役員辞任の株主総会議事録テンプレート・雛形|法務局の記載例と辞任届の使い分け
役員辞任に伴う改選の株主総会議事録テンプレート(Word)を無料・会員登録不要でダウンロード。法務局の記載例どおりの議案名は「辞任に伴う改選に関する件」で、辞任承認の件ではありません。辞任届との使い分け、株主リスト、押印と印鑑証明書が要る場面、2週間の登記期限まで解説します。
執筆: ムスビサイン編集部/公開日: (更新: )
無料ダウンロード
役員辞任に伴う改選の株主総会議事録テンプレート
- ファイル形式
- Word
- 料金
- 無料
- 更新日
- 2026-10-12
- 会員登録
- 不要
ダウンロードした時点で「契約書ひな形ダウンロード利用規約」に同意したものとみなします。
この役員辞任に伴う改選の株主総会議事録、印刷・郵送・押印なしでそのまま送れます。
ムスビサインを無料で始める「取締役が辞めると言ってきたが、株主総会の議事録に『役員辞任承認の件』と書いてよいのか分からない」 「辞任届だけで登記できると書いてある解説と、議事録も要ると書いてある解説があり、どちらが自社に当たるのか判断できない」 「後任がまだ決まっていないので、議事録を先に作れるのか知りたい」
辞任に株主総会の決議は要りません(会社法第330条、民法第651条第1項)。この議事録が要るのは、辞任に伴って後任者を選任する場合だけです。後任を選任せず員数も欠かないなら、辞任届だけで登記できます。
配布するのは、役員の辞任に伴って後任者を選任した臨時株主総会の議事録のWordテンプレートです。本体と別紙1の株主リストが1つのファイルに入っていて、会員登録もメールアドレスの入力も要りません。
本体は、法務局が公開している「株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員(取締役)が就任した場合)」の記載例と、上から順に対応させています。
この記事の結論
- 辞任に株主総会の決議は要りません。会社と役員の関係は委任です(会社法第330条、民法第651条第1項)。
- 法務局の記載例の議案名は「取締役の辞任に伴う改選に関する件」。決議するのは後任選任だけです。
- 辞任の登記に出すのは辞任届(商業登記法第54条第4項)。議事録は決議を証する書面です(同法第46条第2項)。
- 後任を選任せず、員数も欠かないなら、この議事録は要りません。
- 株主総会の議事録に押印の義務はありません。印鑑証明書が要るのは、株主総会で代表取締役を定めた場合と、就任承諾書を議事録で援用する場合の2つだけです。
- 株主リストを一緒に出します(商業登記規則第61条第3項)。
- 登記は役員の変更が生じた日から2週間以内(会社法第915条第1項)。議事録に収入印紙は要りません(不課税)。
- 立会人型の電子署名を付けた議事録は、登記のオンライン申請には使えません。
目次
- 役員辞任の株主総会議事録テンプレートの無料ダウンロード
- この議事録が要る場面と、辞任届だけで足りる場面
- 議案名は「辞任承認の件」ではない|辞任は議長の報告として書く
- 配布する議事録の欄割りと、その根拠になる記載事項
- 後任を選任しない/登記が遅れたときに起きること
- 辞任したのが取締役か監査役かで変わる3か所
- 代表取締役の辞任はどちらの議事録か|押印と印鑑証明書が要るのはこの2ケースだけ
- 別紙1の株主リストに誰を何人書くか
- 登記に出す添付書類と、議事録で代えられるもの・代えられないもの
- 収入印紙は要らない|登録免許税と混同しない
- 議事録を電子で作って保管する|オンライン申請に出せるかの線引き
- ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:空欄を埋めて、2週間以内に登記まで通す
1. 役員辞任の株主総会議事録テンプレートの無料ダウンロード
配布しているのは、役員の辞任に伴って後任者を選任した臨時株主総会の議事録です。空欄を埋めて、選ばなかった□の行と使わない議案を削れば、そのまま登記所へ持ち込める形にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書式 | Microsoft Word(.docx) |
| 書類名 | 臨時株主総会議事録(役員の辞任に伴う改選) |
| 対象 | 株式会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は対象外) |
| 構成 | 本体1通+別紙1 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト) |
| 下敷き | 法務局「株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員(取締役)が就任した場合)」の記載例 |
| 役員の種別 | 取締役・監査役・会計参与を1本で切り替え |
| 会員登録 | 不要 |
| メールアドレス入力 | 不要 |
✅ 議案名は法務局の記載例どおり — 第1号議案は「〔役員の種別〕の辞任に伴う改選に関する件」。辞任を決議する形にしていません
✅ 別紙1の株主リストつき — 株主総会の決議を要する登記には添付が必要なので(商業登記規則第61条第3項)、同じファイルに入れました
✅ 後任者の住所欄つき — 申請書で「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する。」と書いて、就任承諾書を省く形に対応します
✅ 押印は□で選ぶ形 — 押さない場合と、実印を押して印鑑証明書を添付する2つの場合を選べます
👉 役員辞任に伴う改選の株主総会議事録テンプレートを無料ダウンロード
2. この議事録が要る場面と、辞任届だけで足りる場面
この議事録が要るのは、辞任に伴って後任者を選任する場合です。後任者を選任せず、会社法と定款で定めた員数も欠かないなら、辞任届だけで登記ができます。
辞任による退任の登記の申請書に添付するのは、退任を証する書面です(商業登記法第54条第4項)。辞任の場合にこれに当たるのが辞任届で、法務局の記載例も添付書類に「(辞任の場合)辞任届」を挙げています。
一方、議事録を添付しなければならないのは、登記すべき事項につき株主総会の決議を要するときです(同法第46条第2項)。
法務局が辞任について用意している記載例も、名称が「株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員(取締役)が就任した場合)」で、後任者の就任を前提にしています。
後任を選ばない選択ができるかは、員数で決まる
後任者を選任しないという判断ができるのは、会社法と定款で定めた員数を欠かないときに限られます。員数には下限があります。
- 株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かなければなりません(会社法第326条第1項)
- 取締役会設置会社においては、取締役は3人以上でなければなりません(同法第331条第5項)
- 監査役会設置会社においては、監査役は3人以上で、そのうち半数以上は社外監査役でなければなりません(同法第335条第3項)
取締役が3人の取締役会設置会社から1人辞任すると、それだけで員数を欠きます。この場合は後任者の選任を避けられないので、議事録が要ります。
定款で役員の人数を定めている会社もあります。登記簿ではなく定款を開いて確かめてください。
この記事の分岐の多くは「取締役会を置いているか」で決まります。これは登記事項なので(会社法第911条第3項第15号)、登記事項証明書の「取締役会設置会社に関する事項」の欄で確かめられます。
監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社であることも登記事項です。定款で見るなら、取締役会を置く旨の定めがあるかどうかです(同法第326条第2項)。
総会を開かずに決めるなら、この議事録は使わない
取締役又は株主が提案をした事項について、議決権を行使することができる株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされます(会社法第319条第1項)。
この場合に登記の申請書へ添付するのは、議事録ではなく、その場合に該当することを証する書面です(商業登記法第46条第3項)。配布テンプレートは総会を開いた前提の1本に絞っているので、書面決議で決めるなら使わないでください。
👉 株主総会の書面決議(みなし決議)の書き方は株主総会議事録テンプレートにまとめています。取締役会の決議のほうを書面で済ませる場合は取締役会の書面決議テンプレートです
💡 役員辞任に伴う改選の株主総会議事録テンプレートを無料配布中
会員登録もメールアドレスの入力も不要で、ボタンをクリックすればWordファイルが保存されます。本体と別紙1の株主リストが1つのファイルに入っています。ダウンロードしたら、まず第1号議案の後任者の欄から決めてください。
3. 議案名は「辞任承認の件」ではない|辞任は議長の報告として書く
ひな形を探すと「役員辞任承認の件」という議案名が出てきます。総会で承認しなければ辞任が効かないように見えますが、そうではありません。
株式会社と役員との関係は、委任に関する規定に従います(会社法第330条)。そして委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができます(民法第651条第1項)。辞任は役員の一方的な意思表示で効力が生じ、総会の承認は要件ではありません。なお、辞任そのものはこれで効力が生じますが、相手方に不利な時期に解除したときは、やむを得ない事由があった場合を除き、損害を賠償しなければならないとされています(同条第2項)。
株主総会の決議が必要なのは解任のほうです。役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができます(会社法第339条第1項)。辞任にこれに対応する規定はありません。
法務局の記載例は「辞任に伴う改選に関する件」
法務局の記載例の議案名は「第1号議案 取締役の辞任に伴う改選に関する件」です。続く議事文はこうなっています。
議長は、取締役○○○○から辞任の申出があったため、後任者の選任の必要がある旨を述べ、その選任方法を諮ったところ、出席株主中から議長の指名に一任したいとの発言があり、一同これを承認した。
辞任は「申出があったため」という議長の報告として現れます。承認の対象になっているのは選任方法の一任で、辞任ではありません。
決議文はそのあとに来ます。
議長は、下記の者を後任者に指名し、この者につきその可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり就任することに可決確定した。
可決確定しているのは後任者の就任だけです。辞任について法務局が公開している記載例(取締役の場合と監査役の場合)に、「役員辞任承認の件」という議案名はありません。
辞任を決議の形で書くと、辞任の効力が総会の決議にかかっているように読めます。配布テンプレートは記載例と同じ建て方にしました。
配布テンプレートの第1号議案
配布テンプレートの第1号議案も、冒頭は議長の報告です。「議長は、〔役員の種別〕〔辞任した役員の氏名〕から辞任の申出があったため、後任者の選任の必要がある旨を述べた。」と書く形にしてあります。
そのあとに辞任の時期を□で選ぶ欄を置きました。辞任届を既に受け取っているなら「〔年月日〕付けの辞任届を既に受領しており、同日をもって辞任した」、総会で辞める形なら「本総会の終結の時をもって辞任する」を選びます。
4. 配布する議事録の欄割りと、その根拠になる記載事項

後任者を選任するために株主総会を開いたら、議事録の作成義務が生じます。株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければなりません(会社法第318条第1項)。何を書くかを定めているのが会社法施行規則第72条第3項で、配布テンプレートの欄はこの各号の順に並べています。
| 配布テンプレートの欄 | 書く内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 冒頭の開催日時・場所 | 開催された日時及び場所。その場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が出席した場合はその出席の方法も | 会社法施行規則第72条第3項第1号 |
| 第1号議案・第2号議案 | 議事の経過の要領及びその結果 | 同規則第72条第3項第2号 |
| 報告事項 | 辞任した監査役・会計参与が述べた意見又は発言の内容の概要 | 同規則第72条第3項第3号ホ |
| 報告事項 | 現任の監査役・会計参与が選任、解任又は辞任について述べた意見の概要 | 同規則第72条第3項第3号ニ |
| 出席取締役・出席監査役・出席会計参与・出席会計監査人 | 出席した取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の氏名又は名称 | 同規則第72条第3項第4号 |
| 議長 | 議長の氏名 | 同規則第72条第3項第5号 |
| 議長兼議事録作成者 | 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名 | 同規則第72条第3項第6号 |
記載例は、この4号から6号までを1行で満たす書き方をしています。出席取締役の欄に「出席取締役 ○○○○(議長兼議事録作成者)」と書き、議長と議事録作成者を括弧書きで特定する形です。
出席の方法まで書く欄がある理由
ウェブ会議で参加した人がいるなら、出席した事実を書くだけでは足りません。
配布テンプレートは冒頭に□を2つ置きました。出席した株主及び役員の全員が同じ場所に出席した場合と、場所にいない者が出席した場合を選ぶ形です。後者を選ぶと「ウェブ会議システムによる出席」のように方法を書く欄が出ます。
議決権の数の欄は定足数のため
役員(取締役、会計参与及び監査役)は、株主総会の決議によって選任します(会社法第329条第1項)。その決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければなりません(同法第341条)。
記載例が議事録の冒頭に株主の総数・発行済株式の総数・議決権を行使することができる株主の議決権の数・出席株主数を並べているのは、この定足数を満たしたことが書面で分かる形にするためです。
自己株式には議決権がありません。配布テンプレートの表には自己株式の数の行を置いてありますが、議決権を行使することができる株主の議決権の数には含めないでください。
出席株主数の欄は「出席株主数(委任状による者を含む。) ○○名」の形です。委任状で出席した株主を落とすと、定足数が足りないように見えます。
💡 会社法施行規則第72条第3項の各号に対応した議事録
会員登録不要・メールアドレス入力不要。開催の日時と場所、出席の方法、議事の経過、出席役員、議長、議事録作成者の欄を、各号の順に並べてあります。空欄を埋めれば記載事項が揃います。
5. 後任を選任しない/登記が遅れたときに起きること
辞任届を受け取ったあと、後任が決まらないまま日が過ぎることがあります。このとき登記簿は動かず、辞めた人が役員のまま残ります。
役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有します(会社法第346条第1項)。
この状態では辞任しても退任の登記ができず、後任者の就任と同時に登記することになります。
放置には過料の定めがある
会社法第976条は、同条の各号に該当する場合に100万円以下の過料に処するとしています。
第22号が挙げているのは、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人が法律又は定款で定めた員数を欠くこととなった場合において、その選任の手続をすることを怠ったときです。取締役が辞任して員数を欠いたまま後任を選ばない状態も、監査役が辞任した場合も、ここに入ります。
登記が遅れたとき
役員に変更が生じたときは、2週間以内に、その本店の所在地において変更の登記をしなければなりません(会社法第915条第1項)。
この法律の規定による登記をすることを怠ったときは、100万円以下の過料です(同法第976条第1号)。負うのは会社ではなく、登記を怠った取締役などの個人になります。
2週間をいつから数えるかは、法務省が「登記の事由が発生したとき」からだとしています。これは登記ごとに別で、就任の登記については「取締役が選任された株主総会決議の日ではなく、当該取締役が就任を承諾した日」になります。後任者が総会の席上で承諾していれば、決議の日と同じです。辞任届を先に受け取っていて総会が後になる場合、辞任の登記の2週間は辞任の日から先に走り始めます。
期限を過ぎても、申請そのものができなくなるわけではありません。法務省は、登記期間を経過していることを事由として申請が却下されることはないとしています。過料の可能性が残るだけなので、気づいた時点で申請してください。
起算点の判断が付かないときは、管轄の登記所にご確認ください。
員数を満たせないとき
どうしても後任者が見つからないときは、裁判所に申し立てる方法があります。役員が欠けた場合又は員数が欠けた場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができます(会社法第346条第2項)。
後任者が決まらない、権利義務役員のまま期間が経過している、辞任の効力そのものが争われているという事情があるなら、議事録を作る前に司法書士又は弁護士にご確認ください。
6. 辞任したのが取締役か監査役かで変わる3か所
監査役が辞任したときも、議事録の建て方は同じです。法務局の監査役向けの記載例も、議案名は「第1号議案 監査役の辞任に伴う改選に関する件」で、取締役版と変わりません。配布テンプレートを1本にまとめているのはそのためです。
変わるのは3か所あります。
① 議案を出す前に、現任監査役の同意が要る
取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければなりません(会社法第343条第1項)。監査役会設置会社では、この同意は監査役会の同意になります(同条第3項)。
辞任した監査役のほかに監査役が残っているなら、議案を出す前に同意を得ます。法務局の監査役の記載例の議事文には、この同意に関する記載がありません。法令上の要件ではあるものの、記載例が議事録への記載を求めているものではないため、配布テンプレートの本文には入れていません。
同意を得た事実は、同意書など別の書面で残してください。
② 辞任した監査役は、総会で理由を述べることができる
会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができます(会社法第345条第2項)。この規定は、監査役を辞任した者について準用されます(同法第345条第4項)。
会社側にも義務があります。取締役は、これらの者に対し、その株主総会を招集する旨及び会社法第298条第1項第1号に掲げる事項を通知しなければなりません(同法第345条第3項)。辞任した監査役に総会の招集を知らせないまま後任者を選任すると、この通知の義務を果たしていないことになります。
述べられた意見又は発言があるときは、その内容の概要を議事録に書く義務があります(会社法施行規則第72条第3項第3号ホ)。配布テンプレートの報告事項の欄は、このためのものです。
記入は「辞任した監査役〔氏名〕が本総会に出席し、辞任した旨及びその理由を述べた。その内容の概要は、〔内容の概要〕のとおりである。」の形になります。述べなかった場合と、取締役の辞任で該当しない場合の□も用意しました。取締役の辞任には、この陳述の規定がありません。
③ 添付書類が違う
法務局の監査役の記載例は、新たに就任する監査役につき、住民票記載事項証明書等の本人確認証明書の添付が必要としています。取締役会を設置していない会社で新たに就任する取締役に印鑑証明書が要るのとは別です。
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある会社では、その定めがあることを証する書面も添付します。記載例が挙げているのは、定款、株主総会議事録、またはその定めがあることを証する代表取締役の作成に係る証明書のいずれかです。
なお、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、役員の区分と選任の手続が異なるため、配布テンプレートの対象外にしています。
7. 代表取締役の辞任はどちらの議事録か|押印と印鑑証明書が要るのはこの2ケースだけ

辞任したのが代表取締役(社長)の場合、まず「取締役も辞めるのか」「代表権だけを降りるのか」で分かれます。
取締役も辞める場合、配布テンプレートの第1号議案はそのまま使えます。役員の種別には「取締役」と書いてください。法務局は、取締役会設置会社で役員が辞任して新たな役員が就任する場合の記載例を別に公開していて、そこでも株主総会の議案名は「取締役及び監査役の辞任に伴う改選に関する件」です。議案名に代表取締役は出てきません。同じ記載例の取締役会議事録には「今般代表取締役○○○○が取締役の辞任により代表取締役の資格を喪失し退任することになるので、改めて当会社の代表取締役を選定したい旨を述べ」とあります。取締役を辞めれば代表取締役の資格は失われる、という整理です。
代表権だけを降りて取締役として残る場合は、配布テンプレートの対象外です。この場合に使う様式を法務局は公開していません。商業登記規則第61条第8項に「代表取締役の辞任による変更の登記」という類型はあるので、登記そのものは存在します。司法書士にご確認ください。
後任の代表取締役をどこで決めるかは、取締役会を設置しているかどうかで分かれます。
取締役会設置会社では、代表取締役の選定及び解職は取締役会の職務です(会社法第362条第2項第3号)。取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません(同法第362条第3項)。後任の代表取締役を決めた記録は、株主総会議事録ではなく取締役会議事録になります。
👉 取締役会の議事録の中身は取締役会議事録テンプレートで解説しています
取締役会を設置していない会社は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができます(同法第349条第3項)。株主総会で定めるなら、配布テンプレートの第2号議案を使ってください。
後任の代表取締役を決めないままだと、辞任により退任した代表取締役が、新たに選定された代表取締役が就任するまで代表取締役としての権利義務を持ち続けます(同法第351条第1項)。取締役の場合と同じ構造です。
配布テンプレートの第2号議案は、この3つを□で選ぶ形にしました。取締役会設置会社と、定款又は互選で定める会社は、第2号議案を付議せず、以下の記載を削除します。
法務局の記載例も、新たな代表取締役が就任する場合の代表取締役の選定に係る添付書類については、別の記載例を参照するよう案内しています。参照先はいずれも役員の全員が重任する場合の様式なので、辞任の様式としてではなく、代表取締役の選定に添える書類の確認に使ってください。
株主総会の議事録に押印の義務はない
株主総会の議事録について、会社法は署名又は記名押印を求めていません。会社法第318条第1項は、法務省令で定めるところにより議事録を作成しなければならないとだけ定めています。
対比になるのが取締役会です。取締役会の議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければなりません(同法第369条第3項)。株主総会の議事録に、これに当たる規定はありません。
法務局の記載例の末尾も「以上の決議を明確にするため、この議事録を作り、議長及び出席役員がこれに記名する。」で終わっています。署名押印ではなく記名です。
👉 記名と署名と押印の違いは記名押印と署名の違いで整理しています
それでも押印が要る2つのケース
1つめは、株主総会の決議によって代表取締役を定めた場合です。このとき申請書に添付するのは、議長及び出席した取締役が株主総会の議事録に押印した印鑑について、市町村長が作成した証明書です(商業登記規則第61条第6項第1号)。
ここで押すのは個人の実印です。法務省は、この印鑑を「市町村に届け出た印鑑」と説明しています。
ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りではありません(同項ただし書)。これに当たるのは、前の代表取締役が総会に出席していて、その人が会社の登記所届出印を議事録に押している場合です。このときは議長と出席取締役の印鑑証明書は要りません。
2つめは、取締役会を設置していない会社で、新たに就任する取締役の就任承諾書について議事録の記載をもって援用する場合です。法務局の記載例は、この場合に議事録に市町村に登録した印鑑を押す必要があるとしています。
配布テンプレートの末尾は、この3択を□で選ぶ形にしました。押印しない場合と、上の2つの場合です。
辞任届の押印は辞任する全員分ではない
辞任届に実印を押して印鑑証明書を添付する必要があるのは、辞任する役員の全員ではありません。
商業登記規則第61条第8項が対象にしているのは、代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役のうち、登記所に印鑑を提出した者がある場合はその印鑑を提出した者、登記所に印鑑を提出した者がない場合は会社の代表者です。
法務局の記載例も、登記所に印鑑を届け出ている取締役が辞任する場合には、辞任届に、登記所届出印又は市町村に登録した印鑑を押す必要があるとしています。登記所届出印を押した場合には、印鑑証明書は不要です。
登記所に印鑑を届け出ていない取締役や監査役が辞任するときは、辞任届に実印を押して印鑑証明書を付ける必要がありません。全員から印鑑証明書を集めようとして手続が止まる例があるので、誰が対象かを先に確かめてください。
8. 別紙1の株主リストに誰を何人書くか
議事録だけを持って行くと足りません。登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に株主リストを添付します(商業登記規則第61条第3項)。
株主リストは、法務省によれば原則として登記申請人(会社の代表者)が作成します。別紙1の作成名義欄が代表取締役になっているのはこのためです。また、議案ごとに作るのが原則ですが、法務省は、各議案を通じて記載する各株主の内容が変わらない場合は、その旨を明記して1通だけ作ることもできるとしています。第1号議案と第2号議案の両方を置くときは、別紙1の対象欄で「全議案」を選んでください。
法務局の記載例も、添付書類に「株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)」を1通挙げています。配布テンプレートは、これを別紙1として同じファイルに入れました。
書く人数は少ないほうに合わせる
同じ第61条第3項が定める人数の基準は2つあります。
- 議決権の多い順に10名まで(第1号)
- その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が3分の2に達するまでの人数(第2号)
このうち少ない人数を書きます。株主が10名に届かない会社では、議決権の割合を上から足して3分の2に達したところで止まります。
同順位の株主が複数いることなどにより10位までの株主が10名以上いる場合は、その株主の全てを任意の形式の別紙に書きます。法務局の記載例は、同順位1位の方が20名いる場合は20名全員を書き、次の方は21位になると説明しています。
出席しなかった株主も書く
議決権を有していれば、株主総会に出席しなかった株主も、議決権を行使しなかった株主も書きます。自己株式等の議決権を有しない株式は書かず、総議決権数にも加算しません。
ここを出席株主だけで作ると、議決権数の割合が議事録の数字と合わなくなります。
名義と証明文
別紙1の末尾は、会社の商号と代表取締役の氏名を書く欄にしてあります。
冒頭の証明文は「次の対象に関する商業登記規則61条2項又は3項の株主は次のとおりであることを証明する。」です。対象の欄には「株主総会」と総会の年月日を書き、議案の欄は全議案か第1号議案を□で選びます。
9. 登記に出す添付書類と、議事録で代えられるもの・代えられないもの
後任者を選任して登記する場合の添付書類です。後任者を選任せず員数も欠かないなら、添付するのは辞任届だけで、議事録と株主リストは要りません。
| 法務局の記載例が挙げる添付書面 | 通数 | 出どころ |
|---|---|---|
| (辞任の場合)辞任届 | 辞任した人数分 | 別に作る |
| 臨時株主総会議事録 | 1通 | 配布テンプレートの本体 |
| 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト) | 1通 | 配布テンプレートの別紙1 |
| 就任承諾書 | 就任する人数分 | 議事録で援用するなら添付しない |
| 印鑑証明書(株主総会で代表取締役を定めた場合の議長及び出席取締役の分) | 必要な人数分 | 市町村で取る |
| 本人確認証明書(新たに就任する取締役・監査役の分) | 必要な人数分 | 住民票記載事項証明書など |
| (会計参与が法人の場合)登記事項証明書 | 1通 | 法務局で取る |
| (会計参与が法人でない場合)公認会計士・税理士であることを証する書面 | 1通 | 本人が用意する |
辞任届は省かずに作る
辞任届は配布テンプレートに入っていません。辞任する本人が作る書面なので、別に用意してください。法務局の記載例の文例は「私は、このたび一身上の都合により、貴社の取締役を辞任いたしたく、お届けいたします。」です。
議事録に「辞任の申出があった」と書いてあれば辞任届は要らないのではないか、という疑問が出ます。退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならないとされていて(商業登記法第54条第4項)、辞任の場合にこれに当たるのが辞任届です。
法務省は、この書面について「辞任届(株主総会議事録に辞任した旨の記載がある場合は、当該株主総会議事録でも可)」としています。議事録で足りる場合がある、ということです。ただし配布テンプレートの議事録は辞任を議長の報告として書く形なので、辞任した本人の意思表示として読めるかは書き方によります。辞任届は1枚で済むので、作っておくほうが確実です。
👉 辞任届の書式は取締役辞任届テンプレートで配布しています
就任承諾書は議事録の記載で代えられる
取締役又は監査役の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければなりません(商業登記法第54条第1項)。会計参与の場合は同条第2項で、就任承諾書のほかに、法人であれば当該法人の登記事項証明書(その登記所の管轄区域内に主たる事務所がある場合を除く)、法人でなければ公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人であること(会社法第333条第1項)を証する書面が必要です。
もっとも法務局の記載例は、株主総会の席上で被選任者が就任を承諾し、その旨の記載及び被選任者の住所の記載が議事録にある場合には、申請書に別途就任承諾書を添付することを要しないとしています。この場合、申請書には「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する。」と記載します。
住所を書かずに援用することはできません。配布テンプレートの第1号議案に後任者の住所の欄があるのはこのためです。監査役の記載例も「監査役 ○県○市○町○丁目○番○号 ○○○○」と、住所を入れた形で書かれています。
援用するか就任承諾書を別に作るかは、□で選べます。どちらを選んでも、取締役の就任による変更の登記では、就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑について市町村長が作成した証明書の添付が必要です(商業登記規則第61条第4項。取締役会設置会社では同条第5項で「代表取締役又は代表執行役」と読み替えます)。
援用する場合は、その印鑑を議事録に押すことになるので、被選任者が議事録に記名して市町村に登録した印鑑を押し、その印鑑証明書を添付してください。判断に迷うなら、援用せずに就任承諾書を別に作るほうが確実です。
👉 就任承諾書側の分岐は取締役就任承諾書テンプレートで解説しています
本人確認証明書は新たに就任する役員の分
新たに就任する取締役又は監査役については、就任を承諾したことを証する書面に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書の添付が必要です(商業登記規則第61条第7項)。住民票記載事項証明書や運転免許証のコピーがこれに当たります。ただし、その人の印鑑証明書を添付する場合は、本人確認証明書は要りません(同項ただし書)。会計参与はこの規定の対象ではありません。
登記すべき事項の書き方
役員の辞任(又は死亡)及び就任の登記は、合わせて1件として申請することができます。
登記すべき事項は「役員に関する事項」「資格」「氏名」「原因年月日」の順です。辞任した役員の原因年月日には辞任の年月日と「辞任」、就任した役員には就任の年月日と「就任」を書きます。
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10. 収入印紙は要らない|登録免許税と混同しない
この議事録に収入印紙を貼る必要はありません。
印紙税は、印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項が記載されている文書に課されます。国税庁は、課税物件表の物件名欄に掲げられていない文書は、印紙税の課税対象になりませんとしています。
この判定基準を当てはめると、株主総会の議事録と別紙1の株主リストは、課税物件表の20種類のどれにも当たりません。国税庁が議事録を名指しして不課税としているわけではないので、自社の書面が課税文書に当たるかの最終の判断は、税理士又は所轄の税務署にご確認ください。
「非課税」とは別の話
課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であっても、特に印紙税を課さないこととされているものがあります。これが非課税で、どの号にも当たらない議事録の不課税とは別の話です。
紛らわしいのは登録免許税
役員変更の登記には登録免許税がかかります。法務局の記載例は、資本金の額が1億円を超える場合は3万円、1億円以下の場合は1万円としています。
この登録免許税は収入印紙又は領収証書で納付するので、登記の申請書には収入印紙を貼ります。貼るのは申請書であって、議事録ではありません。
11. 議事録を電子で作って保管する|オンライン申請に出せるかの線引き
登記の添付書面として出す1通は、紙で作って書面で申請するのがいちばん短い道です。
議事録を電磁的記録で作ること自体は認められています(会社法施行規則第72条第2項)。書面で登記を申請するときは、その電磁的記録を添付します(商業登記法第19条の2)。
ただし添付できるのは法務省令で定めるものに限られ、法務大臣の指定する方式に従って、その情報の作成者が電子署名の措置を講じ、作成者の電子証明書を併せて記録したものでなければなりません(商業登記規則第36条第1項から第4項まで)。WordやPDFのファイルをそのまま記録媒体に入れて出すことはできず、求められる署名と電子証明書はオンライン申請の添付書面情報とほぼ同じです。
オンラインで申請するときは、申請書に添付すべき書面があるときに、当該書面に代わるべき情報にその作成者が電子署名の措置を講じたものを送信します(商業登記規則第102条第2項)。
法務省は、作成者とは作成する権限のあるものでなければならないとしています。電子署名であればどれでもよいわけではなく、作成する権限のある者本人の名義で署名する必要があります。
株主総会議事録なら、議事録の作成に係る職務を行った取締役(会社法施行規則第72条第3項第6号)がこれに当たります。使える電子証明書は、商業登記規則第102条第5項第2号が掲げるもので、会社の商業登記電子証明書、本人のマイナンバーカードの署名用電子証明書、法務大臣が指定した電子証明書などです。なお、オンライン申請でも、添付書面情報の送信に代えて書面を登記所に提出又は送付することが認められています(同規則第102条第2項ただし書)。
ムスビサインは立会人型(事業者署名型)で、署名は事業者名義で付与します。作成する権限のある者本人の名義による電子署名ではないので、添付書面情報には使えません。紙に印刷して提出してください。
👉 方式の違いは電子契約の立会人型と当事者型の違い、電子署名法の要件は電子署名法をわかりやすく解説で解説しています
紙のままで足りる条件
次のどれかに当たるなら、議事録は紙で作って登記所の窓口か郵送で出すのが早いです。法務大臣の定める電子証明書を持っていない、登記のオンライン申請を今回のために初めて使う、辞任した役員や後任者が社内にいて記名を同じ場所で済ませられる、のいずれかです。電子証明書の取得も、オンライン申請の環境も要りません。
電子にする意味が出るのは、登記ではなく社内の回付と保管のほうです。
備置きと閲覧の義務は登記のあとも続く
株式会社は、株主総会の日から10年間、議事録をその本店に備え置かなければなりません(会社法第318条第2項)。支店には、株主総会の日から5年間、その写しを備え置きます(同法第318条第3項)。ただし、議事録を電磁的記録で作成し、支店で閲覧又は謄写の請求に応じられるようにする措置(会社法施行規則第227条第2号。本店のコンピュータから回線を通じて支店のコンピュータに記録する方法)をとっているときは、支店への備置きは要りません(同法第318条第3項ただし書)。
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、議事録の閲覧又は謄写の請求をすることができます(同法第318条第4項)。登記が終われば用済みになる書面ではありません。
議事録は電磁的記録でも作れるので(会社法施行規則第72条第2項)、社内で持つ分はファイルのまま保管して差し支えありません。
社内の回付と証跡に電子契約を使う場合
ムスビサインは、PDFをアップロードしてメールで送るだけで締結できるクラウド型の電子契約サービスです。締結時には、PDF全体へAATL証明書による電子署名と総務大臣認定タイムスタンプを付与します。
議長や出席役員が内容を確認した事実を、誰がいつという形で記録に残す使い方はできます。
注意が1つあります。フリーとスターターは締結後1週間で自動削除されるので、本店に10年間備え置く分は、締結後にダウンロードして会社の保管場所に置いてください。長期保管が必要なものは、ビジネスプランの7年保管を使えます。
12. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順

最初に決めるのは後任者です。誰が後任になるかが決まらないと、第2号議案を置くかどうかも、議事録に押印が必要かどうかも決まりません。
- 第1号議案の役員の種別を書く。取締役・監査役・会計参与のどれかを入れ、辞任した役員の氏名を続ける
- 辞任の時期の□を選ぶ。辞任届を既に受け取っているなら受領の日、総会で辞める形なら本総会の終結の時
- 後任者の氏名と住所を書く。住所まで書けば、申請書に「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する。」と記載して就任承諾書を省けます
- 第2号議案を置くかどうかを□で選ぶ。取締役会設置会社と、定款又は互選で代表取締役を定める会社は付議せず、以下の記載を削除する
- 報告事項の□を選ぶ。取締役の辞任なら「該当しない」を選び、報告事項ごと削除する
- 冒頭の議決権の数と出席役員を埋める。出席株主数には委任状による者を含める
- 開催の日時・場所と議長を埋め、出席の方法の□を選ぶ
- 閉会の時刻と、末尾の記名を埋める
- 押印の□を選ぶ
- 別紙1の株主リストを作る。株主の行は必要な人数分だけ増やす
埋め終えたら、選ばなかった□の行と、使わない議案及び報告事項を削除してから登記所へ提出してください。
記入例
第1号議案の議長の報告は「議長は、取締役山田太郎から辞任の申出があったため、後任者の選任の必要がある旨を述べた。」のようになります。
後任者の欄は「取締役 東京都千代田区○○一丁目○番○号 佐藤花子」の形です。役員の種別・住所・氏名の順で、住所を省かないでください。
別紙1の対象の欄は「株主総会等又は総株主の同意等の別」に「株主総会」、「上記の年月日」に総会を開いた日を書きます。
申請書は法務局の様式を使う
配布テンプレートに登記申請書は入っていません。様式の名称は「株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員(取締役)が就任した場合)」で、法務局が公開しています。監査役が辞任した場合の様式も別に用意されています。
提出の前に、辞任届と、援用しない場合の就任承諾書、印鑑証明書か本人確認証明書がそろっているかを確かめてください。
13. よくある質問(FAQ)
Q1. 取締役の辞任に株主総会の決議は必要ですか?
A. 要りません。株式会社と役員との関係は委任に関する規定に従い(会社法第330条)、委任は各当事者がいつでも解除をすることができます(民法第651条第1項)。株主総会の決議が必要なのは解任のほうです(同法第339条第1項)。議事録が要るのは、辞任に伴って後任者を選任する場合です。
Q2. 後任者の任期は、前任者の残りの期間になりますか?
A. 原則として新しく始まります。取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法第332条第1項)。監査役は選任後4年以内です(同法第336条第1項)。
公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、定款によって取締役の任期を選任後10年以内まで伸長できます(同法第332条第2項)。補欠の役員の任期を前任者の残任期間とする定めを置いている会社もあるので、定款を確認してください。
Q3. 辞任届を出してくれないまま辞めてしまいました。議事録だけで登記できますか?
A. 法務省は、辞任を証する書面について「辞任届(株主総会議事録に辞任した旨の記載がある場合は、当該株主総会議事録でも可)」としています。議事録で足りる場合がある、ということです。ただし配布テンプレートは辞任を議長の報告として書く形なので、本人の意思表示として読めるかは書き方によります。まずは辞任届を書いてもらってください。
本人に辞任届を書いてもらうか、連絡が取れないのであれば司法書士にご確認ください。
Q4. 同じ日に2人が辞任しました。議事録は分けて作りますか?
A. 1通にまとめられます。第1号議案に辞任した役員と後任者を並べて書いてください。役員の辞任及び就任の登記は合わせて1件として申請できるので、申請書も1件です。
Q5. 議事録に押印しなくても登記できますか?
A. 次の2つに当たらなければ、押印しなくても登記できます。株主総会の議事録に署名又は記名押印を求める会社法の規定はありません。押印した印鑑の証明書が必要になるのは、株主総会の決議によって代表取締役を定めた場合です(商業登記規則第61条第6項第1号)。
もう1つ、取締役会を設置していない会社で就任承諾書を議事録の記載で援用する場合は、法務局の記載例が議事録に市町村に登録した印鑑を押す必要があるとしています。この2つに当たらないなら押印は不要です。定款に記名押印の定めがある会社は、その定めに従ってください。
Q6. 株主総会を開いていません。この議事録を使えますか?
A. 使えません。株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、株主総会の決議があったものとみなされます(会社法第319条第1項)。この場合の議事録の記載事項は、議事の経過や出席者ではなく、決議があったものとみなされた事項の内容などに変わります(会社法施行規則第72条第4項第1号)。
登記の申請書に添付するのも、議事録ではなく、その場合に該当することを証する書面です(商業登記法第46条第3項)。株主の同意の書面又は電磁的記録は、決議があったものとみなされた日から10年間、本店に備え置きます(会社法第319条第2項)。
Q7. 「役員辞任承認の件」と書いた議事録を作ってしまいました。作り直しますか?
A. 作り直すかどうかは管轄の登記所の判断になるので、提出の前に確認してください。確かなのは、辞任について法務局が公開している記載例にこの議案名が無いことです。記載例の議案名は「取締役の辞任に伴う改選に関する件」で、辞任は議長の報告として書かれています。これから作るなら、記載例と同じ建て方にしてください。
Q8. 議事録に収入印紙は必要ですか?
A. 要りません。株主総会の議事録は、印紙税法別表第1(課税物件表)の20種類のどれにも当たらないので不課税です。収入印紙を貼るのは登記の申請書のほうで、登録免許税を納付するためです。
14. まとめ:空欄を埋めて、2週間以内に登記まで通す
役員に変更が生じたときは、2週間以内に本店の所在地で変更の登記をしなければなりません(会社法第915条第1項)。法務省は、この2週間を「登記の事由が発生したとき」から数えるとしています。
- 辞任に株主総会の決議は要らない。会社と役員の関係は委任で(会社法第330条)、委任はいつでも解除できる(民法第651条第1項)
- 株主総会の決議が要るのは解任のほう(会社法第339条第1項)
- 記載例の議案名は「取締役の辞任に伴う改選に関する件」。辞任は議長の報告で、決議は後任選任だけ
- 辞任の登記に出すのは辞任届(商業登記法第54条第4項)。議事録は決議を証する書面(同法第46条第2項)
- 後任を選任せず、員数も欠かないなら議事録は要らない
- 員数を欠くと辞任した役員が権利義務を持ち続け、退任の登記ができない(会社法第346条第1項)
- 記載事項は会社法施行規則第72条第3項。場所にいない出席者は出席の方法まで書く
- 押印が要るのは、株主総会で代表取締役を定めた場合(商業登記規則第61条第6項第1号)と、就任承諾書を議事録で援用する場合
- 辞任届の印鑑証明書は、登記所に印鑑を提出した者などに限られる(商業登記規則第61条第8項)
- 株主リストを一緒に出す。人数は10名か3分の2に達するまでの少ないほう(商業登記規則第61条第3項)
- 後任者の住所を書けば就任承諾書を援用できる。住所が無いと援用できない
- 議事録に収入印紙は要らない。課税物件表のどの号にも当たらないので不課税
- 本店に10年間、支店に5年間の備置きが続く(会社法第318条第2項・第318条第3項)
- 立会人型の電子署名を付けた議事録は、登記のオンライン申請の添付書面情報には使えない
後任者がまだ決まっていないなら、先にテンプレートを開いて第1号議案の後任者の欄を見てください。
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本記事で解説した臨時株主総会議事録(役員の辞任に伴う改選)を、Word形式で配布しています。
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✅ 法務局の記載例と上から対応 — 「株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員(取締役)が就任した場合)」の議事録の記載例に合わせました
✅ 議案名は「辞任に伴う改選に関する件」 — 辞任を決議する形にしていません
✅ 取締役・監査役・会計参与を1本で切り替え — 役員の種別を書き換えるだけで、監査役の辞任にも使えます
✅ 辞任の時期を□で選ぶ形 — 辞任届を既に受領している場合と、本総会の終結の時に辞任する場合に対応します
✅ 後任者の住所欄つき — 申請書で就任承諾書を援用する書き方に対応しています
✅ 第2号議案は3択の□ — 株主総会で代表取締役を定める場合、取締役会で選定する場合、定款又は互選で定める場合から選べます
✅ 報告事項の欄つき — 辞任した監査役・会計参与の意見の陳述を、会社法施行規則第72条第3項第3号ホの形で書けます
✅ 冒頭に株主の数と議決権の数の欄 — 役員選任の決議の定足数を満たしたことを、登記官が確認できる形で書けます
✅ 出席の方法の欄つき — ウェブ会議で出席した役員や株主がいる場合の記載欄を用意しました
✅ 押印は3択の□ — 押さない場合と、印鑑証明書の添付が必要になる2つの場合を選べます
✅ 別紙1 株主リスト — 法務局の様式と同じ「証明書」の形で、代表取締役名義で作成できます
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