駐車場使用契約書テンプレート・雛形|管理組合・従業員用・来客用の3通りに使える
駐車場使用契約書テンプレート(全33条・別紙5本)を無料配布。会員登録不要でWordをダウンロード可能。国税庁の4類型による印紙の判定、消費税、無償で使わせる場合の条文、管理組合・従業員用・来客用の埋め方まで解説します。
公開日: (更新: )
無料ダウンロード
駐車場使用契約書テンプレート
- ファイル形式
- Word
- 料金
- 無料
- 更新日
- 2026-09-14
- 会員登録
- 不要
ダウンロードした時点で「契約書ひな形ダウンロード利用規約」に同意したものとみなします。
この駐車場使用契約書、印刷・郵送・押印なしでそのまま送れます。
ムスビサインを無料で始める「マンションの駐車場を区分所有者に使わせているが、契約書は賃貸借でよいのか」 「従業員用の駐車場を無料で使わせている。辞めた人が置き続けたら、どの条文で出てもらうのか」 「区画を貸すだけの契約書に、収入印紙は貼るのか」
駐車場の書式を探すと、出てくるのは賃貸借契約書ばかりです。しかし国税庁は印紙税の質疑応答事例で表題そのものを「駐車場使用契約書」とし、区画を決めて特定の車両を駐車させる契約書は不課税、駐車場としての設備のない更地を貸す契約書は第1号の2文書として課税、と扱いを分けています。
この記事では、駐車場使用契約書のWordテンプレート(全33条・別紙5本)を、会員登録不要でダウンロードできる形で配布します。管理組合の駐車場、企業の従業員用、来客用のどれにも、選択肢を選ぶだけで合わせられる作りです。
この記事の結論
- 駐車場使用契約書テンプレートは、この記事から会員登録不要でダウンロードできる(Word形式・全33条)
- 国税庁は駐車場の契約書を4つの態様に分けている。区画を決めて特定の車両を駐車させる型は不課税
- 設備のない更地を有償で貸し付けるなら第1号の2文書。記載金額のない契約書として200円(無償なら賃借権の設定に当たらない)
- 区画線・舗装・フェンス・車両の管理があると、印紙は不課税になり、消費税は課税になる
- 不課税の類型でも、保証金の受領文言を入れると乙が所持するものが第17号の2文書になる
- 無償にすると使用貸借。期間も目的も定めなければ貸主はいつでも解除できる(民法598条2項)
- 管理組合は、専有部分を譲渡・貸与したら使用契約が効力を失う条項を必ず置く
- 従業員用は、退職・異動・通勤許可の取消しのどれで終わらせるかを第22条第3項で選ぶ
目次
- 駐車場使用契約書テンプレートの無料ダウンロード
- 使用契約書と賃貸借契約書のどちらを使うか|国税庁の4類型で決める
- 配布する契約書の全33条と、管理組合・従業員用・来客用の使い分け
- 冒頭の「使用区画の表示」で印紙と消費税が決まる
- 使用料は有償・無償・実費の3択|無償を選ぶと適用条文が入れ替わる
- 印紙税|区画を決めて駐車させる型は不課税。ただし保証金の受領文言で第17号の2文書が生まれる
- 消費税|区画・舗装・フェンス・車両の管理があれば使用料は課税になる
- マンション管理組合の埋め方|使用細則との二層と、専有部分を売ったときの失効
- 従業員用の埋め方|退職・異動で終わらせる条文と、通勤手当の駐車場等料金相当額
- 来客用の埋め方|契約書を交わさない運用と、免責条項の限界
- 保管責任をどちらで書くか|無人の区画貸しと駐車券運用で前提が違う
- 出ていってもらうとき|解約・解除・無断駐車の割増金・放置車両
- 車庫証明に使えるようにしておく|承諾証明書を別紙で同梱する理由
- 紙のままで足りる場合と、電子で交わしたほうがよい場合
- ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
- 駐車場使用契約書についてよくある質問
- まとめ:駐車場使用契約書を「区画を使わせる契約」として作る
1. 駐車場使用契約書テンプレートの無料ダウンロード
先にファイルを手元に置いてから読み進めると、どの条文の話をしているかがすぐ分かります。
👉 駐車場使用契約書テンプレートを無料ダウンロード(Word形式)
配布するのは、駐車させる場所(施設)を使わせる型の契約書です。区画を定めず、駐車場としての設備のない更地を土地として貸す場合は、駐車場賃貸借契約書テンプレートのほうを使ってください。判定のしかたは次の章で説明します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書式 | Word(.docx)/本文 全33条+別紙5本 |
| 想定する当事者 | マンション管理組合、企業(従業員用・来客用)、店舗、地主 |
| 対価の型 | 有償・無償(使用貸借)・公租公課相当額のみ の3択 |
| 選択式の欄 | 施設の状況、契約の類型、更新、保証金、保管責任、終了事由、原状回復ほか |
| 収入印紙 | 貼付欄なし(区画を定めて駐車させる型は不課税) |
| 別紙 | 配置図・使用車両届・使用細則・保管場所使用承諾証明書・利用規程 |
2. 使用契約書と賃貸借契約書のどちらを使うか|国税庁の4類型で決める

書類の名前で迷ったまま書き始めると、印紙と消費税の両方を間違えます。使用契約書と賃貸借契約書は、同じものの言い換えではありません。
分ける軸は「有償か無償か」ではなく、土地を貸すのか、駐車させる場所を使わせるのかです。国税庁は印紙税の質疑応答事例で、駐車場の利用を内容とする契約書を態様に応じて次のように取り扱うとしています。
| 国税庁が挙げる態様 | 印紙税の取扱い | 使う書式 |
|---|---|---|
| (1) 駐車場として土地を賃貸借するもの | 土地の賃借権の設定に関する契約書(第1号の2文書)=課税。記載金額のない契約書なら200円 | 駐車場賃貸借契約書テンプレート |
| (2) 車庫を賃貸借するもの | 賃貸借に関する契約書(不課税文書) | この記事のテンプレート |
| (3) 駐車場の一定の場所に特定の車両を有料で駐車させるもの | 賃貸借に関する契約書(不課税文書) | この記事のテンプレート |
| (4) 車を寄託(保管)するもの | 物品の寄託契約書(不課税文書) | この記事のテンプレート(第16条で保管責任を負う側を選ぶ) |
この整理は、令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくものとして公表されています。
(1)と(2)(3)を分ける判定語は、国税庁のタックスアンサーにあります。駐車する場所として、いわゆる駐車場としての設備のない更地を貸し付ける場合の賃貸借契約書は第1号の2文書に当たる、という書き方です。
裏返せば、区画を引いて駐車場という施設として使わせるなら、駐車場という施設の賃貸借契約書であって印紙税の課税対象になりません。
判定は自分の駐車場を見れば済みます。区画線があるか、地面を舗装しているか、フェンスや車止めがあるか、係員が車両を管理しているか。ひとつでも当てはまれば、この記事のテンプレートです。
どれにも当てはまらない更地であれば、土地の賃貸借です。その場合は既存の賃貸借用テンプレートに戻ってください。
なお、借地借家法第1条は、建物の所有を目的とする地上権・土地の賃借権と、建物の賃貸借について定める法律だと自ら書いています。駐車場の使用契約には及ばないので、更新拒絶に正当事由が要るという建物賃貸借の仕組みは働きません。
3. 配布する契約書の全33条と、管理組合・従業員用・来客用の使い分け
ファイルを開くと第1条から第33条まで並んでいます。全部を読み込む必要はありません。自分で決める欄がどこかだけ分かれば、埋めるのは早く済みます。
| まとまり | 条 | 決めること |
|---|---|---|
| 何を使わせるか | 第1条〜第4条 | 目的、駐車場と区画の表示、契約の類型、使用車両の届出 |
| いつまで | 第5条・第6条 | 使用期間、更新するかどうか |
| いくら | 第7条〜第10条 | 使用料と支払方法、改定、保証金、無償の場合の特則 |
| 使い方のルール | 第11条〜第15条 | 用法遵守、第三者への使用禁止、禁止事項、費用負担、管理と一時使用停止 |
| 事故が起きたら | 第16条〜第19条 | 保管責任、損害賠償と免責、事故の報告、任意保険 |
| 手続 | 第20条・第21条 | 車庫証明のための書面の交付、届出事項の変更 |
| 終わらせ方 | 第22条〜第28条 | 失効と終了事由、解約、解除、遅延損害金、無断駐車、放置車両、明渡し |
| 一般条項 | 第29条〜第33条 | 反社会的勢力の排除、使用細則等の遵守、通知、協議、合意管轄 |
別紙は5本あります。使わないものは削除して配って構いません。
- 別紙1 駐車場及び使用区画の表示:配置図の貼付欄と、施設の状況のチェック欄
- 別紙2 使用車両届(兼 変更届):所有者・登録番号・車種・保険の証券番号・緊急連絡先
- 別紙3 駐車場使用細則:マンション管理組合が総会にかけるための細則の様式
- 別紙4 保管場所使用承諾証明書:車庫証明のために貸す側が書いて渡す書面
- 別紙5 駐車場利用規程:来客用など、契約書を交わさず掲示で運用する場合の様式
同じファイルで、次の3種類の運用に対応できます。選ぶ欄が違うだけです。
| 選ぶ欄 | マンション管理組合 | 企業の従業員用 | 来客用 |
|---|---|---|---|
| 第3条第1項(類型) | 有償 | 有償または無償 | 契約書を交わさず別紙5で運用 |
| 第6条(更新) | 入替え制なら更新しない | 期間満了で更新か再申込み | 掲示に利用時間を書く |
| 第16条第1項(保管責任) | 負わない | 負わない | 負わない |
| 第22条(終了) | 第2項(専有部分の譲渡・貸与で失効) | 第3項(退職・異動・許可の取消し) | 利用時間の超過 |
| 使う別紙 | 別紙1〜別紙4 | 別紙1・別紙2・別紙4 | 別紙5 |
💡 駐車場使用契約書テンプレート(Word・全33条+別紙5本)
会員登録もメールアドレスの入力も不要です。管理組合・従業員用・来客用のどれにも使えるように、施設の状況・契約の類型・保管責任・終了事由を選択式にしてあります。ダウンロードしたら、まず第2条第2項と第3条第1項の印を付けてください。
4. 冒頭の「使用区画の表示」で印紙と消費税が決まる
印紙を貼るかどうかも、使用料に消費税を乗せるかどうかも、第2条第2項のチェック欄で決まります。ここを空欄のまま配ってしまうと、あとから判断のしようがありません。
チェック欄は次の形になっています。
本駐車場の施設の状況(該当するものにすべて印を付ける) □ 駐車の用に供する部分に、区画線その他の方法による区画を設けている。 □ 駐車の用に供する部分の地面を、舗装その他の方法により整備している。 □ 本駐車場にフェンス、門扉、車止めその他の工作物又は建物を設置している。 □ 甲又は甲の委託を受けた者が、駐車する車両の管理を行っている。 □ 上記のいずれにも該当しない(区画、整備及び工作物がなく、車両の管理も行っていない更地である)。
上の4つのどれかに印が付けば、契約書は印紙税の課税対象にならず(不課税)、使用料には消費税が課されます。いちばん下だけに印が付いた場合は逆で、契約書は土地の賃借権の設定に関する契約書(第1号の2文書)として印紙税の課税対象になり、使用料は消費税の非課税になります。
消費税の側の根拠は条文にあります。消費税法施行令第8条は、土地の貸付けから除かれる場合として、貸付けに係る期間が1か月に満たない場合と、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合を挙げています。
消費税法基本通達は、駐車場として土地を利用させた場合に、地面の整備やフェンス・区画・建物の設置をしていないとき(車両の管理をしている場合を除く)は、その土地の使用は土地の貸付けに含まれるとしています。
つまり、区画線を引いた瞬間に消費税は課税へ、印紙は不課税へ動きます。舗装済みの月極駐車場で区画番号を振っているなら、ほぼこちら側になります。
記入例を挙げます。アスファルト舗装で白線を引いた平置きの駐車場、係員はいない、という場合はこうなります。
☑ 駐車の用に供する部分に、区画線その他の方法による区画を設けている。 ☑ 駐車の用に供する部分の地面を、舗装その他の方法により整備している。 □ 本駐車場にフェンス、門扉、車止めその他の工作物又は建物を設置している。 □ 甲又は甲の委託を受けた者が、駐車する車両の管理を行っている。
この状態なら印紙は不要で、使用料は消費税の課税対象です。第7条第1項の「この額は、消費税及び地方消費税を[含む/含まない]」の欄を必ず埋めてください。
同じチェック欄は別紙1にも再掲してあります。両者が食い違ったときは第2条の記載が優先すると第2条第3項に定めてあるので、別紙だけ直して満足しないようにしてください。
5. 使用料は有償・無償・実費の3択|無償を選ぶと適用条文が入れ替わる
使用料の欄に0円と書けば無償の契約になる、とはなりません。金額をゼロにしても、契約の性質を決める条文は切り替わらないからです。
そこで第3条第1項に3つの選択肢を置いてあります。
- 有償:民法第601条の賃貸借になる。第7条から第9条までが働き、第10条は使わない
- 無償:民法第593条の使用貸借になる。第7条から第9条までを使わず、第10条が働く
- 公租公課相当額のみを負担させる:第7条から第9条までを使わず、第10条が働く
無償で使わせると出ていってもらいにくくなりそうに思えますが、条文はむしろ逆です。民法第598条第2項は、期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主はいつでも契約の解除をすることができると定めています。
民法第597条第3項により、使用貸借は借主の死亡によって終了します。賃借権のように相続されません。
危ないのは、期間を定めずに「使用及び収益の目的」だけを書いたときです。民法第597条第2項により、使用貸借は借主が目的に従い使用及び収益を終えることによって終了します。
さらに民法第598条第1項により、貸主が解除できるのは、その目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときです。「乙が甲の従業員である間」と書けば、それは目的を定めたことになります。
第10条第2項で「使用及び収益の目的を定めない」と「定める」を選ばせているのは、この分岐があるためです。退職で終わらせたいなら、目的として書くのではなく第22条第3項の終了事由として書いてください。
書面にすることの意味も、直感と逆向きです。民法第593条の2は、貸主は借主が借用物を受け取るまで契約の解除をすることができるとしたうえで、書面による使用貸借についてはこの限りでないとしています。
タダで貸すのだから紙は要らない、ではありません。書面を交わすこと自体が、借りる側にとっての保護になります。
費用と原状回復にも差が出ます。使用貸借では民法第595条により借主が通常の必要費を負担します。第14条第2項はこれを書いたものです。
原状回復はさらに注意が要ります。賃貸借の原状回復を定める民法第621条には、通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化を除くという括弧書きがありますが、使用貸借について定める民法第599条第3項にはこの括弧書きがありません。第28条第3項で範囲を選べるようにしてあるのは、そのためです。
民法第600条により、契約の本旨に反する使用によって生じた損害の賠償と、借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければなりません。明け渡してもらった日に区画の状態を写真で残しておいてください。
有償を選んだときは、第5条第1項の期間を必ず埋めます。民法第617条により、期間を定めない賃貸借はいつでも解約の申入れができますが、終了までに法律の定める期間の経過が必要になるからです。
3つ目の「公租公課相当額のみ」は、判断が分かれる選択肢です。国税庁の個別通達は、土地の借受者と所有者との間に公租公課に相当する金額以下の金額の授受があるにすぎないものは使用貸借に該当するという考え方を示しています。
ただしこの通達は建物等の所有を目的とする土地の借受けを対象にしたもので、更地の駐車場を直接扱ってはいません。負担させる額がいくらまでなら使用貸借かは事情によって変わるため、税理士にご確認ください。
6. 印紙税|区画を決めて駐車させる型は不課税。ただし保証金の受領文言で第17号の2文書が生まれる
区画を決めて駐車させる契約書に、印紙は要りません。ところが保証金の欄を埋めた途端に、話が変わります。
先に印紙税の用語を整理しておきます。不課税は、課税物件表のどの文書にも当たらないという意味で、区画を決めて駐車させる契約書はこちらです。非課税は、課税物件表に掲げられたうえで税額が課されないという意味で、この記事では管理組合が保証金を受け取ったときの受取書がこちらに当たります。どちらも税額はゼロですが、ゼロになる理由が違います。
さて、保証金です。国税庁は、車庫の賃貸借・一定の場所に特定の車両を有料で駐車させるもの・車の寄託について、保証金の受領文言がある場合には、賃借人が所持するものについて第17号の2文書に該当することになるとしています。納税義務者は賃貸人、つまり貸す側です。
印紙が不要な類型でも、契約書に「保証金として金◯◯円を預かる」と書けば、乙が持つほうの書面に印紙が必要になります。第9条第1項で「甲は、保証金を預からない」を選べば、この問題は起きません。
ここで、甲がマンション管理組合の場合は結論が変わることがあります。国税庁は、第17号文書の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には非課税となるとしています。
同じタックスアンサーは、人格のない社団が公益および会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には営業にならない、としています。法人でない管理組合が法人税法上の人格のない社団等に該当するという整理は、国税庁の文書回答事例で照会者が前提として示したものです。
不課税だった契約書が保証金の文言で第17号の2文書に転び、管理組合であることで非課税に落ちる、という二段構えになります。
ただし、人格のない社団等が収益事業に関して作成する受取書は営業になります。空き区画を区分所有者以外に貸している場合は判断が分かれるので、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
第2条第2項で「いずれにも該当しない」に印を付け、かつ第3条第1項で有償を選んだ場合、つまり更地を有償で貸す場合は、契約書が第1号の2文書になります。第1号の2文書は「地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書」なので、無償(使用貸借)を選んだ場合はここに当たりません。その場合でも、記載されているのが月額の使用料だけであれば、記載金額のない契約書として200円です。国税庁の印紙税額一覧表が、第1号文書のうち「契約金額の記載のないもの」を200円としているためです。
土地の賃借権の設定に関する契約書の記載金額は、権利金など後日返還されることが予定されていない金額を指します。保証金や賃貸料は記載金額に当たりません。
7. 消費税|区画・舗装・フェンス・車両の管理があれば使用料は課税になる
使用料を決めるときに迷うのが、消費税を乗せるかどうかです。土地の貸付けは非課税だと聞いていると、駐車場も同じだろうと考えてしまいます。
出発点は、土地の譲渡や貸付けが消費税の非課税になるというルールです。
しかし国税庁は、駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合は消費税が課される、としています。具体的には、駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場としての地面の整備またはフェンス・区画・建物の設置などをして駐車場として利用させる場合が挙げられています。
区画線・舗装・フェンス等の工作物・車両の管理のうち、どれかひとつでも当てはまるなら、使用料は消費税の課税対象です。印紙が不課税になった理由と、消費税が課税になる理由は、どちらも「土地ではなく施設を使わせている」という同じ一点にあります。
短期の貸出しにも注意が必要です。土地の貸付けであっても、貸付期間が1か月に満たない場合は消費税が課されます。イベントのときだけ空き地を臨時駐車場として貸す、という運用はここに落ちます。
やることは決まっています。第7条第1項の「この額は、消費税及び地方消費税を[含む/含まない]」を選び、月額をどちらの意味で書いたのかを相手と一致させてください。区画数が多いほど、あとからの取り違えが効いてきます。
ここで、管理組合だけは結論が変わります。国税庁は、マンション管理組合はその居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しないとしたうえで、駐車場の貸付けについて、組合員である区分所有者に対する貸付けに係るものは不課税となりますが、組合員以外の者に対する貸付けに係るものは消費税の課税対象となります、としています。
つまり、組合が組合員に区画を使わせるぶんには消費税は乗りません。第7条第1項で「含まない」を選ぶ前に、相手が組合員かどうかを先に確かめてください。空き区画を外部に貸している場合は、そちらだけが課税対象になります。
なお、使用料が課税の対象になることと、甲に消費税の納税義務があるかどうかは別の話です。納税義務の有無や申告のしかたは、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
8. マンション管理組合の埋め方|使用細則との二層と、専有部分を売ったときの失効
理事会で駐車場の話になると、まず「そもそも契約書があるのか」から始まります。実は、国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)には、駐車場使用契約書のひな型そのものが載っています。
同規約第15条第1項は、管理組合は別添の図に示す駐車場について、特定の区分所有者に駐車場使用契約により使用させることができる、としています。賃貸借契約ではなく使用契約という建て付けです。配布物はこの形に合わせてあります。同規約の最終改正は令和7年10月17日です。
コメントに載っているひな型の本文は、契約期間、月額使用料と納入期限、駐車場使用細則の遵守、常時駐車する車両の所有者・車両番号・車種の届出、の4項目だけです。骨としては正しいのですが、これだけを配ると事故のときに何も書いていない状態になります。
足りない部分は、同じコメントが言葉で書いています。車両の保管責任は管理組合が負わない旨を契約または細則に規定することが望ましい。管理費や修繕積立金の滞納等の規約違反の場合に契約を解除できる旨、または次回の選定時の参加資格をはく奪できる旨を定めることもできる。配布物の第16条第1項と第24条第3項は、この2つを条文にしたものです。
そして、削ってはいけない条文が1本あります。同規約第15条第3項は、区分所有者がその所有する専有部分を他の区分所有者または第三者に譲渡・貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う、と定めています。
部屋を売ったときに駐車場の使用権が買主に引き継がれないのは、この条項があるからです。配布物の第22条第2項がこれに対応しています。ここを消すと、退去した元区分所有者が区画だけ持ち続ける形になりかねません。
規約と使用契約の二層にしておくのには理由があります。建物の区分所有等に関する法律第30条は、建物やその敷地・附属施設の管理または使用に関する区分所有者相互間の事項を規約で定めることができるとしています。
そして同法第46条は、規約及び集会の決議が区分所有者の特定承継人に対しても効力を生ずるとしています。規約は買主にも及ぶ一方で、駐車場使用契約だけを失効させられる、という設計がここから出てきます。
使用料の決め方にも指針があります。同規約第29条は、駐車場使用料その他の使用料を、それらの管理に要する費用に充てるほか修繕積立金として積み立てる、としています。値上げの説明はここから組み立てられます。
金額そのものについては、コメントが、駐車場が全戸分ない場合等には近傍の同種の駐車場料金と均衡を失しないよう設定すること等により区分所有者間の公平を確保することが必要である、としています。相場を持ち出す前に、この物差しを議案に書いてください。
規約や細則の変更で使用料を改定する場合は、決議要件を確認します。区分所有法第31条第1項は、規約の設定・変更・廃止を、集会において出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議によってするとしています。
同項は、規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならないとも定めています。何が特別の影響に当たるかは事案によって判断が分かれるため、弁護士にご確認ください。
空き区画を区分所有者以外に貸す場合は、税務が絡みます。国税庁の文書回答(回答年月日は平成24年2月13日)が扱ったのは、区分所有者の使用希望がない場合にのみ外部使用を行うこととし、区分所有者から使用希望があったときは一定の期間(例えば3か月)以内に外部使用者が明け渡さなければならない、という条件を設けている場合です。
この前提のもとで、外部使用部分のみが収益事業に該当するという照会者の見解を、照会に係る事実関係を前提とする限り差し支えないとしています。
配布物の第22条第5項は、この条件を契約書に置くための欄です。実際の判定は事実関係によって変わるので、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
最後にひとつ。管理組合が区分所有者に使わせる契約が消費者契約法にいう消費者契約に当たるかどうかは、解釈が分かれています。第17条の免責と第25条の遅延損害金の書き方に迷うときは、弁護士にご確認ください。
9. 従業員用の埋め方|退職・異動で終わらせる条文と、通勤手当の駐車場等料金相当額

従業員用の駐車場で問題になるのは、退職後です。退職者の車が置かれたままでも、契約書に何も書いていなければ、出てもらう根拠がありません。
そこで第22条第3項に、終了事由を3つ用意してあります。使うものに印を付けてください。
- 乙が退職その他の事由により甲の役員または従業員でなくなったとき
- 乙が異動により本駐車場を利用しない事業所に勤務することとなったとき
- 甲が乙に対する自動車による通勤の許可を取り消したとき
無償で使わせる場合は、第10条第2項で「使用及び収益の目的を定めない」を選びます。ここに「甲の従業員である間」と書くと、民法第597条第2項の目的を定めたことになり、目的に従い使用及び収益を終えるまで、または足りる期間が経過するまで解除ができなくなります。
退職で終わらせたいなら、目的の欄ではなく終了事由の欄に書いてください。
従業員から駐車場代を徴収するなら、就業規則の側も確認してください。労働基準法第89条は、常時十人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を義務付けています。
同条第5号は労働者に食費・作業用品その他の負担をさせる定めをする場合の事項を、第10号は事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合の事項を挙げています。マイカー通勤のルールを全社に適用するなら、契約書1枚では足りないことがあります。
通勤手当の非課税限度額も、駐車場と関係します。国税庁のタックスアンサーNo.2585(令和8年4月1日現在法令等)は、マイカー・自転車などを使用して通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額が、片道の通勤距離や駐車場の利用の有無などに応じて定められている、としています。
一定の要件を満たす駐車場等を利用している人(片道の通勤距離が2キロメートル未満の人を除きます)については、距離に応じた金額と、1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)との合計額が限度額になります。ここでいう一定の要件を満たす駐車場等とは、勤務する場所の周辺、または通勤のために利用する交通機関の駅・停留所その他の施設の周辺にあるものです。
根拠条文は所得税法施行令第20条の2第3号です。限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。駐車場代を給与から引くのか、手当として渡すのかで扱いが変わるため、実際の計算は税理士または所轄の税務署にご確認ください。
事故が起きたときの会社の責任も気になるところです。民法第715条は、ある事業のために他人を使用する者が、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うとしています。自動車損害賠償保障法第3条は、自己のために自動車を運行の用に供する者の責任を定めています。
契約書の側でできる手当ては3つです。第19条で任意保険の加入水準を決め、第11条で用法遵守を書き、第18条で事故の報告義務を課す。業務のために従業員の車を運転させるかどうかは、駐車場の契約とは別に社内規程で定めてください。
💡 従業員数十人分でも、選択肢を選ぶだけで揃います
会員登録不要でWordファイルをダウンロードできます。第22条第3項の終了事由と第3条第1項の類型を選び、第10条第2項の目的欄を「定めない」にすれば、従業員用の1枚が完成します。別紙2の使用車両届はそのまま回覧に使えます。
10. 来客用の埋め方|契約書を交わさない運用と、免責条項の限界
来客に契約書を書かせるわけにはいきません。それでも、車をぶつけられたときに「何も決めていなかった」では困ります。
このために別紙5の駐車場利用規程を同梱してあります。国土交通省の駐車場管理規程例は、第2条で「駐車場の利用者は、この規程を承認のうえ駐車場を利用するものとする」という形をとっています。別紙5の1はこれに合わせたものです。
使い方は簡単で、出入口その他の利用者が見やすい場所に掲示します。利用できる者、利用時間、料金の有無、禁止事項、保管責任、免責、引取りの請求、問合せ先までを1枚に収めてあります。
気をつけたいのは免責の書き方です。消費者契約法第8条第1項は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項を無効としています。
さらに同法第8条第3項は、責任の一部を免除する条項であっても、事業者・その代表者・その使用する者の重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていないものは無効とすると定めています。
つまり「当駐車場内の事故については一切の責任を負いません」という掲示は使えません。別紙5の7から9まで、および本文の第17条が「故意又は重大な過失がある場合を除き」としているのは、このためです。国土交通省の駐車場管理規程例の免責条項(第25条)も、同じ書き方をしています。
もうひとつ、駐車場法の届出が要るかどうかも確認しておきます。同法第2条第2号は、路外駐車場を、道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものと定義しています。
同法第11条は、路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が500平方メートル以上であるものの構造及び設備について技術的基準を定めています。同法第12条は、都市計画区域内において、その路外駐車場でその利用について駐車料金を徴収するものを設置する者に、あらかじめ都道府県知事等への届出を義務付けています。
同法第13条は、路外駐車場管理者に管理規程の届出を義務付けています。社員専用や来客専用で一般公共の用に供するものでなければ、路外駐車場に当たりません。判断に迷うときは、都道府県または市の担当課にご確認ください。
掲示だけでは足りず、利用の条件をもっと細かく示したい場合は、規約の形にする方法もあります。
11. 保管責任をどちらで書くか|無人の区画貸しと駐車券運用で前提が違う
車上荒らしに遭った、隣の車にドアをぶつけられた。連絡が来るのは管理者です。そのときに何を答えられるかは、第16条第1項でどちらに印を付けたかで決まります。
選択肢は2つです。
- 甲は、車両の保管責任を負わない。本駐車場は、乙が自己の責任において車両を駐車する場所であり、甲は、車両の入出庫の管理、監視及び鍵の預かりを行わない
- 甲は、乙に駐車券その他の証票を交付したときから当該証票を回収するときまで、車両の保管責任を負う
無人で区画だけを使わせているなら、上を選びます。マンション標準管理規約のコメントも、車両の保管責任について管理組合が負わない旨を駐車場使用契約または駐車場使用細則に規定することが望ましい、としています。
一方、駐車券や定期駐車券を発行して出入りを管理しているなら、前提が違います。国土交通省の駐車場管理規程例第22条は、管理者は利用者に駐車券を渡したときから同券を回収するときまで車両の保管責任を負う、としています。国が作ったモデルは「保管責任なし」ではありません。
同規程例は続けて、出庫の際に駐車券を回収して車両を出庫させた場合は、故意または重大な過失がある場合を除き責任を負わないとし、車両の保管に当たり善良な管理者としての注意を怠らなかったことを証明する場合等を除いて、車両の時価と損害の程度を考慮して損害を賠償するとしています。配布物の第16条第2項と第3項は、この形に合わせてあります。
どちらが正しいという話ではなく、前提が違うだけです。無人の区画貸しでは保管責任を負わない書き方が標準で、有人で券を扱う運用に同じ文言を貼ると、実際にやっていることと契約書が食い違います。実際にやっているほうに合わせて選んでください。
積載物と取付物については、どちらを選んでも第17条第3項で免責にしてあります。同規程例も、駐車場に駐車する車両の積載物または取付物に関する損害について賠償の責を負わないとしています。
無人の月極駐車場を前提にした保管責任の書き方は、賃貸借用の記事のほうがくわしく扱っています。
12. 出ていってもらうとき|解約・解除・無断駐車の割増金・放置車両
使用料が止まった、区画に別の車が入っている、契約が終わったのに車が残っている。配布物では、この3つをそれぞれ別の条文で扱っています。
まず、相手からの解約です。第23条第1項の予告期間は空欄で配っています。相場を書いていないのは、区画数や地域によって適切な長さが変わるためです。
予告期間に足りない通知で解約したときは、第23条第2項により予告期間相当の使用料を払う建て付けです。乙が個人で消費者契約法の適用があるときは、この額は同法第9条第1項第1号により、同種の契約の解除に伴い甲に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効になります。無断駐車の割増金と違って、こちらは「解除に伴う」ものなので同号の対象です。無償で使わせている場合は、民法第598条第3項により借主はいつでも解除できるので、予告期間を課しても働きません。第23条第3項がその確認です。
管理者からの解除は、催告するものとしないものに分けてあります。第24条第1項は、使用料の滞納、届出義務違反、用法違反、細則違反について、相当の期間を定めて催告し、是正されないときに解除できるとしています。滞納の月数は空欄です。
第24条第2項は、無断転貸、反社会的勢力に関する違反、破産手続開始等の申立て、施設や他人の車両の故意の損傷について、催告なしで解除できるとしています。無償で使わせている場合の用法違反・無断使用は、民法第594条第3項が解除を認めているため、第24条第4項で直ちに解除できるようにしてあります。
遅延損害金の割合も空欄です。ただし上限があります。乙が個人で消費者契約法の適用があるときは、同法第9条第1項第2号により、年14.6%の割合を乗じて計算した額を超える部分が無効になります。第25条第2項にこの確認を置いてあります。
無断駐車と区画外駐車の違約金は、第26条第2項で「金額を書く」と「定めを置かない」を選べます。金額を書くときは、民法第420条第3項により違約金が賠償額の予定と推定されることを踏まえてください。
物差しになるのが国のモデルです。国土交通省の駐車場管理規程例第17条は、所定の駐車料金を支払わないで出庫したときに、所定の駐車料金のほかにその2倍相当額の割増金を収受するとしています。国が作った規程例でも2倍です。掲示に高額な金額を書けば、そのまま請求できるというものではありません。
自分の区画に他人の車が入っていた場合も、実力行使はしないでください。第26条第3項は、乙が無断駐車を見つけたときは甲に通知するものとし、自ら車両を移動したり運転者に実力を行使したりしてはならないとしています。
放置車両については、第27条に手順を書いてあります。国土交通省の駐車場管理規程例に置かれた流れに合わせたものです。
- 通知または駐車場における掲示の方法で、指定する日までに車両を引き取ることを請求する
- 引取りがされないときは、期限を定めて引取りを催告する
- 催告をした日から3か月を経過した後、通知または掲示によって予告する
- 公正な第三者を立ち会わせて、車両の売却・廃棄その他の処分をする
契約にこの条項を置くことと、実際に処分してよいかどうかは別の問題です。相手の所有物を自分の判断で処分すると、あとから損害賠償を求められることがあります。第27条第4項にも書いてあるとおり、実行する前に必ず弁護士に相談してください。
明渡しと原状回復は第28条です。第3項で、通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化を原状回復の対象に含めるかどうかを選びます。無償で使わせていた場合は、原状回復の範囲が賃貸借と違います。賃貸借の規定にある「通常の使用及び収益によって生じた損耗」を除く旨の括弧書きが、使用貸借について定める民法第599条第3項には無いためです。ここを空欄にしないでください。
13. 車庫証明に使えるようにしておく|承諾証明書を別紙で同梱する理由
契約したその日に「車庫証明の紙をください」と言われます。
条文から確認します。自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則第1条第2項第1号は、申請書に添付する書面として、自動車の保有者が当該申請に係る場所を保管場所として使用する権原を有することを疎明する書面を挙げています。
条文は「疎明する書面」としか定めておらず、保管場所使用承諾証明書という様式は法令に置かれていません。だから、何を出せばよいかが都道府県で分かれます。
警視庁は、保管場所が貸し駐車場の場合の書類として保管場所使用承諾証明書を挙げ、この書類は申請者等が作成することはできないとしています。使う側が自分で書けない以上、貸す側が書いて渡すしかありません。配布物に別紙4を入れてあるのはこのためです。第20条は、この交付を契約上の義務として定めています。
大阪府警察は、保管場所使用承諾証明書のほか、駐車場賃貸借契約書の写し(全ページ)または領収書でも申請できるとしています。その書類で、契約者氏名・住所、駐車場名、駐車場の住所、契約の枠番号、領収年月日が確認できることを求めています。
第2条第1項と別紙1にこれらの項目を持たせているのは、契約書の写しで申請する運用に合わせるためです。ただし大阪府警察は、契約書の契約内容によっては使用できないことがあるとも書いています。承諾証明書も一緒に用意しておくのが安全です。
静岡県警察は、自動更新となる契約の駐車場賃貸借契約書の写しには、自動更新されていることを疎明する書類(更新通知書、申請日直近の賃借料の領収証等)を添付または提示するよう求めています。
第6条第1項で「申出がないときは更新される」を選ぶと、車庫証明のたびにこの手間が発生します。定期的に契約書を作り直す運用なら、更新しない選択肢のほうが窓口では楽になります。
第20条第3項の発行手数料は空欄です。無料にするか金額を書くかを、配る前に決めておいてください。様式そのものは申請先の警察署が公表しているものを確認してから作成します。
14. 紙のままで足りる場合と、電子で交わしたほうがよい場合

最初にはっきりさせておきます。この類型の契約書そのものは不課税なので、電子にしても浮く印紙代はありません。区画を決めて駐車させる契約書には、そもそも印紙を貼らないからです。例外は2つで、第9条で保証金を預かる場合(第6章のとおり乙が所持するものが第17号の2文書になります)と、設備のない更地を有償で土地として貸す場合です。
事情が違うのは、設備のない更地を土地として貸す場合です。そちらは第1号の2文書に当たるので、書面で交わせば印紙が要ります。
👉 電子契約なら印紙税が不要になる理由と根拠(この記事の類型ではなく、更地を土地として貸す第1号の2文書の話です)
では、駐車場の使用契約を電子で交わす意味はどこにあるか。事務のほうです。
- 役員交代をまたぐ引き継ぎ:締結の記録が残るので、理事が毎年入れ替わっても、誰といつ何を交わしたかを引き継ぎの丁寧さに頼らずに確認できます(締結済みPDFの原本は当事者の手元に残す設計です)
- 定期的な入替え制:期間の満了ごとに全区画を締結し直す運用でも、郵送と回収の往復がなくなります
- 入退去のたびの差し替え:区分所有者の入替わりや車の買替えのたびに、別紙2の届出と契約書を同じ経路で処理できます
- 従業員数十人分の一斉更新:期日を決めて一度に送り、返ってきていない人だけを追えます
受け取る側にアカウント登録を求めないので、区分所有者や従業員に新しい手続を覚えてもらう必要もありません。
一方で、紙のままで足りる場面もあります。無理に電子へ寄せる必要はありません。
- 車庫証明の窓口が紙の承諾証明書を求める場合。警視庁は保管場所使用承諾証明書について申請者等が作成することはできないとしているので、貸す側が印刷して渡す運用がいちばん確実です
- 区画が数台で、相手が同じ建物の中にいる場合。手渡しのほうが早く終わります
- 来客用のように、そもそも契約書を交わさず掲示と規程で運用する場合。別紙5だけで足ります
ムスビサインは、PDFをアップロードしてメールで送るだけで締結できるクラウド型の電子契約サービスです。立会人型(事業者署名型)で電子署名法第3条に対応し、締結したPDFにAATL証明書による電子署名と総務大臣認定タイムスタンプを付与します。
💡 契約書は無料、締結の手段はあとから選べます
テンプレートのダウンロードに会員登録は要りません。Wordで内容を確定させてからPDFにすれば、紙で交わしても電子で交わしても同じ文面が使えます。第33条の後にある成立の証明方法の欄で、記名押印にするか電子署名にするかを選んでください。
15. ダウンロードしたテンプレートの使い方手順
埋める順序を守ると、前の条で決めたことが次の条の判断材料になります。上から順に手を動かしてください。
- 第2条第1項を埋める:駐車場の名称、所在地、区画番号、区画の形式(平置き・機械式・立体自走式・屋根付き等)、駐車できる車両の長さ・幅・高さ・重量の制限を書きます
- 別紙1に配置図を貼る:区画の位置に印を付けます。図がないと、隣の区画との争いが起きたときに何も示せません
- 第2条第2項に印を付ける:区画線・舗装・工作物・車両の管理のうち、当てはまるものすべてに印を付けます。ここで印紙と消費税が決まります
- 第3条第1項で類型を選ぶ:有償なら第7条から第9条まで、無償または公租公課相当額のみなら第10条が働きます
- 第5条の期間と第6条の更新を決める:有償を選んだなら期間を必ず書きます。車庫証明の窓口を考えると、自動更新は避けたほうが手間が減ります
- 第7条を埋める:月額と支払期日、振込先、日割りの有無、そして消費税を含む額かどうかを選びます
- 第9条の保証金を決める:預かると書くと、契約書のうち乙が所持する1通が印紙税の第17号の2文書になります(納税義務者は甲)
- 第16条第1項の保管責任を選ぶ:実際の運用に合わせます。無人なら負わない、駐車券を扱うなら負う、です
- 第22条から第24条までの終了と解除を選ぶ:管理組合は第22条第2項と第24条第3項、会社は第22条第3項を必ず見ます
- 空欄の数字を決める:第23条第1項の予告期間、第24条第1項の滞納月数、第25条第1項の遅延損害金、第26条第2項の違約金、第27条第3項の期間、第20条第3項の手数料です
- 第33条の合意管轄を選ぶ:甲の主たる事務所の所在地、甲の本店所在地、当事者が合意する裁判所の3択です
- 管理組合は総会にかける:契約書の様式と別紙3の使用細則を議案にします。マンション標準管理規約のコメントも、契約書の様式を駐車場使用細則に位置付け、あらかじめ総会で合意を得ておくことが望ましいとしています
- 相手に別紙2を書いてもらう:使用車両届が返ってきたら、第20条の求めに応じて別紙4の保管場所使用承諾証明書を交付します
- 署名または記名押印をする:紙で交わすか、PDFにして電子署名を付けるかを、末尾の成立の証明方法の欄で選びます
使わない別紙は削除して構いません。来客用だけを運用するなら、別紙5を印刷して掲示するところから始めてください。
16. 駐車場使用契約書についてよくある質問
Q1. 駐車場使用契約書と駐車場賃貸借契約書は、名前が違うだけですか?
A. 違います。国税庁は駐車場の利用を内容とする契約書を態様に応じて分けており、駐車場として土地を賃貸借するものは第1号の2文書として印紙税の課税対象になります。一方、駐車場の一定の場所に特定の車両を有料で駐車させるものは不課税です。区画や舗装があるかどうかで扱いが変わります。
Q2. この契約書に収入印紙は貼りますか?
A. 区画を定めて特定の車両を駐車させる型であれば貼りません。課税物件表のどの文書にも当たらない不課税だからです。第2条第2項で「いずれにも該当しない」に印を付けた場合、つまり設備のない更地を貸す場合は第1号の2文書になり、記載金額のない契約書として200円になります。
Q3. 保証金を預かると印紙が要ると聞きました。本当ですか?
A. 本当です。国税庁は、印紙税が不課税となる駐車場の類型でも、保証金の受領文言があれば乙が所持する1通が第17号の2文書に当たるとしています。納税義務者は貸す側です。第9条第1項で「保証金を預からない」を選べば生じません。甲がマンション管理組合で、公益および会員相互間の親睦等の非営利事業に関する受取であれば、その受取書は印紙税法上の「営業に関しない受取書」として非課税になります。ただし収益事業に関する受取書は営業に当たるため、空き区画の外部貸しがあるときは税理士にご確認ください。
Q4. 駐車場の使用料に消費税は乗せますか?
A. 乗せます。区画線・舗装・フェンス等の工作物のいずれかがあるか、車両の管理を行っている駐車場なら、使用料は消費税の課税対象です。国税庁は、車両の管理を行っている場合や、地面の整備・フェンス・区画・建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には消費税が課される、としています。土地の貸付けが消費税の非課税とされるのは、こうした施設がない場合です。第7条第1項で、月額が消費税を含む額かどうかを必ず選んでください。
Q5. 従業員に無料で使わせています。退職したら出ていってもらえますか?
A. 出てもらえます。第22条第3項で退職を終了事由に選んでおけば、その事由で終わります。注意が要るのは第10条第2項で、ここに「甲の従業員である間」と目的を書くと、民法第597条第2項により目的に従い使用及び収益を終えるまで終了しない形になります。目的は定めず、終了事由の欄に書いてください。
Q6. 区分所有者が部屋を売ったら、駐車場の使用権も買主に移りますか?
A. 移りません。マンション標準管理規約第15条第3項は、区分所有者が専有部分を譲渡または貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約が効力を失うとしています。配布物の第22条第2項がこれに対応しています。買主が使いたい場合は、改めて申込みと選定の手続を経ることになります。
Q7. 無断駐車に「1回◯◯円」と掲示すれば、その金額を請求できますか?
A. 掲示や契約書に金額を書いても、そのまま取れるとは限りません。民法第420条第3項により違約金は賠償額の予定と推定されます。同条第1項は、損害賠償の額を予定できるとだけ定めており、裁判所がその額を増減できない旨の定めは置かれていません。なお、消費者契約法第9条第1項第1号が上限を課しているのは「解除に伴う」損害賠償の額の予定や違約金なので、解除を伴わない無断駐車の割増金はこの号の対象ではありません。国土交通省の駐車場管理規程例でも、割増金は所定の駐車料金の2倍相当額です。
Q8. 契約が終わったのに車が残っています。処分してよいですか?
A. 自分の判断で処分しないでください。第27条には、催告をした日から3か月を経過した後、予告したうえで公正な第三者を立ち会わせて処分するという手順を置いてあります。国土交通省の駐車場管理規程例に合わせたものです。ただし条項を置くことと実行できることは別です。相手の所有物を自分の判断で処分する前に、必ず弁護士にご相談ください。
17. まとめ:駐車場使用契約書を「区画を使わせる契約」として作る
まずテンプレートをダウンロードして、第2条第2項のチェック欄から埋めてみてください。ここに印を付けた瞬間に、印紙と消費税の答えが同時に出ます。
- 分ける軸は有償か無償かではなく、土地を貸すのか、駐車させる場所を使わせるのか。国税庁は駐車場の契約書を4つの態様に分けている
- 区画線・舗装・フェンス・車両の管理があれば、印紙は不課税、使用料は消費税の課税。設備のない更地なら第1号の2文書で、記載金額がなければ200円
- 不課税でも保証金の受領文言を入れると、乙が所持するものが第17号の2文書になる。預からないなら起きない
- 無償にすると使用貸借。期間も目的も定めなければ貸主はいつでも解除でき(民法第598条第2項)、借主の死亡でも終わる(同法第597条第3項)
- 書面にすると貸主は引渡し前の解除ができなくなる(民法第593条の2)。電磁的記録を書面とみなす規定は使用貸借に無いので、電子なら第10条第4項で合意しておく
- 管理組合は、専有部分の譲渡・貸与で使用契約が失効する条項を削らない。規約は買主にも及び、使用契約だけを失効させられる
- 従業員用は、退職・異動・通勤許可の取消しのどれで終わらせるかを第22条第3項で選ぶ。目的欄には書かない
- 保管責任は運用に合わせる。無人の区画貸しなら負わない、駐車券で出入りを管理するなら国のモデルは負う建て付け
- 車庫証明の承諾証明書は申請者本人が作れない。別紙4を交付する運用にしておく
駐車場使用契約書テンプレートを無料ダウンロード
マンション管理組合、企業の従業員用、来客用のどれにも、選択肢を選ぶだけで合わせられる1枚です。
✅ 会員登録・メールアドレス入力が不要 — ボタンを押すとWordファイルがすぐ保存されます
✅ Word形式(.docx)でそのまま編集できる — 使わない条文や別紙は削除して配れます
✅ 本文 全33条+別紙5本 — 契約書だけでなく、細則・車両届・承諾証明書・掲示用の規程まで揃います
✅ 施設の状況が□のチェック式 — 区画線・舗装・工作物・車両の管理に印を付けると、印紙と消費税の判定がそのまま残ります
✅ 契約の類型が□の3択 — 有償・無償・公租公課相当額のみを選ぶと、適用される条文が入れ替わります
✅ 無償を選んだときの特則つき — 使用及び収益の目的を定めるかどうかで終了と解除がどう変わるかを条文にしてあります
✅ 保管責任が□の2択 — 無人の区画貸しと、駐車券で出入りを管理する運用の両方に対応します
✅ 終了事由が運用別に用意されている — 専有部分の譲渡・貸与での失効と、退職・異動・通勤許可の取消しを選べます
✅ 放置車両の手順を条文化 — 引取りの請求から公正な第三者の立会いまで、国のモデルに合わせた流れを置いてあります
✅ 別紙4 保管場所使用承諾証明書 — 申請者本人が作れない書面を、契約と同時に交付できます
✅ 別紙5 駐車場利用規程 — 来客用のように契約書を交わさない運用は、掲示するだけで始められます
✅ 収入印紙の貼付欄なし — 区画を定めて駐車させる型は不課税のため、貼る必要がありません
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※本記事は掲載時点の法令・通達に基づいています。印紙税・消費税・所得税の取扱いは個別の事情によって結論が変わりますので、税務の判断は税理士または所轄の税務署に、契約内容の適法性や放置車両の処分については弁護士に、車庫証明の書類については申請先の警察署にご確認ください。
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