は第1号とし、ただし契約金額を区分でき、第1号の側の金額が第2号の側の金額に満たないときは第2号とする、としています。
単価と予定数量を書くと、契約金額を書いたことになります。
通則4ホは、文書に記載されている単価及び数量その他により契約金額の計算をすることができるときは、その計算により算出した金額を記載金額とする、としています。規則第8条の4の2第2号が料金を法定記載事項にしている以上、単価は必ず契約書に載ります。予定数量と期間まで書けば計算できるので、「記載金額なし」では通りません。
少額でも非課税にならない場合があります。
第1号・第2号の非課税物件欄は、契約金額が少額の契約書を非課税としていますが、通則3イの適用によってその号になったものを除いています。産業廃棄物の委託契約書は第7号文書にも当たりうるため、通則3イで第1号または第2号に所属が決まったケースでは、契約金額が小さくても非課税文書になりません。
断定の強さは、収集運搬と処分で違います。
処分の側には、国税庁の質疑応答事例「産業廃棄物処分に係る委託料の支払方法等に関する覚書」の中に、原契約書が産業廃棄物の処分(請負)に関する契約として通則3のイにより第2号文書に所属が決定されている、という記述があります。
ただしこれは照会要旨の中で前提として述べられている部分で、国税庁が正面から回答した部分ではありません。
収集運搬の側は、運送の定義への当てはめです。国税庁が産業廃棄物の収集運搬委託契約書を名指しした資料は、質疑応答事例・文書回答事例・タックスアンサーのいずれにも見当たりません。「収集運搬は第1号の4と国税庁が言っている」とまでは書けない、というのが調べた範囲での結論です。
覚書にも、別の判定が要ります。単価や支払方法を後から変える覚書は、それ自体が1つの文書です。支払方法の変更を証する覚書について、国税庁の質疑応答事例が第7号文書に所属すると回答している例があります。本体の契約書だけ見て終わりにしないでください。
税額は、この記事にも配布テンプレートにも書いていません。国税庁の印紙税額一覧表で確認し、最終的な判定は所轄の税務署または税理士にご確認ください。第7号文書の考え方そのものは、取引基本契約書テンプレートでも扱っています。
💡 収集運搬と処分の料金を、最初から区分して書ける契約書です
会員登録もメールアドレスの入力も要りません。第10条第2項で収集運搬の単価・予定数量と、処分の単価・予定数量を別の行に分けてあります。印紙の号の判定は、この区分から始まります。
15. 紙のままで足りる場合と、電子で交わす場合(第24条)
条文は「書面により行い」と書いてあります。令第6条の2第4号の柱書きは、委託契約は書面により行い、契約書には所定の条項が含まれ、環境省令で定める書面が添付されていること、としています。この「書面」に電磁的記録が含まれると明示した条文や通知は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
一方で、電子化を認める省令の別表に、この第4号が載っています。
e-文書法に基づく環境省の省令には、電磁的記録による作成を認める別表(別表第二)と、電磁的記録による保存を認める別表(別表第一)があります。施行令の委託基準の第4号は、その両方の別表に掲げられています。作成の側にも、保存の側にも、名前が挙がっているということです。
この2つをどう読み合わせるかは、所管の自治体の指導によって差が出るところです。自治体が配っているモデル契約書は、記名押印を前提にした書式になっています。電子マニフェストを運営する情報処理センターは、電子署名された委託契約書を保管・検索できるサービスを運用しています。
結論として、この記事は「電子で締結してよい」とは書きません。
配布テンプレートの第24条第3項は、紙2部を作って記名押印する形と、電磁的記録を作って電子署名を付す形の2択にしてあります。そのうえで第24条第4項に、電磁的記録として作成しようとするときはあらかじめ所管の自治体に取扱いを確認する、と書いてあります。確認してから選んでください。
印紙の話だけは、はっきりしています。電磁的記録は、印紙税の課税対象となる文書に含まれません。紙で作れば第7号文書または第1号の4・第2号として印紙が要り、電磁的記録なら印紙は不要です。この契約書は、有効期間が長く、単価の改定や別紙の差し替えで覚書が増える書類です。紙のままだと、覚書のたびに判定が要ります。
締結の権限も確かめておきます。第24条第5項は、締結の権限が原則として代表者にあり、工場長や現場事務所長が締結するときはその者が権限を委任されていることを確認する、という条です。現場で受け取ってそのまま押印、という運用になっていないかを見てください。
16. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
埋める順番があります。相手から情報をもらわないと書けない欄と、自社でしか書けない欄を分けるのが早道です。
ステップ1:相手の許可証の写しを先にもらう
冒頭の表と別紙4は、許可証の写しがあれば埋まります。許可番号、許可をした都道府県知事又は市長、有効期限、事業の範囲。2列とも埋まるなら、この書式が使えます。片方しか埋まらないなら、収集運搬と処分で契約書を分けます(第4章)。
ステップ2:委託する産業廃棄物を別紙1で特定する
種類・数量・荷姿・排出事業場を書きます。「一式」と書かないこと、業種限定のある種類は限定を確かめること、石綿と水銀の列に印を付けること。この3つだけ気をつければ埋まります(第5章)。
ステップ3:別紙2の処理能力と最終処分を埋める
処理業者に書いてもらう欄です。処理能力の欄が空いたまま戻ってきたら、そこで止めて聞き直してください(第7章)。中間処理なら、最終処分の場所・方法・処理能力まで、複数あれば全部書いてもらいます(第8章)。
ステップ4:別紙3を種類ごとに作る
ここは自社でしか書けません。性状、荷姿、腐敗や揮発、混合の支障、含有マーク、石綿と水銀、PRTR、その他の注意事項。工程を知っている人に直接書いてもらうのが確実です(第11章)。
ステップ5:料金を区分して配布テンプレートの第10条に書く
収集運搬と処分の単価と予定数量を、別の行に書きます。あわせて第10条第8項で、料金の水準を確認した方法に印を付けます。見積書は契約書と一緒に保存します(第9章)。
ステップ6:連絡方法と報告方法を決めて空欄を閉じる
第12条の伝達方法、第16条の報告方法、第18条の確認の方法と頻度、第22条の解除時の取扱い。この4つは選択肢に印を付けるだけです。印のない選択肢を残したまま締結しないでください。規則第8条の4の2第7号から第9号までが、ここに当たります(第12章)。
ステップ7:紙か電磁的記録かを決め、5年の保存先を決める
第24条第3項でどちらかを選び、電磁的記録にするなら先に自治体へ確認します(第15章)。保存の起算点は契約の終了の日です。更新するなら、最後に終了した日から5年です(第13章)。
17. よくある質問(FAQ)
Q1. 口頭の約束や発注書だけで委託していますが、問題ありますか?
A. 委託基準を満たしていません。令第6条の2第4号は、委託契約は書面により行い、所定の条項が含まれ、環境省令で定める書面が添付されていること、としています。書面であることも、条項が入っていることも、許可証の写しが添付されていることも、それぞれが要件です。
発注書や見積書があっても、法定記載事項が並んでいなければ委託契約書の代わりにはなりません。第3章の対照表で、手元の書面を突き合わせてみてください。
Q2. 収集運搬と処分で業者が違います。契約書は1本にできますか?
A. できません。法第12条第5項が、運搬は収集運搬業者に、処分は処分業者に「それぞれ委託しなければならない」としています。相手が違うなら、収集運搬の契約書と処分の契約書を、それぞれの相手と取り交わします。
3者を1本にまとめる形については、群馬県が廃棄物処理法に抵触するとして認めておらず、川崎市はそれぞれ契約書を交わす必要があるとしています。環境省の明文は確認できません。所管の自治体に確認してください(第4章)。
Q3. マニフェストを交付していれば、契約書は要りませんか?
A. 別物です。契約書は令第6条の2第4号の委託基準として契約の時点で取り交わすもの、マニフェスト(産業廃棄物管理票)は法第12条の3に基づき、産業廃棄物の引渡しと同時に、その都度交付するものです。根拠となる条も、義務が生じる時点も違います。
配布テンプレートの第15条は、この関係を確認したうえで、紙の管理票を使うか法第12条の5の電子情報処理組織を使うかの選択、運搬終了時と処分終了時の写しの送付、保存の取扱いを定めています。本契約書はマニフェストを兼ねません。
Q4. 中間処理を頼むだけなのに、最終処分先まで書く必要がありますか?
A. あります。令第6条の2第4号ホが、最終処分を除く処分を委託するときは、その産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地・方法・施設の処理能力を契約書に含めることを定めているためです。
複数あるなら全部書きます。1か所だけ書いて他を省略すると、記載事項を欠きます。別紙2の3を複数行の表にしてあるのは、このためです(第8章)。
Q5. 建設工事で出た廃棄物は、誰が排出事業者になりますか?
A. 元請業者です。法第21条の3第1項は、建設工事が数次の請負によって行われる場合、その建設工事の注文者から直接建設工事を請け負った建設業を営む者(元請業者)を事業者とする、としています。下請業者ではありません。
下請に運ばせている場合も、排出事業者は元請業者のままです。下請負人に運搬させるなら、その下請が収集運搬業の許可を受け、元請業者との間で委託契約を交わしていることが要ります。
法第21条の3には、書面による請負契約で定めるところにより下請負人が自ら運搬を行う場合の特例も置かれています。ただし対象は環境省令で定める廃棄物に限られ、その環境省令は、建築物等の全部又は一部を解体する工事に伴い生ずる廃棄物を対象から外しています。解体工事では、この特例は使えません。
配布テンプレートの第4条第2項に、本契約に係る産業廃棄物が建設工事に伴い生ずる廃棄物かどうか、甲が元請業者かどうかを選ぶ欄を置いてあります。解体工事の側の扱いは、解体工事請負契約書テンプレートに整理してあります。
Q6. 印紙はいくら貼りますか?
A. 税額は、この記事にも配布テンプレートにも書いていません。号が契約書の書き方で変わるためです。契約金額の記載がなければ第7号文書、記載があれば収集運搬と処分の区分と大小で第1号の4文書か第2号文書かが決まります(第14章)。
単価と予定数量を書けば計算できるので、「記載金額なし」にはなりません。国税庁の印紙税額一覧表で確認し、判定は所轄の税務署または税理士にご確認ください。
Q7. 業務委託契約書の書式を流用してはいけませんか?
A. 流用そのものを禁じる条文はありませんが、法定記載事項が並んでいなければ委託基準違反です。一般の業務委託契約書は、民法の委任と請負を前提に作られています。産業廃棄物の種類と数量、最終目的地、処理能力、最終処分、廃棄物データシート、許可証の写しの添付。これらの欄は、そちらにはありません。
Q8. 契約書は何年保存しますか。いつから数えますか?
A. 5年です。令第6条の2第5号が保存を求め、規則第8条の4の3がその期間を5年としています。起算点は締結の日ではなく、契約の終了の日です(配布テンプレートの第20条第3項)。
保存するのは契約書だけではありません。別紙1から別紙4まで、許可証の写し(差し替える前のものを含む)、情報の変更の記録、承諾書の写し、変更の書面も、同じ起算点から保存します(第20条第5項)。
Q9. 電子契約で締結してよいですか?
A. 令第6条の2第4号は「書面により行い」と書いています。一方で、e-文書法に基づく環境省の省令は、別表第二(作成)と別表第一(保存)に令第6条の2第4号を掲げています。
この2つを並べて、所管の自治体に確認してください。この記事では言い切りません。配布テンプレートの第24条第3項が紙と電磁的記録の2択で、第24条第4項に、電磁的記録として作成しようとするときはあらかじめ所管の自治体へ確認する、と書いてあります(第15章)。
18. まとめ:条文の所在を押さえた契約書を1本、引渡しの前に取り交わす
次の引渡しの日が決まっているなら、順に確かめてください。別紙2と別紙3が埋まった契約書があれば、記載事項の話も、印紙の話も、条と別紙を指して進められます。
- 法定記載事項は法第12条第5項ではない。第12条第6項が委任した令第6条の2第4号と、その先の規則第8条の4の2にある
- 省令の側は第1号から第9号まで。第7号(情報変更の伝達)・第8号(終了の報告)・第9号(解除時の未処理)を落とさない
- 第6号はイからト。石綿と水銀はホ、PRTRはヘ、含有マークはニ
- 1本にまとめられるのは、相手が収集運搬業と処分業の両方の許可を持つときだけ
- 三者契約の扱いは自治体で割れている。群馬県は認めず、川崎市はそれぞれ契約書を交わす必要があるとしている
- 別紙2の処理能力の欄を空けたまま締結しない。場所と方法だけでは記載事項を欠く
- 中間処理なら、その先の最終処分の場所・方法・処理能力まで書く。複数あれば全部書く
- 許可証の写しは添付し、更新されたら差し替える。差し替える前の写しも捨てない
- 保存は契約の終了の日から5年(令第6条の2第5号・規則第8条の4の3)。締結の日からではない
- 紙なら課税文書。契約金額の書き方で第7号文書・第1号の4文書・第2号文書に分かれる
- 電磁的記録で作るなら、先に所管の自治体へ取扱いを確認する
先に1本を締結してしまえば、現場から「この廃棄物も一緒に持っていってもらえますか」と言われたときに、別紙1を開いて答えられます。別紙は、引渡しの当日ではなく、締結の前に埋めてください。
産業廃棄物処理委託契約書テンプレートを無料ダウンロード
本記事で解説した産業廃棄物処理委託契約書テンプレート(全24条+別紙4本)を、Word形式で配布しています。
✅ 会員登録不要・メールアドレス入力不要 — ダウンロードしてそのまま編集できます
✅ 法定記載事項を、政令の側と省令の側の両方から立てた全24条 — 第3章の対照表のとおりに条が並んでいます
✅ 冒頭に、乙の許可を2列で確かめる表 — 収集運搬業と処分業の許可番号・有効期限・事業の範囲を突き合わせてから締結できます
✅ 別紙2 処分及び最終処分の明細 — 処理能力の欄つき。最終処分は複数行の表なので、行き先が複数あっても全部書けます
✅ 別紙3 廃棄物データシート — 規則第8条の4の2第6号のイからトまで、性状・変化・混合の支障・含有マーク・石綿と水銀・PRTR・注意事項の欄が並んでいます
✅ 規則第8条の4の2第7号から第9号までの欄つき — 情報の変更の伝達方法、受託業務終了時の報告、解除時の未処理の産業廃棄物の取扱いを、選択肢に印を付けるだけで決められます
✅ 別紙4 許可の更新管理表 — 写しを受領した日、差し替えた日、確認した担当者まで記録できます
✅ 第10条 適正な対価の確認欄 — 料金の水準を確認した方法を残せます
✅ 紙でも電磁的記録でも作れる末尾書式つき — 第24条第4項に、自治体への確認を促す一文を入れてあります
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産業廃棄物の委託契約を電磁的記録で締結してよいかは、所管の自治体の取扱いを先に確認してください(第15章)。
本記事および配布テンプレートは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な事案の適法性や、印紙税の判定については、弁護士・税理士にご確認ください。
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